平成19年度事業報告

平成19年度事業報告
1、調査等関係事業の実施
(1)自主研究・調査
わが国の社会経済の変化に対し的確に対応しうる都市計画のあり方に関する自主研究お
よび調査を実施した。
①「人口減少時代の都市計画と都市交通のあり方」に関する調査研究
人口減少社会を迎えて、都市計画のあり方を抜本的に見直す必要があるが、協会がこれ
まで収集した、市街地縮退に関する学術論文・講演録、都市計画道路見直しにかかる全国
的取り組み状況、地方都市のコンパクトシティ化にかかる動き、まちづくり専門家派遣を
通じての各都市の課題と対応策等のそれぞれのデーターベースの利活用に加え、更なる深
化を求めて自主調査を実施した。
具体的には、平成 18 年度に設置した「人口減少時代の都市計画と都市交通のあり方」
委員会(委員長
岸井隆幸
日本大学教授)を引続き実施し、以下のようなテーマについ
て検討した。
・ 地方都市の現状と課題
・ 都市計画と農村計画
現状と将来像
・ 縮退志向の都市計画
・ 大都市圏における都市計画の現状と課題
・ コンパクトシティ化によるインフラ維持管理費用の変化
・ 人口縮退都市における公共交通
②都市計画基礎調査のあり方に関する調査研究
都市計画法第 6 条等に基づき地方公共団体が実施している「都市計画基礎調査」につい
て、実施方法、活用事例等の調査・分析を行い、今日的な諸種の政策課題に対応できる都
市計画基礎調査のあり方について研究を開始した。
③まちづくり情報の収集・整理・分析
全国のまちづくりに関するさまざまな情報を収集・整理するとともに、まちづくりの動
向を分析した。なお、整理・分析した情報は協会ホームページ等にて毎月公開している。
(平成 19 年度件数
582 件)
(2) 受託調査研究
国土交通省、地方公共団体等の実施する調査から、17 件の都市計画に関する調査を受託し、
その成果を取りまとめた。
受託調査研究の概要は、次のとおりである。
・
都市計画制度のあり方に関する検討調査
3件
・
都市施設見直し等の調査
4件
・
土地利用計画等都市計画に関する調査
7件
・
まちづくり交付金等に関する検討調査
2件
・
環境アセスメントに関する調査
1件
2、普及啓発関係事業の実施
(1) 機関誌の発行
都市計画に関する法律、予算、施策、課題、動向、実例等を論文事例紹介・海外報告・行政
資料とする、機関誌「新都市」を、毎月、編集し発行した。
また、次の事項について、連載記事を掲載した。
・人口縮少時代の都市計画のあり方
・中心市街地の再生に向けて
発行部数
~認定基本計画の取り組み~
各月 5,700 冊
(2) 図書の刊行
都市計画に関する専門図書及び広報用パンフレットを、次のとおり編集し発行した。
①
都市地域整備局所管補助事業実務必携(平成 18 年度版)
②
都市計画年報(平成 18 年版)
③
都市計画ハンドブック(2006 年版)
④
都市地域整備局所管補助事業実務必携(平成 19 年度版)
⑤
パンフレット「美しい国、まちづくりのために」改訂版
⑥
パンフレット「みらいに向けたまちづくりのために」改訂版
⑦
「世界の都市再生」、「都市計画運用指針」等の専門図書を引き続き刊行
(3) 広報
①
協会ホームページに各種情報を掲載するとともに、次の事業を実施した。
・ホームページ、メールマガジンによる「まちづくり情報」の提供
ホームページアクセス数
月 約 2 万 8 千件
・都市計画パンフレットの配布
「美しい国、まちづくりのために」「みらいに向けたまちづくりのために」
②
予算対策室の設置
平成 19 年 12 月 20 日 平成 20 年度予算の政府案決定に際し、協会会議室に「予算対
策室」を設置し、地方公共団体等に対し内示状況等の説明・資料配布を実施した。
3、大会、講習会等開催事業の実施
今後の都市計画やまちづくり方策について幅広い意見交換を図ることを目的として、全国の
都市計画関係者の協力を得て、次のとおり大会・講習会を開催した。
(1) 第 26 回まちづくりトップセミナー
テーマ
「公民のコラボレーションによるまちづくり」
日
程
平成 19 年 8 月 23 日(木)~25 日(土)
場
所
軽井沢プリンスホテル
参加者
日
市町長
25 名
ほか
程
第1日
特別講演「持続可能な観光の在り方とは」
講師
(株)星野リゾート
代表取締役社長
特別報告「都市行政をめぐる最近の動き」
星野 佳路
講師 国土交通省都市・地域整備局長
増田
優一
山梨県甲斐市長
藤巻
義麿
京都府長岡京市長
小田
豊
意見交換会
第2日
まちづくりの実践(討論)
ゲストスピーカー
司会 国土交通省大臣官房技術審議官
竹内 直文
特別講演「まちづくりにおける民間・市民とのかかわり」
講師
東洋大学大学院
教授
根本
祐二
自由討論
司会 国土交通省大臣官房審議官
石井喜三郎
意見交換会
(2) 第 59 回都市計画全国大会
日
程
平成 19 年 10 月 18 日(木)~19 日(金)
場
所
京都市
参加者
880 人
日
国立京都国際会館
程
第1日
開会
表彰式
第 22 回都市計画協会会長賞
第 43 回土地区画整理阿部功労賞
第 28 回公園緑地折下功労賞
全体会議
主報告 国土交通省大臣官房審議官
部
石井喜三郎
会
第1部会
テーマ「まちなかの再生による誰もが暮らしやすいまちづくり」
第2部会
テーマ「人口減少社会における郊外部のコントロール手法のあり方」
第3部会
テーマ「地域資源を活用した魅力あるまちづくり」
全体会議
部会長報告
記念講演
講
第2日
師
「京のまちづくりを考える」
帝塚山学院大学人間文化学部教授
ジェフ・バーグランド
現地調査
第1コース
「京都創生の取組」
第2コース
「地域資源を生かした魅力あるまちづくり」
第3コース
「産・学・公の連携によるまちづくり」
(3) 第 43 回「世界都市計画の日」日本集会
日
程
平成 19 年 11 月 8 日(木)
場
所
東京・麹町会館
参加者
234 名
記念講演 「都市計画の父
北海道大学
後藤新平と都市研究会、帝都復興計画」
大学院工学研究科
教授
越澤
明
意見交換会
(4) 第 22 回まちづくり拝見研修会
日
程
平成 20 年 2 月 15 日(金)
場
所
大分県豊後高田市 「勤労青少年ホーム」
参加者
64 名
テーマ
豊後高田の「小都市発・まちづくり三法へのチャレンジ」
次
第
近況報告
国土交通省都市・地域整備局都市計画課企画専門官
講
楯
浩司
桒原
茂彦
演
「豊後高田市の概要について」
豊後高田市商工観光課長
「豊後高田市中心市街地活性化基本計画の概要」
豊後高田市商工観光課
視
察
主査
丸山野幸政
「昭和の町」
(昭和の町並みを再現した中心商店街)ほか
4、都市計画推進事業の実施
(1) 都市計画の推進
①
都市計画専門家派遣事業
国土交通省と連携し、専門家派遣を希望する市町村の中から複数都市を選定し、専門家デ
ータベース(平成 17 年度当協会が構築)を活用して選定された専門家を派遣した。
今年度は、中心市街地の活性化、歴史的なまちなみを活かしたまちづくり等 13 市町への
派遣を実施した。(平成 14 年度以降の延べ派遣件数:90 件)
②
まちづくり月間(6 月)の協力
国が推進しているまちづくり月間に協力・支援するため都市計画関係団体によって組織さ
れた「まちづくり月間実行委員会」(会長:(財)都市計画協会
会長)が、主催した次の諸
活動に事務局として参加し協力した。
・第 25 回まちづくり月間中央行事
後
援
国土交通省
協
賛
(財)都市計画協会
日
程
平成 19 年 6 月 15 日(金)開催
場
所
東京・都市センターホテル
他
83 団体
テーマ
「つなぐ・つなげるまちづくり」
内
国土交通大臣表彰、まちづくり標語懸賞募集入選者等表彰式
容
シンポジウム
・第 25 回まちづくり標語懸賞募集
後
援
募集標語の課題
国土交通省
「地域が担うまちづくり・まちおこし」
募集期間
平成 19 年7月1日~平成 19 年 12 月 31 日
選
平成 20 年 3 月 28 日(金)
考
③
審査委員長
国際連合広報センター所長
表
平成 20 年 6 月開催の第 26 回まちづくり月間中央行事において表彰
彰
幸田 シャーミン
その他の協賛・協力事業
国や都市計画関係団体が実施した次の諸行事に協賛する等協力した。
・日本の景観を良くする国民会議
・都市景観の日
・2007 年度早稲田まちづくりシンポジウム・早稲田メイヤーズ会議
・九州デザインシャレット
・「定期借地権の日」記念講演会
・エコ・グリーンテック 2007
・平成 19 年度「道路ふれあい月間」
・景観シンポジウム「美しい日本を創るには?」
~ランドスケープアーキテクトの視点から~
・第 6 回屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール
・2008 年日本フラワー&ガーデンショウ
・「だいじょうぶ」キャンペーン
~こわくないまち、つくろう~
・都市計画CPD
・その他
(2) 表彰の実施
次の各賞について、平成 19 年 10 月 18 日(木)に開催された第 59 回都市計画全国大会の席
上、それぞれ会長より賞状と記念品を贈呈した。
①
都市計画協会会長賞
都市計画協会会長賞は、毎年都市計画全国大会の開催都道府県管内で、都市計画事業の推
進にあたって優れた計画立案若しくは顕著な事業実績を残された市町村に対し賞の贈呈を
行っている。平成 19 年度は、第 22 回に当たり、審査会(平成 19 年 9 月 4 日(火)開催、委員
長:下田 公一 当協会副会長)の審査を経て以下の3団体が受賞した。
京都市、福知山市、長岡京市
②
土地区画整理阿部功労賞
土地区画整理阿部功労賞は、地方公共団体等の職員を対象に長年にわたり土地区画整理事
業の推進に貢献された方々に対し賞の贈呈を行っている。
平成 19 年度は、
第 43 回に当たり、
選考委員会(平成 19 年 9 月 12 日(水)開催、委員長:和田 祐之(財)区画整理促進機構理事
長)の審査を経て、以下の 10 名の方々が受賞した。
石川 恒生(北海道)、加藤 光雄(茨城県)、富田
茂(埼玉県)、藤城 宣夫(東京都)、
末次 正徳(福岡県)、小野 褜夫(仙台市)、瀬崎 磯雄(浜松市)、竹田 英一(名古屋市)、
森本
③
勲(大阪市)、志村 正美((独)都市再生機構)
公園緑地折下功労賞
公園緑地折下功労賞は、地方公共団体等の職員を対象に長年にわたり公園緑地行政の推進
に貢献された方々に対し賞の贈呈を行っている。平成 19 年度は、第 28 回に当たり、選考委
員会(平成 19 年 9 月 6 日(木)開催、委員長:山田 勝巳(社)日本公園緑地協会会長)の審査
を経て、以下の5名の方々が受賞した。
佐野 恒彦(福島県)、金瀬
弘(神奈川県)、牛山 辰郎(静岡県)、
鎌田 靖司(京都府)、川尻 健雄(山口県)
(3) 国際交流活動の推進
①
IFHP(国際住宅・都市計画連合)世界大会(デンマーク・コペンハーゲン)参加と海外都
市計画事情調査の実施
日
程
参加者
平成 19 年 9 月 19 日(水)~29 日(土)
22 人(団長:吉井 一弥(財)民間都市開発推進機構専務理事)
IFHP 世界大会(デンマーク・コペンハーゲン)参加
9 月 23~26 日開催
スウェーデン、デンマーク、ドイツ、オーストリア各国の都市計画事情調査
②
EAROPH(東方地域都市計画住宅機構)の 2008 年世界大会(姫路市、淡路市)の準備
③
第 25 回「日韓都市開発協力会議」への協力
平成 19 年 10 月 1 日(月)~5 日(金)
④
於:ソウル
第 10 回「都市計画、都市整備に関する日中交流会議」の協力
平成 19 年 11 月 26 日(月)~12 月 1 日(土) 於:東京
⑤
OECD 地域開発政策委員会への協力
⑥
国際交流活動報告会の開催
日
程
平成 20 年 3 月 7 日(金)
場
所
協会会議室
共
催
国際都市交流推進協議会
報
告
「平成 19 年度国際都市交流の推進状況について」ほか
(4) 事務受託事業の実施
都市計画関係団体、地方公共団体等が組織し、都市計画関連事業を推進している次の団体
の事務局業務を受託し、それぞれの事業の円滑な推進に協力した。
①
まちづくり月間中央行事実行委員会
②
全国開発指導行政等運用連絡協議会
③
国際都市交流推進協議会
④
JASOPH(国際住宅計画問題協議会)
5、会議の開催
次の通り理事会、評議員会等を開催した。
(1)理事会
①
平成 19 年 6 月 12 日(火) 通常理事会
次の議案を審議し、承認された。
・
平成 18 年度事業報告及び決算報告
・
平成 19 年度事業計画及び収支予算(案)
また、評議員の任期満了を受けて、評議員
②
平成 19 年 6 月 27 日(水)
307 名を選任した。
臨時理事会
・ 平成 19 年 6 月 19 日開催された評議員会において選任された理事による最初の理事
会が開催され、会長が新常任理事の選任について意見を聴き、常任理事 15 名が選任
された。
③
平成 20 年 3 月 6 日(木)
臨時理事会
次の議案を審議し、承認された。
・
会費徴収規程の改正(案)
この結果、
平成 20 年度より、
地方公共団体会員の年会費が5%縮減されることとなった。
(2) 常任理事会
①
平成 19 年 5 月 21 日(月) 協会の事業活動等について報告を受け、意見を交換した。
②
平成 19 年 6 月 27 日(水)
会長が、専務理事、常務理事の指名について意見を聴き、次の通り指名した。
③
専務理事
荻原 達朗
常務理事
矢野 進一
平成 20 年 1 月 22 日(火)
会費徴収規程の改正について意見を求め、事務局案のとおり理事会に提案することとな
った。
(3)評議員会
①
平成 19 年 6 月 19 日(火)
平成 19 年 6 月 12 日(火)開催の通常理事会で承認された次の議案を審議し、同意を受け
た。
・
平成 18 年度事業報告及び決算報告
・
平成 19 年度事業計画及び収支予算(案)
また、理事の任期満了を受けて、理事 50 名、監事 3 名を選任するとともに、選任され
た理事の中から次の通り会長、副会長を選任した。
会
長
副会長
伴
襄
岩沙 弘道
原
隆之
下田 公一
さらに、評議員会議長、副議長を次の通り互選した。
議
長
伊藤
滋
副議長 黒川
洸