それぞれの水準の特徴

第Ⅰ層
初期感覚の世界(初期感覚の世界からの脱出)(能動性萌芽)
1,外界をとらえるのに初期感覚が使われやすい
揺れ・関節>触覚>聴覚>視覚
2,シンプルな環境と係わりが能動性を引き出す
弱い刺激が感覚を開きやすい
3,外界へ向かう姿勢と手を使う活動が重要
4,始点と終点を大切に、因果関係理解を高める
手を使いやすい姿勢の配慮(机といすの活用) 5,自由は不自由→整理された構造的場面が大切
応答性の高い教具を活用して目と手をつなげる 6,情動が低すぎたり、興奮したりしやすい。
触れる→たたく・ひっかく→すべらす・入れる
覚醒を高めたり、鎮めたりする活動の提供も大切
触覚の過敏性への配慮
視覚-運動課題
聴覚-運動課題
たたく・おすの音だしあそびによる因果関係理解
の高次化
音・音源の世界への関心を育てる
聴覚防衛反応・聴覚過敏への配慮
座位姿勢の保持
終点へ向かう運動の方向付け
入れる終点の理解
入れ物弁別から形の弁別へ
手段をつなげる因果関係理解の高次化
手を使うおもしろさの拡大
触覚防衛反応・触覚過敏への配慮
調節的に手と目を使う姿勢
因果関係理解の教材
1
2
伝達手段
運動の方向づけの教材
1
2
人と向き合いやりとりする
関係性の始点と終点
受動と能動の交互的やりとり
選択要求行動の自発
具体物によるコミュニケーション手段
手先の教材
1
2
初期弁別の教材
1
2
1.タッパー入れ:タッパーのふたに穴をあけ、 1.レール付きスライディング弁別:レールに沿っ
1 左:スイッチを入れるとランプが付き音が鳴る。 1.棒に沿って輪を抜く運動の方向付け教材。
右:スイッチを入れると中のモーターが回転し、
ビー玉やコインなどを入れる。
て動かして弁別する型はめ。
振動刺激が得られる。
2.スライディングブロック:溝に沿ってブロック
2.ジグザグ玉入れ:ビー玉を入れると、玉が落ち 2.3種型はめ:スイッチ操作で、ランプがつき、
2.弦がたくさん張ってあり、弾くと音+振動刺激
を抜く運動の方向付けの教材。
てきて、最後にベルが鳴る。入れやすいように
音が鳴る。
が得られる。
入り口が広がっている。
3
4
3
3
4
4
3
4
3楽器:カバサ 滑らすと音が出る。触覚刺激
4上:シロホンにビーズをゴムで固定したもの。 3.2のスライディングブロックの取り替え版。
3.アクリルシーソー:アクリルコインが落ちてい 3.記憶ボックス:中に好きなおもちゃを隠し、探
滑らせると音が出る。
き、最後にシロフォンの音が鳴る。
し出す。シャッター式と引き出し式。
左下:スネアバネ スネアドラムの裏についている 4.スライディング板:レールに沿ってペグを滑ら
4.ホース追視:透明なホースを巻き、その中をパ 4.位置記憶:記憶ボックスのカード版。
バネを板に固定したもの。触覚刺激が得られる。
せて、終点の穴に入れる。
チンコ玉が通っていき、最後にシロフォンの音
右下:触覚ビーズ 洗濯板に、ゴムで貼ったビーズ
が鳴る仕組み。
を付けたもの。音+触覚刺激が得られる。
第Ⅱ層
知覚の世界(みわけ・ききとり・記憶機能の発達と要求拒否拡大)
1,目や耳を使うことがうまくなってくる
3種位置記憶の成立
教具を通して手と目がつながりはじめる
音楽を通して耳と運動がつながりはじめる
事物操作を通した空間理解の拡がり
2,終わりがしっかりし、目的的行動が拡大
3,パターン処理の強さと新事態への不安
4,好き嫌いの拒否が強くなる
5,人に合わせる楽しさを育てる
視覚-運動課題
6種類の型はめ弁別
目で手を調整し始める
具体物と絵カードとのマッチング
具体物の分類
属性分類や関係づけ
パターン的動作模倣
指さし対応弁別
対応弁別ポインティング
指さし-指さし対応弁別
聴覚-運動課題
発声や声だし活動の拡大
音楽活動を楽しむ
名詞を理解して具体物や絵カードがとれたりす、
ポインティングする
パターン音声模倣
簡単なテンポを意識して動く
6,絵カードを用いた伝達手段の形成
7,指さし、視線の共有。模倣・三項関係の成立
8,からかいの誤学習への配慮
伝達手段
好き嫌いの拒否と折り合いをつけて合わせる力を
育てる
相手に向かって要求する
写真・絵カードによるコミュニケーション手段
反構造化場面で遊具を媒介とした三項的関係
叙述的な共有世界
他者からの指さしの意図理解
様々な弁別教材
8種型はめ:中のボードを変えることで、下に色があるステップと、
色なしのステップ、色の混乱のステップに変えられる。また中の
ボードを用いて、はめ込み式でなく、マッチング式にも変えられる。
パネルシアターの材料を用いた弁別。
色電池:単2電池とフィルムケースに色フィルム
を巻いた、色マッチングの教材。
具体物のマッチング:アクリルケースに同じ
ミニチュアを分類する。
市販パズルの改造:市販のパズルの板をはがし、周りに角材を付け、下絵がはいるように改造したもの。
下絵ありと下絵なしのステップに変えられる。
第Ⅲ層
象徴化の世界(イメージの発達と関係の相互化や選択性拡大)
1,細かくみわけたり、ききとる力が育つ
位置把握課題、系列弁別
2要領記憶
2,直接みたりきいたりしなくても間接的に頭の
中でイメージを処理
視覚-運動課題
みたて遊びや模倣遊びの活発化
3,状況を予測しやすくなる
4,ことばなどのコミュニケーション手段の確立が
情緒を安定させやすくする
聴覚-運動課題
目が手の調整に強くかかわる
2方向線上なぞり
動作模倣の活発化
身振り行為と絵カードとの対応
木片等のみたて遊び
みたて行為の連鎖
2容量記憶
6枚の絵カード構成
2×3の位置把握
見本通りに異なる積み木を3個積む
細部視知覚の教材
パズルのように、細かい部分に注目して弁別や構成する教材
大人との情緒的な相互交渉
からかいの誤学習にならない関係
イメージの世界の共有
簡単な役割取得
身振りサインによる伝達手段
言葉を用いた伝達手段
自分のやりたいことや簡単な意思を伝える
全体視知覚の教材
イメージや関係性を用いて弁別・分類する教材
積木積み:大人がアクリル 仲間分け:動物,乗り物,食べ物のように分類する。
板の向こう側に作り、手前 左はポスト式、右はマジックテープ式。
側に子どもが同じように作
る。アクリル板を挟んでい
るのは、相手のものと自分
のものの区別をしやすくす
るため。
積木積み:見本版に合わせて、同じように積木を組み
合わせて作る。左ははめこみ式、右はマッチング式。
伝達手段
用途指示や動作語の理解
身振りサイン産出
状況に合う発語の産出
音楽のテンポに合わせて打ったり行進する
二つの楽器音を聴いて該当絵カードをとる
二語連鎖指示理解
2~3語文の産出
絵の構成:長方形に切られた絵を構成する。
位置把握のミニチュア版。 代表性:ミニチュアからカードまで、同じもの
2から8まで切り方を変えて、難しさを変える。
として分類する課題。
位置把握:大人が作った見本と同じ位置に合わ
せて作る教材。いろいろステップを変える。
5,イメージの共有と相互的なやりとり
6,選ぶ行為や自由遊びの拡大
聴知覚・言語理解の教材
ポインティング器(名詞理解):指示されたカー
ポインティング(器身振り理解)
動詞の理解でも用いられるが、 ドを押すと、光が出て、音が鳴る仕組みの教材
全体視知覚では、身振りの理解
としても用いることができる。
大人の身振りを見て、該当する
カードのボタンを押すと光って、
音が出る。
左:楽器音あて 見えないところで楽器の音を出
し、何であるかを当てる。
右:曲あて メロディーを聴いて、何の曲である
かを当てる。
見立て模倣板:板きれを何かに
見立ててあそぶ。
関係把握:机といすのように、同じ用途で使う
ものをマッチングする。右は線路、空、海に関するもので分類する。
第Ⅳ層
概念化の世界(柔軟な概念と自己概念の発達)
1,細部知覚の育ち
2,全体知覚の育ち
3,文字や数概念等記号操作する力の育ち
4,柔軟な概念の形成と考え判断する力の育ち
5,役割取得活動の拡大
6,競争意識と自我強調
視覚-運動課題
自己調整的運動協応
見本通りに異なる積み木を4個以上積む
10種の大小系列弁別
3×3の位置把握
文字カードと絵カードの対応
みたて行為の4連鎖
三容量記憶
絵画配列
ストーリー絵本理解
三語文文章理解即興的ごっこ遊び
聴覚-運動課題
構文構成(単語カード):
単語カードを用いて、文章を作る。
伝達手段
簡単な質問に言葉で答える
多語文理解と産出
ことば・文字によるコミュニケーションの拡大
リズムを意識した音楽活動
三つの名詞を聴いて該当絵カードがとれる
過去の出来事に対する質問に答えられる
文字の教材
一音一句:め、て、き、は等、一音
で単語になるものの、絵と文字の
マッチング。
7,ごっこ遊びやゲーム遊びによる協同化
8,自己概念と社会性の育ち
9,劣等感の拡大や二次的適応障害
集団場面での役割取得活動
自我強調の拒否
文字を用いた伝達手段
ことばによる会話
競争意識の発達 他児との協同遊び
意思の伝達による自己制御と安定
社会的ルールや道徳心の芽生え
他児の心情を察したやりとり
数の教材
文字単語構成:文字積木を組み合わ
せて、1つの単語を作る。
構文構成(50音表):
50音表から、文章を作る。
数りんご(数の視覚的マッチング)
穴の数を見て、その数だけリンゴ
を取る。
数タイル:5+@。
概念の教材
数タイル:1~5。
数の合成分解
2次元属性分類:縦と横の両方を見て分類する。