Aeroflot社での導入 音声を利用した コールルーティング

カスタマー・サービス・ソリューション
コールステアリング
ケーススタディ
Aeroflot 社での導入
音声を利用した
コールルーティング。
問い合わせ電話に音声認識システムで対応。
課題
ソリューション
結果:
– コールセンターの経費を削減し、電話
対応を自動化
– ニュアンス Call Steering: 独自の自然
言語認識技術を使用した自動電話管
– コールセンターで年間 3100 万ルーブ
ルの経費削減に成功
– 画期的なサービスを幅広く採用し、最
新のテクノロジーを導入する企業とし
理システム
てのイメージを確立
– 待ち時間を短縮するためのソリュー
ション
Aeroflot 社について
Aeroflot 社は、ロシアの民間航空の大手企業。1923年3月17日
に創業した、世界でもっとも古い航空会社のひとつとして、ロシ
アで最も知名度の高い航空会社。1989年、ロシアの航空会社
として初めてIATA(国際航空運送協会)に加入。
– フライト関連情報の電話の 60% を完
全自動化
– フライト変更に関する音声でのお知ら
せ発信を 99.8% 自動化
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ケーススタディ
「Aeroflot には、顧客とのコミュニケーションに関する文化を築い
ており、またその基準が存在します。今回のソリューションを導入
では、社内の基準に合わせるために必要な細かい調整も簡単に行
うことができました。」
「米印を押してください、ポンドと言ってください、などといった音
声コマンドではなく、顧客との自然な会話を生み出すことを目指し
ています。今回のようなプロジェクトでは、ビジネス・ロジックに
あわせてユーザーとの自然な会話を調整できることが非常に大切
です。」
Aeroflot 社、IT 副部長、Dmitry Lapin
2013-3014 年、同社が運行するのは 52 か国 121 都市(内
41 空港がロシア国内)間。2014 年の最初の 9 か月、フラ
イトを利用した顧客は述べ 17.83 万人、2013 年の同時期
に比べ 13.4% 成長しています。2014 年には、Aeroflotグ
ループを利用した顧客は 2600 万人に達し、座席占有率は
77.5%(0.4% 増)となりました。東ヨーロッパで最大の
フライト管理センターを運営しており、利用する 123 機の
プロジェクトゴール
数を伸ばしています。
ニュアンス Call Steering の導入前は、2 社の異なるコール
予約、発券、チェックインなどのオンラインサービス、携帯
電話ネットワーク、搭乗中のインターネットアクセスなどを
積極的に開発しています。高性能で自然に使用できる音
声認識システムを採用したセルフサービスを導入すること
も、また新しい一歩でした。
旅客機は、近代的で新しい機材としてヨーロッパで大きく
旧型のコールセンター
2006 年には、世界で 2 番目に大きい航空会社アライアン
していました。受信電話のエントリーポイントは、プッシュ
イチームの膨大なネットワークにおいて、メンバーは 173
た。
スであるスカイチームのフルメンバーとなりました。スカ
か国 900 都市でサービスを運行します。
Aeroflot 社の戦略は、売上および顧客数において、2025
年までに世界 20 位以内の航空会社となることです。1 年
間に 7000 万人の顧客にサービスを提供することを目指し
ています。
センター運営会社に委託し、3 か所のコールセンターを有
式ダイアルを使用した IVR(自動音声応答)システムでし
問題:
– 受信回線の不足
– 長い待ち時間
– 管理性の悪さ(電話処理のシナリオに変更を加えるのが
難しい)
– 高コスト
– クオリティの統一が難しい
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ゴール
ケーススタディ
Nuance のコールステアリング
– オペレーターの仕事量を削減し、自動化を通じたセルフ
コールセンターに電話すると、顧客は慣れないメニューを
– コールセンターの経費削減
IVR のメニューに従うことを拒否し、チャンスがあればまず
サービスでの顧客問い合わせ数を増加させる
– イノベティブな企業としての印象を強化。
コールセンター自動化の提案には次の機能が含まれてい
ます。
– 受信電話管理(オペレーターグループへの転送または
自動情報サービス)
– 事前予約(値段および空席に関する情報を自動で提供)
– モスクワ発のフライトの予定が変更になった際のパーソ
ナライズした通知電話(ターミナルの変更、フライトの
遅れ、キャンセルなど)
– 2011 年 4 月に発生した Aeroflot ボーナスロイヤリティプ
ログラムの変更などの、企業からの定期的な情報提供。
このプ ロジェクトで は、 ニュアンス の Call Steering を
Sabre 社のグローバル予約システムや他の内部のデータ
ソースと統合する必要があった点が困難でした。それ以外
でも、リアルタイムで主要なパフォーマンス指標を表示す
るためのモニタリングシステムが課題でした。
聞かされ続け、答えを選ぶ必要があります。多くの顧客が
オペレーターに繋げることを希望します。すでに採用して
いたセルフサービスアプリケーションは、顧客の目に留ま
りにくく、使用されないままでした。
ニュアンス Call Steering では、素早く適切なオペレータに
つながり、必要なサービスを受けることができます。受信
した問い合わせを処理するために、統計モデルに基づい
た自然な音声認識システムが使用可能です。その結果、
自動化電話処理技術を使用するよりも、顧客の問い合わ
せを少ないステップで解決することが可能です。
一部の音声認識システムには、特定の回答(フレーズ)
のみを認識するという限界があります。このようなシステ
ムでは発話される内容を学んだり予想したり、また柔軟に
対応することができません。ニュアンス Call Steering で
は、世界で最も成功している音声認識ソフトウェアである
Recognizer など、最新の音声認識アルゴリズムを使用し
ており、言語モデルの統計的セマンティックをサポートし
ます。これらの技術は、顧客サービスの質を大幅に向上さ
また同時に、Sabre 社の予約システムは、プロジェクト
せるだけではなく、運営費を削減にもつながる、音声を利
を設計した時点では書面化されていなかったオンライン
用した効果的なセルフサービスを設計するために使用さ
サービスアーキテクチャに移行されていました。
れます。
Call Steering を外部のコンタクトセンターに CTI 統合する
このソリューションには、優秀なモニタリングおよび分析
必要もありました。
これらの課題を解決するために入札を実施。
同社は、コールルーティングおよび頻繁に問い合わせ
がある顧客情報の自動化をすることに特化した、 最高
ツールも含まれています。問い合わせ処理を分析し、音声
認識の精度の質うぃモニタリング、転送の問題の兆候を検
知して、認識および転送の問題を素早く診断することが可
能です。このソリューションを利用することで、顧客のリク
エストに対応するための最短ルートを提供できるようにな
のインバウンド電話処理ソリューションを求めていまし
ります。
加する場合でも対応できるソリューションが必要でした。
問い合わせ電話に対応するために自然な音声認識を使用
た。 新しいインタラクティブ音声アプリケーションを追
IT 部門と商業部門が合同で入札要件を決定。
することで、問い合わせ処理を自動化し、誤った転送を減
入札の結果、ニュアンスの Call Steering ソリューションを
プルにすることで、顧客の忠誠度が向上しました。
使用している Voxcom 社の提案を採用しました。
オペレーターに電話を転送するためのプッシュダイアル式
のメニューの提案もありましたが、これまでの経験から、
少させ、経費を削減することが可能です。サービスをシン
ソリューションの利点
– 低い運営費:コールルーティング時間の減少、誤転送率
の減少、コールセンターのオペレーターの数の削減
声でのコミュニケーションが好まれ、このようなソリュー
– 高い問い合わせ認識率:ニュアンス Call Steering では、
しいことがわかっていました。さらに、プッシュ式ダイアル
過去の問い合わせに基づいて事前にプログラムされた
ションでは効率的に顧客問い合わせを自動化することが難
では誤った転送が多く、処理時間が増加し顧客満足度が
減少します。
そのため、従来のオペレーターによる対応および自動化音
声処理両方の音声コミュニケーションの良い面とを組み合
わせたシステムが選ばれました。
顧客が電話をしてきた理由を自分の言葉で説明すると、
統計モデルを利用して最短のルートを定義します。
– 高い全体の顧客満足度:自然な方法でシステムとコミュ
ニケーションをとる方法を提供することで、顧客を感心
させると同時に、顧客が素早く簡単に正しいアプリケー
ションを使用できるようにサポート。
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コールステアリング
– 統合のスピード:ニュアンスは、既存のセルフサービス
インフラストラクチャーへ Call Steering を素早く統合し
ます。導入から 3 か月でシステムは完全に機能します。
– 評判の高い技術:ニュアンスの Call Steering は、ニュア
ンスが開発した市場をリードする音声認識テクノロジー
を使用しています。このシステムは、Avaya、Cisco 、
Genesys などの著名な IVR プラットフォームと合同で使
ケーススタディ
この音声ユーザーインターフェイスを設計するにあたり、
文法認識および頻繁に問い合わせを受ける用語を正しく
認識することに特に注意が払われました(例:サンクトペ
テルブルクにある空港は、サンクトペテルブルクプルと呼
ばれたり、コヴォまたはペテルブルクと呼ばれる)。最終段
階のテストおよび細部調整は、文法認識を含むあらゆる問
題を修正したり、語彙の増強へのニーズに対応することが
用するライセンス契約が結ばれています。.
目的です。テストの段階では、電話独特の声の特徴に対
ソリューションは、85 の言語と方言で 500 社以上の顧客
また、顧客パーセプション調査の統計に基づいて音声イン
– スムーズな体験、プロ意識の高い従業員:ニュアンスの
に利用されています。そのため、世界で他に類を見ない
音声認識および開発における経験を保有しています。
プロジェクトの導入
Aeroflot 社での Call Steering の導入は次のようなステー
ジをたどりました。
– 事業要件および機能要件の完成
– システム設計(Persona 音声インターフェイス、データ
応するための音響モデルのトレーニングが行われました。
ターフェイスの調整を行いました。このプロセスでは、単
純に語順を変えるだけで、意味の把握に大きな違いが発
生することが明らかになりました。また、抑揚に問題があ
る部分が改善されました。
結果:
このプロジェクトの結果、コールセンターの経費は 3100
万ルーブル削減。
ソースの定義)
– Call Steering を使用したセルフサービスが導入されて
合を含む)
– 繁忙期には、1 日 15 万件の電話を処理。
整
– コールセンターは、オペレータが 80 人待機する 1 件(以
– 音声アプリケーションの開発(外部データベースとの統
– ユーザビリティのテストおよびアプリケーションの細部調
導入、テスト、細部調整には約 6 か月がかかりました。ト
ライアル期間中、Aeroflot 社は段階的に顧客に新セルフ
サービスシステムを導入していきました。最初は、受信し
た電話の 5% を新しい音声認識プラットフォームへ転送。
トライアル期間の終わりには、100% の電話が直接モスク
ワの顧客サービス番号 (+7-495-223-5555) に接続される
ようになりました。
電話を掛けてきた顧客の多くは、最初は音声システムに話
から 1 年で、210 万件の電話を処理。
– 顧客の質問を分析し、30 を超える転送先へ電話を転送。
前は 3 つの異なるコールセンター)。コールセンターの 1
日平均処理量は 50% 増加。
– コールセンターへの電話数が増加していることから、オ
ペレータの数も増加。当システムを使用していなかった
場合、オペレーターの人数はもっと早く大幅に増えてい
たと考えられます。
問い合わせ電話に使用している音声認識の質に関する
データ:
しかけていると認識しませんでした。通話のどの時点でも
– トライアル期間中(細部調整前)、正しく処理された問い
からコールセンターのオペレーターへ素早く転送される機
– 細部調整後、正しく処理された問い合わせの割合は一部
顧客が「オペレーター」と言うだけで、対話音声メニュー
能が付け加えられました。また、自動対応の時点で 3 つ以
上の間違えが発生した場合、電話は自動的にオペレーター
に転送されます。
音声の録音に参加したプロの俳優が、同社の「顔」となり
ました。セルフサービスシステムは、同社に存在していた
電話での顧客コミュニケーションに関連する文化および基
準に対応させる必要がありました。システムに使用する声
を選択するにあたり、オペレーターとして好まれる性別、
年齢、口調が考慮されました。
同社では顧客に心地よくセルフサービスを使用してもらう
ために、合成音声を使用しないことを決定。合成音声を
使用するのは、同社のフライトが運行していない、ほとん
ど使用されない目的地の名前にのみ使用されます。
合わせは 86%。
のエリアで 96.5%(一般的な情報、新規予約、ボーナス
ロイヤリティプログラム)。対話の質が一部で 70% 向上。
事前予約での利用における統計(空席状況、電話予約):
– 44% のケースで、必要な情報が提供された後、オペレー
タに転送される。
– 17% のケースで、顧客はリクエストした情報を受けとっ
た。
– 20% のケースがサービスの一部の提供を受けたのち、
オペレーターへ接続。
スケジュール変更に関する顧客へのお知らせが 99.8% 自
動化。
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コールステアリング
ケーススタディ
自動化した顧客へのお知らせシステムを利用し、Aeroflot
ボーナスロイヤリティプログラムの変更の通知を 1 週間以
内に完了(対象顧客 273,000 人)。コールセンターのオ
ペレーターが通知の電話をしていた場合、これより大幅に
時間がかかったと考えられます。
そのほかの計画:
– 自動顧客問い合わせ対応数の平均を増加させる:現在、
フライトと空席情報に関する回答の 60% が完全な自動
化サービス。この数字を 80% まで増加させることを計
画しています。
将来の計画
現在、Aeroflot 社が使用しているニュアンス Call Steering
は、ロシア語のみに対応しています。将来的には、6 か国
– Aeroflot 社の商業部門が想定している追加の新しいセ
ルフサービス機能を活用。
語に対応することを計画しています。
ニュアンス・コミュニケーションズについて
ニュアンス・コミュニケーションズは、人とテクノロジーの関係を改革します。音声および言語ソリューションを通じ、ニュアンス
は私たちの周辺にある多くのシステム、デバイス、エレクトロニクス、アプリケーション、そしてサービスとの、より人間味のあ
る会話を創り出します。日々、何百万人もの人々、そして何千ものビジネスが、消費者の生活や仕事を理解し、
学習し、適応でき
るインテリジェントなシステムを通じてニュアンスを体験しています。詳しくは http://japan.nuance.com をご覧ください。
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NUAN–EP–002–01–CS–Jpa, April 2016