平成27年度きすき福祉会事業報告

平成27年度きすき福祉会事業報告
1.27年度総括
昨年度は介護保険制度及び介護報酬の改定があり、また社会保障の考え方として、
2025年を目標年度とした「地域包括システム」の完成に向けた第一歩として、
要支援サービスの本体給付から地域支援事業への除外や利用者負担の増などの変更
が行われました。
同時に行われた介護報酬改定では、基本報酬をほぼすべてのサービスで引き下げる
マイナス改定となり、中重度や認知症、看取りへの対応、リハビリ等を加算で評価
する内容になりました。
介護報酬を全体で 2.27%減とし、その内訳は介護職員処遇改善加算の充実に
1.65%、良好なサービスを提供する事業者への加算や地域に密着した小規模な事業
所への配慮とするサービスの充実に 0.56%、各種介護サービスの収支状況や施設
の規模、地域の状況に応じてメリハリをつけることでサービス料金の適正化にマイ
ナス 4.48%とした。今回の改正は法人にとっても大きな影響を受ける改正となり
ました。
これらの改正を受け健全経営に向けての経営戦略が重要となり総合マネジメント加
算や中重度者ケア体制加算等一つでも多くの加算をとるように努め収益の確保とサ
ービスの質の確保につとめました。
社会福祉法の一部改正案の国会提出等の動向を踏まえ、法人運営の適正化に努めて
きた。27年度はまた、財務諸表等も情報公開し、開かれた運営につとめてきた。
平成 27年度は介護報酬改定に伴う報酬ダウンへの対応や介護人材確保などやさら
に社会福祉法人改革に伴う透明性の確保や地域貢献へのより一層の対応に努めまし
た。
今後は介護サービスの質の向上に向けての体制づくり、知識、技術の確立をめざし
「看取り」
「認知症介護」
「口腔ケア」などに取り組み地域の高齢者の安全安心を守
るセーフティネットの役割を果たすように努め地域社会に貢献できるように努める
必要があります。
近年近隣で特別養護老人ホーム(50床)グループホーム 1 箇所、短期入所 2 か
所、また今年度新たにグループホーム及び小規模多機能居宅介護が開設されるな
ど、多種多様な事業所、高齢者其々の要望に沿った施設、事業所を選べる時代にな
りました。
2.重点実施事項
きすき福祉会の平成27年度の重点実施事項は「介護保険改正及び介護報酬の改
定」
「社会福祉法人会計の完全実施」
「処遇改善加算を活用した職員給与規程等の見
直しによる職員処遇の改善」
「小規模多機能サービスの運営推進会議による評価
事業の実施」等が挙げられます。
施設内での事故防止や感染症の対策に万全を期する為、インフルエンザ等感染症予
防対策や消防・防災計画による施設安全管理などにより、利用者の安全、安心の確
保に努めました。
医療的ケアの課題については、医療的ケア委員会を中心に福祉専門学校が実施50
時間の研修会等や施設内の実地研修の実施など有資格者の増員に努めました。ま
た、施設の整備等については各設備の修繕やベッドの更新を行いました。
個人番号制度、個人情報の規程の見直し、個人情報マニュアル等の見直し等を行
い、職員への個人情報保護の徹底を図りました。
介護労働安定センターの雇用管理改善促進事業を活用し、社会保険労務士等による
就業規則等の見直しの検討を行い28年度の実施する予定にしております。
処遇改善加算を活用して職員給与規程を見直し職員処遇の改善を図るとともに、処
遇改善一時金の-増額支給等待遇改善を継続して実施しました。
全国老人福祉施設協議会の経営診断を受診し適切な経営状況の確認を行いました。
顧問契約をしている社会保険労務士等の指導及びストレスチェック制度の実施計画
を策定するなど、職員の健康管理体制の充実を図る取り組みを安全衛生委員会等で
積極的に行い、解決すべき課題をまとめ改善体制作りに努めた。
3.運営(経営)状況について
①法人全体
全体的に介護報酬の引き下げによる影響と特に在宅部門(短期入所、デイサービ
ス)利用者の減少により介護保険収入は減少しております。具体的には収支計算書
における連結決算で介護保険等の事業利用収入が前年度に比べ約458万円の減の
4億7054万円(前年度4億7512万円)、当期の資金収支差額は、施設整備等
に備え、6,300万円を施設整備積立支出及び備品購入積立支出として積立をし
た関係上約▼1,551万円(前年度約▼9255万円)となりました。
支出については、人件費が31,958万円(前年31,597万円)で約361万
円の増、事業費が約7,478万円(前年度約7,797万円) 事務費が約2,6
42万円(前年度約3,054万円)となっており前年比べ人件費の伸びが増加、ま
た事業費及び事務費は減少しております。其の主な原因は器具消耗品費が約150
万円、修繕費350万円、会議費が役100万円減したためとなっています。固定
資産取得支出が約370万円(前年度約218万円)となっております。
②従来型さくら苑、さくらんぼの家(特別養護老人ホーム)
従来型特養さくら苑及びさくらんぼの家70床の利用者は約67.5人で前年度より
(66.2人)約1.4 人増加し、介護保険収入は約28,403万円で(前年度2
8,120万円)283万の増収となりました。
施設別内訳は従来型さくら苑介護保険収入は19,086万円(前年度18,91
8万円)、さくらんぼの家介護保険収入は約9,317万円【前年度9,111万
円)一部短期7万円含まず】
。
利用率等の内訳を施設別にみると従来型が50床の利用率が47.8人・さくらん
ぼの家が19.7人。
平成27年度は退苑者(死亡による17名含む)19名でありまた、平均年間実利
用介護度は3.95(昨年度3.94)
従来型が3.82、さくらんぼの家が4.24。
入所待機者は原則要介護3以上等の方のみとなると男性60人女性113人合計1
76人(特例待機者を含めると 191 人)
。
入院を除く延利用者は24,703人(前年24,172人)となっており前年と比較
して531人増加しております。
③短期入所
また短期入所は14床の利用率は約88%(前年102%)人で前年度に比べの減少
しており、介護保険収入も約4,795万円(一部さくらんぼの家短期7万円含
む)(昨年5553万円)と約758万円減収となりました
平成27年度における利用延べ日数は約4,494日、
【前年5,193日】1日
平均利用者は約12.3人(前年約14.2人)と1.9人減でした。
平均介護度は2.99(前年3.0)と前年に比べて若干介護度が低下しておりま
す。
④木次町デイサービスセンター
木次町デイサービスでは利用延べ日数は約7,106日、【前年7,876日】1
日平均利用者は約22.9人(前年約25.6人)と前年比べて2.7人の減少と
なりました。平均介護度は2.08(前年2.15)と前年に比べて要支援1が14
6人要支援2が69人、介護度2が159人、介護度3が229人、介護度4が8
2人、介護度5が140人それぞれ減少しており、要介護1が55人唯一増加する
など介護度が多少低下傾向にあります。
また利用者は年間770人減少し、介護保険収入が6,651万円(前年7,52
0万円)と869万円の減収となりました。減収の要因については近隣に各種施設
等ができたことにより在宅での生活をされる方が減少している傾向にあるなど利用
者の減少が見られるなどがあげられます。
小規模桜花では利用延べ日数は約7,172日、
(前年7,225日)日平均利用
者は約 19.8人(前年約 19.8人)でした。平均介護度は2.38(前年度
1.90)となっており前年度と比較し介護度が高くなっています。
通いの1日当たりは11.12人(前年12.3人)訪問は1日当たり3.74人
(前年3.44人)泊りについては一日当たり約7.07人(前年5.82人)
介護保険収入が約5,493万円(前年約4,751万円)と742万円の増収とな
りました。
資金収支及び、事業活動収支は平成25年度開設以来初めて黒字となりました。
運営推進会議を活用した外部評価の実施によりサービスの質の向上を図るとともに
総合マネジメント加算を取得することにより、ケアマネジメントの充実と個別ケア
の一層の推進を図りました。
⑤地域支援事業等
生活管理指導員派遣事業は高齢者独居・高齢者世帯を中心に調理・掃除などの生活
支援を行い実利用者 4 名延べ利用者数は99名(昨年度242名)でした。
⑥居宅介護支援事業について
居宅介護支援事業所では職員の異動等あり激動の年度となりましたが職員ひとり一
人のスキルアップを図り木次地域の拠点事業所としての役割に努めました。
経営面においては、介護保険収入は1711万円(前年度1660万円)収入が、前年
に比べ51万円増収となりました。月平均利用者は105.66人で(昨年度10
1.16人)約4.5人の増となっております。
4.運営管理(サービスの質の向上、危機管理等)
必要な資格取得の促進については法人研修規程を整備したSDS制度(自己啓発援
助制度)を利用して新に介護福祉士2名が誕生しました。また認知症管理者研修、
認知症リーダー研修・認知症計画作成担当者研修、認知症実践者研修及び生涯学
習・キャリアアップ研修等多くの外部研修に参加しました。
口腔ケア研修、救急救命研修、感染症研修、接遇研修を中心に行い職員の資質向上
を図りました。
介護職員による医療行為に関する福祉専門学校等の研修会に2名参加し喀痰吸引、
経管栄養について研修し、資格取得に努める等サービスの向上を図った。
島根県人材センター及び各団体等の研修会に積極的に参加し、施設内研修も外部講
師を招き6回実施した。全体研修としては、外部講師を招き「感染症研修」
『救急
救命研修』「口腔ケア研修」「接遇研修」を実施した。
職員資質向上の側面から認知症ケアの一層の充実に関連し認知症介護実践者研修に
2人、認知症管理者研修に1名其々参加し、認知症の理解及びケアサービス向上に
向けて取り組みました。
介護報酬の加算要件も考慮しつつ、サービスの質の向上を図る観点から、研修規程
整備し資格取得成制度の充実を図り職務に必要な介護福祉士等の積極的な資格取得
と研修への参加に努めました
利用者様の声ノートの活用や意見交流会・各種アンケートの実施や満足度調査等の
実施及び小規模多機能桜花についは運営推進会議による外部評価の実施などにより
利用者の声・第三者の声に応える取り組みを推進しました。
身体拘束委員会を定期的に開催するとともに、職員全体研修会の実施、施設外研修
会への積極的参加等を通じ、人権擁護の姿勢を常に保ち出来る限り身体拘束をしな
いよう、職員一丸となって廃止に向けた取り組みを行うように努めた結果平成 27
年度は身体拘束はゼロでした。
特養のさくら苑とに別の施設として2年目となったが小規模桜花との連携に努め地
元自治会との交流会や運営推進会議、自己評価、アンケート調査等を通じて運営の
透明性とサービスの質の向上に努めました。
お客様の声ノートの見直しや活用やクレーム委員会を中心に利用者相談という形で
早い段階で苦情及びお客様の声と言う考え方でスピーディな問題解決に向けた取り
組みを行うように努めました。
個人情報保護委員会を定期的開催し、各種個人情報規程及びマニュアル等の見直し
を実施し、個人情報にかかわるプライバシーの保護を図るとともに、研修会を通じ
て職員の個人情報保護意識の向上を図りました。
マイナンバー制度開始に備えてマイナンバー規定の整備や就業規則変更等や職員に
対する制度の周知に努めました。
リスク管理委員会を中心に、事故報告書、ヒヤリハット報告書等の作成により、事
故の数量的把握と事故事例の分析、再発防止策により一定の成果が出ています。
火災や風水害に備え、消防法に基づく自衛消防組織をはじめとした災害緊急体制の
確立や火災及び災害避難訓練等を行うとともに、設備器具等の定期的な点検及び適
正な使用方法の徹底とともに日常的に避難訓練、緊急体制連絡網の確認を年3回実
施しました。
感染症対策、衛生管理については雲南保健所及び雲南病院から講師を派遣して頂
き、インフルエンザ・感染性胃腸炎(ノロウイルス)の研修や殺菌消毒などにより
感染の防止に努めた。しかし、結膜炎の発生がありました。
5.人事管理(職員処遇)
職員が心身ともに健康で、働き易い環境の整備に向けて今年度も人材確保委員会の
職場風土改善委員会を中心にサクラチカフェ及び、スポーツ交流会の開催や書籍及
び広報紙「チェンジ」の発行等を通じコミュニケーションの場の提供を図り、また職
員互助会への助成、共済制度の活用を図り、職員の福利厚生を充実させると共に、
メンタルヘルス研修の実施及び職員健康診断の受診の徹底と職員就業状況の把握、
インフルエンザ予防接種等を実施し、健康管理に努めました。
職員の処遇向上については、介護職員処遇改善加算を活用し、給与規程見直しや処
遇改善一時金の増額支給等により賃金改善等職員の処遇改善を実施しました。
介護労働安定センターの雇用管理改善促進事業を活用し、社会保険労務士等による
就業規則等の見直しの検討を行い28年度の実施する予定にしております。
職員確保(特に看護師、介護士)難しくなっている事を受け職員採用についての研
修会の参加や定期採用試験の工夫の検討を開始し今後の職員採用についての見直し
の検討を行いました。
特にユニット方式や小規模施設に適切に対応するため、介護職員等の必要となる人
材について重点的に確保を図りました。正規職員の採用については、新卒3名、補
充採用5名の合計8人の採用をした。
6.財務管理
さくら苑建て替え計画のための積立金、人件費の要となる組織編成計画等である。
また、経営存続の原資となる「適正利益」の配分としては次の事項による。利用者
サービスの向上と強化、修繕、設備資金の積立金、人件費等の費用増加への対応、
職員の待遇改善等に努めました。
施設改修、整備計画に係る資金の確保、専門職員の増員に係る人件費の確保や介護
報酬の改定等に伴う減収に対応すべく毎月の顧問税理士と予算執行状況の確認詳細
な予算管理を引き続き行った。
在宅部門は全体に伸び悩み、中には当初予算よりも低くなった部門もあり昨年度に
比べる収入は減少した。法人全体では資金収支では約458万円の減収となりまし
た。
今期は事務費及び事業費、人件費支出が当初よりもさまざまな事情で減少したため
ある程度の収支の安定が見られたが来年度以降は人件費を中心に支出の増が予想さ
れるため、厳しい経営(運営)状況が予想される。
7.地域との連携等
福祉会の基本理念、福祉会の経営状況、施設運営の基本姿勢及び事業計画等につい
て、施設の活動状況を紹介さくら苑だより及びホームページ等の広告媒介通して広
く公表し効果的なPRに努めました。
介護サービス情報公表制度や運営推進会議等外部評価等を活用して、福祉会の施設
のサービス提供体制及びサービス内容等について周知に努めます。
地域行事への参加やボランティア活動を通じて、地域との相互交流機会の拡大に努
めました。
小中高校等の職場体験(3名)、ボランティアの受け入れ等を積極的に進め福祉、介
護に携わる人材の育成と社会福祉に対する意識の向上に寄与するように努めまし
た。具体的には介護福祉士養成校(4名)、ホームヘルパー(1名)等の実習を受
け入れました。
8.理事会等
今期は理事会4回、評議委員会3回・監事会1回を行いました。
27年度は特別養護老人ホームさくら苑、短期入所、さくらんぼの家の島根県お及
び雲南広域連合による実地指導があり、文書指摘、口頭による指摘事項について改
善を行いました。雲南保健所による立ち入り検査もあり文書指摘、口頭による指摘
事項について改善を行いました。
評議委員会を中心に、地域の人々の声を代表する人の参加により地域にひらかれた
法人経営の風土や環境を育て上げるように努めてまいりました。
9.今後の課題
①社会福祉法人改革
今回の最大の改正点は、現行制度で諮問機関である評議員会が理事会に代わる必置
の最高決議機関。その法人の定款変更等の重要課題を決定するのだから評議員は
「社会福祉法人の適正な運営に必要な識見を有する者」
。
①経営組織のカバナンスの強化(議決機関としての評議員会・役員、理事会、評議
員会の権限、責任に係る規程の整備、親族等特殊関係者の理事等への選任の制限係
る規程の整備等)
②事業運営の透明性の向上【閲覧対象書類の拡大と閲覧請求者の国民一般への拡
大・財務諸表、現況報告書(役員等関係者との取引内容を含む)
】
③財務規律の強化(役員報酬基準の作成と公表、役員等関係者への特別の利益供与
を禁止・純資産から事業継続に必要な財産の額を控除し、福祉サービスに再投下可
能な財産[社会福祉充実残額]を明確化・再投下可能な財産がある法人に対して、
社会福祉事業又は公益事業の新規実施拡充に係る計画作成を義務付
④地域における公益的な取組を実施する責務(日常生活又は社会生活上支援を要す
る者に対する無料又は低額の料金で福祉サービスを提供する責務「①制度の谷間の
事業に積極的に取り組むことが求められる。
・・居場所づくり・中間的就労・学習
支援等に取り組む②法人間の連携共同による取組」
)を促進する
新法に基づく定款の変更、認可・・平成28年10月ごろまでに理事会による評議
員選定委員会等の設置(外部委員 2 名、監事 1 名、事務局 1 名等)
理事会による評議員候補者の推薦
理事会による推薦理由の説明(経歴、役員等との関係を含む)
選定委員会による審議、決議
評議委員…現評議員の任期平成 29 年3月31日まで
新評議員の任期は平成 29 年4月1日から・・・任期4年から6年
役員の選任・・・平成 29 年4月1日から平成 29 年 6 月までに選任・・・任期2
年
現理事は施行日最初の「定時評議員会」終結日まで(概ね29年6月ごろ)
①社会福祉法人の職員であることを自覚し、地域ニーズに敏感であり続け、地域の
福祉課題に真摯に取り組むように努めます。
②高齢者にとどまらず、法人の方針である「地域包括ケア」の推進のために、地域
住民や様々な組織と共同して、温かく安心な生活環境が維持できるよう率先して行
動する。
③地域における公益的な取組を実施する責務・・・日常生活又は社会生活上支援を
要する者に対する無料又は低額の料金で福祉サービスを提供する責務(制度の谷間
の事業に積極的に取り組むように努める「居場所づくり・中間的就労・学習支援」
等)に取り組む必要がある。
②人材の確保、育成等
介護福祉士養成課程の見直しに伴う介護福祉士取得に対する支援の強化を図るため
介護福祉士のキャリアパスの基本を[初任者研修(ホームヘルパー2級相当)→介
護福祉士→認定介護福祉士(仮称)とする。働きながらでも「実務研修」を受講し
やすい環境を整備する。
(通信教育の活用、受講費用の支援等を実施)
メンタルヘルスチェック制度開始に伴うメンタルヘルスチェックリスト活用による
職員の心の健康管理が義務付けられることからもメンタルヘルスに重点を置いた
様々な対策をしていくように努める。
ワークライフバランス(仕事と生活の両立)に配慮した職場環境の確保や職場の支
援、またライフスタイルによって多様な勤務を選択できる体制を構築する。
③財務管理等
①資金収支上の保有高は28年度末で現金預金が約170百万円及び貸借対照表の
積立金が約403百万円在りますが、これは運転資金並びにさくら苑建替等の資金
や大規模修繕等の積立等用途が決まっているものであり、内部留保と呼べるもので
はありません。
②事業収支では27年度で約21百万円で事業活動収入に対する収益率では約4.
6%の状況にあります。定員が決まっている介護サービスにおいては、利用率とと
もに収入の伸びが鍵を握っていると言えます。
③建設22年を経過したことに伴い、建物、設備、備品の点検を常に心がけ、貴重
な財産を粗末にすることなく快適に使いつづけることが出来るよう必要な修繕と早
ければ平成37年度中に予想される改築費約12億円(特養50床・短期10床・
デイサービス)に向けた計画策定を行う。
①平成27年度介護保険改正内容を正確に把握、検討し、次期30年度診療報酬・
介護報酬同時改定を見据え、今後の方向性を定め、改正介護保険法の趣旨に伴う運
営を図っていくように努める。
②各種加算(経口維持加算、看取り加算、認知症加算、 ・看護職員配置加算さく
らんぼの家の夜間配置加算等)取得を実現し、運営の安定化を目指す。
④さくら苑建替え問題及び土地有償化問題等
課題として、平成6年に竣工したさくら苑、デイサービス部分のほとんどが土砂災
害危険区域にあり今後施設の建て替えの場合、国等の補助金対象にはなるにはかな
りのハードルがあると考えられる。従って今後立替の場合別の場所での建設を検討
する必要がある。現段階では次期建設場所は現在の高齢者交流施設での2階建ての
建設が有力であると考えられる。将来購入をする場合は現段階では土砂災害危険区
域外のさくらんぼの家(平成19年竣工)、桜花の土地及び交流施設周辺のみとす
るのが妥当と考えられる。
現段階では土地購入ではなく有償貸与(使用料)であるが将来的に安全な部分の購
入の検討が必要であり、今後も雲南市、島根県関係機関と引き続き協議する必要が
ある。
さくら苑の建物が22年目をむかえており、居室床面、玄関屋根等の建物付属設備
等の劣化が進行しており各種の修繕等により経年劣化等による障害発生を未然に防
ぐ予防保全に努めていきます。今年度は特に玄関前の屋根及び従来型特養の床の修
繕等に努めたいと思います。また、今後の大規模修繕及び設備更新に係る計画と資
金調達計画の策定を行います。
従来型さくら苑及び木次町デイサービスセンターの将来的に建替えに備えて、必要
な自己資金の積立を計画的に実施する。具体的目標額として今後総事業費約12億
円(うち土地代1億円、旧施設解体費5千万円を含む)の内約7億円とする【其の
他の資金は補助金(約3億円)及び福祉医療機構借入金(約2億円)とする。
⑤地域密着型施設間の連携強化
ユニット型のさくらんぼの家は小規模多機能居宅介護事業所桜花と同じく地域密着
型事業所として新たなスタートした。この事によるメリットは両方の事業所の介護
職員が其々の事業所の人員基準を満たしているときは双方の職務に従事しても良い
という点。今後はこの2つの事業所がより一層連携し、桜花の利用者が在宅での生
活が困難になった場合馴染みの職員がお世話をする事によってスムーズな在宅から
施設への入所が可能になるよう一体的運営に努める。利用者一人ひとりの個性(性
格・信条等)や生活リズムに沿った日常生活を営める。なじみの場所、なじみのス
タッフにより馴染みの関係を築きリロケーションダメージの軽減を図る。
運営推進会議を中心に地域に開かれた施設を目指し、地域との連携と透明性及びサ
ービスの質の向上を図ります。