外貨建取引と為替差損益

daily コラム
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2012 年 12 月 28 日(金)
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笠井良一税理士事務所
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外貨建取引と為替差損益
その都度認識が原則の為替差損益
外貨建て取引においては、取引のつど為
替換算を行い為替差損益の認識をします。
所得税法で「外貨建取引」とは、外国通貨
で支払が行われる資産の販売及び購入、役
務の提供、金銭の貸付及び借入れ、その他
の取引をいい、居住者が外貨建取引を行っ
た場合には、その外貨建取引を行った時に
おける外貨建為替の売買相場により、換算
した金額により、各種所得の金額を計算す
るものとされています。
定期預金の元本の満期継続
とは言え、A銀行に預け入れていた外貨
建て定期預金が満期となったため、満期日
に全額を払い出し、同日、元本部分全額を
B銀行に預け入れた場合、他の金融機関に
預け入れる場合であるとしても、同一の外
国通貨で行われる限り、為替差損益を認識
する必要はありません。
米ドル建て債券が同額償還の場合も
公社債の償還差益とは、償還金額がその
発行価額を越える場合のその差額をいい、
雑所得として取り扱います。
購入した金額と同額で償還され、償還差
益が発生しない場合には、単に債券購入時
の円換算額と償還時の円換算額の評価差額
ヒューリック福岡ビル 7 階
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があっただけなので、同一の外国通貨であ
る限り経済的価値が実現しているとは認め
られないので、為替差損益を所得として認
識する必要はありません。
異なる外国通貨では
ただし、異なる通貨となると原則的にな
ります。日本円の現金を米ドルに交換し、
その後、この米ドル全額をユーロに交換し
た場合、ユーロへの交換時に、ユーロへの
交換時の円換算額と当初円から米ドルへ交
換した金額との差額を為替差損益として認
識します。
MMFの場合には
外貨建預貯金を払い出して、外貨建MM
F(マネー・マーケット・ファンドの略。
投資信託の一種)に投資した場合には、そ
れまでは評価差額にすぎなかった為替差損
益に相当するものが、収入すべき金額とし
て実現したものと考えられるため、外貨建
MMFの投資金額の円換算額と、その投資
に充てた外国通貨を取得した時の為替レー
トにより、円換算した金額との差額(為替
差損益)を所得として認識する必要があり
ます。
外貨建MM
Fの譲渡所
得は非課税