DESIGN SHOWCASE 携帯電話を駆動する パワーブースト回路

Volume Twenty-Five
アーティクル
I/OポートのESD保護
3
デザイン・ショーケース 充電前にバッテリのプレコンディショニングを行うアドオン回路
ニュープロダクト
8
電流検出ICによる過電流損傷の防止
10
携帯電話を駆動するパワーブースト回路
11
絶縁9Vを発生するLAN電源
12
5V動作の可変リニア電流ソース
13
データコンバータ
•
1µAパワーダウン付きの低電圧3V/5V、4チャネル、8ビットADC
(MAX113/114)
15
•
超低電力、超小型クワッド、シリアル12ビット電圧出力DAC
(MAX525)
14
•
8ピンSOPと同面積の2.7V/5V、8ビットクワッドDAC
(MAX533/534)
14
•
5V電源動作の低電力、電圧出力16ビットDAC
(MAX542)
15
•
5V電源動作の14ビット電圧出力シリアルDAC
(MAX545)
14
•
デュアル8ビット1µA DAC、8ピンµMAXパッケージ
(MAX549B)
15
•
低電力8ビットDAC、8ピンµMAXパッケージ
(MAX550B)
14
•
2.375Vで動作する初の12ビットADC
(MAX1245)
16
高速オペアンプ及びコンパレータ
•
3V/7nsコンパレータ、電源電圧範囲の入力
(MAX961∼964)
16
•
DC∼マイクロ波周波数に対応した低ノイズアンプ
(MAX2611)
17
•
電源電圧範囲のI/Oを備えたSOT23パッケージの広帯域幅、2.7Vオペアンプ (MAX4122∼4129)
17
•
電源電圧範囲のI/Oを備えたSOT23パッケージの10MHz、
単一電源オペアンプ
(MAX4130/4131)
16
(MAX4521/4522/4523)
17
アナログスイッチ
•
2.0V電源動作のクワッドSPSTアナログスイッチ
電源管理 IC
•
NiCdセル1個から200mAを供給するDC-DCステップアップコンバータ
(MAX848/849)
18
•
ディスプレイのフリッカをなくすディジタル制御のCCFL電源
(MAX1610/1611)
18
•
低コスト、デュアルリニアレギュレータ、250mA出力で僅か200mVの
ドロップアウト
(MAX8862)
15
インタフェースIC
•
±15kV ESD保護付、230kbpsのRS-232シリアルポート
(MAX3185/3186)
18
•
1Mbpsで動作する3.0V∼5.5V電源動作の500µA RS-232トランシーバ
(MAX3237)
19
•
歪み僅か-87dBc、出力160mAの300MHz差動ラインドライバ
(MAX4144/46/47)
19
光ファイバIC
•
622Mbps ATM LANアプリケーションに最適な低電力リミティングアンプ (MAX3761/3762)
17
I/Oポートの
ESD保護
せると、電荷移動が発生します。順列の中で高い位置に
ある物質は正電荷を帯び、順列の中で低い位置にある
物質は負電荷を帯びます。1 一覧の中で互いに離れてい
る項目ほど、正味電荷及び発生する静電電圧が高くなり
ます。
電子機器は、ケーブルを交換したり、I/Oポートに触った
だけで静電放電(ESD)によって損傷を受けることがあり
ます。こうした日常の些細な出来事による放電により
インタフェースICが破壊され、ポートが使用不能になる
ことがあります(図1)。こうした故障は、保証期間中の修
理コストの増大につながると共に、製品の品質イメージ
を落とすため、コストが高くつくことになります。
表1.
ESDは、これ以外の問題も抱えています。近い将来、
欧州共同体への輸出は、製品が基準最低レベルのESD性能
に達していなければ禁止になる可能性が出てきています。
これら2つの要因と、コンピュータ及びコンピュータ関
係機器間の電気的通信量の増大を合わせて考慮すると、
エンジニアがESDを理解することは、益々重要になって
きています。
摩擦電気順列
AIR (MOST POS.) FUR
SEALING WAX
ORLON
HANDS
LEAD
HARD RUBBER
SARAN
ASBESTOS
SILK
NICKEL, COPPER POLYURETHANE
RABBIT FUR
ALUMINUM BRASS, SILVER
GLASS
PAPER
GOLD, PLATINUM PVC
POLYETHYLENE
MICA
COTTON
SULFUR
HUMAN HAIR
STEEL
ACETATE, RAYON SILICON
KEL-F (CTE)
NYLON
WOOD
POLYESTER
WOOL
AMBER
CELLULOID
TEFLON (MOST NEG.)
ESD試験方法
集積回路のESD耐性を試験するために一般的に使用さ
れている方法は、2種類あります。最も古くからある
MIL-STD-883の3015.7法は、ICのパッケージングと取り
扱い上必要な注意事項を理解するために開発されたもの
です。この方法では、各パッケージピンを他のグループ
のピンに対して試験し、故障が起こった最低電圧に従っ
て製品を分類します。
ESDを正しく理解するためには、電圧レベルだけでな
く、電圧と電流の波形、IC保護構造、試験方法及びアプリ
ケーション回路について考慮する必要があります。これ
らについて、以下に説明します。
ESDの発生
静電荷は、2つの異質の物質が接触して電荷が移動し、
その後両者が離れたとき、その間に電圧が発生すること
により現れます。たとえば、革底の靴でジュータンの上
を歩くと、最大25kVの電圧が発生します。発生する静電
電圧は、ジュータンと靴底の皮の間の相対的電荷親和性
の差、湿度及びその他の要因に依存します。
この試験では、ヒューマンモデル回路から生成される
電流波形の信号が印加されます(図2)。この波形は、通常
人体が持っている容量及びソースインピーダンスのシミュ
レーションになっています。(ICに実際にかかる波形は
TERMINAL C
R1
摩擦電気順列 (表1)に、様々な材質間の電荷親和性が記
載されています。この一覧の中の任意の2項目を接触さ
R2
S1
TERMINAL A
REGULATED
HIGH-VOLTAGE
SUPPLY
S2
C1
DUT
SOCKET
SHORT
TERMINAL B
TERMINAL D
Ruptured
Passivation
Dielectric Failure
& Contact Spiking
Electrothermal
Migration
COMPONENT
Splattered
Aluminum
図1. ESDが不適切なICは、パシベーション層の破裂、エレクトロサー
マルマイグレーション、アルミの飛散、コンタクトスパイクの発生、
絶縁層の破壊といった重大な故障を起こします。
1
CURRENT
PROBE
(NOTE 6)
HUMAN BODY MODEL
(MIL-STD 883,
METHOD 3015.7)
MACHINE
MODEL
(IC-121, EIAJ)
IEC
1000-4-2
R1 (Ω)
1M–10M
1M
50M–100M
R2 (Ω)
1500 ± 1%
0Ω
330
C1 (pF)
100 ± 10%
200 ± 5%
150
図2. 図に示すように部品定数を変えると、ヒューマンモデル、マシン
モデル及びIEC 1000-4-2モデル(人間が金属物体を持つ場合)と呼
ばれる放電回路が得られます。
Electrostatic Discharge, Protection Test Handbook, 2nd Edition,
KeyTek Instrument Corporation, 1986, p.7.
7
3
試験接続部及びPCボードの寄生インダクタンス及び寄生
容量に依存するため、回路レイアウトが重要になります。
)
ここで得られる電流波形は、人間がIC等の物体に触れた
ときに発生するESDを表しています。
• 人体が発生する静電放電をモデル化した試験波形を印
加する。各回路モデルには、様々な振幅、立上がり/
立下がり時間及び伝達電力が指定されています。
もう1つの方法は、RとCの値が上記と異なるだけです
が、日本電子機械工業会(EIAJ)によって開発されたもの
です。これはIC-121と呼ばれ、マシンモデル回路(図2)を
基にします。これは、ICを取り扱う機械がICと接触した
ときに発生するような電流波形を印加します。この波形
は、可動部品に蓄積する電荷によって生じるESDに似せ
ることにより、マシンアセンブリ中に見られる静電放電
をシミュレーションしています。
• ICの故障として、破壊的故障及びパラメータ故障の他
に、ラッチアップ(瞬間的な動作不能状態)も含める。
ラッチアップは、検出されないと信頼性の問題及び
機器の不良動作につながるため故障と見なします。
• ICを通電状態と非通電状態の両方で試験する。
機器メーカーでは、上記の条件を満たすI/Oポートの
ESD耐性の試験として、主に2つの方法を利用するように
なってきています。1つはMIL-STD-883の3015.7法を修正
した方法です。この方法では元の方法と同じ回路モデル
及び波形を使用しますが、I/OピンにだけESDパルスを印
加する点が異なります。これは、ターゲットとなるシステム
でボード上のICが動作中に遭遇する障害電流のシミュレー
ションを意図するものです。波形(図3)は、図2の試験回路
から発生します。部品定数は、3015.7法で指定されている
ものと同一値を使用します。
これらの2方法は互いに相補的であることから、一方
だけを選択することはできません。ESDは、製造工程、
PCボードアセンブリ中及び最終製品の使用中のいずれの
場合にもICに影響を与える可能性があります。このため、
ヒューマンモデルとマシンモデルの両方に基づく試験を
行なうことにより、ICが製造工程と挿入時の厳しい条件
にどれだけ耐え得るかを確認できます。
基本の3015.7法と同様、修正法もESD波形及び故障の
基準だけを定義します。波形の印加後、故障したICは
ラッチアップするか、データシートの仕様中の1つ以上
の項目で不合格になります。修正された方法では試験中
のICの動作モードについては指定がありませんが、マキ
シム社では全ての可能なモード(電源オン/オフ、トランス
ミッタ出力ハイ/ロー、スタンバイ/通常動作等)を試す
ことを推奨しています。
ICの中には、コネクタを通じてピンが外部に露出して
いるため、機器に内蔵されるPCボードに取り付けられた
状態でもESDが印加されるものもあります。その他の
ボード上の回路に接続されているピンでは、ESDの心配
はそれ程ありません。3015.7法(ピンの組み合わせで試験)
では、こうしたICの入出力(I/O)ピンのESD耐性を適切に
査定できません。
いずれの方法も任意のピンの最低電圧の故障に従って
定格を定義します。但し、これではI/Oピンに必要な高
レベルの内部ESD保護(一部のメーカが提供)を正当に評価
できません。例えば、製品によってはI/Oピンが±15kV
に耐える一方非I/Oピンが±2kVで故障する、というよう
な事もあります。上記の方法を使用すると、この製品の
ESD定格は±2kV以下になってしまいます。しかし幸いな
ことに、I/Oピンの定格を定めるためのより良い方法が開
発されています。
同様に、修正3015.7法では製品の耐ESDレベルの指定
は特になく、ただ保護の等級だけが定義されています。
しかし、マキシム社の新しいトランシーバでは通常
±15kVのESD保護を提供しています(表2及び表3)。この
レベルの保護により、場合によっては高価なTransZorbTM
等の外部保護回路を排除することもできます。
NOTE: DRAWING IS NOT TO SCALE.
lR
lP 100%
90%
I/Oポートの新しいESD試験
AMPERES
I/Oポートは、他の機器との通信に使用されます。ICの
I/Oポートは、そのICを備えたシステムの外にある機器に
アクセスするためのピンの論理的グループから構成され
ます。これらのピンは、オペレータによってケーブルが
付け外しされる度に静電放電等の過酷な条件にさらされ
ます。RS-232やRS-485インタフェースICのI/Oピンの
ESD耐性を試験するための最適な方法には、以下の条件
が必要です。
36.8%
10%
0
0
tRI
tDI
CURRENT WAVEFORM
TIME
図3. このESD波形のパラメータ(立上がり時間、ピーク電流、リンギング
及び減衰時間)はMIL-STD-883の3015.7法で指定されています。
TransZorbはGeneral Semiconductor Industries, Inc.の商標です。
• 実際の機器でのESDをシミュレーションした方法で
のみI/Oピンを試験する。
8
4
表2.
高レベルESD保護付RS-232インタフェースIC
ESDレベル
品名
ヒューマン
モデル
接触
放電
3/3
4/0
0/4
2/2
2/2
5/5
4/3
5/3
4/4
4/5
4/5
2/2
4/5
5/3
5/3
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±8kV
±8kV
±8kV
±8kV
±8kV
±8kV
±8kV
±8kV
±8kV
±8kV
±8kV
±8kV
±8kV
±8kV
±8kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
MAX1406
MAX1488E
MAX1489E
MAX202E
MAX203E
MAX205E
MAX206E
MAX207E
MAX208E
MAX211E
MAX213E
MAX232E
MAX241E
MAX3185
MAX3186
表3.
IEC 1000-4-2
Rx /Tx 数
容量(µF)
データ
レート
(kbps)
シャット
ダウン時アク
ティブなRx
シャット
ダウン電流
(µA)
–
–
–
0.1
–
–
0.1
0.1
0.1
0.1
0.1
1.0
1.0
–
–
230
120
120
120
120
120
120
120
120
120
120
120
120
230
230
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
0
0
0
0
–
–
–
–
–
1
1
–
–
1
15
–
1
–
–
高レベルESD保護付RS-485/RS-422インタフェース
品名
Rx /Tx 数
ESD電圧
(ヒューマンモデル)
MAX1487E
MAX481E
MAX483E
MAX485E
MAX487E
MAX488E
MAX489E
MAX490E
MAX491E
1/1
1/1
1/1
1/1
1/1
1/1
1/1
1/1
1/1
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
±15kV
データレート シャットダウン
電流(µA)
(kbps)
2500
2500
200
2500
250
250
250
2500
2500
消費電流(µA)
バス上の最大
トランシーバ数
250
500
350
500
250
350
350
500
500
128
32
32
32
128
32
32
32
32
300
1
1
300
1
–
1
–
300
IEC 1000-4-2モデル
I
次に、I/Oピンを含むIC試験用のより厳格な方法として、
IEC1000-4-2が挙げられます。これは、国際電気技術委
員会(IEC)によって開発された機器レベルの試験です。
元来ヨーロッパで機器を販売するときの受け入れ条件と
して考えられたものですが、米国及び日本でも標準的な
ESD基準として急速に受け入れられつつあります。元は
ICの仕様ではありませんでしたが、現在ではICのESD試
験にも使用されています。3015.7の修正法の場合と同様、
I/Oピンだけを対象とした試験です。
100%
90%
1 at 30ns
1 at 60ns
IEC1000-4-2のモデルも図2の回路を使用しますが、部
品定数が異なります。抵抗R2 (330Ω)は人間がドライバ
等の金属物体を手に持っている状態に相当し、
C1 (150pF)は人体の容量に相当しています。この回路の
発生する電流波形(図4)は、3015.7法よりも立上がりが
急峻になっています。
10%
30ns
60ns
t
tR = 0.7ns to 1ns
図4. このESD波形のパラメータ(立上がり時間、ピーク電流、30nsでの振
幅及び60nsでの振幅)はIEC1000-4-2で指定されています。
11
5
表4.
IEC 1000-4-2の適合レベル
IEC1000-4-2
適合レベル
最大試験電圧
接触放電(kV)
最大試験電圧
エアギャップ放電(kV)
1
2
3
4
2
4
6
8
2
4
8
15
表5.
これら2つのESD規格(修正3015.7法及びIEC1000-4-2
のエアギャップ放電又は接触放電)では、試験中の製品に
流れるピーク電流が異なります。部品定数を変えること
により、これらのピーク電流は5倍以上も変化します(表5)。
ピーク電流は、ICが消費する必要のある望ましくない
電力を生成するため、IEC1000-4-2の方がESD試験法と
してより厳しいものであると言えます。
大電流は下記の様々な理由でICに損傷を与えます:
ESD電流対モデル及び印加電圧
印加電圧
(kV)
2
4
6
8
10
•
過剰な局部加熱
•
シリコンの融解
•
短絡によりアルミニウムがシリコンに溶け込むこと
で生じる接合部のスパイク(図5)
ピーク電流(A)
IEC 1000-4-2
ヒューマンモデル
•
金属ラインの損傷
7.50
15.0
22.5
30.0
37.5
1.33
2.67
4.00
5.33
6.67
•
過剰電圧によるゲートオキサイドの故障
•
エレクトロサーマルマイグレーションによるトラン
ジスタの損傷(図6)
保護方法
IEC1000-4-2は、接触放電とエアギャップ放電の両方
によりESD試験を指定しています。接触によるESDは再
現性はありますが、現実的ではありません。エアギャップ
放電の方が現実的ですが、温度、湿度、気圧、ICと電極
の距離及びICピンへの接近速度等が変動すると波形が
大幅に変わります。(この波形の変化は、耐ESDレベルの
測定値に大きく影響します。)
ESDの保護としては、外部に保護回路を設けるか、又
は高レベルの保護機能を内蔵しているICを選びます。
保護回路としては、メタルオキサイドバリスタ及び
TransZorb等のシリコンのアバランシェサプレッサが挙げ
られます。これらの素子は効果的ですが、高価でもあり
ます(シリコンのアバランシェプロテクタは¥40/ライン)。
IEC1000-4-2では、I/Oピンによる最大耐圧の最低値に
従って適合レベルを4段階に定義しています(表4)。この
表では、これらのレベルを接触放電とエアギャップ放電
の両方について定義しています。
VDD RAIL
,,,,,
,,,,,
ALLOY SPIKE
,,,,,,,
,,,,,,,
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,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
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,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
接触放電とエアギャップ放電
IEC1000-4-2によるICのESD耐性試験では、ESDガンの
使用が要求されています。このガンにより接触放電及び
エアギャップ放電の両方を試験できます。接触放電では、
ガン内部のスイッチにより試験電圧が印加される前に、
ガンとI/Oピンが物理的に接触している必要があります。
エアギャップ放電では、ガンがI/Oピンに(垂直方向から、
できるだけ速く)近づく前に試験電圧で充電される必要が
あります。エアギャップ放電法では、試験回路からの臨
界距離でスパークが発生します。
SUBSTRATE
図5. ICに大きなESD電流が流れると、アルミニウム接点が一部シリコン
に溶け込んでその下の層との間を永久的に短絡するために接合部に
スパイクが生じることがあります。
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
FIELD OXIDE,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
VDD
GND
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,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,
,,,,,
,,,,,,,
エアギャップ放電で発生するESDは、実際のESDに似
ています。しかし、実際のESDと同様、エアギャップ放
電は再現することが困難です。このため、IEC1000-4-2
では試験の再現性を重要視する観点から接触放電を推奨
し、修正3015.7法では接触放電のみを要求しています。
いずれの場合も、試験手順では各試験レベルで最低10回
の放電を行うことを規定しています。
ETM CHANNEL
,,,,,
,,,,,
P-SUBSTRATE
図6. ESD発生時のIC内のエレクトロサーマルマイグレーション(ETM)に
よって損傷することがあります。これは大電流及び高電圧によって
トランジスタの端子間に短絡又は低インピーダンス経路が生じるた
めです。
12
6
さらに、外部ESD保護は貴重なボード面積を使用し、I/O
ラインの容量が増えるという問題もあります。
ESD範囲で200Vステップで電圧を増加していき、各レベル
において、各電圧極性で約1秒間に1度ずつ、10回デバイス
に試験波形を印加します。
こうした制限を克服するために、メーカーはICのESD
保護レベルを高めてきました。例えばマキシム社では、
RS-232 ICに対しIEC1000-4-2及びヒューマンモデルの
両方で±15kVの保護を提供しています。
これらの試験では、機器に取り付けられた状態のICの
ESD性能を評価することが目的であるため、試験はICが
機器の中にある時と同経路でESD電流が流れるように設
置します。放電はICのグランドピンを基準に行います。
(IEC1000-4-2で述べられているように、回路のグランド
は通常機器のシャーシに接続されます。) マキシム社では、
IEC1000-4-2法用にSchaffner Instruments社(スイス)のNSG
435 ESD型のガンを推奨し、修正3015.7法用にはIMCS社
(カリフォルニア州フリーモントOryx Technology Corporation
の一部門)の4000 ESD型のテスターを推奨しています。
マキシム社のESD保護アプローチ
ESD電流波形は立上がりが非常に速いため、回路に分
散している寄生インピーダンスによってIC内での挙動が
強く影響されます。このため、外部レイアウトに注意す
ることによってICの内部保護ネットワークの性能を最大限
に発揮させることができます。マキシム社では、インタ
フェースICに関して下記の対策を推奨しています。
放電を行う度に3つのパラメータを監視して故障の有
無をチェックしてください。第一に、消費電流が一定値
に留まっているか(消費電流の増加はラッチアップ又は内
部損傷の疑いがあります)。第二に、トランスミッタ出力
電圧がRS-232トランスミッタの±5Vの最低レベルを維
持しているか。第三に、レシーバ入力抵抗が3kΩと7kΩ
の間に維持されているか(理想的にはこの範囲内の一定値
に留まります)。デバイスは必ず全てのモード(通常動作、
シャットダウン、電源オフ、トランスミッタハイ/ロー
等)で放電し、チェックしてください。
• 標準的なアナログレイアウト技術に従い、全てのバイ
パス及びチャージポンプコンデンサをできるだけICの
近くに取り付けてください。
• PCボードにグランドプレーンを含めてください。
• トレースのインダクタンスと容量を最小限に抑えてく
ださい。
• ICをI/Oポートのできるだけ近くに取り付けてください。
RS-232トランシーバ又はその他のインタフェースICの
ESD下での信頼性を調べる手段として、マキシム社では
修正3015.7法及びIEC1000-4-2モデルの両方の使用を推
奨しています。手順としては、いずれの場合も仕様の
耐ESD IC の選択ガイドライン
高い耐ESDレベルが必要なIC (特にRS-232トラン
シーバ)を選ぶにあたっては、まず以下の点を考慮して
ください。
•
•
•
ICの保証耐ESD電圧レベル及び試験方法は? 電圧
定格は試験方法によって異なります。現在、
IEC1000-4-2及び修正3015.7法の両方を含む方法が
推奨されています。
ESDによってIC内にラッチアップが発生しますか?
ラッチアップは重要な問題です。ESDによって回路
内にラッチアップが生じるとICが機能を停止するこ
とがあります。その結果生じる電源電流(最大1A)に
より、ICが破壊される場合があります。
IC の E S D 保 護 が 通 常 動 作 に 影 響 を 与 え ま す か ?
内部保護構造の設計が悪いと通常動作でラッチアップ
を起こします。
15
7
•
ICを使用する時に特別な注意事項を守る必要があり
ますか? バイポーラICは、高価な低ESRコンデンサ
又はACインピーダンスの低いグランドプレーンを
必要とすることがあります。こうした必要条件に予
め精通しておくことが重要です。
•
ICの最大スルーレートの仕様は? ESD保護構造の
ためにラッチアップし易いICでは、ラッチアップを
トリガしないように最大スルーレートの仕様を著し
く低くしてあることがあります。
•
保証範囲全体をカバーするESD試験をした場合、そ
のICはどう反応しますか? ESD保護構造のトリガ
機構が異なる電圧で起動され、保護されない範囲が
残ってしまうことがあります。(そうしたデバイス
は、例えば±10kVに耐えても±5kVで故障したりし
ます。) マキシム社では、ESD試験で全範囲を200V
ステップでカバーすることを推奨しています。
DESIGN SHOWCASE
充電前にバッテリのプレコンディショニングを
行うアドオン回路
NiCdバッテリのアノード内のカドミウム微結晶は、
放置されるとゆっくり変化します。金属中の微小な
結晶が大きな結晶となってバッテリの抵抗を増加さ
せ、端子電圧を低下させます。部分的な放電を繰り
返すとカドミウムの下位層は影響されないため、こ
の現象が目立ってきます。しかし、時折完全放電す
ると、カドミウムアノード全体が水酸化カドミウム
に変化し、その結果アノードは(充電中に)望ましい微
結晶状態に戻ります。
スイッチS1を瞬間的に押すことによりプレコン
ディショニングが開始されるまで、充電回路は通常
動作です。5セルバッテリは、容量(C)が500mAhrで、
R4によってIC1がC/2の急速充電レートに設定されま
す(250mAhrを2時間)。急速充電の後、この回路は約
33mAのトリクル充電を行います。
S1を押すとQ3がターンオンし、それによりプレ
コンディショニング負荷Q2がターンオンしてバッテリ
の放電が開始されます。R9を流れる電流がシャント
レギュレータIC2の制御電圧を生成します。2.5V以上
(バッテリ5V以上)の値ではIC2がオン状態に留まり、
電流をシンクするためS1がリリースされた時にQ3が
保持されます。バッテリ電圧が5V (1V/セル)になるま
で放電すると、IC2がターンオフして、プレコンディ
ショニングサイクルが完了します。この回路は、完
全充電状態のバッテリをプレコンディショニング(完
全放電)するために10時間を要します。その後約2時
間かけてバッテリを充電します。
このように、完全放電によって端子電圧の低下を
防ぐことができます(メモリ効果という不適切な表現
で呼ばれることがあります)。図1の回路は、充電サ
イクルの開始前にバッテリを(1V/セルまで)完全に放
電することによって「プレコンディショニング」を行
います。プレコンディショナは点線内です(その他の
バッテリ充電ICと併用することも、スタンドアロン
回路として使用することもできます)。他の回路はIC1
を使った通常のNiCdバッテリ充電器です。
Q1
2N6109
ADD-ON PRECONDITIONER CIRCUIT
+
9V
(FROM
WALL CUBE)
D1
LED
C1
10µF
R3
150Ω
S1
R2
750Ω
8
–
14
DRV
R1
1k
IC1
N.C.
C2
1µF
IC2
TL431
(TI)
11
C3
0.01µF
2.2k
R7
10k
R8
10k
R9
60Ω
MAX713
15
6
5 V+
TLO
THI
9
4
PGM2
PGM1
10
PGM3
3
12
PGM0
BATTCC
R6
START
16
REF
7
TEMP
1
VLIM
2
BATT+
FASTCHG
Q3
PN2905
R5
1k
B1
5-CELL
NiCd
Q2
2N2222
DISCHARGE PATH
R22
GND
13
220Ω
R4
1Ω
D3
LED
C4
R11 0.1µF
1k
図1. このNiCdバッテリ充電器用の追加プレコンディショニング回路は、充電前にバッテリを完全放電することによっていわゆる「メモリ効果」
を防止します。
16
8
このICは通常の場合、電源投入時又はバッテリ取
り付け時に急速充電モードに入りますが、(安全対策
として)バッテリ電圧が0.5V/セル以下の場合急速充電
を開始/継続しません。プレコンディショニングサイ
クル中は、急速充電がディセーブルされることに注
意してください。これはバッテリ検出端子(ピン2及
びピン12)がQ2のV CE(SAT)でクランプされるためです。
IC1は、プレコンディショニングサイクル中はトリ
クル充電状態を維持するため、R9の値を計算する時
には33mAのトリクル電流を考慮に入れる必要があり
ます。
バッテリを約10時間で放電します。) 従って、別のセル
数、プレコンディショニング時間又はトリクルレート
に合せて回路を修正するときは、R9を計算する時に
トリクル充電電流を考慮に入れる必要があります。
シャントレギュレータIC2は2.5Vのバンドギャップ
リファレンスを含んでいるため、本回路はセル数が
3以上のアプリケーションにのみ適用できます。これ
よりセル数が少ない場合は、IC2の代わりにNPNトラン
ジスタを使用し、R8/R7の分圧器が1個分のベースエ
ミッタ電圧降下に相当する電圧になるように設定すれ
ば適用できます(精度と温度性能がやや劣化します)。
図に示すように、R9が60Ωの場合5Vで83mAの電
流が流れます。そのうち33mAはトリクル電流である
ため、5Vではバッテリから50mAだけ流れ出します。
(前述のように、この50mAが完全充電状態の500mAhr
19
9
DESIGN SHOWCASE
電流検出ICによる
過電流損傷の防止
CMOSインタフェースICは、電子機器間の有線接続
の出入口の役割を果たします。外部接続部分の取り
扱いを間違うと、グランドへの短絡や印加された電
圧に起因するラッチアップによってインタフェース
ICが損傷することがあります。しかし、一般的に短
絡とラッチアップは短時間であれば安全です。(ラッチ
アップは、ゲート端子をグランド以下又はVCC以上の
電圧にするとトリガされることがあります。)
(ほとんどのMAX471回路がそうですが) R3がグラン
ドでなくフリップフロップ出力に接続されていると
Q1とQ2の制御にヒステリシスが導入されます。そう
でない場合は、発振が発生することがあります。Q1
がターンオフされて障害電流が除去されると回路が
通常動作を再開しようとするためです。R2及びD1は、
ブレーク・ビフォ・メイク動作を提供し、Q1及びQ2
が電源電圧を短絡するのを防ぎます。一度トリップ
すると、回路はS1でマニュアルリセットさせるまで
ラッチされた状態に留まります。
図1に示すように、IC1はインタフェース回路への
電源電流(I S)を監視し、ISが設定されたスレッショル
ドを超えるとインタフェースの電圧と電流を迅速に
除 去 し ま す 。 通 常 動 作 中 、 IC1 の O U T 電 流 (I Sの
1/2000)はR3を通じてロジックローレベル(IC2の低い
方のNORゲート)に流れます。
メイン電源とQ1∼Q2ノードの間に障害インジケータ
として電流制限抵抗付LEDを接続することもできま
す。その他の追加機能としては、R3の両端にコン
デンサを接続すると「遅断」効果が得られます。ま
た、高精度リファレンスとコンパレータ(MAX931等)
を使用することにより、R3の電圧をより高い精度で
検出することができます。
障害条件(図のR3の値で IS ≥ 50mAとして定義)では、
増加しつつあるOUT電流がR3の両端に1.2Vを生成し、
これによりセット/リセットフリップフロップ(IC2)が
ピン4でローからハイへの遷移を引き起こします。この
動作でインタフェースがシャットダウン
します。即ち、Q1がインタフェースの電源
5V
電流をブロックし、Q2がクローバー動作で
インタフェース電源の過電圧を阻止しま
す。クローバーがないと、外部過電圧障害
がQ1の寄生ダイオード及びインタフェース
ICを通じてメイン電源電圧を引き上げてし
まう場合があります。(正電源は、電流を
シンクすることを要求されると電源電圧が
上昇する傾向があります。)
IC1
2
RS+
3
RS+
MAX471
GND
4
6
RS7
RS8
OUT
Q1
Si9435Y
IS
SHDN
1
R2
100k
D1
1N4148
CMOS
INTERFACE
CIRCUITRY
VCC
2
1
3
RESET
C1
0.01µF
5
IC2
74HCT
R3
50k
4
6
GND
R1
100k
C2
0.1µF
Q2
Si9410DY
図1. 電源電流をブロックし、電源電圧をクローバーで阻止することにより、
本回路は外部ラインの障害からインタフェース回路を保護します。
20
10
DESIGN SHOWCASE
携帯電話を駆動する
パワーブースト回路
ヨーロッパのGSMやDCS1800携帯電話のRFパワー
アンプは、電源設計上困難な場合があります。RF PA
以外の回路は3Vで動作するにもかかわらず、通常の
場合PAは要求される1W∼2Wのピークアンテナパワー
を生成するために最低5Vを必要とするからです。
幸いなことに、この受話器は4.6ms毎に577µsの送
信を行い、各バーストで最大1.5Aを消費するTDMA
(時分割多重アクセス)方式であるため、平均電流はか
なり低くなっています。図1の方法では、この事実に
着目してバッテリ3個と比較的小型の低コストブース
トコンバータを組み合わせています。大きな2000µF
のコンデンサ(C2及びC3)が送信バースト中に必要な
電力を蓄積し、ブーストコンバータがコンデンサを
充電するために平均約180mAを出力します。コン
デンサは5.8V 出力で1.5Aのピーク負荷を駆動し、
この時の電圧ドロップは僅か450mVです(図1)。
さらに、これに必要なブーストレギュレータを設
計することが困難であるために、ニカド又はニッケ
ル水素バッテリ3個の代わりにかさばるバッテリ5個
を使用しなければならないのが通常です。PAはバッ
テリ5個に直接接続し、3Vの部品はステップダウン
レギュレータ又は消費電力の大きなリニアレギュ
レータ(効率が悪いが技術的にシンプル)に接続し
ます。
VIN
3 CELLS
(3V . . . 5V)
HALT RUN
L1
10µH
SUMIDA CDR63
OR
COILCRAFT
D01608-103
33µF
1
SHDN
LX
IC1
MAX757
OUT
R3
1Ω
8
VOUT
C1
22µF
TANTALUM
6
C2
C3
1000µF, 10V
NICHICON
PL SERIES
R1*
3
REF
FB
2
0.1µF
5 LBI
GND 7
R2
100k
VOUT + IOUTR3
VOUT + IOUT
* R1 = R2 ––––––––––
- 1 = R2 –––––––––
-1
VREF
1.25
(
) (
(VREF = 1.25V; IOUT = RMS OUTPUT CURRENT)
)
出力コンデンサは物理的に大型ですが、5個
パックにするためにバッテリを2個追加する
ことに比べれば小さく、また安価です。IC1は
その他にも利点があります。スイッチング
周波数が高いため(500kHz)、小型で安価な
インダクタ(L1)を使用することができる上、
スイッチングMOSFETを内蔵しているため
外付部品点数を最小限に抑えられます。1Ωの
抵抗(R1)がレギュレータ出力をピーク負荷
から分離しています。
図 に 示 す 回 路 は 、1.8V ∼ 6V の 入 力 か ら
5.8V (可変)を発生します。この構成でのピーク
出力電流は1.5Aです。パワーアップ時間は
20msで、スタートアップに必要な最小入力電
圧は2Vとなっています。自己消費電流(60µA)
はシャットダウン中に20µAに低減します。電
力変換効率はピーク電流が300mAの時に81%、
800mAの時に80%、最大の1.5Aの時に79%です。
1.5A
本回路は、DC-DCコンバータに特徴的なス
イッチングノイズを発生します。必要に応じ
て、TDMAフレームの重要な部分でSHDNを
ローにして一時的にコンバータを停止するこ
とにより、ノイズを排除することができます。
IOUT
577µs
VOUT
4.6ms
5.8V
5.35V
図1. このブーストコンバータは、大きな出力コンデンサ(C2-C3)を備えて
いるため、GSM又はDCS1800携帯電話のパワーアンプを駆動するた
めの1.5Aのピーク電流を供給できます。
21
11
DESIGN SHOWCASE
絶縁9Vを発生する
LAN電源
このLANアプリケーション用の低電力絶縁9V電源
(図1)は、出力電流が250mA (出力電力として2W以上)
となっています。入力10.8V∼13.2V、負荷電流1mA∼
200mAの範囲で、公称8.78Vの出力が得られ、ライン
及び負荷レギュレーションは約±1%です。
表面実装トランスT1は一次巻線が分割され、二次
巻線はシングルで、巻線比は1:1:1です。このシングル
二次巻線方式では全波ブリッジ整流が必要とされ、
出力電圧でダイオードドロップ2つ分の電圧降下が発
生します。もう1つの方法として、分割二次巻線にし
て各端で半波整流を行い、出力電圧での電圧降下を
ダイオードドロップ1つ分にする方法もありますが、
このようにすると巻線が増えてトランスのコストが
増大します。
IC1のトランスドライバ出力(D1及びD2)は、通常は
一次巻線の両端を直接駆動します。この構成では、
各ドライバ端子が(ターンオフ時に)センタータップ電
圧の2倍に等しいフライバック電圧になります。この
アプリケーションでのフライバック(24V)はIC1の最大
定格(12V)を超えているため、IC1の高スイッチング周
波数(650kHz typ)を維持しながら、この余分な電圧に
耐えるために2つのMOSFETがカスコード接続されて
います。
シングル一次巻線のインダクタンスは、蓄積エネ
ルギー損失を押さえるために高くします(約250µH)。
(理想的にはインダクタンスが無限大であることで、
その場合はスイッチングサイクル中に全くエネルギー
損失のない純粋トランス動作が得られます。) ダイ
オードブリッジの後には低ドロップアウトのリニア
レギュレータ(IC3)があり、5V及び12V ±10%の入力
から9Vの安定化出力を提供します。
12V
5V
7
6
VCC
C1
0.1µF
IC1
8
D1
2 G1
7
2
MAX845
D1
D2
1
8
1 S1
IC2
MMDF3N03HD
C2
0.1µF
CR3
3
D2
6
CR2
4
9
2
CR4
SET
6
C4
10µF
C5
10µF
R2
100k
LDI GND SHDN
3
4
5
図1. このレギュレータ回路はローカルエリアネットワーク(LAN)に絶縁9V、250mAを供給します。
18
12
9V
R1
620k
MAX667
8 IN
C3
10µF
5
OUT
IC3
CR1
3 S2
4 G2
SD GND1 GND2
4
2
7
CR1-4
MBRS0530L
DESIGN SHOWCASE
5V動作の可変
リニア電流ソース
図1の電流レギュレータは、電流検出アンプ(IC1)を
使用して入力電流から電圧フィードバックを得てい
る低ドロップアウト電圧レギュレータ(IC2)です。こ
の接続によって、レギュレータICは出力電流のどん
な変化にも対応できます。5V電源動作時に、この電
流ソースは0V∼4.7Vの許容範囲を備えています。
0mA∼250mAの特定の安定化IOUTレベルを設定する
には、ICONTROLに0V∼5Vを印加してください。0Vの
場合はIOUT = 250mAに、5Vの場合はIOUT = 0mAに設定
されます。別方法として、D/Aコンバータを使用して
IOUTをディジタル制御することもできます。分解能を
12 ビ ッ ト ( L S B が 60 µ A) に す る 場 合 は 、 パ ラ レ ル
入力のMAX530又はシリアル入力のMAX531を使用し
てください。分解能を10ビット(LSBが250µA)にする
場合は、パラレル入力のMAX503又はシリアル入力の
MAX504を使用してください。
ON/OFF
3.09k
1%
ICONTROL
IC2のパッケージの電力消費定格を超えないように
注意してください。室温での定格は1.8Wなので、安
全性を考慮して1.5Wが妥当なリミットです。内部の
電力消費は、設定電流と入出力間(ピン1とピン8間)電
圧差の積です。このため、ワーストケースの条件
(IOUT = 250mA、出力はグランドに短絡、電力消費は
リミットの1.5W)では、入力電圧は最大6Vに達します
(6V x 250mA = 1.5W)。
D/A
R1
0.150Ω
WSL-2010
(DALE)
1
5V
24.9Ω
1%
24.9Ω
1%
3
RG1
IN
10µF
OFF
OUT
IC2
6
RG2
8
IOUT
10µF
MAX603
IC1
7
MAX472
VCC
OUT
8
3
SET
GND
2, 3, 6, 7
0.1µF
SHDN
1
GND
4
1.1k
図1. IC1はR1の電流をそれに比例した出力電圧に変換するため、電圧
レギュレータ(IC2)は安定化出力電流を供給することができます。
17
13
NEW PRODUCTS
5V電源動作の14ビット
電圧出力シリアルDAC
MAX545は、14ビット分解能、3線シリ
アルインタフェース、電圧出力及び無調整
で完全14ビット性能を備えたD/Aコンバータ
です。5V単一電源で動作し、消費電力は
僅か1.5mWです。(フルスケールの1/2 LSB
までの)セトリング時間は約1µsです。
MAX545は14ビット単調性が保証されて
おり、拡張動作温度範囲で積分及び微分非
直線性±1LSBの規格に適合しています。
バイポーラ動作用に、MAX400等の外部高
精度オペアンプと共に使用できる内部スケー
リング抵抗を備えています。これらの抵抗
はオペアンプの出力が±V REFのバイポーラ
電圧スイングになるようにトリミングされ
ています。
8ピンSOPと同面積の
2.7V/5V 8ビット
クワッドDAC
MAX533及びMAX534は、シリアル入力、
電圧出力、8ビットのクワッドD/Aコンバータ
で、8ピンSOPと同面積の小型16ピンQSOP
で供給されています。MAX533は2.7V∼
3.6Vの単一電源、MAX534は4.5V∼5.5V電源
で動作します。コンバータ1回路当たりの
消費電流はいずれも約200µAです。シャッ
トダウンモードでは消費電流は1µA (MAX
533) 又は2.5µA (MAX534) まで低下します。
リファレンス入力範囲はグランド及び正電
源電圧を含み、4つの出力バッファアンプ
は電源電圧範囲でスイングします。
両製品ともSPI TM、QSPI TM及びMicrowire TM
同 期 シ リ ア ル 規 格 と コ ン パ チ ブ ル な 3線
10MHzシリアルインタフェースを備え、ま
た4つの制御ビットと8つのデータビットか
らなる12ビットワードを受け付ける入力
シフトレジスタを備えています。各DACは
ダブルバッファ付のため、単一のソフト
ウェアコマンドでDAC出力を別々に、ある
いは同時に更新することができます。さら
に、非同期制御ピンCLR及びLDACを使って
外部制御信号で複数のDAC出力の同時更新
又はクリアが可能となっています。バッファ
付データ出力(DOUT)により、複数のMAX533/
MAX534をデイジーチェーン接続すること
ができ、ソフトウェアでプログラムできる
ロジック出力(UPO)によって外部デバイス
を制御することができます。
ディジタルデータはSPI T M / Q S P I T M 及び
Microwire TM 同期シリアル規格とコンパチ
ブルな3線シリアルインタフェースを通じ
て送信されます。これらのディジタル入力
はマイクロコントローラ又はフォトカプラ
ドライバ回路と直接インタフェースできま
す。パワーアップ時に望ましくない出力電
圧が発生するのを防ぐため、電源投入時に
は内部パワーオンリセットがDAC出力を
0V (ユニポーラモード)にクリアします。
MAX545は14ピンプラスチックDIP及び
SOPパッケージで供給されており、温度範
囲は民生用(0℃∼+70℃)、及び拡張工業
用(-40℃∼+85℃)のものが用意されてい
ます。価格は、¥960 (1,000個以上)からと
なっています。
MAX533/MAX534は16ピンDIP及びQSOP
パッケージで供給されており、温度範囲は
民生用(0℃∼+70℃)、拡張工業用(-40℃
∼+85℃)、及び軍用(-55℃∼+125℃)の
ものが用意されています。価格は、
¥340(1,000個以上)となっています。
低電力8ビットDAC、
8ピンµMAXパッケージ
MAX550Bは2.5V∼5.5Vの単一電源で動作
する8ビットD/Aコンバータです。消費電流
は (外 部 リ フ ァ レ ン ス 電 流 を 含 め て )僅 か
75µAです。この低電力電圧出力DACは、
8ピンS O Pよりも50%小型の超小型8ピン
µMAXパッケージに収められており、全温
度範囲で±1 LSBのTUEが保証されています。
3線 シ リ ア ル イ ン タ フ ェ ー ス は 10MHz
までのクロックレートで動作し、SPI/QSPI
及びMicrowire同期シリアル規格とコンパチ
ブルです。内部パワーオンリセットが全て
の内部レジスタをゼロに設定してDACを初
期化します。1µAシャットダウンモード時
にはリファレンス入力がハイインピーダンス
になり、DAC出力はゼロになります。
MAX550Bは8ピンDIP及びµMAXパッケージ
で供給されており、温度範囲は民生用
(0℃∼+70℃)、及び拡張工業用(-40℃∼
+85℃)のものが用意されています。価格は、
¥180(1,000個以上)となっています。
14
超低電力、超小型
クワッド、シリアル
12ビット電圧出力DAC
MAX525は、モノリシック、クワッド、
12ビットD/Aコンバータで、入力レジスタ
のデュアルバンク、4つの12ビットDAC、
4つの高精度出力アンプ、及び制御ロジック
とシリアルインタフェースを備えていま
す。省スペースの20ピンSSOPパッケージ
も用意されています。
MAX525は消費電力が僅か6mW (相当品は
37mW以上)で、面積は僅か0.6cm2 (相当品は
1.1cm2以上)です。フィードバック接続部に
アクセスできるため、駆動/検出機能が
可能となり、各出力アンプは広範囲の抵抗
性負荷を駆動することができます。各アンプ
は電源電圧範囲の出力スイングを備えてい
ます。
その他の特長としては、通常0.9mAの自
己消費電流を20µAまで低減するローパワー
シャットダウンモード、電源投入時に全出力
が0Vになることを保証する内部パワーオン
リセット等が挙げられます。また、他の外
部デバイスのシリアル制御用に設定可能な
汎用ロジック出力も備えています。
各DACは入力レジスタ及びDACレジスタ
によりダブルバッファされています。各
DACについて16ビットシリアルワード(アド
レスビット2個、制御ビット2個及びデータ
ビット12個)がSPI TM/QSPI TM及びMicrowire TM
同 期 シ リ ア ル 規 格 と コ ン パ チ ブ ルな 3線
インタフェースを通じてロードされます。
DACレジスタは独立又は同時に更新でき、
ロジック入力は全てTTL/CMOSコンパチ
ブルです。
MAX525は20ピンDIP又はSSOPで供給さ
れており、温度範囲は民生用(0℃∼+70℃)、
拡張工業用(-40℃∼+85℃)、及び軍用
(-55℃∼+125℃)のものが用意されていま
す。価格は、¥1,450 (1,000個以上)からと
なっています。
SPI及びQSPIはMotorola社の商標です。
MicrowireはNational Semiconductor社の商標です。
NEW PRODUCTS
1µAパワーダウン付の
低電力3V/5V、4チャネル、
8ビットADC
MAX113及びMAX114は、データ処理及び
データ収集アプリケーション用に設計され
たローパワー、8ビット、4チャネルA/D
コンバータです。いずれも内部トラック/
ホールド及び多くのマイクロプロセッサや
マイクロコントローラとコンパチブルなパラ
レルデータインタフェースを備えています。
MAX113は3Vで動作し、変換時間は1.8µs、
サンプリングレートは400kspsまでです。
MAX114は5Vで動作し、変換時間は660ns、
サンプリングレートは1Mspsまでです。
デュアル8ビット1µA
DAC、8ピンµMAX
パッケージ
MAX549Bは、2つの電圧出力DACを8ピン
S O Pよりも50%小型の超小型8ピンµMAX
パッケージに収めた低電力デュアル8ビット
D/Aコンバータです。+2.5V∼+5.5Vの単一
電源で動作し、消費電流は1µA以下(リファ
レンス電流を除く)です。全温度範囲で
±1LSBのTUEが保証されています。
3線シリアルインタフェースはクロック
レート10MHzまで動作し、SPITM/QSPITM及び
MicrowireTM同期シリアル規格とコンパチブル
です。シャットダウンモードではリファ
レンス入力がハイインピーダンスになり、
DAC出力はゼロになります。内部パワー
オンリセット機能が全ての内部レジスタを
ゼロに設定して両方のDACを初期化します。
MAX549Bは8ピンDIP及びµMAXパッケー
ジで供給されており、温度範囲は民生用
(0℃∼+70℃)、及び拡張工業用(-40℃∼
+85℃)のものが用意されています。価格
は、¥200 (1,000個以上)からとなってい
ます。
SCLK
DIN
16-BIT
SHIFT
REGISTER
8
DAC A
LATCH
DAC A
OUTA
REF
DAC B
LATCH
MAX113/MAX114は24ピンDIP及びSSOP
パッケージで供給されており、温度範囲は
民 生 用( 0℃ ∼ +70 ℃ )、 及 び 拡 張 工 業 用
(-40℃∼+85℃)のものが用意されていま
す。価格は、¥400(1,000個以上)となってい
ます。
5V電源動作の低電力
電圧出力16ビットDAC
MAX542は、高分解能と低電力特性が要
求される工業及び計測器アプリケーション
用に設計された16ビットD/Aコンバータで
す。本製品は+5V単一電源で動作し、消費
電力は僅か1.5mWながら16ビットの性能を
備えています。外部2.5Vリファレンスと併
用した場合、分解能は38µV となります。
また、拡張温度範囲で単調性と±1LSBの積
分及び微分非直線性が保証されています。
MAX542はユニポーラ電圧出力を提供し
ます。バイポーラ動作では外部高精度オペ
アンプと併用できる内部スケーリング抵抗
を内蔵し、オペアンプの出力で±V REF の
バイポーラスイングが得られるようにトリ
ミングされています。3線シリアルデータ
インタフェースはSPITM及びMicrowireTM同期
通信規格とコンパチブルで、マイクロコント
ローラ及びフォトカプラドライバ回路と直
接接続することができます。電源投入時に
は内部パワーオンリセットがDAC出力を
0V (ユニポーラモード)にクリアします。
MAX542は14ピンDIP及びSOPパッケージ
で供給されており、温度範囲は民生用
(0℃∼+70℃)及び拡張工業用(-40℃∼
+85℃)のものが用意されています。価格
は、¥1,210 (1,000個以上)からとなってい
ます。
低コスト、デュアル
リニアレギュレータ
250mA出力で僅か
200mVのドロップ
アウト
MAX8862は、独立のシャットダウン機能
及び電源電圧入力を持つ2つの別々の回路を
備えたデュアルリニアレギュレータで、
ポータブルのバッテリ駆動アプリケーション
に最適です。各々の入力電圧範囲は2.5V∼
11.5Vです。PチャネルMOSFETパストラン
ジスタは低自己消費電流を保ち、ドロップ
アウト中も維持します(PNPバイポーラパス
トランジスタの場合はドロップアウト中に
飽和して過剰なベース電流を消費します)。
MAX8862レギュレータはPCS、ディジタ
ルコードレス電話のマイクロコントローラ
及び無線部の電源として最適です。ディジ
タル回路用のメインレギュレータは出力電
流が250mAで、トランジェント応答及びダ
イナミック応答が最適化されています。
アナログ回路用の第2レギュレータは出力
電流が100mAで、広帯域出力ノイズが低く
なっています。負荷電流が250mAのとき、
ドロップアウト電圧は僅か200mVです。
本レギュレータはDual ModeTM (固定/可変)
動作になっており、VOUTは末尾サフィックス
により4.95V(L)、3.175V(T)又は2.85V(R)の
固定、あるいは2V∼11Vの範囲で外部抵抗
を使用して調節可能です。いずれの製品も
ドロップアウト状態であっても消費電流を
低く維持します(動作時は250µA、シャット
ダウン時は1µA以下)。その他の特長として
は、パワーグッドインジケータ、短絡及び
バッテリ逆挿入保護及び過熱保護等が挙げ
られます。SOPパッケージは、複数のグラン
ドピンをヒートシンクとして使用すること
により放熱効果を高めるリードフレームを
備えています。
MAX8862は16ピンSOPパッケージで供給
されており、温度範囲は拡張工業用
(-40℃∼+85℃)のものが用意されていま
す。価格は、¥260 (1,000個以上)からと
なっています。
Dual Modeはマキシム社の商標です。
INPUT
2.5V TO 11V
IN1
DAC B
OUTB
OUTPUT 1
250mA
OUT1
0.1µF
CONTROL
CS
DATA
VDD
いずれもバッテリ駆動アプリケーションに
最適な1µAパワーダウンモードを備えてい
ます。ターンオン時間が短いため(MAX114
は僅か200ns、MAX113は900nsでパワー
ダウンから復帰)、変換と変換の間でシャット
ダウンすることによって消費電力を最小限
に抑えることができます。例えば、1ksps
ではMAX113/MAX114の消費電力はそれぞ
れ僅か12µW、40µWです。
3.3µF
MAX8862
SPI及びQSPIはMotorola社の商標です。
MicrowireはNational Semiconductor社の商標です。
IN2
OUTPUT 2
100mA
OUT2
0.1µF
2.2µF
ON
OFF
SHDN1
POWOK
OFF
SHDN2
REF
REGULATION
MONITOR
REFERENCE
OUTPUT
ON
MAX549B
GND
DISSIPATES UP TO 1.8W
GND
13
15
0.1µF
NEW PRODUCTS
2.375Vで動作する初の
12ビットADC
MAX1245は、2.375Vローパワー12ビット
モノリシックデータ収集システムです。12
ビットADCとしては最も低い電源電圧を実
現しており、3.3V∼2.375Vの低電圧で性能
仕様を保証しています。8チャネルマルチ
プレクサと広帯域幅トラック/ホールドを
シリアルインタフェースと組み合わせ、
高速変換(最大100ksps)及び超低消費電力と
なっています。動作消費電流は1mA以下、
パワーダウンモードでは1µAです。
4線シリアルインタフェースはSPI/QSPI、
Microwire及びTMS320同期シリアル規格と
コンパチブルです。シリアルインタフェース
に ア ク セ ス す る と MAX1245 は 自 動 的 に
パワーアップし、ターンオンが速いために
変換と変換の間でパワーダウンして電力を
節約することができます。低サンプリング
レートでは、パワーダウンによって消費電
流を10µA以下にまで削減することができ
ます。シリアルインタフェースにより、
アナログ入力をユニポーラ/バイポーラ及
び差動/シングルエンドに設定することも
できます。さらにシリアルストローブ出力
により、ディジタル信号プロセサの
TMS320ファミリへの直接接続が可能です。
MAX1245は20ピンプラスチックDIP又は
SSOPパッケージで供給されており、温度
範囲は民生用(0℃∼+70℃)、及び拡張工
業用(-40℃∼+85℃)のものが用意されて
います。SSOPは8ピンDIPより30%面積が
削減されています。価格は¥760(1,000個以
上)からとなっています。
ニカド電池の放電曲線
NiCd
DISCHARGE CURVE
(two
cells in series)
(直列2セル)
2.4
2.2
1.8
1245
2.0
MAX
セル電圧
CELL
VOLTAGE(V)
(V)
MAX1245による
ADDITIONAL
電圧範囲の
VOLTAGE
RANGE
増加分
USING
MAX1245
2.6
0
2
4
6
8
10
12
HOURS OF DISCHARGE*
放電時間
この範囲で動作する
ONLY THE 2.375V
のは、2.375Vの
MAX1245
OPERATES IN
THIS RANGE
MAX1245のみ
3V/ 7nsコンパレータ、
電源電圧範囲の入力
MAX961∼MAX964は、+2.7Vの低電源動
作で7ns以下(typ 4.5ns)の伝播遅延を保証す
る、初の(シングル/ デュアル/ デュアル/
クワッド)高速単一電源コンパレータです。
入力コモンモード範囲は電源電圧を超えて
拡張され、出力はV CC 及びグランドから
0.52V以内で4mAのシンク/ソースが可能
です。
シングルMAX961及びデュアルMAX963
は、コンプリメンタリ出力を備え伝播
スキューが300ps以下という、ディジタル
通信アプリケーションに欠かせない特長を
備えています。また、MAX961/MAX963は
コマンドで出力を「ホールド」するラッチイ
ネーブル機能と、消費電流を500µA (max)
まで低減するロジック制御のシャットダウン
機能を備えています。いずれもクリーンな
スイッチングを保証するヒステリシス付き
です。
MAX961/MAX962は8ピンSOP及びµMAX
パッケージ、MAX963*は14ピンSOP及び
16ピンQSOP、MAX964*は16ピンSOP又は
QSOPで供給されており、温度範囲は拡張
工業用(-40℃∼+85℃)のものが用意され
ています。価格は、¥310(1,000個以上)から
となっています。
*開発中。
発売時期についてはお問い合わせください。
DDS
WITH SINE
ROM & DAC
SINE OUT
3V
LE
3V
QOUT
MAX961
SHDN
10
16
MAX4130及びMAX4131は、広利得帯域幅
(10MHz)、優れたDC精度と入出力での電源
電圧範囲動作を兼ね備えた広帯域オペアンプ
です。MAX4130は小型SOT23-5パッケージ
で供給されています。
これらのオペアンプは2.7V∼6.5Vの単一
電源又は±1.35V∼±3.25Vのデュアル電源
で動作し、最大自己消費電流が僅か1.05mA
です。両製品とも250Ωの負荷を駆動する
ことができ、コモンモード電圧はV CCとV EE
の外側まで拡張されています 。いずれも
ユニティゲイン安定で利得帯域幅積が
10MHzです。
MAX4131はシャットダウン機能を備えて
おり、出力をハイインピーダンス状態にし
て最大自己消費電流を45µAまで低減するこ
とができます。
競合他社製品の
COMPETITION’S MINIMUM
最低動作電圧
OPERATING
VOLTAGE
2.8
10MHz単一電源
オペアンプ、
電源電圧範囲のI/O、
SOT23パッケージ
SQUARE
WAVE OUT
QOUT
その他の特長としては、最大入力オフ
セット電圧600µV、最大容量性負荷250pFま
での安定性、出力の位相反転を起こさずに
オーバードライブ入力を許容する能力等が
挙げられます。MAX4130/MAX4131は入出力
の電圧スイングが電源電圧範囲のため、
低電圧単一電源アプリケーションで最適で
す。また、低オフセット電圧で高速なため、
高精度低電圧データ収集機器の信号処理に
適しています。
MAX4130は5ピンSOT23-5、MAX4131は
8ピンSOP及びµMAXパッケージで供給され
ており、温度範囲は拡張工業用(-40℃∼
+85℃)のものが用意されています。価格は、
MAX4130が¥110 (1,000個以上)からとなっ
ています。
NEW PRODUCTS
DC∼マイクロ波周波数
に対応した低ノイズ
アンプ
MAX2611は、低電圧低ノイズの広帯域
アンプです。5V電源で動作し、DC∼800MHz
の範囲で平坦な利得応答を実現しています。
低ノイズ指数(500MHzで3.5dB)、高利得
(500MHzで18dB)及び大駆動能力(16mAの
バイアス電流で2dBm)を備えたMAX2611は
T Vチューナ、衛星レシーバ、ISM無線機、
セットトップボックス及びGPS等の送信、
受信及びバッファアプリケーションに適し
ています。小型でバイアス回路がシンプル
なため、スペースに制限のあるアプリケー
ションに最適です。
標準的なアプリケーションで必要となる
外付部品は入出力のブロッキングコンデンサ
とV CC への直列バイアス抵抗のみです。利
得と出力パワーを改善するためにバイアス
抵抗と直列にRFチョークを付加することも
できます。
電源電圧範囲のI/Oを
備えたSOT23パッケージ
の広帯域幅、2.7V
オペアンプ
MAX4122 ∼ MAX4129 は 、 シ ン グ ル 、
デュアル及びクワッドオペアンプファミリ
で、広帯域幅と優れたDC精度を備え、電源
電圧範囲の入力コモンモード範囲と出力ス
イングを特長としていま す 。 小 型 5ピ ン
SOT23-5パッケージで供給されており、いず
れも2.7V∼6.5Vの単一電源又は±1.35V∼
±3.25Vのデュアル電源で動作します。
これらのオペアンプは5V電源動作時の回
路当たりの自己消費電流が僅か725µAです
が、広利得帯域幅を実現しており、非補償
(AV >= 10)のMAX4124/MAX4125/MAX4128
が25MHz、その他のユニティゲイン安定製
品が5MHzとなっています。全製品とも、
最大500pFまでの容量性負荷を安定に駆動
します。MAX4123/MAX4125/MAX4127は
オプションのシャットダウン機能により最
大自己消費電流を45µAまで低減すること
ができます。
その他の特長としては、最大入力オフ
セット電圧600µV、負荷駆動能力250Ω、
出力の位相反転を起こさずにオーバードラ
イブ入力を許容する能力等が挙げられます。
MAX2611は、Hewlett Packard社のMSA0611のセカンドソースとしてそのまま使え
ます。4ピンSOT143パッケージで供給され
ています。温度範囲は拡張工業用(-40℃∼
+85℃)のものが用意されています。価格
は、¥110 (1,000個以上)からとなってい
ます。
622Mbps ATM LAN
アプリケーションに
最適の低電力
リミティングアンプ
MAX3761及びMAX3762は、低コスト
622Mbps又は155Mbps SONET/ATM光ファ
イバアプリケーション用に最適化された
リミティングアンプです。入力感度4mV、
5V電源動作で、150mWの低消費電力特性
を備えています。データ出力はPECLコン
パチブルです。
MAX4122∼MAX4129オペアンプはポータ
ブル、ローパワー及びバッテリ駆動アプリ
ケーション用に適しています。特に、低オフ
セット電圧と高速性により、高精度低電圧
データ収集機器に最適です。
MAX4122/MAX4124はSOT23-5パッケー
ジで、MAX4123/MAX4125/MAX4126/
MAX4128は8ピンSOP及びµMAXパッケージ
で、MAX4127/MAX4129は14ピンSOPパッ
ケージで供給されています。いずれの製品
も温度範囲は拡張工業用(-40℃∼+85℃)
のものが用意されています。価格は、
MAX4122が¥110 (1,000個以上)からとなっ
ています。
2.0V電源動作の
クワッドSPST
アナログスイッチ
MAX4521/MAX4522及びMAX4523は、コ
スト/性能面で工業標準のCD4066とDG211/
DG212の中間に位置するクワッド単極/単投
(SPST)アナログスイッチで、低オン抵抗
(100Ω max)かつ高速性(+25℃でtON/tOFFが
80ns/30ns)を実現しています。
17
9
集積パワーディテクタが入力信号の振幅
を検出し、受信信号強度インジケータ
(RSSI:パワーレベルのアナログ表示)を生成
します。コンプリメンタリのロスオブシグ
ナル信号(LOS)出力は、入力パワーレベル
がユーザ設定スレッショルドレベルを超え
ているかどうかを表示します。LOSスレッ
ショルドを調節することで3mVp-p∼
50mVp-pの信号振幅を検出することがで
き、光ファイバレシーバのLOS調節範囲と
して12dBになります。LOS出力のヒステリ
シスは3.5dBのため、入力信号が小さいと
きのチャタリングを防ぐことができます。
さらにDISABLE入力とLOS出力と共に使用
することでスケルチ機能を実現し、入力信
号が設定されたスレッショルドよりも低い
ときにデータ出力をターンオフします。
MAX3761/MAX3762はチップ及び20ピン
QSOPパッケージで供給されており、温度
範囲は拡張工業用(-40℃∼+85℃)のもの
が用意されています。価格は¥1,000 (1,000
個以上)からとなっています。
MAX4521は4つのノーマリークローズ
(NC)スイッチ、MAX4522は4つのノーマリー
オープン(NO)スイッチを備えています。
(MAX4521/MAX4522のピン配置は
DG211/DG212のピン配置とコンパチブル
です。) MAX4523は2つのNOスイッチ、2つ
のNCスイッチを備えています。いずれも電源
電圧範囲のアナログ信号に対応しており、
±2.0V∼±6Vのデュアル電源又は2.0V∼
12Vの単一電源で動作します。また、いず
れも2.7V電源動作時の仕様が完全に定めら
れています。5V又は±5V動作の場合、
MAX4521/MAX4522/MAX4523スイッチは
ロジックスレッショルドがTTL/CMOSコン
パチブルの0.8V及び2.4Vとなっています。
オン抵抗の平坦性は全信号範囲で10Ω以
内、スイッチ間のマッチングは5Ω(max)以
内です。最大オフリーク電流は+25℃で1nA、
+85℃で10nAです。各製品とも2kV以上の
静電放電(ESD)から保護されています(MILSTD-883、3015.7法)。
MAX4521/MAX4522/MAX4523は16ピン
DIP、ナローSOP及びQSOPパッケージで供
給されており、温度範囲は民生用(0℃∼
+70℃)、拡張工業用(-40℃∼+85℃)、及
び軍用(-55℃∼+125℃)のものが用意され
ています。価格は、¥90(1,000個以上)から
となっています。
NEW PRODUCTS
NiCdセル1個から
200mAを供給する
DC-DCステップアップ
コンバータ
MAX848及びMAX849は、携帯電話、RF
データリンクを持つ小型システム及びその
他のポータブル製品用に最適のステップ
アップDC-DCコンバータです。各レギュ
レータは1セルのリチウムイオン電池又は1∼
3セルのNiCd/NiMH電池から3.3V(固定)又は
2.7V∼5.5V(可変)出力を発生します。いず
れの製品も携帯電話を2セルでなく1セルで
動作させることができます。出力電流能力
はNiCd 1セルで200mA、2セルで750mAです。
これらのレギュレータで採用されている
同期整流方式は、単純なダイオード整流器
で動作する相当品に比べて効率が5%高く
なっています。MAX848とMAX849の違い
は、内部NチャネルMOSFETパワースイッチ
の電流能力がMAX848が0.7A、MAX849が
1.3Aとなっていることのみです。入力電圧
範囲は5.5Vから最低0.7Vまでです。
パルス周波数変調(PFM)とパルス幅変調
(PWM)をCLK/SEL入力で選択するDual ModeTM
動作により、高効率となっています。スタン
バ イ 状 態 ( C L K S E L が ロ ー )で は 、 パ ル ス
スキッピングモードにより、自己消費電流
±15kV ESD保護付、
230kbpsのRS-232
シリアルポート
MAX3185及びMAX3186は、ヨーロッパ
共同体の厳しいESD規格に適合した完全
モノリシックRS-232シリアルポートです。
全てのトランスミッタ出力とレシーバ入力
は、ヒューマンモデル及びIEC1000-4-2
エアギャップ放電モデルで±15kV、
IEC1000-4-2接触放電モデルで±8kVまで
のESD保護付となっています。また、これ
らの製品はESD発生中もラッチアップしな
いことが保証されています。
いずれの製品もトランスミッタ5個とレ
シーバ3個を備えています。MAX3185 DTE
ポートはデスクトップPC及びマザーボード
用に最適化されています。MAX3186 DCE
ポートはモデム用に最適化されています。
MAX3185/MAX3186はその他プリンタ及び
を僅か150µAに抑えながらV OUTを維持しま
す。CLK/SELがハイになると、300kHzの固
定周波数PWMが動作します。PWM動作は
スイッチングノイズを300kHzの基本周波数
とその高調波に制限するため、ポストフィ
ルタによって簡単にノイズ低減が可能で
す。内部スイッチを200kHz∼400kHzの外
部クロックに同期させ、ノイズスペクトル
を更に細かく制御することができます。
MAX848及びMAX849は、2チャネルのシ
リアル出力A/Dコンバータを備え、バッテ
リ電圧を監視することができます。片方の
チャネルは0.625V∼1.875Vの間のシングル
セル電圧を監視し、他方は0V∼2.5Vを監視
します。これらは単一のディジタル入力で
選択します。出力は V/f ビットストリーム
形式で、外部ハードウェア又はµPのカウンタ/
タイマ機能で測定することができます。
さらに、各製品の内部コンパレータがコン
バータの出力電圧を監視してパワーグッド
出力(PWROK)を生成します。
MAX848/MAX849は16ピンナローSOP
パッケージで供給されており、温度範囲は
拡張工業用(-40℃∼+85℃)のものが用意
されています。価格は、¥310 (1,000個以
上) からとなっています。
Dual Modeはマキシム社の商標です。
ポータブルコンピュータにも使用できます。
230kbpsのデータレートを保証しているた
め、汎用PC通信ソフトウェアとコンパチ
ブルです。消費電流はV DD (公称12V)及び
V SS (公称-12V)で各々300µA以下、V CC (公
称5V)で1mA以下となっています。
MAX3185はピン配置と機能が工業標準
の75185トランシーバとコンパチブルであ
るため、システムをMAX3185に置き換え
るだけでEMC適合化が可能です。
MAX3185/MAX3186トランシーバは20ピン
SSOP又はSOPパッケージで供給されてお
り、温度範囲は民生用(0℃∼+70℃)、及
び拡張工業用(-40℃∼+85℃)のものが用
意されています。価格は、¥150 (1,000個以
上)からとなっています。
18
6
ディスプレイのフリッカ
をなくすディジタル
制御のCCFL電源
MAX1610及びMAX1611は、冷陰極蛍光
ランプ(CCFL)を駆動する電源ICで、ランプ
電流を安定化することでV IN が変化しても
CCFLの輝度を一定に保つことができる高効
率デバイスです。VINの範囲は4.5V∼28Vです。
MAX1610/MAX1611 は 高 周 波 パ ワ ー
スイッチングMOSFETを備えているため、
薄くて小型の磁性部品を使うことができま
す。(CCFLを絶縁トランスの二次巻線で駆
動することにより効率を向上させ、画面が
暗い時のフリッカを防ぐことができます)。
MAX1610/MAX1611はランプのオープン及
び短絡に対して保護されており、フロー
ティングランプ設計に対応しています。い
ずれもリニアレギュレータを備えているた
め、ロジック用の別電源は不要です。最大
消費電流は動作時で3mA、シャットダウン
時で20µAです。
輝度の調節はランプ電流をスケーリング
するか、あるいは固定電流で目に見えない
速さでCCFLのオン/オフを切り換えること
によって行います。MAX1610はディジタル
入力を備え、内部5ビットのアップ/ダウン
カウンタを増減又はクリアすることで輝度
調節を可能にします。MAX1611は2線シリ
アルインタフェース(システムマネジメント
バス:SMBusTM)によってCCFLの輝度を直接
調節することができます。シャットダウン
時もディジタルインタフェースをアクティブ
状態に保持して輝度設定を保存しています。
MAX1610/MAX1611は16ピンナローSOP
パッケージで供給されており、温度範囲は
民生用(0℃∼+70℃)のものが用意されてい
ます。価格は、¥470 (1,000個以上)からとな
っています。
SMBusはIntel社の商標です。
NEW PRODUCTS
1Mbpsで動作する
3.0V∼5.5 V電源動作の
500µA RS-232
トランシーバ
MAX3237は、内部デュアルチャージポンプ
及び1Mbps以上のデータレートで真のRS232出力レベルを保証する独自の低ドロップ
アウト出力段を備えた高速データトラン
シーバです。チャージポンプは僅か4つの
小型外付0.1µFコンデンサを必要とするだけ
です。
に保証データレートが1Mbpsとなります。
メガボードモードでのスルーレートは最低
24V/µsが保証されています。
の V CCが タ ー ン オ フ さ れ る と 、 保 護
ダイオードの順方向バイアスのために電流
が流れることがあります。)
MAX3237はドライバ5個とレシーバ3個
を備えており、高速モデムアプリケーション
に最適です。1µAのシャットダウンモード
では3個のレシーバ全てがアクティブ状態
に留まります。この機能により、MAX3237
は大電流の危険を冒さずに外部デバイスを
監視することができます。(外部デバイス
MAX3237は28ピンSSOPパッケージで供
給されており、温度範囲は民生用(0℃∼
+70℃)及び拡張工業用(-40℃∼+85℃)の
ものが用意されています。価格は、
¥400 (1,000個以上)からとなっています。
MAX3237は通常モードにおいて、最悪負
荷として3kΩと1000pFが並列に存在しても
250kbpsのデータレートを保証します。この
ためLapLinkTM等のPC間通信ソフトウェアと
3.0V駆動
1MBPSのRS-232
コンパチブルとなっています。メガボード
動作モード(MBAUD端子がV CCに接続された
状態)では、3kΩと250pFの最大並列負荷時
LapLinkはTraveling Software社の商標です。
歪み僅か-87dBc、出力
160mAの300MHz差動
ラインドライバ
MAX4147は差動ラインドライバ、MAX4144/
MAX4146*は広帯域レシーバです。MAX4147
と計測器アンプ1個をツイストペア線で接
続することで、ビデオ及びテレコムアプリ
ケーションのディジタル加入者ライン(DSL)
に最適な、完全な差動送信リンクを形成で
きます。MAX4144/MAX4146/MAX4147は
複数の高速ハイパワーオペアンプを含む
既存の回路を置き換えます。
MAX4147はトランスドライバ等の大出力
電流、低歪みの差動アプリケーション用に
最適化されています。負荷が50Ωの場合、
差動で±5.6V、シングルエンドで2.8Vの
出力スイングを提供します。±5V電源で動
作し、消費電力は110mW、閉ループ利得は
2 V / V で す 。 MAX4147 は -3dB 帯 域 幅 が
300MHz、-0.1dB帯域幅が70MHzで、微分
利得/位相エラーは0.008%/0.03゜と極めて
低くなっています。低歪みのため(RL = 33Ω、
3kHzで-87dBc)、MAX4147はDSLアプリ
ケーションに適しています。
MAX4144/MAX4146広帯域レシーバは、
完全対称差動入力と150Ω負荷を±2.6Vで
駆動できるシングルエンド出力を備えてい
ます。MAX4144の利得は内部で2V/ Vに設
定されており、MAX4146の利得は外部抵
抗1個を使って10V/V∼100V/Vの範囲で設
定されます。各デバイスはマッチングされ
たレーザトリミングの内部薄膜抵抗を備え
ているため、10MHzでの同相除去比60dBを
達成しています。MAX4144は電流フィード
バック技術により帯域幅130MHz、フル
パワー帯域幅110MHz及びスルーレート
1000V/µsを実現しています。
MAX4144/MAX4146/MAX4147は14ピン
SOPパッケージで供給され、温度範囲は拡
張工業用(-40℃∼+85℃)のものが用意さ
れています。価格は、MAX4144が¥410か
ら、MAX4147が¥310(1,000個以上)からと
なっています。
*開発中。
発売時期についてはお問い合わせください。
ツイストペアから同軸ケーブルへの変換
OUT+
R1
IN+
R1
2:1
TRANSFORMER
IN-
TWISTED PAIR
OUT
MAX4147
IN-
75Ω
75Ω
COAX
VOUT
MAX4144
R2
IN+
OUTR2
19
5
75Ω