卸薬業H26.9月号 - 日本医薬品卸業連合会

卸DI実例集
第373回
以下の資料で準先発品の判別をすることができる。
Question No.1613
●厚生労働省のリスト1)
準先発品とは何か?
(医薬品の薬価基準収載時に厚生労働省HPに掲
~準先発品の判別方法と後発医薬品の数量シェア計算~
載される)
(表1)
(2014年5月作成)
●保険薬事典
Answer
また、診療報酬の加算などにかかる後発医薬品
準先発品とは、先発医薬品・後発医薬品のルー
の数量シェア(置換え率)※1 の計算のために参考
ルが整っていなかった昭和 42 年以前に承認・薬価
となる「各先発医薬品の後発医薬品の有無に関す
収載された医薬品であって、同一剤形・規格で価
る情報」についても厚生労働省HPに掲載されてい
格差のある後発医薬品があるもの(内用薬及び外
る。(表2)この資料は、下記の1~3に分類され
用薬に限る。)のことをいう。準先発品は、調剤の
ている。(空欄は、準先発品、局方品、生薬、調剤
際に後発医薬品への変更が可能など、先発医薬品
用薬など)1)
に準じた扱いとなる。1)
1 後発医薬品がない先発医薬品(後発医薬品の
【表1】参考資料1)
「1.内用薬」より抜粋・一部改変
区分
薬価基準収載
医薬品コード
成分名
規格
品名
メーカー名
内用薬 2491001F5056 カリジノゲナーゼ 25 単位 1 錠 カルナクリン錠 25
三和化学研究所
内用薬 2491001F5170 カリジノゲナーゼ 25 単位 1 錠 カリジノゲナーゼ錠
25 単位「日医工」
日医工
内用薬 3969009F1023 ミグリトール
25mg1 錠
セイブル錠 25mg
三和化学研究所
内用薬 2134002F1109 アセタゾラミド
250mg1 錠 ダイアモックス錠
250mg*
三和化学研究所
内用薬 2139008F1056 アゾセミド
60mg1 錠
三和化学研究所
ダイアート錠 60mg
診療報酬
において
加算等の
算定対象
となる後
発医薬品
先発
医薬品
同一剤
形・規格
の後発医
薬品があ
る先発医
薬品
薬価
準先発品
○
12.60
後発品
5.60
先発品
30.20
27.10
先発品
○
34.50
*ダイアモックス錠 250mgは、昭和 42 年以前に承認・薬価収載された医薬品であるが、同一剤形・規格で価格差のある後発医薬品が存在しないため、準
先発品には該当しない。
【表2】参考資料1)
「5.その他〔各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報〕」より抜粋・一部改変
薬価基準収載
医薬品コード
成分名
品名
各先発医薬品の
後発医薬品の有無に関する情報
2491001F5056
カリジノゲナーゼ
カルナクリン錠25
3969009F1023
ミグリトール
セイブル錠25mg
1
2139008F2028
アゾセミド
ダイアート錠30mg
2
2491001F5170
カリジノゲナーゼ
カリジノゲナーゼ錠25単位「日医工」
3
1141700J1118
アセトアミノフェン
アセトアミノフェン坐剤小児用50mg「JG」
★
1141700J1045
アセトアミノフェン
アンヒバ坐剤小児用50mg
☆
Vol.38 NO.9 (2014)
32 (552)
上市前の先発医薬品等)
により禁止物質と禁止方法が定められています。
2 後発医薬品がある先発医薬品(先発医薬品と
禁止物質は、医薬品だけではなくすべての化学物
後発医薬品で剤形や規格が同一でない場合等を
質が含まれます。毎年1月1日に基準が変更され
含む。後発医薬品と同額又は薬価が低いものに
るため、毎年変更部分を確認することが必要とな
ついては、「☆」印を付している。)
ります。
3 後発医薬品(先発医薬品と同額又は薬価が高
いものについては、「★」印を付している。)
ドーピングとは、「競技力を高めるために禁止
されている薬物や方法などを使用したり、それら
なお、準先発品は、1~3の分類には該当しない
の使用を隠したりする行為」と規定されています。
ため、後発医薬品の数量シェアの計算には含まれな
向精神薬のほとんどは、競技力の向上に寄与しな
い。ただし、準先発品に対する後発医薬品に関し
いものであるため違反物質ではありませんが、一
ては後発医薬品の数量シェアの計算に含まれる。
部の製剤では興奮作用を持つものもあるため、薬
※1 後発医薬品の数量シェア(置換え率)
(平成
剤の成分ごとに確認が必要です。
26 年4月現在)
向精神薬の中でも抗うつ剤や睡眠薬等は、添付
=
〔後発医薬品の数量〕/(〔後発医薬品のある先
発医薬品の数量〕+〔後発医薬品の数量〕)
=
〔3で分類される品目の数量(★を除く)〕/
(〔2で分類される品目の数量(☆を除く)〕
+〔3で分類される品目の数量(★を除く)〕)
【参考資料】
文書の使用上の注意として「自動車の運転等危険
を伴う機械の操作に従事させないようにさせるこ
と」となっているものもあり、ドーピング違反に
は該当しませんが、薬剤服用者のモータースポー
ツ等への参加を控えるよう指導しています。
2014 年5月 13 日現在 日本アンチ・ドーピング機
1)厚生労働省ホームページ
構に加盟している国内の競技団体は 76 団体あり、
使用薬剤の薬価(薬価基準)に収載されている
日本では一般的にスポーツと認識されていない囲
医薬品について(平成 26 年4月 17 日適用)
碁、チェス、ライフセービング、ビリヤード等も
http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/03/tp0305-
対象競技に含まれ、実際に上位競技者には検体検
01.html
査が行われています。競技種目により違反物質の
〈執筆協力会社〉㈱スズケン 世田谷事業所
種類も違うため競技ごとに違反となる内容の確認
が必要です。
〈執筆協力会社〉㈱バイタルネット 薬事管理部
Question No.1614
向精神薬はドーピング違反になりますか?
(2014年3月 診療所医師より)
Answer
世界アンチ・ドーピング機構が策定する禁止表
○ドーピングに関する資料(2014 年5月現在)
サイト アドレス
公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構
(JADA)
掲載内容
規定/国際基準:WADA規定(世界ドーピング防止規定)日本語版
禁止表国際基準
検査に関する国際基準
治療目的使用に係る除外措置に関する国際基準
JADA規定(日本ドーピング防止規定)
JADA加盟団体一覧
http://www.playtruejapan.org/
Global DRO-Japan
ドーピング薬の検索サイト
http://www.globaldro.com/jp-ja/default.aspx
日本薬剤師会
薬剤師のためのドーピング防止ガイドブック 2013 年版
http://www.nichiyaku.or.jp/
Vol.38 NO.9 (2014)
33 (553)