ゲーミング名「古代日本 小原洋平 佐々木文 交易シミュレーションゲーム」 井上健一 佐々木夢子 長山広貴 原田麻未(2006 総合演習井門分科会) 1.テーマの設定・目的 古代日本では、地域ごとに特産物があり、互いに交易も行われていたことがわかっている。本ゲーミ ングではこの古代日本の交易に焦点をあて、古代の交通や自国経営について古代人がどのように取り組み、 考えていたのかということを考えさせる。地方と中央の違いや地域の特色、交易を通して現代に繋がるテ ーマとして地域の活性化にも触れていきたい。 問題解決のために、交易のやり取りを行うゲームだけではなく後半にディスカッションの場面を設け る。前半の交易ゲームで考えたことを元に、ゲーム中の役割で後半のディスカッションを行う。ディスカ ッションでは、地域のリーダー養成を目標に据えて「地域活性化」を主な題材とし、話し合ってもらう。 対象学年は小学校高学年から中学生までと設定した。 2.作成方法 フィールド・教室や体育館などの広い場所 実際にゲームをする際には床にシールをはり、ボードゲームのようにマスを作る。 使用するもの・カード、サイコロ 交易品をカードで作成。色紙、画像等を使用。 交易品はその地方の特色が出るもの、また古代の資料の中で中央政府に税として納めら れたものの中からいくつかを選択した。 ゲームの司会をする人物を1人決める。この人物がゲーム全体を取り仕切ることになる。 3.ルール・ゲームの仕方 (ボードゲームのやり方) ① 2人1組×5グループになり、自分たちがどの国の住人になるかを決める。 国は 畿内 東北 関東 北陸 北九州の五カ国。 それぞれ最初に持ってスタートする特産物が違う。 (所持する特産物は1ヵ国当たり星25個分と設定) (畿内)ヒスイ (東北)毛皮 2、織物 3、土器 3、ほし肉 (関東)かつお 毛皮 1、貝 (北陸)海藻 2、米 2、あゆ 2、野菜 6 1、黒曜石 6、その他穀類 3 2、農具 3、 3 6、ヒスイ (北九州)野菜 7、木の実 2、海藻 1、織物 2、その他の穀類 3、農具 2、野菜 3、毛皮 2、黒曜石 2、土器 3、木の実 1 6、織物 1 交易は特産物についている星(ランク)の数が同じようになるよう、やり取りをする。 ランク一覧は別紙参照。例えば星3つのヒスイと星1の木の実では1:3の割合で交易を行わ なければならない。 ゲームでの最終的な到達目標は 食べ物のカードを5種類以上、道具・衣類・高級品を各1種類以上持つこと。 ② 国に残る人と交易に出る人で役割を分担する。 国に残る人は交易にやってくる人とのやり取り、交易に出る人は欲しいものを持つ国にやり取り に出かける。 ③ ゲームの司会が合図するごとに1ターンずつサイコロをふり、交易に出る人が動く。交易(会話・ やり取り)も1ターン消費とする。 ④ 司会が様子を見て、2∼3のグループが目標を達成した時点でゲーム終了の合図を出す。 ⑤ ゲーム終了後、「どうしたら自分たちの国がより豊かになるか」というテーマでディスカッショ ンを行う。 (ディスカッション) 題材を「どうしたら自分たちの国がより豊かになるか」と設定する。 それぞれボードゲームで使用した設定をそのまま使用する。 プロフィール (畿内)全国から物資が集まるが、食料生産は多くはない。技術が高く、織物などが多い。また、 祭事に使用する高級品のヒスイも所持している。 (東北)蝦夷の住む土地なので、毛皮と干し肉を多く保持している。農作物や技術の必要なもの は他国から仕入れなければいけない。 (関東)農具と食料が多いのが特徴。海産物も多い。大体の物品が満遍なくそろっているが、米 や高級品がない。 (北陸)ヒスイの産地なので、ヒスイを多く所持している。また、海岸沿いであることから海産 物も多めに設定している。他国に比べて物品の種類が少ない。 (北九州)食料が多く、米を所有しているのが特徴。ただし、技術の必要な物品は他国よりも少 ない。 4.まとめ(成果と課題) 今回ゲーミングシミュレーションを作成するにあたり、私たち自身が古代日本の歴史だけでなく、現代 の地方の抱える問題について考えることができた。 ゲームの作成過程では、チームを地方ごとに特色がでるよう作成したので、地理的な要素も取り入れる ことができたと思う。また、文献・資料などと照らし合わせて古代日本の特産物について下調べを行った ので、ここまで大規模な交易が行われていたかどうかは疑問だが、大筋で史実に沿った形にできたと思う。 作成するにあたり問題になったことは、どのようにこのゲームの成果を発展的なものにするか、という ことだった。ボードゲームを行っただけでは、問題解決は困難だと思われたのでディスカッションを行う ことでより発展的なゲーミングになったのではないかと思う。 反省点として挙げられるのは、ゲームのバランスを緻密に調節することができなかったということだ。 何度かテストプレーを行い、調節をしたが、よりゲームに深みを持たせるシステムを思いつかなかったの と、新しいシステムを作るとゲームの大筋に障害がでてしまい、難しかったので断念した。案としてあっ たのは、交易品として「馬」 「農具」などの使えるものを導入し、その使用によって移動スピードが速くな る、生産能力が得られるといったボーナスをつけることだった。しかし移動スピードの管理は、下手をす れば1チームの単独勝利になってしまうこと、生産能力については交易品を次々生産できるようにしてし まうとゲームの難易度が下がり、ゲーム中に「考える」場面が減ってしまうのではないかという考えから 導入はしなかった。 5.資料 交易カード一覧表 食料(赤) ・ 米 ★★ ・・・2枚 ・ その他の穀類 ・ 木の実(くるみ、くり、かき) ・ 海藻 ・ かつお ・ あゆ ・ 貝 ・ 干し肉 ・ 野菜 ★ ★ ・・・8枚 ★ ・・・8枚 ・・・8枚 ★ ★ ・・・1枚 ★ ・・・1枚 ・・・2枚 ★ ★ ・・・7枚 ・・・11枚 道具(青) ・ 土器 ・ 黒曜石 ・ 農具 ★★ ・・・5枚 ★★ ★★ ・・・5枚 ・・・5枚 衣類(緑) ・ 織物 ★★★ ・・・5枚 ・ 毛皮 ★★★ ・・・5枚 高級品(黄) ・ ヒスイ ★★★ ・・・5枚 フィールド設定(案) 北陸 東北 畿内 北九州 関東
© Copyright 2024 Paperzz