学生相談室だより5月号をアップしました

カルト系集団であることを隠し、公開講座という名目で大学内の
一室を使って勧誘するという手口に驚きました。また、カルト系集
団に参加し活動すればするほど、今まで多くの時間とお金をつぎ
込んできたのだからカルト系集団であっては困るという思いが強く
なり、事実を直視できなくなるそうなので、深みにはまらないために
も、カルト系集団の特徴を知り、疑わしいと気付いた時は信頼でき
る誰かに相談することが大切だと感じました。(自・M1)
ここに掲載した手記は、大学入学後、あるカルト系集団
に勧誘されて入会し、その後脱会された方が書かれたもの
です。6年という長い年月に渡って活動し、また一時は幹
部として活動しながらも、そのカルト系集団に不信感を持
ち、自ら脱会されました。
カルト系集団に関わった自分の体験が、「カルト系集団
の理解やカルト系集団から学生を守る助けとなれば」とい
う思いで記されています。その方のご好意により、今回
『学生相談室だより』に掲載させていただきました。
学生の皆さんには、カルト系集団に騙されないで充実し
た大学生活が送れるように、また教職員の皆様には学生の
指導に役立てていただきたいと願っています。
学生の皆さん自身や皆さんの周囲で、気になることや心
配なこと、あるいは手記に書かれた内容と同じような体験
をお持ちの方がいましたら、すぐに家族、友人、学生相談
室等に相談して下さい。また、お読みになった方は,ぜひ
感想を学生相談室にお寄せ下さい。
学生相談室長
先月、学生相談室だより臨時特集号
(『カルト脱会者の手記』)を発行しま
した。手記を読んだ皆様から学生相談室
に寄せられた感想を、今月号に掲載しま
す。
この手記は、大学入学後にあるカルト
系集団に勧誘されて入会し、その後脱会
された方にご協力いただいて実現したも
のです。
カルト系集団に関してあまり知らない
人も多く、「自分には関係が無い」と思
うかもしれません。ですが、実際にカル
ト系集団に勧誘されて被害に遭った、と
いう事例が報告されています。この手記
には、カルト系集団の勧誘の手口や、勧
誘を受けた場合の対処法などを紹介して
います。この手記を読んで、有意義な学
生生活を送るために役立てて下さい。
費やした多く時間やお金が無駄だったと思いたくない、という
気持ちは分かる気がする。何かがおかしいと気付いても脱会に
踏み切れないのは、そんな喪失感と向き合うことへの恐怖があ
るからなのかもしれないと思った。カルトは普通の人でも持って
いるような、ぼんやりした小さな心の隙を捕まえて離さないもの
なのだと思う。私自身、もし勧誘に遭ったら、正しく疑って断るこ
とが本当にできるのだろうかと不安になった。(社文研・M2)
人が何かを信じることは、今を生きる支えになることが多いと思いま
す。だから「カルト集団に入っている人は悪い」とは一概に言い切れま
せん。しかし、筆者のように精神的に不安定な学生を言葉巧みに引き
込み、その集団の概念を押し付けてしまうことは大きな問題だと感じま
す。1つのものだけを信じ周りが見えなくなってしまうことの恐ろしさは、
筆者が結果的に大学内から浮いてしまう存在となった事実が示してい
ます。私たちと同じ年代の大学生がこういう被害に遭っているという事
実を受け止め、自分含め周りにも目を向けてこれ以上被害が大きくなら
ないように努めていかなければならないと改めて思いました。(教・3)
私は大学に入学時にカルト集団の話を聞いており、注意深くなり
すぎてサークルに入ることができませんでした。人を騙して金儲け
をする集団のために楽しいはずの学生生活が台無しになるのはと
ても悲しく思います。 勧誘の際に「人生の目的に近づく」・「絶対的
な幸福」などの言葉はとても魅力的に思えますが、まずは怪しいと
思い、一歩距離を置く必要があると思います。(理・2)
私がこの手記を読んでカルトを恐ろしいと感じたのは、筆者が薄々この団体に不
審な点を感じていたもののなかなか脱け出せなかったという所です。自らに劣等感
や虚無感を感じているときにカルトと出会った筆者にとって、カルトは唯一の拠り所
で、自分を正当化する手段のひとつでもありました。自分の心が弱っている時に頼
るのは決してカルトであってはなりません。また、私達はそのような人をあたたかく
受け入れ、カルトへの道を歩ませない環境作りをすべきなのだと思います。 (文・2)
カルト勧誘に勧誘マニュアルというものがあることに驚きました。彼らは
ただ闇雲に勧誘するのではなく、マニュアルに沿って釣れそうなターゲッ
トを決め、マニュアルに沿って言葉巧みに引きずりこんでいます。勧誘し
た後の対応も「あと1ヶ月だけ参加して」とずるずると引き止めたり、カルト
集団外部からの情報を信じないように仕向けたりと実に姑息です。日本
国憲法では信教の自由が保障されており、なにを信じるのも個人の自由
です。しかし、カルトは宗教ではなく、ただの詐欺グループです。改めて変
な人にはついていかないように気を付けようと強く思いました。(経・4)
このカルト脱会者の手記を読んで、勧誘方法があからさまな方法で
はなく一般の団体を装って時間をかけて心に隙ができる機会に勧誘し
ていく方法であることに驚きました。自分もよくわからない団体の人に
ボランティアという名目で勧誘されたことがありましたが、今考えればそ
れもそういったカルト集団だったのだろうと思うと恐ろしくなります。巻き
込まれないためにも自分自身を強く持って行動し、巻き込まれてしまっ
たら周りの人にはやく相談することが重要だと思いました。(理・3)
この筆者は最初の段階から、特に教祖や教祖の話に対しては懐疑的であり、
いくらでもやめられるチャンスはあったように思います。しかし「これまで話を聞い
てきたからあともう少しだけ」とか、「これまでの時間やお金を無駄にしたくない」と
いう部分に固執しすぎ、ずるずるとカルト集団の中で過ごしていくうちに、深みに
はまっていったように思います。最初の勧誘された段階で、「これはカルトである」
と気づくことは難しいかもしれません。しかし、これまでいくつかのカルトの手記を
読んで、深みにはまっていく前には、漠然とした違和感や不信感を感じている場
合が多く、その時に思い切ってやめられるか、また周囲の人に相談できるかが先
を左右することになるのではないかと感じました。(社文研・M2)
知らず知らずのうちに、カルトに巻きこまれることの恐ろしさを改め
て実感しました。カルトに巻き込まれる人は、なかなか不審に思う事
が少ないと思います。それなので、「自分はだまされない」と思うだけ
でなく、カルトに頼らず生きていけるような考えを持つことが重要で
す。(教・2)
手記の感想も
お待ちしています
●場
●時
●電
実際にカルト系集団から脱会された方の手記を読み、カルト系集団と
は、不安や寂しさといった心の隙間に上手く入り込む集団だと感じた。
それだけに、誰もがカルト系集団に取り込まれる可能性があり、入会す
ると、なかなか抜けられない。言葉巧みに勧誘してくるカルト系集団に
騙されないためにも、そうした怖さがあることを多くの学生に知ってもら
いたい。そして、少しでも「おかしいな」と思う勧誘を受けた場合は、躊躇
わずに身近な大人に相談して欲しいと強く感じた。(職員)
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