「第3回授業 生活とコンピュータ(太田) 10 月 12 日」 質問 ◆液晶ディスプレイとはどういうもの? →液晶(LC:Liquid Crystal)とは固体と液体の中間的な物質で、電圧をかけると分子の向きが変 わる性質を持っている。液晶表示のしくみは光の透過/遮断を利用して、分子の向きを制御す ること。CRT(ブラウン管型ディスプレイ)に比べて薄型、軽量で消費電力が小さいのが特徴。 時計や電卓などの表示板として、昔から利用されている。 ◆CRT と液晶ディスプレイは、それぞれどういう特徴がある? →一般には CRT の方が色純度、コントラスト、応答速度などに優れている(つまり見やすくてき れい) 。価格も CRT の方が安い。ただ液晶技術の進歩で、表示品質と価格の差は縮まっている。 日本の住宅事情やオフィス設置スペースからみても、今後は液晶が主流になるといわれている。 価格は標準的なもので CRT が約5∼10 万、液晶は 15 万くらい。 ◆マウスの左クリックと右クリックはどのように使い分けるもの? →普通に操作を進めていくときは左クリックが中心。右クリックは画面の状態によって異なり、 操作のキャンセルやモードの変更など、状態を切り換えるような時に使う。Windows 環境では、 右クリックすると、その時点で処理可能な機能メニューが表示される。 ◆ノートパソコンにマウスを付けることはできる? →可能。ノートパソコンにはマウスの代わりとして使えるタッチパッドや小型スティックなどが 付いている。ただし操作性はマウスの方が上。本格的にノートパソコンを使っていくつもりな らば、マウスはあった方がよいでしょう。 ◆マウスのダブルクリックがうまくできないことがある? →連続してクリックする時、途中でマウスを動かさないようしっかり固定しておくのがコツ。た だし長い間マウスを使っていると、思うように動かなくなることがある。裏側のボールにほこ りが付着していることもあるので、カバーを開けて掃除してみるとよい。 ◆マークシートの記入は鉛筆を使わないとダメ? →OMR や OCR の読み取り機構の多くは、鉛筆にしか対応していないものが多い(鉛筆文字に反射 した光しか認識できない) 。郵便局にある郵便番号自動読み取り機は OCR の一種だが、これは もちろん鉛筆以外の文字にも対応している。 ◆スキャナと複写機(コピー機)の違いは? →どちらも原稿(文字や写真などの画像)に光を当て、反射光を利用する点は同じ。複写機のア ウトプットは「紙」であるが、スキャナは読み取った画像情報をパソコン本体に記憶する。複 写機と違ってカラー対応が標準。また読み取り後の加工や保存、印刷、ワープロ文書への貼り 付け、メールに添付して送信など、処理の自由度は複写機に比べて高い。 ◆キーボードは両手で正しく打てないとダメ? →世の中には2本の人差し指だけを使って器用にタイプできる人もいるが、いくら速く打てても ブラインドタッチはできないと思われる。したがって、たとえばワープロ検定などに合格する ことは難しいでしょう。自己流の指使いが一度身についてしまうと、なかなか直せないものな ので、やはり最初に正しい指使いを覚えることが大切。 1/4 (2000 年度秋 第3回) ◆キーボードの配列で、JIS 配列以外にはどのようなものがある? →新 JIS 配列、親指シフト配列、50 音順配列、M式配列、快速ローマ字配列などいろいろあるが、 いずれも普及度はあまり高くない。 ◆デジタルカメラと普通のカメラはどう違う? →デジタルカメラは撮影した写真をフィルムではなく、内部のメモリに記録する。カメラ本体に は小さな液晶モニタがついているので、撮った写真をその場で見ることができる。失敗したら 消せるので、何度でも繰り返し撮影が可能。テレビの映像入力端子につなげば撮った写真をテ レビに映すこともできる。またパソコンのディスプレイに表示すれば様々な「編集」が可能。 「編集」とは、色の変更、コントラスト調整、切り抜き、拡大、縮小、回転、合成写真、特殊 効果(ぼかし、モザイク、セピア調、お肌ツルツルなど)をいう。さらに電子アルバムとして 保存したりプリンタに印刷することも可能。専用の光沢紙を使えば非常にきれいなプリント写 真ができる。(ただし普通のカメラで現像した写真に比べれば、画質は劣ります。) ◆デジタルカメラの選び方は? →コンピュータ上の絵や写真は、小さな点(画素、ドット、ピクセルなどと呼ぶ)が集まったも のであり、画素数(=解像度)が高いほど高精細になる。数年前に 100 万画素(メガピクセル) のデジタルカメラが登場して話題になった。最近では300 万画素クラスの製品も出ている。画 素数が高くなるほどサイズの大きい写真が撮れるが、その分ファイル容量が増え、撮影できる 枚数も制限される。スナップ写真くらいの大きさでよければ、100∼130 万画素でも十分。価格 は 100 万画素クラスで約5万、200∼300 万画素の高級機で 10∼20 万くらい。 ◆音声入力は現実問題として、どの程度実用性がある? →音声入力の進歩はめざましく、今の技術では日常会話より少しゆっくり目の話し方で、マイク から入った言葉が(ほとんど同時通訳のように)日本語文章となってパソコン画面に流れるよ うに表示されていく(初めて見る人は結構感動します)。実用性は十分あるといえるでしょう。 ◆音声入力で同音異義語は区別できる? →言葉を解読するソフトの性能による。「あつい」という発音が「熱い」「暑い」「厚い」のどれ になるかは前後の文脈によって決まる。音声入力ソフトが前後の文脈をどの程度解読できるか どうかが鍵。ただしキーボードの日本語入力(変換)でも 100%正しい文章に変換されること は有り得ないので、あとから何らかの修正は必要でしょう。 ◆Windows とマッキントッシュ(Mac)の違いは何? →マッキントッシュは米アップル社製パソコンの名前。日本でのシェアは約1割。残りはほとん どが Windows パソコン。Windows の方がシェアが高い分、ソフトの種類が多い。特にビジネス 系(ワープロ、表計算などの事務処理用ソフト)やゲーム系は Windows が優位。Mac はグラフ ィックやデザイン系に強いと言われる。ただどちらも同じパソコンであり、できることはワー プロ、インターネット、お絵かき、ゲーム・・・、などそれほど大きな差があるわけではない。 ◆テキストデータという意味がわからない? →ワープロで作成・保存した文書には「文字そのもの」の情報に加えて、さまざまな制御情報が 入っている(たとえば文字フォント、サイズ、下線、網掛け、文字色、ページスタイルなど) 。 テキストデータ(テキスト形式またはプレーンテキストともいう)とは、このような制御情報 を除いた文字だけ(正確には文字コードだけ)で構成されるデータのこと。なお電子メールの 本文は、テキストデータでやり取りをするのが一般的なルールとされている。 2/4 (2000 年度秋 第3回) ◆プロバイダの数は 1000 社以上もあるが、人気が高いのはどこ? →「INTERNET Magazine」の 2000 年人気ランキングによれば、1位ODN(日本テレコム) 、2位ニ フティ(富士通) 、3位 OCN(NTT) 、4位 So-net(ソニー) 、5位BIGLOBE(NEC)となっている。 サービス、品質、料金など総合的に安心感の高い大手プロバイダが上位を占めている。一方で は無料プロバイダへの人気、関心が急上昇している。ランキング 14 位の「live door」は有名。 ◆1台のパソコンで2つのメールアドレスを使い分けたい? →仕事とプライベートでメールアドレスを使い分けるなど、個人が複数のアドレスを所有するケ ースはよくある。たいていのメールソフトは複数アドレスに対応しているので、ソフト側で設 定をしておけば使い分けは可能。 ◆Hotmail って何? →無料で電子メールサービスを行っている Web サイト(ホームページ)の一つ。 「ヤフー」や「goo」 のフリーメールと同じで、利用者登録を行えば、他のプロバイダと契約しなくても電子メール を利用できる。メールソフトを準備する必要もないためホームページを見ることができるパソ コンがあれば、どこでも使えるというのが利点。逆にいうとホームページを表示している間し か使えない。学校で利用すればタダですむが、自宅で使えば接続料がかかることになる。 ◆新しく出た Windows2000 は今までの Windows と何が違う? →Windows は 95→98 とバージョンアップしてきたのでその後継ソフトのように思えるが、「98」 の後継版は WindowsME。Windows2000 は WindowsNT4.0 を改良したもの。Windows にはいろいろ な種類があるが、基本操作の部分ではあまり差がない。特徴としては WindowsNT がビジネス向 けで、ネットワークやセキュリティ機能を重視しているのに対し、Windows95/98/ME は個人 利用者向けで、どちらかといえば娯楽性重視。ただ今回の Windows2000 の登場で、今後は Windows が1種類に統合されていくともいわれている。 ◆チェーンメールを受け取ったらどうすればよい? →「不幸の手紙」のように不特定の人に同じメールを転送するよう要請するメールのことをチェ ーンメールという。これを繰り返すとメール数が爆発的に増え、ネットワークがダウンする危 険性があるため、ネットワークの世界では絶対に厳禁。万一受け取ったら内容のいかんに関わ らず、すぐにネットワーク管理者に連絡するのがよい。 ◆コンピュータウィルスってどういうもの? →データの内容を削除したりコンピュータの動作を不安定にするなど、コンピュータシステムに 障害を与える目的で作成されたソフト(プログラム)をコンピュータウィルスという。「I Love You」というタイトルの電子メールによって感染するウィルスが、少し前に社会問題になった。 見知らぬ相手からのメールは要注意。メールの本文を読んでも感染しないが添付されたファイ ルを開封した瞬間にウィルスに感染する。不審な添付ファイルは開かずに直ちに削除すること。 ◆SCSI(スカジー)と ATAPI(アタピー)の特徴を知りたい? →どちらもコンピュータと周辺装置を接続するときの規格のこと。SCSI(Small Computer System Interface)はハードディスク、CD、MO(光磁気ディスク) 、スキャナなど複数の機器を混在さ せてデータを高速転送できるのが特徴。拡張性も高い。ATAPI(Advanced T echnology Attachment Packet Interface)はもともと内蔵ハードディスクを接続するための規格を拡張したもの(俗 称IDEと呼ばれる)。改良後はCDにも利用されている。現時点で、性能面での違いはあまりなく、 内蔵ドライブがATAPI、増設・外付け用ドライブはSCSIという使い分けが一般的。 3/4 (2000 年度秋 第3回) ◆現代文化学科の資格「情報処理士」はどのように役に立つ? →医師や栄養士は資格がなければ仕事に就けないが、コンピュータに関する職業の場合、そうい うことはない。その意味では資格が就職に直結するということではないが、取得すれば「コン ピュータに関する一定レベルの知識・技術を有していると社会から客観的に認められる」こと になる。結果として、就職活動や社会に出てからの評価が有利になると考えてよい。 ◆ワープロ検定とはどのような試験? →日商ワープロ検定(日本商工会議所)の場合、1級∼4級の4種類がある。実技試験では 10 分間の文章入力問題が出題され、1級 900 字、2級 600 字、3級 400 字、4級 300 字の文章を 正しく入力できなければならない。当然ブラインドタッチの習得が条件となる。そのほか筆記 試験として、ワープロの機能、周辺装置の特徴、漢字や文章表現などの問題が出題される。 (6号館1F「資格取得課」で受験相談を受け付けています。) ◆プリンタの種類はいろいろあるが印刷速度の速いのはどれ? →自宅で使う場合、選択肢はシリアルプリンタかページプリンタのどちらか。速度よりも価格や カラー印刷機能を重視するならシリアルプリンタ。高価格でも速度優先ならページプリンタ。 ◆パソコンの寿命はどれくらい? →機械(装置)そのものの寿命は一般の電気製品とほぼ同じ。少なくとも 10 年は十分使える(も ちろん部品の故障や交換が生じることはある)。ただソフトウェアの機能改良が2、3年に1 回程度あり、またハードウェアも日々進化していることから実際には機械的な寿命が来る前に 「新しい機能に対応できなくなる」のが現実である。(あまりに急激にパソコンが普及したた め、中古パソコンの処分、ゴミ処理というのが大きな社会問題になっています。) ◆学校でデジタルカメラを使いたい? →3号館2Fの「情報処理課」で借りられます。 ◆定期試験はテキスト(プリント)だけから出る? →試験範囲としてはテキストになりますが、説明した項目はノートで必ず復習してください。 意見、感想その他 ◆キーボードの配列がどのような事情で決められたのかがわかった。 ◆もっと入力しやすいキー配列が普及すればよいのにと思う。 ◆入力装置の種類が多いのに驚いた。 マークシートが入力装置に位置付けられるとは思わなかった。 ◆マークシートの注意事項に折り曲げたり汚したりしないように書いてあるが、光を当ててマーク 位置を判別しているとは思わなかった。 ◆自分はブラインドタッチができない。練習して早くできるようになりたい。 ◆ディスプレイ画面は小さい点(ドット)が集って表示されていることがわかった。 ◆郵便番号の話を聞いて、OCR のしくみが身近でも利用されていることを知った。 ◆今日の授業でも知らない用語をたくさん勉強した。 ◆OCR、OMR、CRT など横文字の略語やカタカナがたくさんあって、覚えるのが大変だ。 ◆音声入力装置に興味がある。/音声入力は障害のある人や高齢者に有効だと思う。 ◆今の時代はいろいろなものが、小型、薄型、軽量化していくように思う。 ◆実際にパソコンに触れたり見たりしないと、授業を聞くだけではなかなか覚えられない。 ◆学校でデジタルカメラを借りられるとは知らなかった。 /デジカメに興味がある。 使ってみたい。 4/4 (2000 年度秋 第3回)
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