参考文献 - 筑波大学哲学・思想専攻

講義「宗教哲学」:参考文献(作成中:2010 年 12 月 16 日現在)
●「宗教哲学」とは何か、「宗教哲学」の成立史、「宗教哲学」の多様性、「宗教哲学」の
展望と課題など
1)石田慶和・薗田坦(編)『宗教学を学ぶ人のために』世界思想社、1989 年
2)佐々木亮「宗教哲学の現状と課題」(石田慶和・薗田坦(編)『宗教学を学ぶ人のため
に』世界思想社、1989 年、pp.47-69 所収)
3)石田慶和「宗教学の展望」(石田慶和・薗田坦(編)『宗教学を学ぶ人のために』世界
思想社、1989 年、pp.206-222 所収)
4)小山宙丸・田丸徳善・峰島旭雄(編著)『宗教の哲学』北樹出版社、1989 年
5)田丸徳義「宗教哲学の立場」
(小山ほか(編著)
『宗教の哲学』北樹出版社、1989 年、pp.10-21
所収)
6)小山宙丸「宗教哲学と神学──ヘブライズムとヘレニズムの交渉」(小山ほか(編著)
『宗教の哲学』北樹出版社、1989 年、pp.22-38 所収)
7)峰島旭雄「仏教の宗教哲学」
(小山ほか(編著)
『宗教の哲学』北樹出版社、1989 年、pp.39-51
所収)
8)藤田富雄『宗教哲学』大明堂、1966 年
9)量義治『〈改訂版〉宗教の哲学』(放送大学教材)財団法人放送大学教育振興会,1996
年(新装版『宗教哲学入門』講談社(講談社学術文庫)、2008 年)
10)山本誠作、長谷正當(編)『現代宗教思想を学ぶ人のために』世界思想社、1998 年
11)Ph.L. Quinn & Ch. Taliaferro (eds.): A Companion to Philosophy of Religion, Malden(USA)
1
/Oxford(UK)/Carlton(Australia): Blackwell Publishing 2004( 1997).
12)P.L.Griffiths: Comparative philosophy of religion, in: Ph.L. Quinn & Ch. Taliaferro (eds.): A
Companion to Philosophy of Religion, Malden(USA)/Oxford(UK)/Carlton(Australia):
1
Blackwell Publishing 2004( 1997), pp.615-620.
13)D. Pereboom: Early modern philosophical theology, in: Ph.L. Quinn & Ch. Taliaferro ( eds.):
A Companion to Philosophy of Religion, Malden(USA)/Oxford(UK)/Carlton(Australia):
1
Blackwell Publishing 2004( 1997), pp.103-110.
14)M. Westphal: The emergence of modern philosophy of religion, in: Ph.L. Quinn & Ch.
Taliaferro (eds.): A Companion to Philosophy of Religion, Malden(USA)/Oxford(UK)
1
/Carlton(Australia): Blackwell Publishing 2004( 1997), pp.111-117.
●古典的宗教哲学
Ⅰ)I・カント
1
2
1)I・カント『純粋理性批判』( 1781, 1787)
2)I・カント『実践理性批判』(1788)
3)I・カント『判断力批判』(1790)
4)I・カント『単なる理性の限界内における宗教』(1793)
(何れも、理想社および岩波書店から刊行されている「カント全集」に収められているほ
か、上の 1 と 2 は、岩波文庫でも読むことができる。
5)小牧治『カント』清水書院(センチュリーブッックス 人と思想シリーズ 15)、1967 年
6)岩崎武雄『カント(新装版)』勁草書房、1997 年
-1-
7)宇都宮芳明『カントと神』岩波書店、1998 年
(5 と 6 は「宗教哲学」にはほとんど立ち入っていないが、カント哲学の基礎を簡潔に説
明している入門書。7 は宗教哲学を中心にカントの全哲学を論じた専門書。レベルは高い
が、分かりやすく書かれている。特に後半が本講義に役立つはず。)
8)Paul Abela: Immanuel Kant, in: Chad Meister & Paul Copan (eds.): The Routlegde Companion
to Philosophy of Religion, Abingdon: Routledge, 2007, pp.148-159.
9)David Mills Daniel: Briefly: Kant's Religion within the Boundaries of Mere Reason, London:
SCM Press, 2007.
(8 と 9 は英語だが、簡潔にまとめられており読みやすい。また、いずれも「宗教哲学」
に焦点を絞っており、特に 9 は『単なる理性の限界内における宗教』の要約が中心で、こ
れを理解する上で必要な基本的情報がうまく整理してあげられている。著者はスコットラ
ンドのリーズ大学の教育学部の研究員を務めた人で、中等教育の教員も務めた人。このシ
リーズは、高等学校以上の学校を卒業した一般の人を対象にしたもの。)
10)氷見潔『カント哲学とキリスト教』近代文藝社、1996 年
11)中島義道『悪について』(岩波新書)岩波書店、2005 年
(10 は、4 の全般に関するおそらく日本語では唯一の研究書。11 は、4 において展開され
る「根本悪」論──キリスト教の「原罪」論に相当する──に関する優れた研究書である
が、4 の第一篇の範囲内でのみ議論が展開され、カントのそれとは明らかに異なる独自の
結論が導かれている。)
Ⅱ)J・G・フィヒテ
1)J・G・フィヒテ『啓示とは何か──あらゆる啓示批判の試み』法政大学出版局、1996
年
2)J・G・フィヒテ『浄福なる生への導き』平凡社、2000 年
3)福吉勝男『フィヒテ』清水書院(センチュリーブックス 人と思想シリーズ 90)、1990 年
4)大峯顕「絶対者の探究」(大峯顕『永遠なるもの──歴史と自然の根底』法藏館、2003
年、pp.119-146 所収)
5)大峯顕「フィヒテにおける神と自己」(大峯顕『永遠なるもの──歴史と自然の根底』
法藏館、2003 年、pp.147-166 所収)
Ⅲ)F・シュライアマハー
1)F・シュライエルマッハー(著)、高橋英夫(訳)『宗教論──宗教を軽んずる教養人
への講話』筑摩書房、1991 年
2)シュライエルマッハー(著)、木場深定(訳)『独り語る』理想社、1980 年
3)F.シュライアマハー(著)、加藤常昭、深井智明(訳)『神学通論(1811 年/1830 年)』
教文館、2009 年
4) F.シュライエルマッハー(著)、今井晋(訳)『キリスト教信仰(抄)』(『現代キリスト
教思想叢書 1』白水社、1974 年、pp.124-196 所収)
5)深井智明「解題 シュライアマハーと『神学通論』」(F.シュライアマハー(著)、加藤
常昭、深井智明(訳)『神学通論(1811 年/1830 年)』教文館、2009 年、pp.269-305
所収)
6)木場深定「解説」
(シュライエルマッハー(著)、木場深定(訳)
『独り語る』理想社、1980
-2-
年、pp113-135 所収)
7)木場深定「友情・恋愛・結婚──シュライエルマッハーの場合──」(シュライエル
マッハー(著)、木場深定(訳)『独り語る』理想社、1980 年、pp.137-180 所収)
(1~4 は、シュライアマハーの著作の邦訳書。4 は主著 Der Christliche Glaube の第二版
(1830/1831 年)の抄訳で、その「序論」と「キリストの人格」を収めている。5~7 は、
その邦訳書に付された訳者による解説。5 は、『神学通論』理解に向けて執筆されたかな
り詳細な解説であるが、『神学通論』の範囲を越えて、シュライアマハーの思想全体の理
解にも役立つ。)
8)B.A.ゲリシュ(著)、松井睦(訳)『シュラエイエルマッハー──近代神学の父』新教出
版社、2000 年
9)W・H・プレーガー(著)、増淵幸男(訳)『シュライアーマッハーの哲学』玉川大学
出版部、1998 年
10)増淵幸男『シュライアーマッハーの思想と生涯──遠くて近いヘーゲルとの関係』玉
川大学出版部、2000 年
11)ジェームズ・デューク、フランシス・S・フィオレンツァ(著)、松井睦、上田彰(訳)
『シュライエルマッハーの神学』ヨベル、2008 年
(11 は、後半にシュライアマハーの「リュッケへの手紙」を収録している。これは上記 7
の『キリスト教信仰』に対する厳しい批判に対する弁明を友人への手紙にしたためたもの
で、主著に対する著者本人による解説の意義を有している。)
12)川島堅二『F・シュライアマハーにおける弁証法的思考の形成』本の風景社/ブッキ
ング、2005 年
13)Friedo Ricken, Über die Hindernisse und das Wesen der Religion: Friedrich Schleiermacher,
in: Friedo Ricken, Religionsphilosophie, Stuttgart: Verlag W. Kohlhammer, 2003,
S.161-191.
14)Markus Schröder: Das "unendliche Chaos" der Religion. Die Pluralität der Religionen in
Schleiermachers 'Reden' (in: Ulrich Barth und Claus-Dieter Osthövener (Hrsg.): 200
Jahre "Reden über die Religion": Halle, 14.-17. Marz 1999, Berlin/New York: Walter de
Gruyter, 2000), S.585-608.
15)カール・バルト「11 シュライエルマッハー」(『カール・バルト著作集 13 十九世
紀のプロテスタント神学 下』(新教出版社、2007 年)11-75 頁所収)
(12 は高度な専門書。13 はドイツ語の宗教哲学入門書のなかの一章であるが、よくまと
まっていて分かりやすい。14 は本講義でも扱う宗教の多元性、宗教多元主義とシュライ
アマハーの関係を考える上で有益な論文だが、かなり高度。15 は、これもやはり本講義
で取り上げる弁証法神学の立場からのプロテスタント神学史の一部としてのシュライアマ
ハー論。)
Ⅳ)G・W・F・ヘーゲル
1)ヘーゲル『精神現象学』(『精神の現象学』)
2)へーゲル『宗教哲学』(『宗教哲学講義』)
3)ヘルマン・ノール(編)、久野昭、水野建雄(訳)
『ヘーゲル初期神学論集Ⅰ』以文社、1973
年
4)ヘルマン・ノール(編)、久野昭、中埜肇(訳)
『ヘーゲル初期神学論集Ⅱ』以文社、1974
年
(1 と 2 は、何れも岩波書店から刊行されている「ヘーゲル全集」に収められているほか、1
-3-
は、河出書房から出ている「世界の大思想」シリーズなどでも読むことができる。2 につ
いては、創文社(山崎純訳)版があり、これは 1827 年の講義を再構成したものと、1831
年の講義の D・シュトラウスによる要約を収めている。3 と 4 は、ヘーゲルの青年時代の
論文やノートを編集したものの邦訳。ヘーゲルの思想形成の理解、彼の宗教哲学の理解に
とって極めて重要なもの。)
5)クーノ・フィッシャー『ヘーゲルの美学・宗教哲学』勁草書房、1986 年
6)岩波哲男『ヘーゲル宗教哲学の研究』創文社、1984 年
7)W・イエシュケ(著)、岩波哲男(訳)
『ヘーゲルの宗教哲学』早稲田大学出版部、1990
年
8)山崎 純『神と国家──ヘーゲル宗教哲学──』創文社、1995 年
(5 は 2 の内容を簡潔にまとめたもので、読みやすく、概要をつかむのに適している。6
と 7 は、高度な専門書。7 は、特に研究史を詳しく辿っている。)
●特に「宗教哲学」と「キリスト教神学」との関わりについて
1)K・バルト(著)、小川圭治・岩波哲男(訳)『ローマ書講解』(上下二巻)平凡社(平凡
社ライブラリー)、2001 年
2)エーバーハルト・ブッシュ『カール・バルトの生涯 1886-1968』新教出版社、1989 年
3)大島末男『カール・バルト』清水書院(センチュリーブックス 人と思想シリーズ 75)、1986 年
4)J・R・フランク(著)、佐柳文男(訳)『はじめてのバルト』教文館、2007 年
5)小川圭治『主体と超越──キルケゴールからバルトへ──』創文社、1975 年
6)深井智朗「神学は神学を越えて神について語ることができるのか──二〇世紀神学史
の遺産と可能性」、宗教哲学会(編)
『宗教哲学研究』第 26 号、昭和堂、2009 年、pp1-18.
●ウィトゲンシュタインと分析的宗教哲学の諸議論
1)ルートヴィッヒ・ウィトゲンシュタイン(著)イルゼ・ゾマヴィラ(編)『ウィトゲ
ンシュタイン哲学宗教日記』講談社、2005 年
2)ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』
3)ウィトゲンシュタイン『哲学探究』
4)星川啓慈『宗教者ウィトゲンシュタイン』法藏館、1990 年
5)ノーマン・マルコム他『回想のヴィトゲンシュタイン』法政大学出版局、1974 年
6)星川啓慈『ウィトゲンシュタインと宗教哲学──言語・宗教・コミットメント──』
ヨルダン社、1989 年
7)A・キートリー『ウィトゲンシュタイン・文法・神』法藏館、1989 年
8)鬼界彰夫『ウィトゲンシュタインはこう考えた──哲学的思考の全軌跡 1921-1951』
講談社(講談社現代新書)2003 年
9)星川啓慈『言語ゲームとしての宗教』勁草書房、1997 年
10)ノーマン・マルカム(著)、ピーター・ウィンチ(編)『ウィトゲンシュタインと宗
教』法政大学出版局、1998 年
11)間瀬啓允『現代の宗教哲学』勁草書房、1993 年
12)ジョン・ヒック『宗教の哲学』勁草書房、1994 年
13)上枝美典『「神」という謎──宗教哲学入門[第二版]』世界思想社、2007 年
14)J. Hyman: Wittgensteinianism, in: Ph.L. Quinn & Ch. Taliaferro (eds.): A Companion to
-4-
Philosophy of Religion, Malden( USA) /Oxford( UK) /Carlton( Australia) :
Publishing 2004(11997), pp.150-157.
Blackwell
●「宗教多元主義」をめぐる諸議論
1)ジョン・ヒック『宗教多元主義──宗教理解のパラダイム変換(増補新版)』法藏館、2008
年
2)ジョン・ヒック『神は多くの名前をもつ』岩波書店、1986 年
3)ジョン・ヒック『もうひとつのキリスト教──多元主義的宗教理解』日本基督教団出
版局、1989 年
4)ジョン・ヒック『宗教がつくる虹──宗教多元主義と現代』岩波書店、1997 年
5)ジョン・ヒック『ジョン・ヒック自伝──宗教多元主義の実践と創造』トランスビュ
ー、2006 年
6)ジョン・ヒック、ポール・F・ニッター(編)『キリスト教の絶対性を超えて──宗教
的多元主義の神学』春秋社、1993 年
7)G・デコスタ『キリスト教は他宗教をどう考えるか──ポスト多元主義の宗教と神学』
教文館、1997 年
8)ジョン・B・カブ『対話を超えて──キリスト教と仏教の相互変革の展望』行路社、1985
年
9)間瀬啓允(編)『宗教多元主義を学ぶ人のために』世界思想社、2008 年
10)岸根敏幸『宗教多元主義とは何か──宗教理解への探求』晃洋書房、2001 年
11)間瀬啓允・稲垣和久(編)『宗教多元主義の探究』大明堂、1995 年
12)J. Hick: Religious pluralism, in: Ph.L. Quinn & Ch. Taliaferro (eds.): A Companion to
Philosophy of Religion, Malden( USA) /Oxford( UK) /Carlton( Australia) : Blackwell
1
Publishing 2004( 1997), pp.607-614.
●日本の宗教哲学(京都学派を中心に)、京都学派から影響を受けているか、それと接点
を有する日本のキリスト教神学に関する文献
1)清沢満之『(現代語訳)宗教哲学骸骨』法藏館、2002 年
2)清沢満之『(現代語訳)他力門哲学骸骨』法藏館、2003 年
3)清沢満之『(現代語訳)精神主義』法藏館、2004 年
4)今村仁司『清沢満之の思想』人文書院、2003 年
5)西田幾多郎『善の研究』(岩波文庫)、岩波書店、1979 年
6)西田幾多郎「場所的論理と宗教的世界観」(上田閑照(編)『西田幾多郎哲学論集Ⅲ』
岩波書店、1989 年、所収)
7)小坂国継『西田哲学と宗教』大東出版社、1994 年
8)竹村牧男『西田幾多郎と仏教──禅と真宗の根底を究める』大東出版社、2002 年
9)浅見洋『西田幾多郎とキリスト教との対話(新版)』朝文社、2009 年
10)田邊元『懺悔道としての哲学』
(1946 年)
(『田辺元全集』第 9 巻、筑摩書房、1963 年、
所収)
11)田邊元『実存と愛と実践』(1947 年)(『田辺元全集』第 9 巻、筑摩書房、1963 年、所
収)
12)田邊元『キリスト教の辯證』
(1948 年)
(『田辺元全集』第 10 巻、筑摩書房、1963 年、
所収)
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13)氷見潔『田辺哲学研究──宗教哲学の観点から』北樹出版、1990 年
14)西谷啓治『宗教とは何か』創文社、1961 年
15)八木誠一『イエス』清水書院(センチュリーブックス 人と思想シリーズ 7)、1990 年( 1968 年)
16)八木誠一『パウロ・親鸞*イエス・禅[増補新版]』法藏館、2000 年
17)八木誠一『フロント構造の哲学──仏教とキリスト教の相互理解のために──』法藏
館、1988 年
17)小田垣雅也『哲学的神学』創文社、1983 年
18)小田垣雅也『ロマンティシズムと現代神学』創文社、1992 年
19)小田垣雅也『ネオ・ロマンティシズムとキリスト教』創文社、1998 年
20)小田垣雅也『憧憬の神学──キリスト教と現代思想』創文社、2003 年
21)小田垣雅也『コミュニケーションと宗教』創文社、2006 年
22)武藤一雄『宗教哲学』日本 YMCA 同盟出版部、1955 年
23)武藤一雄『神学と宗教哲学との間』創文社、1961 年
24)武藤一雄『宗教哲学の新しい可能性』国際日本研究所・創文社、1974 年
25)武藤一雄『神学的・宗教哲学的論集Ⅰ』創文社、1980 年
26)武藤一雄『神学的・宗教哲学的論集Ⅱ』創文社、1986 年
27)武藤一雄『神学的・宗教哲学的論集Ⅲ』創文社、1993 年
28)小野寺功『大地の神学──聖霊論』行路社、1992 年
29)小野寺功『絶対無と神──京都学派の哲学』春風社、2002 年
30)保呂篤彦「宗教多元主義を越えて新しい宗教哲学へ」、南山宗教文化研究所(編)『宗
教と宗教の〈あいだ〉』風媒社、2000 年、pp.244-260 所収
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