介護職員初任者研修シラバス 1． 職務の理解（6 時間） 到達目標・評価の基準 研修に先立ち、これからの介護が目指すべき、その人の人生を支える「在宅におけるケ ア」等の実践について、介護職がどのような環境で、どのような形で、どのような仕事 を行うのか、具体的なイメージを持って実感し、以降の研修に実践的に取り組めるよう になる。 項目名 講義内容及び演習実施方法 ①多様なサービスの （講義） 理解 ・介護初任者研修の内容を理解する。 時間数 3 時間 ・今後のキャリアパスについて理解を深める。 ・介護保険制度におけるサービスの種類や高齢者対象以 外のサービスについて理解を深める。 （演習） ・介護職員として、どのように働きたいのか、介護に抱 く思いや、これから目指す介護職員についてグループ で話し合い、これからの研修の方向性について認識を 深める。 ②介護職の仕事内容 （講義） や働く現場の理解 ・介護サービスを提供する現場の仕事内容や 3 時間 業務の特徴について学習し、実感できるよ う促す。 ・DVD を視聴し各サービス現場の仕事内容を理解する。 ・介護サービス提供の流れを、図を用いて説明し、サー ビス提供までの一連の流れや、チームケア、他職種連 携、地域の社会資源につい て理解を深める。 （演習） ・グループワークにて、身近な介護現場やその仕事内容 などを話し合い、介護職員として働くイメージを現場 見学し具体的なイメージを持たせる。 （実習） ・現場見学し具体的なイメージを持たせる。 合計 6 時間 ２．介護における尊厳の保持・自立支援（9 時間） 到達目標 介護職が、利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し、自立支援、 介護予防という介護・福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやっては いけない行動例を理解している。 評価の基準 介護の目標や展開について、尊厳の保持、QOL、ノーマライゼーション、自立支援の考 え方を取り入れて概説できる。 虐待の定義、身体拘束、及びサービス利用者の尊厳、プライバシーを傷つける介護に ついての基本的なポイントを列挙できる。 項目名 ① 人権と尊厳を支える介護 講義内容及び演習実施方法 時間数 （講義） 6 時間 ・介護を必要とする人が有する権利とは何かを 理解を促す。 ・介護に関する基本的な視点 ICF、QOL、ノーマ ライゼーションについて理解を促す。 ・利用者の管理を擁護するための、制度の種類 や内容について考える。 （高齢者虐待・身体 拘束禁止・障害者虐待防止法・成年後見制度 等） （演習） ・どのようなケアが不適切や虐待なのか、また、 どのような行為が権利を害するのか、グルー プで話し合い検討する。さらに今後のケアで は介護職としてどのような支援が望ましい かを考える。 ② 自立に向けた介護 （講義） 3 時間 ・介護における自立とはどのようなことか、そ の人らしい尊厳のある暮らしを支える為の 支援について理解を促す。 ・介護の予防の考え方について理解する。 （演習） ・どのような支援方法が自立支援や予防介護と なるのかグループで話し合い検討する。 合計 9 時間 ３．介護の基本（6 時間） 到達目標 介護職に求められる専門性と職業倫理の必要性に気づき、職務におけるリスクとその 対応策のうち重要なものを理解している。 介護を必要としている人の個性を理解し、その人の生活を支えるという視点から支援 を捉えることができる。 評価の基準 介護の目指す基本的なものは何かを概説でき、家族による介護と専門職による介護の 違い、介護の専門性について列挙できる。 介護職として共通の基本的な役割とサービスごとの特性、医療・看護との連携の必要 性について列挙できる。 介護職の職業倫理の重要性を理解し、介護職が利用者や家族等と関わる際の留意点に ついて、ポイントを列挙できる。 生活支援の場で出会う典型的な事故や感染、介護における主要なリスクを列挙できる。 介護職に起こりやすい健康被害や受けやすいストレス、またそれらに対する健康管理、 ストレスマネジメントのあり方、留意点を列挙できる。 項目名 講義内容及び演習実施方法 ① 介護職の役割、専門性と （講義） 他職種との連携 ・介護環境の特性について学び、居宅介護と 時間数 2 時間 施設介護の違いを学び理解を促す。 ・地域包括センターの役割や機能、地域包括 ケアの方向性について理解を促す。 ・介護の専門性について考え、利用者主体の 支援体制や潜在能力を高める介護について 学び理解を促す。 ・他職種からなる、チームケアの重要性を理 解し、チームアプローチを効果的に利用す るポイントを理解できるよう促す。 ・異なる専門性を持つ職種の役割分担を理解 する。 （演習） ・グループごとに介護に関わる職種を挙げ、 他職種との連携が必要な訳を話し合い理解 する。 ② 介護職の職業倫理 （講義） ・介護職としての職業倫理の意義を理解し、 1 時間 法的規則や職業規範について理解を促す。 （演習） ・グループごとに、介護職の職業倫とその必 要性について話し合い理解を深める。 ③ 介護おける安全の確保と リスクマネジメント （講義） 2 時間 ・利用者の生活を守る、介護におけるリスク マネジメントの考え方を理解し、防止・安 全対策・事故発生時の対応について理解を 促す。 ・感染についての防止や対策について学び、 感染に対する正しい知識を身につける。 （演習） ・グループごとに、事故を未然に防ぐための 方法や事故はなぜ起こるのか事故の要因を 考える。 ・グループごとに、身近な感染症について話 し合い感染の防止法や発生の際の対応につ いて話し合う。 ④ 介護職の安全 （講義） 1 時間 ・介護の特徴を踏まえて、介護職自身に起こ る健康のリスクや、健康管理の必要性につ いて理解する。 ・介護職のストレス対策や衛生管理について 理解を促す。 合計 6 時間 ４．介護・福祉サービスの理解と医療との連携（9 時間） 到達目標 介護保険制度や障害者総合支援制度を担う一員として最低限知っておくべき制度の目 的、サービス利用の流れ、各専門職の役割責務について、その概要のポイントを列挙 できる。 評価の基準 生活全体の支援の中で介護保険制度の位置づけを理解し、各サービスや地域支援の役 割について列挙できる。 介護保険制度や障害者総合支援制度の理念、介護保険制度の財源構成と保険料負担の 大枠について列挙できる。 ケアマネジメントの意義について概説でき、代表的なサービス内容、利用の流れにつ いて列挙できる。 高齢障害者の生活を支えるための基本的な考え方を理解し、代表的な障害者福祉サー ビス、権利擁護や成年後見の制度の考え方を理解し、権利擁護や成年後見の制度の目 的、内容について列挙できる。 医行為の考え方、一定の要件のもとに介護福祉士制度等が行う医行為などについて列 挙できる。 項目名 ① 介護保険制度 講義内容及び演習実施方法 （講義） 時間数 4 時間 ・介護保険制度が創設された背景を理解し、 制度の制定された目的とその動向、基本的 理念を理解する。 ・介護保険制度の基本的仕組み、給付の流れ、 ケアマネジメントの流れ、給付の流れにつ いて列挙し理解を促す。 ・介護保険制度に関わる組織その役割、介護 保険財政の財源について理解を促す。 （演習）グループごとに、なぜ介護保険制度 が必要になったのかを考え、制度の必要性 や目的の中で働く介護職員の役割について 理解を深める。 ② 医療との連携とリハビ リテーション （講義） ・介護職と医行為の実情とその経過を理解し 医行為の介護者への対応と問題点、今後の 課題を把握する。 ・在宅・施設における介護職と看護職と役割・ 3 時間 連携について理解する。 ・リハビリテーションの理念と目的について 理解しリハビリテーション医療の特徴とそ のあり方についてイメージを持たせる。 （演習） ・医更衣を行ってはいけない理由や、例を挙 げ、医行為と非医更衣の範囲やその理由に ついて理解を深める。 ③ 障害者総合支援制度お よびその他制度 （講義） 2 時間 ・障害と障害者の概念を理解し、ICF・ノーマ ライゼーションの考え方、障害者福祉理念 としての自立を理解する。 ・障害者自立支援制度の基本的な理解と、流 れ、サービス、支援の給付について理解す るよう促す。 （演習） ・グループごとに、障害者の生活しやすい社 会や環境とはどのようなものか話し合い、そ のための法制度や役割について理解を深め る。 合計 9 時間 ５．介護におけるコミュニケーション技術（6 時間） 到達目標 高齢者や障害者のコミュニケーション能力は一人ひとり異なることと、その違いを認 識してコミュニケーションをとることが専門職に求められていることを認識し、初任 者として最低限の取るべき（取るべきでない）行動例を理解している。 評価の基準 共感、受容、傾聴的態度、気づきなど、基本的なコミュニケーション上のポイントに ついて列挙できる。 家族が抱きやすい心理や葛藤の存在と介護における相談援助技術の重要性を理解し 介護職として持つべき視点を列挙できる。 言語、視覚、聴覚障害者とのコミュニケーション上の留意点を列挙できる。 記録の機能と重要性に気づき、主要なポイントを列挙できる。 項目名 ① 介護におけるコ ミュニケーショ ン 講義内容及び演習実施方法 時間数 （講義） 3 時間 ・対人援助関係におけるコミュニケーション の意義、目的、役割を理解する。 ・コミュニケーションの技法、言語的・非言語コミ ュニケーションの特徴について理解する。 ・事例を示し利用者の状況や状態に応じたコミュニ ケーションの方法を示し、理解できるように促 す。 （演習） ・グループごとに、障害に合わせたコミュニケーシ ョン方法を列挙し、必要な工夫を検討する。 ② 介護におけるチ ームのコミュニ ケーション （講義） 3 時間 ・介護における記録の意義と目的、種類について理 解し、書き方の留意点を理解する。 ・報告・連絡・相談の意義と目的、留意点について 理解する。 ・会議の意義や目的、その種類、運用（進め方）を 理解できるよう促す。 （演習） ・グループごとに、事例の報告書を作成しその留意 点について理解を深める。 合計 6 時間 ６．老化の理解（6 時間） 到達目標 加齢・老化に伴う心身の変化から疾病について、生理的な側面から理解することの重 要性に気づき、自らが継続的に学習すべき事項を理解している。 評価の基準 加齢・老化に伴う生理的な変化や心身の変化・特徴、社会面、身体面、精神面、知的 能力面などの変化に着目した心理的特徴について列挙できる。 高齢者に多い疾病の種類と、その症状や特徴及び治療・生活上の留意点、及び高齢者 の疾病や訴えについて列挙できる。 項目名 ① 老化に伴うこころとか らだの変化と日常 講義内容及び演習実施方法 時間数 （講義） 3 時間 ・老化による心理状態や行動を理解し、個人 差が大きいことを把握する。 ・社会的環境が及ぼす心理状態や行動を理解 する。 ・老化に伴う心身機能の変化を理解を促す。 ② 高齢者と健康 （講義） 3 時間 ・高齢者に多く見られる症状や主訴その日常 生活上の留意点について理解する。 ・生活習慣病の特徴と主訴について理解する。 介護保険の特定疾病についてその種類と特 徴を理解する。 ・感染症によって起こる疾病について理解し 予防・防止について理解を促す。 （演習） ・グループごとに、高齢者に多い病気や症状 について列挙し、病気の症状や主訴の理解 につなげる。 合計 6 時間 ７．認知症の理解（6 時間） 到達目標 介護において認知症を理解することの必要性に気づき、認知症の利用者を介護する時 の判断の基準となる原則を理解している。 評価の基準 認知症ケアの理念や利用者中心というケアの考え方について概説できる。 健康な高齢者の「物忘れ」と、認知症による記憶障害の違いについて列挙できる。 認知症の中核症状と行動・心理状態（BPSD）等の基本的特性、およびそれに影響する 要因を列挙できる。 認知症の心理・行動のポイント、認知症の利用者への対応、コミュニケーションのと り方、及び介護の原則について列挙できる。また、同様に、若年性認知症の特徴につ いても列挙できる。 認知症の利用者の健康管理の重要性と留意点、廃用症候群予防について概説できる。 認知症の利用者の生活環境の意義やそのあり方について、重要なキーワードを列挙で きる。 認知症の利用者とのコミュニケーション（言語・非言語）の原則、ポイントについて 理解でき、具体的なかかわり方（良いかかわり方・悪いかかわり方）を概説できる。 家族の気持ちや、家族が受けやすいストレスについて列挙できる。 項目名 ① 認知症を取り巻く状況 講義内容及び演習実施方法 （講義） 時間数 1 時間 ・その人を中心とした、その人らしいケアと は何かを理解する。 ・認知症ケアの視点で大切になる、できるこ とに着目したケアについてイメージを持た せる。 ② 医学的側面から見た認 知症の基礎と健康管理 （講義） 1 時間 ・老化の仕組みと脳の変化について理解し、 認知症とは何か単なる物忘れとの違い、類 似した状態を理解する。 ・認知症の種類と原因について列挙し、それ ぞれの症状や、原因疾患とその病状につい て理解する。 ・原因別のケアポイントについて学び、健 康管理における重要性や治療の必要性に ついて理解する。 ③ 認知症に伴うこころと （講義） 3 時間 からだの変化と日常生 活 ・認知症の中核症状、行動、心理状態（BPSD） の基本的な考え方とその対応方法、不適切 なケアとその理由について理解する。 ・日常生活における基本的対応方法を学び 認知症の人の環境整備やかかわり方のポイ ントについて理解する。 （演習） ・グループごとに、認知症の中核症状、行動、 心理症状（BPSD）を挙げ、そうした症状の ある人の対応方法について話し合い理解を 深める。 ④ 家族への支援 （講義） 1 時間 ・レスパイトケアを理解し、レスパイトケア を行う意味やその方法を学ぶ。 ・家族のもつ力の支援について理解し、その 活かし方について学ぶ。 合計 6 時間 ８．障害の理解（3 時間） 到達目標 障害の概念と ICF、障害者福祉の基本的な考え方について理解し、介護における基本的 な考え方について理解している。 評価の基準 障害の概念と ICF について概説でき、各障害の内容・特徴及び障害に応じた社会支援 の考え方について列挙できる。 障害の受容のプロセスと基本的な介護の考え方について列挙できる。 項目名 ① 障害の基礎 的理解 講義内容及び演習実施方法 時間数 （講義） 1 時間 ・ 「障害とはどのようなものなのか」という考 え方の理解と ICF に基づいた「障害」の概念について理解する ・障害者福祉の基本理念である「ノーマライゼーション」「リハ ビリテーション」「インクルージョン」の概念を理解するよう促 す。 （演習） ・グループごとに、自分が障害を負った際どのように受け止め、 どのような生活を送りたいのかを話し合い、障害のイメージを 持たせる。 ② 障害の医学 的側面、生活 障害、心理・ （講義） 1 時間 ・障害の原因となる主な疾患や、障害に伴う 心理的影響、障害の受容を理解する。 行動の特徴、 ・知的障害の知能区分や障害の原因、介護上の留意点について理 かかわり支 援等の基礎 的知識 解する。 ・精神障害（高次脳機能障害・発達障害）の定義や疾患の種類、 生活の特徴や介護上の留意点について理解する。 （演習） ・様々な障害を持つ人にどのように接し、関わっていけば良いの か考え、その支援方法について具体的にイメージを持たせる。 ③ 家族の心理、 （講義） かかわり支 援の理解 1 時間 ・家族介護負担の軽減につながる本来の支援について学び、介護 職に求められる対応について理解する。 ・レスパイトサービスの意味や定義、その取り組みについて理解 する。 合計 3 時間 ９．こころとからだのしくみと生活支援技術（75 時間） 到達目標 介護技術の根拠となる人体の構造や機能に関する知識を習得し、安全な介護サービス の提供方法等を理解し、基礎的な一部または全介助等の介護が実施できる。 尊厳を保持し、その人の自立及び自律を尊重し、持てる力を発揮してもらいながらそ の人の在宅・地域等での生活を支える介護技術や知識を習得する。 評価の基準 主だった状態像の高齢者の生活の様子をイメージでき、要介護度等に応じた在宅・施 設等それぞれの場面における高齢者の生活について列挙できる。 要介護度や健康状態の変化に沿った基本的な介護技術の原則（方法、留意点、その根拠 等）について概説でき、生活の中の介護予防、および介護予防プログラムによる機能低 下の予防の考え方や方法を列挙できる。 利用者の身体の状況に合わせた介護、環境整備についてポイントを列挙できる。 人の記憶の構造や意欲等を支援と結びつけて概説できる。 人体の構造や機能が列挙でき、何故行動が起こるのかを概説できる。 家事援助の機能と基本原則について列挙できる。 装うことや整容の意義について概説でき、指示や根拠に基づいて部分的な介護を行うこ とができる。 体位変換と移動・移乗の意味と関連する用具・機器やさまざまな車いす、杖などの基本 的使用方法を概説でき、体位変換と移動・移乗に関するからだのしくみが理解され、指 示に基づいて介助を行うことができる。 食事の意味と食事を取り巻く環境整備の方法が列挙でき、食事に関するからだのしくみ が理解され、指示に基づいて介助を行うことができる。 入浴や清潔の意味と入浴を取り巻く環境整備や入浴に関連した用具を列挙でき、入浴 に関するからだのしくみが理解され、指示に基づいて介助を行うことができる。 排泄の意味と排泄を取り巻く環境整備や関連した用具を列挙でき、排泄に関するからだ のしくみが理解され、指示に基づいて介助を行うことができる。 睡眠の意味と睡眠を取り巻く環境整備や関連した用具を列挙でき、睡眠に関するからだ のしくみが理解され、指示に基づいて介助を行うことができる。 ターミナルケアの考え方、対応のしかた・留意点、本人・家族への説明と了解、介護職 の役割や他の職種との連携（ボランティアを含む）について、列挙できる。 項目名 講義内容及び演習実施方法 ①介護の基本的 （講義） な考え方 ・介護の倫理的考え方や変遷を学び理解するよう促 時間数 3 時間 す。 ・法的根拠に基づく介護について理解する。 （演習） ・グループごとに、介護福祉士法の「介護福祉士が 行う介護」はどのように変化したのか話し合い、 介護の流れを理解する ② 介護に関す （講義） るこころの ・学習と記憶に関する、基礎的な知識を理解する。 しくみの基 ・感情の欲求に関する、基礎的な知識を理解する。 礎的理解 ・自己概念と生き甲斐、QOL の考え方を理解する。 3 時間 ・老化や障害を受け入れる適応行動と阻害要因を理 解する。 Ⅰ （演習） 基 ・自らの生きがいとは何か考え、グループでそれぞ 本 れの生きがいについて語り、高齢者の生きがいに 知 発展させ理解を深める。 識 の 学 習 ③ 介護に関す るからだの しくみの基 礎的理解 （講義） ・人体各部の名称や働き、骨格、関節、筋の働きに 関して理解する。 ・ボディメカニクスの原理を理解する ・中枢神経系と体性神経・自立神経・内部器官につ いての基礎知識を理解する。 （演習） ・ボディメカニクスを活用した身体の動き （立ち上がり・寝返り・起き上がりの方法） を体験する。 ・血圧測定、脈拍測定について学び、体験してみる。 ・椅子からの立ち上がりでどのようにすると立ち上 がれて、どのような状態であると、 立ち上がれないのか体験し、人体の動きに対して 理解を深める。 6 時間 ④ 生活と家事 （講義） 3 時間 ・生活に必要な家事とは、どのようなことか学び介 護職が行う家事援助のポイントを理解する。 ・家事援助（調理・洗濯・清掃・ゴミ捨て・ 衣服・買い物・金銭管理）の自立支援のあり方と 留意点を理解する。 （演習） ・グループごとに家事援助を行う上で、自立支援が 行えるようにするための留意点とポイントを話 し合いまとめる。 ⑤ 快適な居住 Ⅱ 生 環境整備と 介護 る給付の対象について理解する。 技 （演習） 術 ・グループごとに、自宅の見取り図を作り、住宅改 の 修が必要な場所や福祉用具が必要なところを検 講 習 識について理解する。 ・住環境整備と福祉用具の活用方法、介護保険によ 援 演 ・住宅の役割と快適な住環境に関する基礎知 ついて学ぶ。 支 ・ 3 時間 ・高齢者に配慮した住環境の理解と安全性の確保に 活 義 （講義） 討し環境整備図を完成させ理解を深める。 ⑥ 整容に関連 （講義） したこころ ・整容の意味や必要性について理解する。 とからだの ・洗顔・整髪・ひげ・爪・化粧の支援技術のポイン しくみ トについて理解する。 ・衣服の脱着の支援技術のポイントについて理解す る。 （演習） ・洗顔の介助方法についてグループで演習を行う。 ・整髪の介助方法についてグループで演習を行う。 ・ひげ・爪の手入れ・化粧の介助方法についてグル ープで演習を行う。 ・片麻痺がある場合の衣服の脱着と浴衣の脱着につ いてグループで演習を行う。 留意点を話し合い安楽で安全な方法を検討し手 順書を作成する。 6 時間 ⑦ 移動・移乗 に関したこ ころとから （講義） 6 時間 ・移動・移乗の必要性と自立支援のための残存能力 の活用を理解する。 だのしくみ ・ボディメカニクスの活用と重心を学ぶ。 と自立に向 ・移動・移乗のための福祉用具の活用法を理解する。 けた介護 ・利用者の安全で安楽な移動・移乗方法を理解する。 ・褥瘡の原因理解と予防対策を理解する。 ・移動・移乗を阻害する要因の理解とその支援方法 を学ぶ。 ・外出支援の留意点と準備を理解する。 （演習） ・杖歩行介助についてグループで演習を行う。 ・車いす介助についてグループで演習を行う。 ・ベッドからの立ち上がり移乗について、グループ で演習を行う。 ⑧ 食事に関連 したこころ とからだの しくみと自 立に向けた 介護 （講義） ・食事の必要性や食事に関連したこころ、からだの しくみについて理解する。 ・食事の支援と介助方法食事に関連した用具を理解 する。 ・誤嚥回避、脱水の予防のポイントを理解する。 ・口腔ケア・ブラッシング・義歯の取り扱いのポイ ントを理解する。 ・食事を阻害する要因の理解とその支援方法を学 ぶ。 （演習） ・基本姿勢での食事介助についてグループで 体験演習を行う。 ・歯ブラシを使用した口腔ケアや義歯の扱いについ てグループで演習を行う。 ・口腔体操についてグループで演習を行い手順書を 作成する。 6 時間 ⑨ 入浴、清潔 保持に関連 したこころ （講義） ・入浴、清潔保持の持つ意味とこころやからだのし くみについて理解する。 とからだの ・入浴の留意点の理解を促す。 しくみと自 ・入浴支援の補助用具と介助方法のポイントを理解 立に向けた 介護 9 時間 する。 ・手浴・足浴・洗髪介助のポイントを理解する。 ・清拭のポイントを理解する。 ・入浴を阻害する要因の理解とその支援方法を学 ぶ。 （演習） ・手浴・足浴の介助についてグループで演習を行う。 ・洗髪の介助についてグループで演習をおこなう。 ・清拭の介助についてグループで演習を行う。 ・入浴介助についてグループで検討し手順書を作成 する。 ⑩ 排泄に関連 したこころ とからだの （講義） ・排泄の必要性、排泄に関連したこころとからだの しくみを理解する。 しくみと自 ・排泄環境と用具を理解する。 立に向けた ・排便困難と下痢の対応方法を理解する。 介護 ・排便を阻害する要因の理解とその支援方法を学 ぶ。 ・ （演習） ・麻痺のある方への排泄の介助方法について グループで演習を行う。 ・尿器、差し込み便器、ポータブルトイレを 使用した介助方法についてグループで演習を行 う。 ・おむつ交換の介助についてグループで演習を行 う。受講生もトライアル体験を行う。 ・排便介助の留意点をグループで話し合いながら安 全で安楽なよりよい方法を考え手順書の作成を 行う。 9 時間 ⑪ 睡眠に関連 したこころ とからだの しくみと自 立に向けた 介護 （講義） 6 時間 ・睡眠の意味やしくみ等睡眠に関する基礎知識につ いて理解を促す。 ・睡眠環境の整備と用具の活用方法について 学ぶ。 ・睡眠障害と薬の関係を理解する。 ・睡眠を阻害する要因の理解とその支援方法を理解 する。 （演習） ・介護用ベッドの基本操作とシーツの扱い方につい てグループで演習を行う。 ・布団におけるシーツの扱い方についてグループ演 習を行う。 ・シーツ交換の留意点をグループで話し合いながら 安全で安楽なよりよい方法を考え手順書の作成 を行う。 ⑫ 死にゆく人 に関連した こころとか らだのしく みと週末期 介護 （講義） ・ターミナルケアの基本知識を学び、週末期の変化 を知る。 ・ 「死」に向き合うこころの理解と尊厳死について 学ぶ。 ・看取り介護の意義や目的、介護従事者としての基 本的態度について理解を深める。 ・家族支援と医療、他職種連携の週末期介護を理解 する。 （演習） ・週末期を迎えた利用者に対しどのような態度、役 割を担うべきかグループで検討し、 ターミナルケアにおける介護従事者の基本的態 度について理解を深める。 3 時間 ⑬ 介護課程の 基礎的理解 （講義） 6 時間 ・介護課程の目的と意義その展開と必要性を学び介 護課程の基礎的知識を深める。 ・チームアプローチにおける介護職のいちづけを理 Ⅲ 解する。 生 活 （演習） 支 ・事例に基づき介護過程を展開させどのように反映 援 し、自立につながるかをグループで検討し理解を 技 深める。 術 ⑭ 総合生活支 演 援技術演習 習 （演習） 6 時間 ・事例を通じて、利用者のこころ、からだの力が発 揮できない要因を分析する。 ・事例を通じて、利用者に合わせた適切な支援技術 は何かを検討する。 ・グループにて討議検討を行い助言を行う。 合計 75 時間 １０．振り返り（4 時間） 到達目標 研修全体を振り返り、本研修を通じて学んだことについて再確認を行うとともに、就 業後も継続して学習・研鑽する姿勢の形成、学習課題の認識をはかる。 評価の基準 在宅、施設の何れかの場合であっても、「利用者の生活の拠点に共に居る」という意 識を持って、その状態における模擬演習（身だしなみ、言葉遣い、応対の態度等の礼 節を含む。）を行い、業務における基本的態度の視点を持って介護を行えるよう理解 を促す。 研修を通じて学んだこと、今後継続して学ぶべきことを演習等で受講者自身に表出・ 言語化させたうえで、利用者の生活を支援する根拠に基づく介護の要点について講義 等により再確認を促す。 修了後も継続的に学習することを前提に、介護職が身につけるべき知識や技術の体系 を再掲するなどして、受講者一人ひとりが今後何を継続的に学習すべきか理解できる ように促す。 最新知識の付与と、次のステップ（職場環境への早期適応等）へ向けての課題を受講 者が認識できるよう促す。 介護職の仕事内容や働く現場、事業者等における研修の実例等について、具体的なイ メージを持たせるような教材の工夫、活用が望ましい。（視聴覚教材、現場職員の体 験談、サービス事業所における受講者の選択による実習・見学等） 項目名 ① 振り返り 講義内容及び演習実施方法 時間数 （演習） 3 時間 ・学習到達度値チェックシートを使用し、研修全体の振り返りを行う。 ・利用者の生活を支援する根拠に基づく介護の要点（介護過程・身体・心理・社会 的側面・知識・チームケア）について理解を促す。 ・研修を通じて学んだこと、今後継続して学ぶべきことについてアドバイスを行う。 ② 修業へのそな （講義） １時間 えと研修修了 ・今後の、自らのキャリアパスについてイメージを持たせる。 後における継 ・介護職の仕事内容や活動の場、事業所における OJT や OFF-JT について実例を紹介 続的な研究 し、継続的に学ぶことに対しての具体的イメージを持たせる。 （演習） ・研修終了後どのようなスキルアップを目指したいか考え、具体的なスキルアップ の例等、講師の経験談を通しモチベーションアップをはかる。 合計 全カリキュラム合計時間 １３０時間 4 時間 介護職員初任者研修カリキュラム 科 目 名 合計時間 １．職務の理解 ６時間 ２．介護における尊厳の保持・自立支援 ９時間 ３．介護の基本 ６時間 ４．介護・福祉サービスの理解と医療の連携 ９時間 ５．介護におけるコミュニケーション技術 ６時間 ６．老化の理解 ６時間 ７．認知症の理解 ６時間 ８．障害の理解 ３時間 ９．こころとからだのしくみと生活支援技術 １０．振り返り（職場見学） 合 ７５時間 ４時間 計 １３０時間
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