5セメ 「コミュニケーション工学A」 - ギガビット無線信号処理とネットワーク

「コミュニケーション工学A」で学ぶこと
5セメ
「コミュニケーション工学A」
目的
最近の通信システムはディジタル通信技術をもとに構成されている.
この授業では,このような通信システムを設計するために必要となる
ディジタル技術の基礎を学ぶ.
情報知能システム総合学科
コミュニケーションネットワークコース
安達文幸
通信システムにおける信号の周波数スペクトル,信号伝送とひずみ,
雑音,そしてディジタル変調と復調の基礎について,具体的な実例を
用いながら学ぶ.
講義ノート掲載WEB
http://www.mobile.ecei.tohoku.ac.jp
この授業では以下のような能力を修得することを目的としている.
信号の周波数スペクトルの概念と伝送帯域幅について理解し,
説明することができる.
通信システムにおける雑音の影響について理解し,説明するこ
とができる.
ディジタル変調と復調について理解し,その動作を説明すること
ができる.
安達:コミュニケーション工学A
概要
達成目標
1
安達:コミュニケーション工学A
2
講義の流れ
講義の流れ
1.通信システムの構成
2.信号のフーリエ級数展開とフーリエ変換
3.線形システムにおける信号伝送とひずみ
4.雑音の統計的性質
5.信号対雑音電力比(S/N)と雑音指数
6.~7.アナログ変調
8.標本化定理とパルス振幅変調
9.パルス符号変調(PCM)
10.ディジタル変調
11.ディジタル伝送の誤り率
12.ディジタル伝送における最適受信
13.通信路符号化
14.多重伝送と多重アクセス
「コミュニケーション工学A」第1章
通信システムの構成
通信の目的
通信の歴史
通信情報と通信形態
固定通信と移動通信
通信システムのモデル
教科書
「通信システム工学」安達文幸 朝倉書店(2007)
参考書
「通信方式」 平松啓二
コロナ社(1985)
安達:コミュニケーション工学A
3
安達:コミュニケーション工学A
4
通信の目的
1900年代:電話(固定有線通信)
1920~30年代:ラジオ・テレビ放送(固定無線通信)
1980年代:携帯電話(移動無線通信)
1990年代:インターネット(マルチメディア通信)
2000年代:携帯電話・コンピューター・インターネットが
融合したマルチメディア携帯通信
2010年代:携帯電話でも100M~1Gbpsのブロードバン
ド通信が実現するだろう
現代の通信システムの基礎となっている理論と技術をし
っかりと学ぶことが大事.そして,より高度な通信システ
ムを研究・開発する能力を身に付け,社会へ貢献するの
が通信技術者の役割である.
通信システム工学では,これら通信システムを構成する
技術を理解する上で重要な基礎を述べている.
安達:コミュニケーション工学A
通信とは何か?それは勿論,私たちの意思を伝
達することであろうが,最近ではコンピュータ間
通信のように人間を介さない通信もある.
通信の目的
遠くの人と会話したい
送る情報:音声
通信システム:電話,携帯電話
遠くの情報を知りたい,見てみたい(あるいは遠くの人
へ情報を送りたい)
送る情報:音声,データや画像
通信システム:ラジオ・テレビ放送,遠隔監視,インターネット
遠くの機械を操作したい
送る情報:制御データ
通信システム:遠隔操縦(無人飛行機,衛星),宇宙探査機
5
安達:コミュニケーション工学A
通信技術の歴史(その1)
通信技術の歴史(その2)
AMラジオ放送
電話の発明
G.Bell(ベル) 1876年*1
本放送1925年
米国では,1920年に開始
無線電信の発明と実験
FMラジオ放送
G.Marconi(マルコーニ)
1895年発明,1897年特許,1897年英仏海峡横断実験*2,1901年大西
洋横断実験
実験放送1957年
本放送1969年
テレビ技術の開発
TV放送
1926年12月25日,高柳健次郎(浜松高等工業学校)が受像機に「イ」の
字を映し出すのに成功(20世紀放送史(NHK編)による)
実験放送1939年(走査線441本,毎秒25枚)
本放送1953年
周波数変調(FM)方式の発明
商用移動通信サービス
E.H.Armstrong(アームストロング)1933年*1
船舶電話:1953年(世界で最初の公衆移動通信)
携帯電話:1979年12月(世界で最初の本格的セルラー移動通
信)
トランジスタの発明
W.B.Shockley(ショックレイ)1951年*1
参考文献:
無線百話,若井登監修,クリエイト・クルーズ
*1 科学技術史,直川一也著,東京電気大学出版局
*2 R. Jordan and C.T.Abdallah,”Wireless communications and networking: an overview,”
IEEE Antennas and Propag. Mag., vol. 44, pp. 185-193, 2002.
安達:コミュニケーション工学A
6
商用インターネットサービス
1993年
7
参考文献:無線百話,若井登監修,クリエイト・クルーズ
安達:コミュニケーション工学A
8
通信情報と通信形態
固定通信と移動通信
通信情報は,インターネットの普及に伴い,音声からデー
タや静止画像や動画像へと移っている.
音声
データ
画像
通信形態は以下のように3つに分類できる.インターネッ
トの普及前は人から人への通信が主であったが,最近で
はコンピュータが介在する通信が増えてきている.
人 対 人
人 対 コンピュータ
コンピュータ 対 コンピュータ
固定通信システム:基本的には静止点と静止点とを結
ぶ通信(コードレスは点を面にやや広げた通信)
移動通信システム:面的通信
無線
比較
サービスエリア:固定<移動
通信品質:固定>移動
通信速度:固定>移動
基地局
基地局
交換機
交換機
基地局
交換機
コードレス
交換機
交換機
固定
電話
9
安達:コミュニケーション工学A
携帯: 5114.1万
PHS: 570.8万
固定: 5544.6万
誰もが場所と時間に縛られずに
人と人との通信をしたいと望ん
でいるからである.
これからは固定通信と移動通信
に分けるのは難しくなるかもし
れない.なぜなら,それぞれの
特徴を生かして固定通信と移動
通信が互いに協調して通信サ
ービスを提供するようになるか
もしれない.
10
6122万
@1997年
70
ユーザー数(百万)
携帯電話のユーザ数が,日本
では2000年3月末,固定電話の
加入数を超えるという歴史的な
出来事が起こった.
安達:コミュニケーション工学A
60
固定
電話
50
40
ディジタルシステム
携帯
30
20
10
0
1985
1990
Year
1995 2000
2005
西暦
安達:コミュニケーション工学A
11
安達:コミュニケーション工学A
12
高速通信ネットワークへの発展
固定網アクセスリンクの高速化
インターネットの急速な普及により,より高速な通信が切
望されている
固定網アクセスリンクの高速化
メタリック・アクセスリンク
ピンポン伝送によるISDN基本インタフェース(144kbps: 2B+D)の提供
ISDN
ADSLモデム→光ファイバ
プラスチックケーブル
(0.4-0.9mm, 10-400対)
引き落とし点
携帯電話の高速化
第3世代移動通信システム(IMT2000)
CDMA (W-CDMA,CDMA2000)
日本では2001年10月にサービス開始(仙台では2002年4月よ
りサービスが開始された).最大情報伝送レートの設計値は2M
ビット/秒であるが,一般的には384kbps程度.
2006年8月にピーク速度14.4Mbpsの高速パケットサービス
(HSDPA:High Speed Packet Access)が開始された.
2010年12月に長期発展システムLTEサービス(最大100Mbps)が
開始された.
引込線
ユーザ宅
交換局
き線点
局内
き線系
平均1.5km
13
安達:コミュニケーション工学A
ハンドホール
マンホール
紙(またはプラスチック)ケーブル
(0.32-0.9mm, 200-3600対)
地下プラスチックケーブル
(0.4-0.9mm, 100-400対)
配線系
引き落とし
平均0.7km
安達:コミュニケーション工学A
14
メタリックケーブルで高速通信
既 存 の メ タ リ ッ ク ケ ー ブ ル の 高 速 化 技 術 : ADSL
(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデムを使ってイン
タ-ネットアクセスのトラフィックを迂回させる.
xDSLは電話帯域より高い周波数帯を使う.交換機の手前で電話帯
域とxDSL帯域とを分離することによって電話と同時通信できる.交
換機を通さずにインターネットアクセスのトラフィックをルータへと迂
回させることができる .
各種ネットワーク
電話局
伝送路
家庭
V.34plus
インタネット
33.6kbps
交換機
電話網
交換局
ルータ
ユーザ宅
架空メタリック
ケーブル
xDSL
モデム
各種サーバ
(wwwなど)
スプリッタ
電話線(2線)
スプリッタ
パソコン
ADSL
マンホール
地下メタリックケーブル
インタネット
イントラネット
(企業内ネットワーク)
安達:コミュニケーション工学A
ファクス
64~128kbps
ISDN
xDSL
モデム
ISDN
電話
V.34plusモデム
ISDNアダプタ
15
ルータ
ADSL
モデム
1.5~8Mbps
16k~1Mbps
ADSL
モデム
パソコン
出展:電話線を高速通信網にする
ADSL, NIKKEI ELECTRONICS
1996.11.18
安達:コミュニケーション工学A
16
固定網アクセスリンクの高速化
ADSLの伝送速度
光ファイバ・アクセスリンク
・ ISDN 1次群速度インタフェース(1.5M:23B+D)を提供しようとする
と,光ファイバ化が必須.しかし全国光ファイバ化には時間がかか
る.
・ NTTの計画では地下ケーブルを2010年に100%光化.
1.5Mbps
交換
局
5.4km
家庭
224kbps
光電気変換
6.1Mbps
NTTの光アクセスリンク(システム)
3.7km
メタリック
光ファイバ
NTT
224kbps
ユー
ザ宅
ユー
ザ宅
マンホール
光ファイバ
安達:コミュニケーション工学A
17
移動通信ネットワークの高速化
2001年10月に導入された第3世代携帯電話
DS-CDMA技術
IMT2000
ネットワーク
屋内環境
~2Mビット/秒
移動環境
~144kビット/秒
歩行環境
~384kビット/秒
W-CDMA
CDMA2000
周波数帯域
(MHz)
800/1700
/2000
多重アクセス
CDMA
CDMA
搬送波周波数
間隔(kHz)
5000
1250
チャネル数/
搬送波
2GHz帯
第2世代と第3世代の間には大きな飛躍があった.
800//2000
中心サービス
中心サービス
音声+データ
音声+データ
1G
Analog
(FDMA)
最大 256
(下り)
音声符号器
(kbps)
最大 64
(下り)
8 (可変レート)
F. Adachi, M. Sawahashi and H. Suda, “Wideband
DS-CDMA for next generation mobile
communications systems,” IEEE Commun. Mag.,
vol. 36, pp. 56-69, Sept. 1998.
安達:コミュニケーション工学A
19
~2.4kbps
2G
Digital
(TDMA)
~64kbps
Big leap
W-CDMAとcdma2000
18
安達:コミュニケーション工学A
移動通信ネットワークの高速化
第2世代携帯電話よりけた違いに速い通信速度
~2Mbps (2Gシステムの30~200倍)
出典:成宮「xDSLの技術動向」
信学会東京支部講演,1998年11月12日
3/3.5G
Digital
(CDMA)
5Gの目標
3.9G
(LTE)
4G
(LTE-A)
~2Mbps
~14Mbps
周波数利用効率の向上
周波数利用効率の向上
狭帯域化
チャネル数の増加
広帯域化
ピークレートの増大
スループットの増大
2013/4/3
できるだけ高い無線
スループット(1Gbps/
ユーザ)を限られた帯
域幅とできるだけ低エ
ネルギー(100mW程
度 )で達成
3.5G
(HSPA,5MHz)
3.9G
(LTE,~20MHz)
4G (LTE-A,
~100MHz)
上り
下り
上り
下り
上り
下り
14.4
Mbps
14.4
Mbps
75
Mbps
300
Mbps
15bps/
Hz
30bps/
Hz
FA/Tohoku University
20
第3世代システム(IMT-2000)
の周波数利用帯域
わが国の周波数利用計画
800MHz帯
810
828 832 834 838 846
860
携帯電話
国際電気
通信連合
(ITU)
IMT2000
IMT2000 MSS
MSS
1893.5
1710
1700 [MHz]
② 1.7 GHz帯
960 [MHz]
衛星↓
衛星↑
地上
PHS
958
携帯電話
1919.6
PHS
IMT2000 MSS
IMT2000 MSS
915
① 800 MHz帯
806 [MHz]
2GHz帯
日本
885887889 893 901
携帯電話
1885
地上
地上
1980 2010 2025
2110
2170 2200
2300 [MHz]
音声衛星放送
DECT
欧州
MSS
UMTS
UMTS
2.5GHz帯
MSS
2483.5
2535
移動衛星↓
2500
2300 [MHz]
米国
PCS
PCS
MSS
MSS
1.5GHz帯携帯電話の使用帯域:
1800
1850
1900
1950
2000
2050
MHz
2100
2150
2200 2250
安達:コミュニケーション工学A
送信機
受信信号 受信メッセージ
通信路
電気信号 同軸ケーブル
光ファイバー
光
受信機
3000 [MHz]
: 携帯電話
:WRC-2000で追加分配された周波数帯
: WARC-92で分配された周波数帯
安達:コミュニケーション工学A
-
雑音
情報源
2690
22
無線通信の例
通信システムは送信機,通信路と受信機から構成される.
送信信号
③ 2.5 GHz帯
移動
衛星↑
ドコモテクニカルジャーナルvol.8 No.3, pp.80, Oct. 2000.
21
通信システムのモデル
メッセージ
1429 - 1453 MHz
1477 - 1501 MHz
2630 2655 2690
プランバンド
(音声衛星放送)
受信者
送信機
空間
電波
送信メッセージ(例えば音声)をアナログまたはディジタル電気信号
に変換.
通信路で伝送するのに適した信号波形へ変換.
通信路
同軸ケーブルや光ファイバには線路損失がある.電波伝搬路にも
伝搬損失がある.相手側に到達するまでに信号電力は減衰する.
受信機
フィルタで邪魔な雑音を除去し,処理しやすい電圧まで増幅.
送信メッセージ(例えば音声)を表す電気信号波形に変換し,送信メ
23
安達:コミュニケーション工学A
ッセージを復元.
送信電力,受信電力,雑音電力とS/N -
送 信 ・ 受 信 点 間 距 離 R=2km , 搬 送 波 周 波 数
fc=800MHzのとき
伝搬損失は何dBか?
送信電力が1Wのときの受信電力はいくらか?
熱雑音の電力(帯域幅がB=50kHz)はいくらか?
信号対雑音電力比(S/N)はいくつか?
受信機では0.1Vまで増幅しなければならないとする
と,受信増幅器の電力利得はいくつでないといけな
いか?
安達:コミュニケーション工学A
24
通信速度の設計
伝搬損失は市街地の場合,距離のおよそ3.5乗に反比例
して減衰することが実験的に知られている.
800MHz帯電波を用いるとき,R=2kmで130.9dB程度になる.
したがって,送信電力が0dBW (1W)のとき,受信電力は,
-130.9dBW (10-13.09 W)となる.
受 信 信 号 の 実 効 電 圧 ( 50 オ ー ム 系 ) に 換 算 す る と ,
vrms(dB)=10log50-130.9= -113.9dBVである.
熱雑音電力はkTB=1.38x10-23x300x50000=
-156.8dBWで
ある.受信機内部でも雑音を発生する.受信機内部で熱
雑音の2倍の雑音を発生するものとすると合計で3倍とな
って,-152dBWとなる.S/Nは,したがって,21.1dB.
無線機の中で直交検波,A/D変換,DSPを用いた信号処
理(復調)をしやすい電圧まで増幅する.0.1V (-20dBV)
まで増幅する増幅器の電力利得はG=93.9dBが必要.
安達:コミュニケーション工学A
帯域幅W=3.4kHz → 8kHz標本化
1標本あたり256レベル(8ビット)で表示→8×8=64kbps
電力スペクトル
密度
通信路の帯域幅がW(Hz)で,信号対雑音電力
比がS/Nのとき,誤りなく伝送できる通信路の最
大情報伝送速度(ビット/秒)には限界がある.
これをチャネル容量と呼ぶ.
波形
時間
周波数
-W
0
W=3.4 (kHz)
安達:コミュニケーション工学A
帯域幅W(Hz)の通信路
通信路の帯域幅がW(Hz)で,信号対雑音電力比がS/N
のとき,通信路の最大情報伝送速度(ビット/秒)はいくつ
か?これに答えを与えるのが,白色雑音チャネルで誤り
なく通信できる最大通信速度を示したシャノンのチャネル
容量である.
チャネル容量は次式で与えられる.
S
(ビット/標本値) N
通信路伝達関数
S

 W log 2 1   (ビット/秒)
N

W : 通信路の帯域幅( Hz )
雑音
S / N : 信号電力対雑音電力比
27
26
シャノンのチャネル容量
C  2W (標本/秒) log 2 1 
安達:コミュニケーション工学A
125s
25
通信路の最大情報伝送速度(1秒あたりのビ
ット数)を知る
信号
ある信号波形をディジタル伝送するとき,1秒間あたりど
のくらいの頻度で標本化して,1標本あたり何ビットで表
せばいいか?
標本化周波数については第8章で学ぶ.
音声の例
周波数
-W
0
安達:コミュニケーション工学A
W (Hz)
28
通信限界
音声帯域0~3.4kHzのチャネル容量を考える
周波数利用効率(bps/Hz)の定義
音声帯域
C  W log 2 (1  S / N ) bps
Eb / N 0  ( S / C ) /( N / W )  ( S / N )(W / C )であるから
ここで,伝送帯域幅Wは3.4kHzであるから,
( 8.45dB)のとき
S/N 7 C  3400  log 2 (1  S / N )  10.2kbps
1ビットあたりの信号エネルギーと雑音電力スペクトル密度比
周波数
-3.4
0
3.4 (kHz)

E C
C
 log 2 1  b
W
N0 W


 bps/Hz

である.
チャネル容量は通信帯域幅で制限されない.S/Nが大きく
なるにつれ,いくらでもチャネル容量が増加する.
チャネル容量に近づける有効な手段が通信路符号化で
ある.
29
安達:コミュニケーション工学A
周波数利用効率C/Wの式で,ビットレートCを一定のまま
で帯域幅を無限大にしたとき(C/W→0)のEb/N0の極限.


Eb
C
 2C / W  1
N0
W
であるが,ここで 2 x  e x ln 2  1  x ln 2 を用いると
Eb
 ln 2  1.6dB
N0
安達:コミュニケーション工学A
30
所要Eb/N0と周波数利用効率C/Wの関係
100
周波数利用効率と電力効率
C/W [bps/Hz]
10
1
0.1
0.01
-5
0
5
10
15
20
25
30
E b /N 0 [dB]
安達:コミュニケーション工学A
31
安達:コミュニケーション工学A
32
周波数利用効率と電力効率のどちらを
優先させるか
周波数利用効率の比較
様々なディジタ
ル変調方式(同
期検波)を対象
に,BER=10-4を
確保するために
必要なEb/N0を
比較する
(PSK,QAMで
はロールオフフ
ァクタ0.5のルー
トナイキスト送
信フィルタを仮
定).
C/W>1の領域
周波数利用効率C/Wが重要視される(C/Wを小さ
くしたい)領域で,電力効率を犠牲(Eb/N0が大きく
なる)
C/W<1
電力効率が重要視される(Eb/N0を小さくしたい)
領域で,周波数利用効率C/Wを犠牲(C/Wが小さ
くなる)
出典:斎藤:ディジタル無線通信の変復調,信学会,1996年
安達:コミュニケーション工学A
33
34
重要な社会基盤である通信システムの高度
化への貢献
重要なことは何か
信号はどういう周波数成分から成り立っているか
(周波数スペクトル)?
雑音はどんな性質を有しているか?
どのようにしてアナログ信号をディジタル信号に
変換するか?
どのようにディジタル信号を伝送するか?
通信路に必要な帯域幅は何Hzか,信号電力対
雑音電力比S/Nはいくらか?
伝送品質はどうなるか?
安達:コミュニケーション工学A
安達:コミュニケーション工学A
35
まず,現代の通信システムの基礎となっている
理論と技術をしっかりと学ぶことが大事.
そして,より高度な通信システムを研究・開発す
る能力を身に付け,社会へ貢献しよう.
安達:コミュニケーション工学A
36
第2章予定
「信号のフーリエ級数展開とフーリエ変換」
決定論的信号の表現
フーリエ級数 -周期信号の表現-
フーリエ変換-非周期的信号の表現-
周期関数のフーリエ変換と電力スペクトル密度
フーリエ変換の重要な性質
講義ノート掲載WEB
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安達:コミュニケーション工学A
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