クロアチア共和国での地雷探知機試験に参加 未来科学部 ロボット・メカトロニクス学科 石川 潤 2007 年 10 月 19 日から同 30 日までクロアチア共和国に出張してきました。私が技術ア ドバイザーを務めている(独)科学技術振興機構(JST)の人道的対人地雷探知・除去技術 研究開発推進事業(研究総括:東京電機大学 古田 勝久 教授)が、クロアチア共和国の 地雷対策センターと共同で、企画した地雷探知機の評価試験にコーディネータとして参加 するためです。JST のプロジェクトで開発された y 東北大学の AILS-PG という手持ち型の金属探知機(MD)と地中レーダ(GRP)の 複合センサー y 東京工業大学が開発した Gryphon バギーシステムと(株)タウ技研が開発した LAMDAR-IV という GPR を組み合わせた車載型センサー が試験に臨みました(図 1)。ALIS-PGは、現地の地雷探知・除去作業員が実際にトレーニ ング受けて、彼らが使う形で試験を行いました(図 2)。試験期間中には地雷対策センター 長も視察に訪れ、日本のセンサー・ロボット・システムへの高い興味を示していきました。 試験結果については、ドイツのFederal Institute. for Materials Research and Testingとい う機関が評価して、クロアチア共和国の地雷対策センターから報告書が今後発表される予 定です。これまでの成果の集大成として、きっとよい成績がつくだろうと期待しています。 この試験結果の報告を含めて、JSTプロジェクトの成果を報告するシンポジウムが 12 月 3 日(月)に日本科学未来館で開催されます。詳しくは、http://www.jst.go.jp/kisoken/jirai/ をご覧になり、ぜひ参加してみてください(入場無料です)。 図 1:クロアチア共和国での試験の様子(手前が ALIS-PG、奥が Gryphon バギー+LAMDAR-IV で 2 台の うち1台は金属探知機を搭載している) 図 2:クロアチア共和国地雷対策センター長 Oto Jungwirth 氏(右から 2 番目)と一緒に また、出張期間中、10 月 22 日(月)にモンデネグロのRegional Center for Divers Training and Under Water Demining – Bijelaを訪問し、ディレクターのVeselin Mijajlovic氏と意 見交換してきました(図 3)。ここは、主に第一次、第二次世界大戦中に海中に遺棄・投棄 された弾頭・地雷の探知除去と、そのためのダイバーのトレーニングを行っている機関で す。現状、海中の探査はソナー(図 4)や金属探知機を使って行われているそうです。ヨ ーロッパ周辺の海では、近年、化学兵器からの物質漏えいが始まってきているそうで、今 後、GPRの海中探査への応用や、これらの化学物質を検出するセンサーの開発などで、日 本の科学技術に期待しているとのことでした。 図 3:モンテネグロでの意見交換会の様子 図 4:海中の遺棄・投棄弾頭を探すために使われているソナー 以上、ご報告まで。
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