「四角形と三角形の面積」学習指導案(大日本図書)[PDF文書]

第5学年算数科学習指導案
1
付けたい力
方法や理由等を言葉や数、式を用いて説明する力
2 単元名
四角形と三角形の面積
3 単元目標
◎ 三角形や四角形の面積の求め方を考え、説明することができる。
○ 三角形や四角形の面積の公式を理解し、面積を求めることができる。
○ 平行四辺形の高さと面積などの関係を調べ、比例していることを確かめる。
4 評価規準
算数への
関心・意欲・態度
・ 三角形や四角形の面積の
求め方をいろいろ考えよ
うとする。
5
数学的な考え方
・
既習事項を基にして、三
角形や四角形の面積の求
め方を考え、説明すること
ができ、公式を導くことが
できる。
数量や図形についての
技能
・ 公式を適用して、三角形
や四角形の面積を求める
ことができる。
大日本図書版
数量や図形についての
知識・理解
・ 三角形や四角形の面積の
意味とその求め方を理解
している。
指導と評価の計画(全 15 時間)
【第1・2・4・6・8・9・11・15 時の学習指導案を掲載しています】
時
間
1
・
2
ねらい・学習活動
平行四辺形の面積の求め方を考
える。
・ 平行四辺形の面積の求め方を、
長方形に等積変形して説明する。
【児童が説明する算数的活動①】
3
4
5
6
平行四辺形に関する「底辺」、「高
さ」の意味を理解し、求積公式にま
とめ、面積を求めることができる。
・ 平行四辺形の面積は底辺と高さ
が分かれば面積が求められると
考え、公式としてまとめる。
・ 平行四辺形の面積の公式を適用
して、面積を求める。
平行四辺形の高さが、底辺の延長
線上にあるときの面積の求め方を
考える。
・ 平行四辺形の高さが底辺の延長
線上にあるときの平行四辺形の
面積の求め方を、長方形や既習の
平行四辺形に等積変形して説明
する。
【児童が説明する算数的活動②】
平行四辺形の高さと面積の比例
関係が分かる。
・ 底辺の長さが一定の平行四辺形
の、高さと面積の変わり方を表に
表して、考察する。
・
三角形の面積の求め方を考える。
三角形の面積の求め方を、倍積
変形や等積変形して説明する。
【児童が説明する算数的活動③】
評価規準(評価方法) ※項目内容は欄外参照
算数への関心・
数量や図形につ
数量や図形につ
数学的な考え方
意欲・態度
いての技能
いての知識・理解
◎平行四辺形を ◎平行四辺形の
求積できる図
面積の求め方
形に変形し、進
を、既習事項を
んで平行四辺
基に考え、説明
形の面積を求
することがで
めようとして
きる。(ア、ウ、
いる。(ア、イ)
エ)
◎平行四辺形の ○平行四辺形の
面積の公式を
面積の意味と
使って面積を
その求め方を
求めることが
理解している。
できる。(イ、
(エ)
エ)
◎平行四辺形の
高さが底辺の
外にある場合
も、底辺×高さ
で面積が求め
られるわけを
説明している。
(ア、ウ、エ)
○平行四辺形の
高さが底辺の
外にある場合
も求積公式が
適用できるこ
とが分かる。
(エ)
◎平行四辺形の
高さと面積の
関係を表す表
から、きまりを
考えることが
できる。(ア、
ウ、エ)
○三角形を求積 ◎三角形の面積
できる図形に
の求め方を、既
変形し、進んで
習事項を基に
三角形の面積
考え、説明する
を求めようと
ことができる。
している。(ア、
(ア、ウ、エ)
イ)
○平行四辺形の
高さと面積は、
比例関係であ
ることを理解
している。(エ)
- 1 -
7
8
9
10
11
12
13
・
14
三角形に関する「底辺」、「高さ」
の意味を理解し、求積公式にまと
め、面積を求める。
・ 三角形の面積は底辺と高さが分
かれば面積が求められると考え、
公式としてまとめる。
・ 三角形の面積の公式を適用し
て、面積を求める。
三角形の高さが、底辺の延長線上
◎三角形の高さ
にあるときの面積の求め方を考え
が底辺の外に
る。
ある場合も、底
・ 三角形の高さが底辺の延長線上
辺×高さ÷2
にあるときの三角形の面積の求
で面積が求め
め方を、既習の三角形や平行四辺
られるわけを
形を基に説明する。
説明している。
【児童が説明する算数的活動④】
(ア、ウ、エ)
台形の面積の求め方を考える。
○台形を求積で ◎台形の面積の
・ 三角形や平行四辺形を基に、台
きる図形に変
求め方をいろ
形の面積の求め方を説明する。
形し、進んで台
いろ考え、説明
形の面積を求
することがで
【児童が説明する算数的活動⑤】
めようとして
きる。(ア、ウ、
いる。(ア、イ)
エ)
台形に関する「底辺」、「高さ」
の意味を理解し、求積公式にまと
め、面積を求める。
・ 台形の面積は底辺と高さが分か
れば面積が求められると考え、公
式としてまとめる。
・ 台形の面積の公式を適用して、
面積を求める。
ひし形の面積の求め方を考える。 ○ ひ し 形 を 求 積 ◎ ひ し 形 の 面 積
・ 三角形や長方形を基に、ひし形
できる図形に
の求め方をい
の面積の求め方を説明する。
変形し、進んで
ろいろ考え、説
ひし形の面積
明することが
【児童が説明する算数的活動⑥】
を求めようと
できる。(ア、
している。(ア、
ウ、エ)
イ)
ひし形の求め方を考え、求積公式
にまとめ、面積を求める。
・ ひし形の面積は2つの対角線が
分かれば面積が求められると考
え、公式としてまとめる。
・ ひし形の面積の公式を適用し
て、面積を求める。
単元の学習内容についての理解
を確かなものとする。
・ 面積に関する練習問題を解く。
・ 学習内容を振り返りまとめる。
◎三角形の面積
の公式を使っ
て面積を求め
ることができ
る。(イ、エ)
○三角形の高さ
が底辺の外に
ある場合も求
積公式が適用
できることが
分かる。(エ)
◎台形の面積の ○台形の面積の
公式を使って
意味とその求
面積を求める
め方を理解し
ことができる。
ている。(エ)
(イ、エ)
◎ひし形の面積
の公式を使っ
て面積を求め
ることができ
る。(イ、エ)
- 2 -
○ひし形の面積
の意味とその
求め方を理解
している。(エ)
◎公式を使って ○公式を使って
面積を求める
面積を求めら
ことができる。
れることを理
(エ)
解している。
(エ)
1つの点を長方形や平行四辺形 ○ 今 ま で の 学 習 ◎ 底 辺 と 高 さ が
の中のどこにとっても上下、左右の
内容を活用し
等しい三角形
三角形の面積の和は等しくなるこ
て、説明しよう
は面積も等し
とを理解する。
としている。
いことに着目
・ 三角形は底辺と高さが等しけれ
(ア、イ、ウ)
して、解決のし
ば面積も等しくなること等、単元
かたを考えて
の学習内容を活用して説明する。
いる。(ア、ウ、
【知識・技能の活用を図る算数的活動】
エ)
(評価の方法) ア:学習活動の様子の観察
イ:問題解決の状況の観察
ウ:話し合ったり発表したりする様子の観察
エ:ノート、ワークシートによる個人解決や練習問題の解決状況の分析
15
○三角形の面積
の意味とその
求め方を理解
している。(エ)
【児童が説明する算数的活動①-(1)】
5年
四角形と三角形の面積
大日本図書
下P2~3
考え
(1時間目/全 15 時間)
1
本時の目標
辺の長さが同じ平行四辺形と長方形の面積の大きさを比べる算数的活動を通して、平行四辺形の面積の
求め方を工夫して説明しようとする。
2
本時の学習
※ 関 考 技 知 は評価の観点・(
主な学習活動
1
)は評価の方法を示す。
指導上の留意点と評価
問題場面について話し合う。
・
問題場面は「シカーク大王からの挑戦状」という
形で提示し、解決への意欲を高めさせる。
○
い の平行四辺形の面積と、○
あ の長方形の面
・
積は同じでしょうか。
P2のイラストを見せて、長方形の面積の求め方
を確認する。(5×6=30 で 30 ㎠)
○
あ
・
○
い
P2の模型を提示し、イラストのように長方形の
形を平行四辺形に変えていったとき、面積も変わる
か考えさせる。(「同じかな?
・
変わるかな?」)
○
あ と○
い の面積が同じか違うか、自分の考えを明確
にさせてから話し合わせて、興味をもたせる。
・ ○
あ と○
い の面積が同じか違うか考え、平行四
辺形の面積の求め方に対する興味を高める。 ・
平行四辺形の面積の求め方は未習であることを確
認し、学習のねらいを明確にする。
2
学習のねらいについて話し合う。
○
い の平行四辺形の面積の求め方を考え よ
・
う。どうすれば求めることができるかな。
今までに習ったこと(長方形の面積)を基にして考
えるという見通しをもたせる。
・ 自分の考えを近くの友だちと交流し、長方
形に変形する方向性を確定する。
《
児
童
が
説
明
す
る
算
数
的
活
動
》
3
長方形に変形する方法を基に、言葉と図と式
を使って平行四辺形の面積の求め方の説明を ・ 答えだけでなく、考え方の説明(言葉、補助線、式
など)も書かせる。
かく。
あなたは、どのように考えたのかな。
・
必要に応じて書き出しの文、キーワードを示す。
○
い の平行四辺形の面積の求め方を言葉と図
・
一つの方法を見つけた児童には、他の考え方でも
考えさせ、同じ答えになるかどうか確かめさせる。
と式を使ってかきましょう。
「なぜを問う」
「ほめる」
・長方形に変形する考えは
すばらしいね。
・図を使って分かりやすい
説明をめざしているね。
4
関
次時の予告をする。
平行四辺形を求積できる図形に変形し、進んで平
行四辺形の面積を求めようとしている。(学習活動
次の時間、自分の考え方をみんなに説明し
の様子、問題解決の状況の観察)
ましょう。
・ 次時の最初に板書する児童を指名し、その
児童の説明から授業がスタートすることを
予告する。
・
次の時間が始まるまでに、図だけの説明を発表ボ
ードにかかせておく。
- 3 -
【児童が説明する算数的活動①-(2)】
5年
四角形と三角形の面積
大日本図書
下P3~4
考え
(2時間目/全 15 時間)
1
本時の目標
平行四辺形の面積の求め方を、長方形に等積変形して説明する算数的活動を通して、平行四辺形の面積
の求め方を考える。
2
本時の学習
※ 関 考 技 知 は評価の観点・(
主な学習活動
1
指導上の留意点と評価
問題場面について話し合う。
・
前の時間に提示した問題場面を再度提示し、問題
の場面を確認する。(○
い の平行四辺形の面積と、○
あの
○
い の平行四辺形の面積の求め方を説明しよ
長方形の面積は同じでしょうか。)
う。
・
○
あ
2
今までに習ったこと(長方形の面積)を基にして考
えるという見通しをもたせる。
○
い
学習のねらいについて話し合う。
○
い の平行四辺形の面積の求め方を説明しよ
《
児
童
が
説
明
す
る
算
数
的
活
動
》
)は評価の方法を示す。
説明のモデル①~③
う。
「ほめる」
3
説明を発表し、平行四辺形の面積の求め方を
話し合う。
・
「なぜを問う」
(図だけの説明で)この人のアイデアが分
・長方形の面積を基に説明
できたね。
・言葉と図と式を使って説
明できたね。
かるかな。
・ 今の説明のアイデアが分かったかな。(分
・
発表ボードに考え方をかき、全体で交流させる。
かりやすいところはどこかな。) 隣の人に
・
分かりやすい説明を認め合ったり、足りない部分
を補い合ったりさせ、説明を完成させる。
話してごらん。
4
考え方の似ているところについて話し合う。 考 平行四辺形の面積の求め方を、既習事項を基に考
え、説明することができる。(学習活動の様子、発
みんなの考えで似ているところを見つけら
表の様子、ノートの記述)
れるかな。
5
・
○
い の平行四辺形の面積の求め方をまとめる。
○
い の平行四辺形の面積は、どの考え方でも4×6
=24(㎠)で、○
あ の長方形の面積よりも小さくなるこ
とを確認する。
6
適用問題をする。
7
本時の学習を振り返る。
・
できるだけ簡単に、分かりやすく説明する方法を
考えさせ、次時の公式づくりの学習につなげる。
「今日の発見」をノートにかきましょう。
・「平行四辺形の面積は、長方形に変形して求めるこ
【視点】
とができる。」
・ 平行四辺形の面積は、今までに学習したど
んなことを使って求められたか。
・
・「直角三角形だけでなく、台形を動かして長方形に
変形する考え方がよかった。」
友だちの考えでよかったことは何か。
- 4 -
3
説明のポイント
平行四辺形を変形して、長方形を作って面積を求めるという考えを述べる。
4
説明のモデル【キーワード】
◆説明のモデル① ≪ゆうとさんの考え方の説明≫
平行四辺形は、図のように、直角三角形を移動して、たて4㎝、横
6㎝の長方形に変形できます。だから、平行四辺形の面積は、4×6
=24 24 ㎠です。
◆説明のモデル② ≪さくらさんの考え方の説明≫
平行四辺形は、図のように、台形を移動して、たて4㎝、横(1+
5)㎝の長方形に変形できます。だから、平行四辺形の面積は、4×
6=24 24 ㎠です。
◆説明のモデル③ ≪○○さんの考え方の説明≫
平行四辺形は、図のように、直角三角形を2つ移動して、たて4㎝、
横6㎝の長方形に変形できます。だから、平行四辺形の面積は、4×
6=24 24 ㎠です。
5
授業プラン
説明 ○
い の平行四辺形の面積の求め方の説明を発表しましょう。
指示 (図だけの説明で説明のモデル①)この図をかいた○○さんのアイデアを説明できるかな。隣の
人と話し合いましょう。
③ 指示 では、図をかいた人に説明してもらいます。○○さんのアイデアは何かな?
④ 発問 今の説明のアイデアが分かったかな。(…説明を教師が板書…)分かりやすいところはどこかな。
(直角三角形をずらして長方形にするアイデア。矢印と長方形に変形した図が分かりやすい。)
⑤ 説明 ○○さんは、直角三角形を移動して、長方形に変形して求めたことを説明しているから、すば
らしいですね。…(ほめる)
⑥ 指示 (図だけの説明で説明のモデル②)では、この人のアイデアが分かるかな。隣の人と話し合いま
しょう。
⑦ 指示 では、今度は図をかいた△△さんとは違う人に説明してもらいます。□□さん、どうぞ。
(…□□さんの説明…) 図をかいた△△さん、これでいいですか?
⑧ 発問 今の説明のアイデアが分かったかな。(…説明を教師が板書…)分かりやすいところはどこかな。
(台形をずらして長方形にするアイデア。矢印と長方形に変形した図が分かりやすい。)
⑨ 説明 ○○さんは、台形を移動して、長方形に変形して求めたことを説明しているね。…(ほめる)
⑩ 指示 なんと、こんな考え方をした人がいました。(図だけの説明で説明のモデル③)この人のアイデ
アが分かるかな。隣の人と話し合いましょう。(…説明を教師が板書…)
⑪ 指示 みんなの説明で、分かりやすい所、「これはよい!」という所はありましたか。
(分かりやすい説明を確認し、認め合って説明を完成していく。)
⑫ 発問 みんなの説明のなかで、似ているところはありましたか。
(どれも、「長方形に形を変えて求める」という考えが同じ。)
⑬ 説明 どれも、前に習っている「長方形の面積」を使っていますね。このように、今までに学習した
ことを使って、いろいろな求め方を考えていきましょう。
①
②
- 5 -
【児童が説明する算数的活動②】
5年
四角形と三角形の面積
大日本図書
下P6~7
考え
(4時間目/全 15 時間)
1
本時の目標
平行四辺形の高さが底辺の延長線上にあるときの平行四辺形の面積の求め方を、長方形や既習の平行四
辺形に等積変形して説明する算数的活動を通して、面積の求め方を考える。
2
本時の学習
※ 関 考 技 知 は評価の観点・(
主な学習活動
1
)は評価の方法を示す。
指導上の留意点と評価
問題場面について話し合う。
・
右の平行四辺形で、辺BCを底辺としたと
今までは、高さが底辺上にあったことを振り返ら
せる。
き、AEやDFの長
・
さも高さといいま
高さが底辺上にあった平行四辺形の面積は、長方
形に変形して求めたことを想起させる。
す。この平行四辺形
・ 底辺×高さで求められるとすると、3×6=18 で
の面積も底辺×高さ
18 ㎠になることを確認する。
で求められるか考え
ましょう。
・
2
高さが底辺上にない平行四辺形の面積も変形すれ
ば求められるか考えさせ、見通しをもたせる。
学習のねらいについて話し合う。
高さが底辺上にない平行四辺形の面積の求
め方を考え、説明しよう。
3
児童一人ひとり自分の考えで求め方を説明
・ 答えだけでなく、考え方の説明(言葉、補助線、式
する。
《
児
童
が
説
明
す
る
算
数
的
活
動
》
など)も書かせる。
・
4
言葉と図と式を使って説明をかく。
一つの方法を見つけた児童には、他の考え方でも
考えさせ、同じ答えになるかどうか確かめさせる。
あなたは、どのように考えたのかな。
「なぜを問う」
高さが底辺上にない平行四辺形の面積の求
め方を言葉と図と式を使ってかきましょう。
5
説明のモデル①~④
説明を発表し、高さが底辺の延長線上にある
「ほめる」
・今までに学習した平行四
辺形に変形して説明でき
たね。
・分けて考えたことを説明
できたね。
ときの平行四辺形の面積の求め方を話し合う。 ・
発表ボードに考え方をかき、全体で交流させる。
・
分かりやすい説明を認め合ったり、足りない部分
を補い合ったりさせ、説明を完成させる。
・ 高さが底辺上にないときも、平行四辺形の面積は、
底辺×高さで求められることを確認する。
6
本時の学習を振り返る。
考
「今日の発見」をノートにかきましょう。
×高さで面積が求められるわけを説明している。
(学
【視点】高さが底辺上にないときの平行四辺形の
面積も「底辺×高さ」で求められるか。
平行四辺形の高さが底辺の外にある場合も、底辺
習活動の様子、発表の様子、ノートの記述)
・「高さが底辺上にないときも、平行四辺形の面積は、
底辺×高さで求められる」
7
練習問題3を解く。
- 6 -
3
説明のポイント
高さが底辺上にある平行四辺形を変形して、面積を求めるという考えを述べる。
4
説明のモデル【キーワード】
◆説明のモデル① ≪しょうたさんの考え方の説明≫
図のように、対角線ACをひいて、三角形ABCを作って移動すると、平行四
辺形ACGDに変形できます。平行四辺形の面積は、底辺×高さで求められるの
で、3×6=18 18 ㎠です。
◆説明のモデル② ≪ゆいさんの考え方の説明≫
図のように、線HIをひいて、平行四辺形ABCDの半分の大きさに分けます。
分けた平行四辺形の面積は、底辺×高さで求められるので、平行四辺形の面積は、
(3×3)×2=18 18 ㎠です。
◆説明のモデル③ ≪つばささんの考え方の説明≫
図のように、平行四辺形ABCDをもう一つ分作って移動すると、平行四辺
形ABGJに変形できます。平行四辺形ABGJの面積は、底辺×高さで求め
られるので、平行四辺形の面積は、(6×6)÷2=18 18 ㎠です。
◆説明のモデル④ ≪長方形に変形する考え方の説明≫
図のように、直線KC、直線LMをひいて、五角形AKCML、三角形LMD
を作って移動すると、長方形に変形できます。長方形の面積は、3×6=18 で、
18 ㎠なので、平行四辺形の面積は、18 ㎠です。
5
授業プラン
発問 高さが底辺上にない平行四辺形の面積の求め方を考え、説明しよう。どのように考えて求めた
のか、説明もかきます。
② 説明 分かりやすく、友だちに納得してもらえる説明を目指しましょう。
③ 指示 他の考え方を見つけた人は、その説明をかきましょう。
④ 指示 近くの人と相談して、「これはよい!」という説明をかきましょう。
⑤ 指示 考え方を黒板(発表ボード)にかきましょう。(状況に応じて、図だけ・式だけ・言葉だけかかせ
る。)
⑥ 説明 考え方の説明を発表しましょう。説明のモデル①~④
⑦ 指示 この人のアイデアが分かるかな。隣の人と話し合いましょう。
⑧ 指示 今の説明で、分かりやすい所、「これはよい!」という所はありましたか。
(分かりやすい説明を確認し、認め合って説明を完成していく。)
⑨ 説明 ○○さんは、今までに学習した平行四辺形の形に変形して求めたことを説明しているから、す
ばらしいですね。長方形に変形して求めた□□さんもすごいですね。…(ほめる)
⑩ 発問 みんなの説明のなかで、同じところはありましたか。
(「前の時間に考えた平行四辺形に変形して求める」という考えが同じ。)
⑪ 説明 高さが底辺上にない平行四辺形でも、面積は、底辺×高さで求められますね。
①
- 7 -
【児童が説明する算数的活動③】
5年
四角形と三角形の面積
大日本図書
下P9~10
考え
(6時間目/全 15 時間)
1
本時の目標
三角形の面積の求め方を、倍積変形や等積変形して説明する算数的活動を通して、三角形の面積の求め
方を考える。
2
本時の学習
※ 関 考 技 知 は評価の観点・(
主な学習活動
1
指導上の留意点と評価
問題場面について話し合う。
・
問題場面は「シカーク大王からの挑戦状」という
形で提示し、解決への意欲を高めさせる。
右の三角形の面積
・
の求め方を考えまし
今までに平行四辺形の面積の求め方をいろいろ考
え、公式を導いたことを想起させる。
ょう。
・
求め方をいろいろ
三角形の面積も変形したりすれば求められるか考
えさせ、見通しをもたせる。
考えましょう。
・
2
)は評価の方法を示す。
求め方はいくつかあることを確認し、学習のねら
いを明確にする。
学習のねらいについて話し合う。
三角形の面積の求め方を考え、説明しよう。
3
《
児
童
が
説
明
す
る
算
数
的
活
動
》
児童一人ひとり自分の考えで求め方を説明
・ 答えだけでなく、考え方の説明(言葉、補助線、式
など)も書かせる。
する。
・
4
一つの方法を見つけた児童には、他の考え方でも
考えさせ、同じ答えになるかどうか確かめさせる。
言葉と図と式を使って説明をかく。
あなたは、どのように考えたのかな。
「なぜを問う」
三角形の面積の求め方を言葉と図と式を使
ってかきましょう。
5
説明のモデル①~④
説明を発表し、三角形の面積の求め方を話し
合う。
「ほめる」
・平行四辺形の面積を基に
説明できたね。
・三角形の面積を2倍して
長方形を作って考えたこ
とを説明できたね。
・
発表ボードに考え方をかき、全体で交流させる。
・
分かりやすい説明を認め合ったり、足りない部分
を補い合ったりさせ、説明を完成させる。
・
どの考え方でも平行四辺形や長方形に変形させれ
ば三角形の面積は求められることを確認する。
6
・
適用問題をする。
できるだけ簡単に、分かりやすく説明する方法を
考えさせ、次時の公式づくりの学習につなげる
7
本時の学習を振り返る。
考
「今日の発見」をノートにかきましょう。
三角形の面積の求め方を、既習事項を基に考え、
説明することができる。(学習活動の様子、発表の
【視点】
・ 三角形の面積は、今までに学習したどんな
様子、ノートの記述)
ことを使って求められたか。
・
友だちの考えでよかったことは何か。
・「三角形の面積は、平行四辺形や長方形に変形した
ら求めることができる。」
- 8 -
3 説明のポイント
(1)三角形の面積を2倍して、平行四辺形を作って求めるという考えを述べる。
(2)三角形の面積を2倍して、長方形を作って求めるという考えを述べる。
(3)三角形を変形して、平行四辺形に変形して面積を求めるという考えを述べる。
4
説明のモデル【キーワード】
◆説明のモデル① ≪さくらさんの考え方の説明≫
三角形の面積を 2 倍にして、図のように平行四辺形をつくります。ま
ず、平行四辺形の面積を求めます。次に、平行四辺形の面積を半分にし
ます。だから、三角形の面積は、(8×4)÷2=16 で、16 ㎠です。
◆説明のモデル② ≪ゆうとさんの考え方の説明≫
三角形の面積を 2 倍にして、図のように長方形をつくります。まず、
長方形の面積を求めます。次に、長方形の面積を半分にします。だから、
三角形の面積は、(4×8)÷2=16 で、16 ㎠です。
◆説明のモデル③ ≪あおいさんの考え方の説明≫
三角形は、図のように平行四辺形に変形できます。平行四辺形の
面積は、底辺×高さで求められるので、三角形の面積は、8×(4÷
2)=16 で、16 ㎠です。
◆説明のモデル④ ≪○○さんの考え方の説明≫
三角形は、図のように長方形に変形できます。変形した長方形の面積
は、たて×横で求められるので、三角形の面積は、(4÷2)×8=16 で、
16 ㎠です。
5
授業プラン
発問 この三角形の面積の求め方をいろいろ考え、説明しよう。どのように考えて求めたのか、説明
もかきます。
② 説明 分かりやすく、友だちに納得してもらえる説明を目指しましょう。
③ 指示 他の考え方を見つけた人は、その説明をかきましょう。
④ 指示 近くの人と相談して、「これはよい!」という説明をかきましょう。
⑤ 指示 考え方を黒板(発表ボード)にかきましょう。(状況に応じて、図だけ・式だけ・言葉だけかかせ
る。)
⑥ 説明 考え方の説明を発表しましょう。説明のモデル①~④
(板書の順に発表させる。同じ考え方の児童はいるか、挙手で確認をする。)
⑦ 指示 この人のアイデアが分かるかな。隣の人と話し合いましょう。
⑧ 指示 みんなの説明で、分かりやすい所、「これはよい!」という所はありましたか。
(分かりやすい説明を確認し、認め合って説明を完成していく。)
⑨ 説明 □□さんは、長方形をつくって求めたことを説明しているから、わかりやすですね。…(ほめる)
⑩ 発問 考え方の似ているところはありませんか。考え方の似ているところを見つけましょう。
(「②と④は、長方形(平行四辺形)に変形して求めているところが似ている。」)
①
- 9 -
【児童が説明する算数的活動④】
5年
四角形と三角形の面積
大日本図書
下P11~12
考え
(8時間目/全 15 時間)
1
本時の目標
三角形の高さが底辺の延長線上にあるときの三角形の面積の求め方を、既習の三角形や平行四辺形を基
に説明する算数的活動を通して、面積の求め方を考える。
2
本時の学習
※ 関 考 技 知 は評価の観点・(
主な学習活動
1
)は評価の方法を示す。
指導上の留意点と評価
問題場面について話し合う。
・
右の三角形
今までは、高さが底辺上にあったことを振り返ら
せる。
で、辺BCを底
・
辺としたとき、
高さが底辺上にあった三角形の面積は、平行四辺
形や長方形に変形して求めたことを想起させる。
ADの長さも
・
高さといいま
底辺×高さ÷2で求められるとすると、6×4÷
2=12 で 12 ㎠になることを確認する。
す。この三角形
の面積も底辺×高さ÷2で求められるか考え
・
ましょう。
高さが底辺上にない三角形の面積も変形すれば求
められるか考えさせ、見通しをもたせる。
2
学習のねらいについて話し合う。
高さが底辺上にない三角形の面積の求め方
を考え、説明しよう。
3
児童一人ひとり自分の考えで求め方を説明
・ 答えだけでなく、考え方の説明(言葉、補助線、式
など)も書かせる。
する。
《
児
童
が
説
明
す
る
算
数
的
活
動
》
4
・
言葉と図と式を使って説明をかく。
一つの方法を見つけた児童には、他の考え方でも
考えさせ、同じ答えになるかどうか確かめさせる。
あなたは、どのように考えたのかな。
「なぜを問う」
高さが底辺上にない三角形の面積の求め方
を言葉と図と式を使ってかきましょう。
説明のモデル①~③
5
説明を発表し、高さが底辺の延長線上にある
ときの平行四辺形の面積の求め方を話し合う。
6
発表ボードに考え方をかき、全体で交流させる。
・
分かりやすい説明を認め合ったり、足りない部分
を補い合ったりさせ、説明を完成させる。
・
下の三角形○
あ 、○
い 、○
う の面積が等しいわけ
8
本時の学習を振り返る。
高さが底辺上にないときも、三角形の面積は、底
辺×高さ÷2で求められることを確認する。
を説明しましょう。(図略)
練習問題2を解く。
・今までに学習した平行四
辺形をつくって説明でき
たね。
・直角三角形を基にして、
説明できたね。
・
適用問題(りんごマーク)を解く。
7
「ほめる」
考
三角形の高さが底辺の外にある場合も、底辺×高
さ÷2で面積が求められるわけを説明している。
(学
習活動の様子、発表の様子、ノートの記述)
「今日の発見」をノートにかきましょう。
【視点】高さが底辺上にないときの三角形の面積
・「どんな形の三角形でも、底辺と高さが同じであれ
ば、面積は等しいことが分かった。」
も「底辺×高さ÷2」で求められるか。
- 10 -
3
説明のポイント
高さが底辺上にある平行四辺形を変形して、面積を求めるという考えを述べる。
4
説明のモデル【キーワード】
◆説明のモデル① ≪つばささんの考え方の説明≫
図のように、直角三角形ABDをつくり、そこから直角三角形ACDをひ
いて求めます。三角形の面積は、8×4÷2-2×4÷2=12 で、12 ㎠
です。
◆説明のモデル② ≪しょうたさんの考え方の説明≫
図のように、線EFをひいて、三角形AEFをつくって、左下へ移動する
と、平行四辺形GBCFに変形できます。平行四辺形の面積は、底辺×高さ
で求められるので、6×(4÷2)=12 で、12 ㎠です。
◆説明のモデル③ ≪ゆいさんの考え方の説明≫
図のように、三角形ABCをもう一つ分つくって移動すると、平行四辺形
AHBCができます。平行四辺形の面積は、底辺×高さで求められるので、
三角形の面積は、(6×4)÷2=12 で、12 ㎠です。
5
授業プラン
発問 高さが底辺上にない三角形の面積の求め方を考え、説明しよう。どのように考えて求めたのか、
説明もかきます。
② 説明 分かりやすく、友だちに納得してもらえる説明を目指しましょう。
③ 指示 他の考え方を見つけた人は、その説明をかきましょう。
④ 指示 近くの人と相談して、「これはよい!」という説明をかきましょう。
⑤ 指示 考え方を黒板(発表ボード)にかきましょう。(状況に応じて、図だけ・式だけ・言葉だけかかせ
る。)
⑥ 指示 考え方の説明を発表しましょう。説明のモデル①~③
(黒板(発表ボード)の順に発表させる。同じ考え方の児童はいるか、挙手で確認をする。)
(発表の間、黒板(発表ボード)を参考にしてもよいことを説明する。)
⑦ 発問 この人のアイデアが分かるかな。隣の人と話し合いましょう。
⑧ 指示 みんなの説明で、分かりやすい所、「これはよい!」という所はありましたか。
(分かりやすい説明を確認し、認め合って説明を完成していく。)
⑨ 説明 ○○さんは、今までに学習した平行四辺形の形に変形して求めたことを説明しているから、す
ばらしいですね。…(ほめる)
⑩ 説明 どの考え方でも、式は、6×4÷2で、底辺×高さ÷2で求められます。どんな三角形でも、
面積は、底辺×高さ÷2で求められますね。
⑪ 発問 りんごマークの問題。下の三角形○
あ 、○
い 、○
う の面積が等しいわけを説明しましょう。
⑫ 指示 三角形○
あ 、○
い 、○
う の面積が等しいわけをノートにかきましょう。
(「三角形○
あ も、○
い も、○
う も、「底辺も等しく、高さも等しいから」ということが説明できてい
れば、○を付けましょう。)
⑬ 説明 底辺と高さが同じあれば、どんな形でも等しい面積になりますね。
①
- 11 -
【児童が説明する算数的活動⑤】
5年
四角形と三角形の面積
大日本図書
下P13
考え
(9時間目/全 15 時間)
1
本時の目標
三角形や平行四辺形を基に、台形の面積の求め方を説明する算数的活動を通して、台形の面積の求め方
を考える。
2
本時の学習
※ 関 考 技 知 は評価の観点・(
主な学習活動
1
)は評価の方法を示す。
指導上の留意点と評価
問題場面について話し合う。
・
問題場面は「シカーク大王からの挑戦状」という
形で提示し、解決への意欲を高めさせる。
右の台形の面積の求め
・
方を考えましょう。
今までに三角形や平行四辺形の面積の求め方をい
ろいろ考え、公式を導いたことを想起させる。
求め方をいろいろ考え
・
ましょう。
台形の面積も変形したりすれば求められるか考え
させ、見通しをもたせる。
・
2
求める方法はいくつかあることを確認し、学習の
ねらいを明確にする。
学習のねらいについて話し合う。
台形の面積の求め方を考え、説明しよう。
3
《
児
童
が
説
明
す
る
算
数
的
活
動
》
児童一人ひとり自分の考えで求め方を説明
・
三角形や平行四辺形の面積の公式を使って考えて
もよいことを助言する。
する。
・ 答えだけでなく、考え方の説明(言葉、補助線、式
4
など)も書かせる。
言葉と図と式を使って説明をかく。
・
あなたは、どのように考えたのかな。
一つの方法を見つけた児童には、他の考え方でも
考えさせ、同じ答えになるかどうか確かめさせる。
台形の面積の求め方を言葉と図と式を使っ
てかきましょう。
5
「なぜを問う」
説明を発表し、台形の面積の求め方を話し合
説明のモデル①~④
う。
「ほめる」
・三角形の面積を基に説明
できたね。
・台形を2つ組み合わせて
説明できたね。
・
発表ボードに考え方をかき、全体で交流させる。
・
分かりやすい説明を認め合ったり、足りない部分
を補い合ったりさせ、説明を完成させる。
6
・
適用問題をする。
できるだけ簡単に、分かりやすく説明する方法を
考えさせ、次時の公式づくりの学習につなげる
7
考
本時の学習を振り返る。
台形の面積の求め方をいろいろ考え、説明するこ
とができる。(学習活動の様子、発表の様子、ノー
「今日の発見」をノートにかきましょう。
【視点】 台形の面積は、今までに学習したどん
トの記述)
なことを使って求められたか。
・「台形の面積は、三角形や平行四辺形をもとにした
ら求めることができる。」
- 12 -
3 説明のポイント
(1)台形を2つ組み合わせて、平行四辺形を作って面積を求めるという考えを述べる。
(2)対角線で2つの三角形に分けて、それぞれの面積を求めるという考えを述べる。
(3)一部を移動して平行四辺形や長方形に変形して、面積を求めるという考えを述べる。
4
説明のモデル【キーワード】
◆説明のモデル① ≪あおいさんの考え方の説明≫
図のように、合同な台形を2つ組み合わせて、平行四辺形をつくります。
平行四辺形の面積を求めてから、半分にして台形の面積を求めます。(7+
3)×6÷2=30 で、30 ㎠です。
◆説明のモデル② ≪ゆうとさんの考え方の説明≫
図のように、対角線をひいて、2つの三角形に分けます。それぞれの三角形の面積
を求めて、合わせます。(7×6÷2)+(3×6÷2)=30 で、30 ㎠です。
◆説明のモデル③ ≪○○さんの考え方の説明≫
図のように、高さの中央で、上下に2つの台形を分けて移動し、平行四辺
形に変形して求めます。(7+3)×(6÷2)=30 で、30 ㎠です。
◆説明のモデル④ ≪△△さんの考え方の説明≫
図のように、左下と右下の三角形を上に回して、長方形に変形して求めます。
6×5=30 で、30 ㎠です。
5
授業プラン
発問 この台形の面積の求め方をいろいろ考え、説明しよう。どのように考えて求めたのか、説明も
かきます。
② 指示 一つかけた人は、他の考え方で求めてみましょう。
③ 説明 考え方はいろいろあるようです。近くの人と相談しても構いません。いろいろな考え方を見つ
けましょう。
④ 指示 考え方を黒板(発表ボード)にかきましょう。(状況に応じて、図だけ・式だけ・言葉だけかかせ
る。)
⑤ 説明 考え方の説明を発表しましょう。説明のモデル①~④
(黒板(発表ボード)の順に発表させる。同じ考え方の児童はいるか、挙手で確認をする。)
(発表の間、黒板(発表ボード)を参考にしてもよいことを説明する。)
⑥ 指示 この人のアイデアが分かるかな。隣の人と話し合いましょう。
⑦ 指示 みんなの説明で、分かりやすい所、「これはよい!」という所はありましたか。
(分かりやすい説明を確認し、認め合って説明を完成していく。)
⑧ 発問 考え方の似ているところはありませんか。考え方の似ているところを見つけましょう。
(「①と③は、平行四辺形に変形して求めているところが似ている。」)
①
- 13 -
【児童が説明する算数的活動⑥】
5年
四角形と三角形の面積
大日本図書
下P15
考え
(11 時間目/全 15 時間)
1
本時の目標
三角形や長方形を基に、ひし形の面積の求め方を説明する算数的活動を通して、ひし形の面積の求め方
を考える。
2
本時の学習
※ 関 考 技 知 は評価の観点・(
主な学習活動
1
)は評価の方法を示す。
指導上の留意点と評価
問題場面について話し合う。
・
問題場面は「シカーク大王からの挑戦状」という
形で提示し、解決への意欲を高めさせる。
右のひし形の面積の求
・
め方を考えましょう。
今までに三角形や平行四辺形、台形の面積の求め
方をいろいろ考え、公式を導いたことを想起させる。
求め方をいろいろ考え
・
ましょう。
ひし形の面積も変形したりすれば求められるか考
えさせ、見通しをもたせる。
・
2
求める方法はいくつかあることを確認し、学習の
ねらいを明確にする。
学習のねらいについて話し合う。
ひし形の面積の求め方を考え、説明しよう。
3
《
児
童
が
説
明
す
る
算
数
的
活
動
》
児童一人ひとり自分の考えで求め方を説明
・
三角形や平行四辺形の面積の公式を使って考えて
もよいことを助言する。
する。
・ 答えだけでなく、考え方の説明(言葉、補助線、式
4
など)も書かせる。
言葉と図と式を使って説明をかく。
・
あなたは、どのように考えたのかな。
一つの方法を見つけた児童には、他の考え方でも
考えさせ、同じ答えになるかどうか確かめさせる。
ひし形の面積の求め方を言葉と図と式を使
ってかきましょう。
5
「なぜを問う」
説明を発表し、ひし形の面積の求め方を話し
説明のモデル①~⑩
合う。
「ほめる」
・長方形の面積を基に説明
できたね。
・対角線で4つの三角形に
分けて説明できたね。
・
発表ボードに考え方をかき、全体で交流させる。
・
分かりやすい説明を認め合ったり、足りない部分
を補い合ったりさせ、説明を完成させる。
6
・
適用問題をする。
できるだけ簡単に、分かりやすく説明する方法を
考えさせ、次時の公式づくりの学習につなげる。
7
考
本時の学習を振り返る。
ひし形の面積の求め方をいろいろ考え、説明し、
公式を導くことができる。(学習活動の様子、発表
「今日の発見」をノートにかきましょう。
【視点】 ひし形の面積は、今までに学習したど
の様子、ノートの記述)
んなことを使って求められたか。
・「ひし形の面積は、三角形や長方形をもとにしたら
求めることができる。」
- 14 -
3 説明のポイント
(1)長方形の半分であるという考えを述べる。
(2)対角線で2つの三角形に分けて、それぞれの面積を求めるという考えを述べる。
(3)対角線で4つの三角形に分けて、それぞれの面積を求めるという考えを述べる。
(4)対角線で4つの三角形に分けて、長方形に変形して、面積を求めるという考えを述べる。
4 説明のモデル【キーワード】
◆説明のモデル①≪ゆいさんの考え方≫
◆説明のモデル②≪ゆいさんの考え方と類似≫
図のように、大きな長方形
図のように、大きな長方形
の半分の大きさと考えて求め
の半分の大きさと考えて求め
ます。6×8÷2=24 で、24
ます。6×8÷2=24 で、24
㎠です。
㎠です。
◆説明のモデル③≪つばささんの考え方≫
図のように、対角線を横に
ひいて、上下2つの三角形に
分けて、2倍にして求めます。
(8×3÷2)×2=24 で、24
㎠です。
◆説明のモデル④≪つばささんの考え方と類似≫
図のように、対角線をたて
にひいて、左右2つの三角形
に分けて、2倍にして求めま
す。(6×4÷2)×2=24 で、
24 ㎠です。
◆説明のモデル⑤≪他の考え方≫
図のように、ひし形を4分
割して、1つの三角形の面積
を4倍にして求めます。(4×
3÷2)×4=24 で、24 ㎠
です。
◆説明のモデル⑥≪⑤の考え方と類似≫
図のように、ひし形を4分
割して、1つの三角形の面積
を4倍にして求めます。(3×
4÷2)×4=24 で、24 ㎠
です。
◆説明のモデル⑦≪他の考え方≫
図のように、ひし形を4分
割して、2つの三角形を左へ
回して、2つの長方形に変形
して求めます。(3×4)×2=
24 で、24 ㎠です。
◆説明のモデル⑧≪⑦の考え方と類似≫
図のように、ひし形を4分
割して、2つの三角形を左へ
回して、1つの長方形に変形
して求めます。6×4=24
で、24 ㎠です。
◆説明のモデル⑨≪他の考え方≫
図のように、ひし形を4分
割して、下の2つの三角形を
上へ回して、2つの長方形に
変形して求めます。(3×4)
×2=24 で、24 ㎠です。
◆説明のモデル⑩≪⑨の考え方と類似≫
図のように、ひし形を4分
割して、下の2つの三角形を
上へ回して、1つの長方形に
変形して求めます。3×8=
24 で、24 ㎠です。
5
授業プラン
発問 このひし形の面積の求め方をいろいろ考え、説明しよう。どのように考えて求めたのか、説明
もかきます。
② 指示 一つかけた人は、他の考え方で求めてみましょう。
③ 説明 考え方はいろいろあるようです。近くの人と相談しても構いません。いろいろな考え方を見つ
けましょう。
④ 指示 考え方を黒板(発表ボード)にかきましょう。(状況に応じて、図だけ・式だけ・言葉だけかかせ
る。)
⑤ 説明 考え方の説明を発表しましょう。説明のモデル①~⑩
⑥ 指示 この人のアイデアが分かるかな。隣の人と話し合いましょう。
⑦ 指示 みんなの説明で、分かりやすい所、「これはよい!」という所はありましたか。
(分かりやすい説明を確認し、認め合って説明を完成していく。)
⑧ 指示 まだ他にも考え方があるかな? 挑戦してみましょう。
①
- 15 -
【知識・技能の活用を図る算数的活動】
5年
四角形と三角形の面積
大日本図書
下P19
単元のまとめの課題
(15 時間目/全 15 時間)
1
本時の目標
三角形は底辺と高さが等しければ面積も等しくなることを活用する算数的活動を通して、1つの点を長
方形や平行四辺形の中のどこにとっても上下の三角形の面積の和は全体の1/2になることを理解する。
2
本時の学習
※ 関 考 技 知 は評価の観点・(
主な学習活動
1
指導上の留意点と評価
①の問題場面について話し合う。
・
問題場面は「シカーク大王からの挑戦状」という
形で提示し、解決への意欲を高めさせる。
図のように、長方形の中に点を1つとって、
長方形の4つの頂点と結びます。色のついた
・
ジオボードを使って問題の場面をとらえさせる。
部分の面積は長方形の面
・
問題の意味を正確にとらえさせるため、図の色の
ついた部分に、赤鉛筆で色を塗る。
積の1/2であることを
・
説明しましょう。
活用を促す課題
2
色を塗った部分が長方形の半分になることが分か
っていることを確認する。
・
学習のねらいについて話し合う。
三角形は、底辺と高さが同じであれば、面積は同
じになることを使って説明するという見通しをもた
色のついた部分の面積は、全体の1/2で
せる。
あることを説明しよう。
《
知
識
・
技
能
の
活
用
を
図
る
算
数
的
活
動
》
)は評価の方法を示す。
3
実際に計算をして面積を求めて確かめる。
・
5×10=50(㎠)、10×2.5÷2×2=25(㎠)
4
①の説明を読み取り、図に表す。
・
下の説明を示し、図を完成させていく。
Aさんは、色のついた部分の面積は、全体
長方形の中の点を通る、長方形の上下・左右の辺
の1/2であることを、計算しないで言葉で
と平行な線をひき、8つの直角三角形に分けます。
説明しました。Aさんの説明を図に表しまし
色のついた部分とついてない部分の隣り合う直角
ょう。
三角形の面積は、底辺と高さが
5
主体的・共同的な学び
同じ長さなので面積はそれぞれ
同じです。だから、色のついた
②の「説明の図」をみんなで完成する。
図のように、長方形の中の点を動かしても、
部分の面積は長方形の面積の1
○
□
○
□
×
△
×
△
/2です。
色のついた部分の面積は長
・
方形の面積の1/2になる
点をどこに動かしても同じことがいえるか話し合
わせ、ア+イが長方形の半分になることを確認する。
でしょうか。Aさんの説明
・
を使って、図を完成させましょう。
①の説明をもとにすれば説明できそうであること
を助言する。
6
③の説明を児童一人ひとり自分の考えで完
成する。
①、②の長方形を平行四辺形に変えると、
どうでしょう。言葉と図を使って説明しまし
ょう。
・
長方形と同じことがいえることを確認して、Aさ
んの説明を基に考えさせる。
考
底辺と高さが等しい三角形は面積も等しいこと
に着目して、解決のしかたを考えている。(学習活
動の様子、問題解決の状況、発表の様子、ノートの
記述)
7
本時の学習を振り返る。
評価の基準
・「平行四辺形の中に点をとって動かしても、色のつ
いた部分の面積は平行四辺形の1/2になる。」
「今日の発見」をノートにかきましょう。
- 16 -
3 説明のポイント
(1)長方形、平行四辺形の中の点を通る、上下、左右に平行な補助線をひく。
(2)底辺と高さが等しい三角形は、面積も等しいことに着目して、言葉、図、式を使って記述する。
4
評価の基準
正答
◎
○
×
解答類型
(正答の条件)
面積同じ
面積同じ
次の①、②、③の全てをかいている。
① 長方形、平行四辺形の中の点を通る、上下、左右に平
×
○ ○
×
行な補助線をひくこと(図)
□
△
② 色のついた部分と、ついてない部分の隣り合う三角形
△
は、底辺と高さがそれぞれ同じ長さであること。
□
③ 色のついた部分と、ついてない部分の隣り合う三角形
面積同じ
面積同じ
の面積は、それぞれ同じであること。(図)
①、②、③の全てをかいている。
例 図のように平行四辺形の中の点を通る、平行四辺形の上下・左右の辺と平行な線をひき、
8つの三角形に分けます。色のついた部分と、ついてない部分の隣り合う三角形の面積は、
底辺と高さが同じ長さなので面積はそれぞれ同じです。だから、色のついた部分の面積は平
行四辺形の面積の1/2です。
①、②の全てをかいている。
例 図のように平行四辺形の中の点を通る、平行四辺形の上下・左右の辺と平行な線をひき、
8つの三角形に分けます。色のついた部分と、ついてない部分の隣り合う三角形の面積は、
底辺と高さが同じ長さなので、色のついた部分の面積は平行四辺形の面積の1/2です。
上記以外の解答
「◎」…十分満足できる正答
「○」…おおむね満足できる正答
5
授業プラン
① 指示 Aさんは、色のついた部分の面積は、全体の1/2であることを、計算しないで言葉で説明し
ました。Aさんの説明を読みましょう。(長方形の中の点を通る、長方形の上下・左右の辺と平行
な線をひき、8つの直角三角形に分けます。色のついた部分とついてない部分の隣り合う直角三
角形の面積は、底辺と高さが同じ長さなので面積はそれぞれ同じです。だから、色のついた部分
の面積は長方形の面積の1/2です。)
② 発問 Aさんの説明で納得できましたか。Aさんは、なぜ、計算しなくても説明できたのでしょうか。
近くの人と話し合いましょう。
③ 指示 Aさんの説明を、スッキリと分かりやすくするために、図を使って説明しましょう。一目で見
てわかる「説明の図」を考えましょう。
④ 指示 「説明の図」を黒板にかきましょう。
(分かりやすい「説明の図」を認め合っていく。「記号を付けると一目で分かるね。」…)
⑤ 指示 下の図のように、長方形の中の点を動かしても、色のついた部分の面積は長方形の面積の1/
2であることを説明しましょう。
⑥ 発問 点をどこに動かしても同じように、色のついた部分の面積は長方形の面積の1/2かな。
⑦ 指示 点をどこに動かしても同じように、色のついた部分の面積は長方形の面積の1/2になるでし
ょうか。ならないでしょうか。なぜそうなるのか、説明しましょう。近くの人と相談をして、分
かりやすく、スッキリとした「説明の図」を考えましょう。
⑧ 指示 「説明の図」を黒板にかきましょう。
(④と同様に、分かりやすい「説明の図」を認め合っていく。)
⑨ 発問 長方形を平行四辺形に変えると、どうでしょう。
⑩ 発問 長方形を平行四辺形に変えても、色のついた部分の面積は長方形の面積の1/2なるでしょう
か。ならないでしょうか。なぜそうなるのか、言葉と図を使って説明しましょう。
⑪ 指示 説明がかけた人は、黒板にかきましょう。
⑫ 説明 長方形を平行四辺形に変えても、色のついた部分の面積は長方形の面積の1/2になることが
説明できましたね。平行四辺形を台形に変えても同じことがいえるでしょうか。いえないでしょ
うか。
- 17 -