所報第51号(2000年1月) 『イクチオステガ』ってご存じですか? 生命40億年の歴史の中で,今から3億 6千万年前に,ヒレを脚に変え,肺を獲得 し,生命のゆりかご・母なる原始の海を捨 て,陸地への第一歩を踏み出します。最初 の両生類,現在のオオサンショウウオの様 な姿をしていたと考えられているのが ,『イクチオステガ』なのです。生命を育んだ海と は異なり,過酷な環境の陸にあがったイクチオステガがいたからこそ,私たち人類への進 化の道をたどっていくことになったそうです。 先日健康診断を受診したときに保健婦さんから職業について聞かれ,やりとりの中で以 下の様なことを言われ返答に困ったものでした。 「学校の先生ってパソコンを使わなくても仕事ができる職業だから,パソコンを扱える先 生が少ないのよね。一般企業や会社だったらパソコンを使えないと仕事にならないから一 生懸命使っている・・。学校の先生ってもともと頭のいい人たちだから使う気になればパ ソコンなんてすぐに使えるようになると思うわ」 う∼ん,確かに学校ってパソコンを使わなくても黒板とチョークで・・・,しかし,これ から先すぐ目の前,いや現実にパソコンを使わないと,コンピュータを授業に活用してい かないとどうしようもない時代はやってきているのに・・・。 かつて,原始の海から川へ,そして陸上に・・・。生命40億年の進化の過程で新しい環 境に適応するためにひとつ一つ機能を身につけてきた私 たちの祖先。水中にとどまったものは魚類としての進化 をたどり,生命維持装置を体内に持ち陸上へとあがった イクチオステガが人類への進化の道をたどったように, 21世紀,2002年に向けて起こっている社会の変化 や教育改革に向けて,私たちも新たな一歩を踏み出さな ければならない時代になっているのではないでしょうか。 Windows2000の発売も,2月18日と迫ってきました。いよいよ21世紀は目の前です 。 新年早々ですが,『コンピュータ私考』も『コンピュータはすぐ使おう』の連載も最終 回となりました。毎回いろいろと勝手なことを書かせていただきましたが,読んでくださ った方々,どうもありがとうございました。 (所員:若江 卓恭)
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