建築用板ガラスの一般的な話 2-2 ●ミラー れます。ただし、溝の深さや方向によって、ガラ c) サンドブラスト ガラスの表面に、銀・銅の金属膜、さらにその上 スの強度が著しく低下するため、外窓やテーブ 金剛砂を圧縮空気によってガラス面に吹き付け、 に塗料をコーティングする方法。研磨材とブラ ルトップなどガラス強度を期待して使用する用 ガラスを切削しながら切断します。カッターによ シを使って表面をクリーニングし、錫溶液をスプ 途には向きません。 る切断が難しい場合(角孔明け等)に適していま レーして表面の活性化処理を施し、銀溶液をス d) シルク印刷 す。< 図12 参照> d) ウォータージェット プレーして銀メッキを施します。さらに耐久性を ガラス表面への印刷技術として代表的なもの より高めるため、銅溶液をスプレーして銅メッキ で、シルク版によってサイン、商標なども印刷で 金剛砂を混ぜた水をガラス面に高速で吹き付 を施しこれらの金属膜を保護し、耐久性を持た きます。 け、ガラスを切断します。厚いガラスや複雑な形 せるための塗料を上からコーティングします。そ e) セラミックプリント 状の切断に適しています。 の後、ヒーターで塗料を乾燥させ、洗浄して汚 フロート板ガラスにセラミックのインキをシルク ③孔明け・切り欠き加工 れを落とし、検査工程を経てパレットにつめら スクリーン印刷し、熱処理の過程で同時に焼き a) 丸孔明け れて製品化します。< 図11 参照> つけたものです。セラミックインキの使用により 加工手段にもよりますが、最低直径3mm以上 耐久性に優れ、また熱処理を行うため、強化ガ からできます。ただし、ガラスエッジに極端に近 ラス・倍強度ガラスと同等の強度となるタイプ 接する加工はできません。 があります。 b) 角孔明け 銀 f) シート貼り コンセントなどのための加工です。ただし、孔の カッティングシートを貼り、シルク印刷と同様の コーナーは、強度上必ず若干R角に仕上げます。 銅 視覚効果を得ることができます。 c) 切り欠き 下塗り塗装 上塗り塗装 図 11 ガラス素板 ミラー構造図 図 1 、 図 2 出典:「日本の板ガラス」板硝子協会 g) その他 梁などを避けるために、ガラスを切り込む加工 金属膜をコーティングする特殊加工があります。 です。しかし、この加工を行わず、割り付け施工 銀引き加工によるミラー、スパッタリングによる した方が、ガラス強度を損なわず、コスト面でも サンルックス、サンカットΣ、Low-Eガラスなど 好ましい結果が得られます。 が加工の代表例です。 ②切断 孔明け・切り欠き加工 ガラスの切断は、紙や木などと異なり「折る」ま についてのご注意 たは「割る」というのに近い方法で行われます。 孔明け・切り欠き加工をすると、切り欠きコー この切断の原理は昔からのもので、現在も使わ ナー部・孔部の強度が、著しく低下する場合が ①表面加工 れている代表的な切断方法、切削方法には次の あります。外力のかかる部位には、ご使用になら a) サンドブラスト ようなものがあります。 ないでください。やむを得ずご使用になる場合、 金剛砂を吹き付けてガラス表面を粗くしたり、 a) カッターによる切断 強化ガラスをご使用ください。 彫り込んだりする加工です。図柄の彫り込み、つ ダイヤモンド・カッターやホイール・カッターで や消し加工、さらに孔明けや切り欠き加工にも 割れ目 (にゅう) を入れて、そこに力を加えて折り 応用します。 ます。 2加工法 b) エッチング/フロスト (タペストリー)加工 b) ダイヤモンド・ソウによる切断 いずれもフッ酸によって、ガラス表面を腐蝕させ ダイヤモンドを埋め込んだ一種のグラインダー 凸凹面を作り出す加工です。 を用い、ガラスを少しずつ削り取りながら切り エッチング:サンドブラストで彫り込んだ模様 離していきます。主に厚いガラスやガラスの塊の をなめらかに仕上げます。一般に、彫りの深い 切断に適しています。 彫刻的な模様を主体とした、店舗や住宅の装飾 ガラスに用います。 フロスト (タペストリー)加工:サンドブラストで ガラス表面を一様に細かく粗くしてすりガラス 状にしたものを、フッ酸によって半透明にする加 直線切り 工です。 c) Vカット ガラス表面に、彫刻刀で彫ったようなV字型の 溝をつくる加工です。研磨部分がV字型に突き 出したペンシル型ホイールで研削し、V型の溝 幅、深さ、角度およびカットの配置によって、ガ ラスを何枚も段積みしたような視覚効果が得ら 図 12 2-2-3 曲線切り ) φ 丸切り(150 以上
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