《ウクライナ政情不安による株式市場急落と今後の市場見通し》

№ 25− 120
第 12 号
2014 年 3 月 4 日
特別勘定運用部
《ウクライナ政情不安による株式市場急落と今後の市場見通し》
【ウクライナ情勢と金融市場動向】

ウクライナ情 勢 を受 けて、ロシアで通 貨 と株 価 が大 幅 安 となり、ロシア中 央 銀 行 は通 貨 安 回 避 のた
めに利 上 げ実 施 しました。一 方 、これらを受 けたリスク回 避 が鮮 明 化 したことにより欧 州 中 心 に主
要 国 の株 価 も下 落 し、為 替 が円 高 に振 れたことから日 本 株 も下 落 しています。

ウクライナは、歴 史 的 にロシアに近 い東 側 勢 力 と、ヨーロッパ志 向 の強 い西 側 勢 力 とに大 きく二 分
されますが、東 側 を地 盤 とするヤヌコビッチ大 統 領 が 2013 年 11 月 、EU(欧 州 連 合 )との関 係 を強
化 する連 合 協 定 の署 名 を見 送 り、さらに、ロシアから 150 億 ドルの資 金 援 助 を受 け取 ることで合 意
し、デモを規 制 する法 律 を制 定 したことから、反 政 権 デモは一 気 に激 化 し、2 月 下 旬 になって事 態
は急 転 し、ヤヌコビッチ政 権 は崩 壊 しました。

当 初 、ロシア政 府 は静 観 していましたが、3 月 1 日 、プーチン大 統 領 が、ウクライナの政 治 情 勢 が
完 全 に安 定 するまでは、軍 事 力 を行 使 する提 案 を決 議 し、3 月 3 日 にウクライナ内 のクリミア自 治
共 和 国 に軍 事 介 入 したと報 道 されました。欧 米 諸 国 はこれに対 して、国 連 安 全 保 障 理 事 会 でロ
シアのウクライナへの挑 発 的 行 動 の停 止 を要 請 し、また今 年 4-5 月 にロシアで開 催 予 定 の G8 へ
の準 備 会 合 の不 参 加 を決 定 するなど、ロシアと欧 米 との政 治 的 な対 立 が高 まっています。
(市場データ)
日経平均株価
TOPIX
NYダウ
S&P 500
ドイツ DAX指数
フランス CAC40指数
FTSE100指数
ロシア RTS指数 $
中国 上海総合指数
円/ドル
ドル/ユーロ
WTI 原油先物
CRB指数
3月3日
2013年12月末比
2月28日比
2013年12月末
2014年2月末
16,291.31
1,302.29
16,576.66
1,848.36
9,552.16
4,295.95
6,749.09
1,442.73
2,115.98
14,841.07
1,211.66
16,321.71
1,859.45
9,692.08
4,408.08
6,809.70
1,267.27
2,056.30
14,652.23
1,196.76
16,168.03
1,845.73
9,358.89
4,290.87
6,708.35
1,115.06
2,075.24
-10.1%
-8.1%
-2.5%
-0.1%
-2.0%
-0.1%
-0.6%
-22.7%
-1.9%
-1.3%
-1.2%
-0.9%
-0.7%
-3.4%
-2.7%
-1.5%
-12.0%
0.9%
105.31
1.3743
98.4200
280.17
101.81
1.3802
102.5900
302.43
101.44
1.3735
104.9200
305.85
-3.7%
-0.1%
6.6%
9.2%
-0.4%
-0.5%
2.3%
1.1%
データは 3/3 の終 値 ベース
1
【新 興 国 通 貨 の対 ドルレート推 移 】
112
110
108
106
インドネシアルピア
新トルコリラ
南アフリカランド
ブラジルレアル
インドルピー
ロシアルーブル
通貨安
104
102
100
98
96
94
12/31
2013/12 末 を 100 として指 数 化
01/07
01/14
01/21
01/28
02/04
02/11
02/18
02/25
チャートデータは 3 月 3 日 終 値 まで
【今 後 の市 場 見 通 し】

3 月 2 日 までの段 階 で、ロシアはすでにクリミア半 島 の自 国 権 益 の保 護 のために自 国 軍 と親 ロシア
派 武 装 勢 力 から成 るとみられる部 隊 を展 開 し、実 際 に武 力 行 使 をすることなく制 圧 しており、欧 米
の牽 制 にもかかわらず既 成 事 実 化 されつつあります。このため、今 後 の情 勢 をみるうえでは、①ロシ
アの軍 事 介 入 がクリミア半 島 のみにとどまるかどうか、②予 備 役 を招 集 したウクライナの軍 事 的 な対
応 、③東 部 地 域 での親 ロシア勢 力 デモが過 激 化 するリスク、などに注 目 すべきと考 えます。

ロシアがクリミア半 島 への軍 事 介 入 に踏 み切 ったことで、欧 米 諸 国 は経 済 制 裁 の検 討 に入 るもの
と見 られますが、ロシアはクリミアにおける自 国 権 益 保 護 を優 先 することに躊 躇 しませんでした。しか
し、東 部 地 域 への直 接 的 な軍 事 介 入 の拡 大 に踏 み切 れば、全 面 的 な軍 事 的 対 立 は不 可 避 的 と
なるため、慎 重 になる可 能 性 が高 いとみられます。ウクライナ軍 はクリミアに限 定 された介 入 であれ
ば静 観 する可 能 性 がありますが、東 部 地 域 にロシアの介 入 の手 が広 がれば軍 事 的 衝 突 が必 至 と
なり、NATO 軍 の介 入 も想 定 に入 ってきます。このような全 面 対 決 のシナリオは、天 然 ガスをはじめ
経 済 的 な相 互 依 存 関 係 が各 方 面 で深 まっている現 状 を踏 まえると、欧 州 、ロシアの双 方 にとって
望 ましくない方 向 であり、ロシアにとっては直 接 的 な介 入 を限 定 的 な範 囲 にとどめることが得 策 と考
えます。また、米 オバマ政 権 が世 界 秩 序 維 持 における強 力 なリーダーシップの確 保 に消 極 的 であ
ることも念 頭 に置 くべきでしょう。
2

ただし、無
無 条 件 の楽
楽 観 論 を許 す状 況 には
はありません
ん。3 月 1 日 には東 部 の主 要 都 市 であるドニ
ニエ
ツク、ドニ
ニエプロペト
トロフスク、ハ
ハリコフなど で数 千 人 単 位 の親 ロ シア派 によ
よるデモが発
発 生 し、地 方 政
府 の施 設 などが襲 撃 され、ロシ
シア国 旗 を掲
掲 揚 して自 治 権 拡 大 に関 する住
住 民 投 票 の 実 施 を要 求 し
ていると報
報 じられてい
います。いま
ままでのとこ
ころウクライナ
ナ新 政 権 のトゥルチノフ
の
フ大 統 領 代 行 はロシア
ア系
国 民 に対
対 する配 慮 も表
も 明 し事
事 態 の沈 静 化 を図 ろうと
としています
すが、こうい った民 衆 の動
の きがコン
ントロ
能 性 も出 て
ールでき
きなくなってく
くると、新 たな軍
た
事 行 動 を余 儀 なくされる可
な
てくるため、リ
リスクとして 認
おく必 要 があ
あります。
識 してお

政 治 ・軍 事 的 不 透 明 感 からしばら
らく不 安 定 な状
な 況 が続
続 く恐 れがあ
ありますが、 以 上 の状 況 分
市 場 は政
析 からロ シアの軍 事 介 入 がクリ
リミア半 島 に
に限 定 されれ
れば、比 較 的 短 期 的 に
に落 ち着 きを取
き
り戻 すこと
す
シナリオとし て想 定 しま
ます。もし軍 事 的 対 立 が地
が 域 的 に拡
に 大 し深 刻 化 する場
場 合 は、エネ
ネル
をメインシ
ギー価 格 の一 段 の 上 昇 などを
を通 じて世 界 景 気 その ものに暗 雲 が立 ち込 め
め、先 進 国 市 場 も含 めて
め
リスク回 避 の動 きが 長 期 化 する
るシナリオが
が視 野 に入 ってきます が、現 時 点 ではあくま でもリスクシ
シナ
リオの位 置 づけです
す。ただし、 旧 東 側 に潜
潜 む投 資 リス
スクが改 めて
て顕 在 化 し
したことで、新
新 興 国 にお
おけ
進 められるこ
ことになりそ うです。
る投 資 対 象 地 域 の 選 別 が一 段 と厳 しく進
以
※次ペ
ページの「特別
別勘定特約に
に関する重要
要なお知らせ
せ」について
てよくお読み
み下さい。
※本資
資料は、情報提
提供を目的とする資料で
であり、保険
険募集を目的
的とするもの
のではありま
ません。
3
上
特別勘定特約に関する重要なお知らせ
※本お知らせは平成19年9月30日に金融商品取引法の施行を受けた保険業法の改正に伴い、広告等規制に基づき表示
するものです。
手数料等について
特別勘定特約に関する手数料(保険事務費)は、当社が引受けるご契約者の年金資産(責任準備金)のうち特
別勘定部分(各口)の経過責任準備金(時価平均残高)に比例し、経過責任準備金残高をランクごとの金額に
分け、それぞれ商品ごとに適用される下表の手数料率を乗じて得た金額の合計額を毎年ご負担いただきます。
今後、新規に特別勘定特約を付加(新たな口の採用を含む)されるお客さまに対する手数料は以下の通りです。
■手数料率表
厚生年金基金保険特別勘定第1特約
経過責任準備金
ランク
(時価平均残高)
総合口
円貨建
公社債口
円貨建
株式口
円貨建
株式口
パッシブ型
外貨建
公社債口
10億円以下の部分
0.440%
0.330%
0.520%
0.400%
0.550%
~
500億円超の部分
外貨建
公社債口
為替ヘッジ型
外貨建
株式口
外貨建
株式口
パッシブ型
外貨建
株式口
新興国型
短期
資金口
0.550%
0.600%
0.500%
0.600%
0.050%
0.230%
0.240%
0.210%
0.240%
0.050%
外貨建
公社債口
為替ヘッジ型
外貨建
株式口
外貨建
株式口
パッシブ型
外貨建
株式口
新興国型
短期
資金口
0.750%
0.800%
0.500%
0.800%
0.050%
0.230%
0.240%
0.210%
0.240%
0.050%
~
0.220%
0.155%
0.230%
0.110%
0.230%
厚生年金基金保険(Ⅱ)特別勘定第1特約、確定給付企業年金保険特別勘定特約
経過責任準備金
ランク
(時価平均残高)
総合口
円貨建
公社債口
円貨建
株式口
円貨建
株式口
パッシブ型
外貨建
公社債口
5,000万円以下の部分
0.600%
0.450%
0.700%
0.400%
0.750%
~
500億円超の部分
~
0.220%
0.155%
0.230%
0.110%
0.230%
※上記のテーブルについては、経過責任準備金ランクの上限および下限のみ記載しております。
※手数料=各口の(経過責任準備金の各ランクに当たる金額×所定手数料率)の合計
※消費税は別途申し受けます。
※上記のほか、資産運用の過程で売買の際に発生する売買委託手数料、売買委託手数料に関する消費税に相当す
る金額、先物取引・オプション取引等に要する諸費用、投資信託に係る信託報酬等を運用費用の一部として間
接的にご負担いただきます。なお、売買委託手数料等は売買委託先、売買金額等によって、また、信託報酬に
ついては投資信託の運用会社や投資対象資産等によって手数料率が変動する等の理由から、これらの計算方法
は表示しておりません。
※上記の手数料には、一般勘定(主契約)の手数料(保険事務費)、制度管理業務等にかかる各種手数料は含ま
れておりません。
※ 円貨建株式口については1型と2型を合算した金額で経過責任準備金ランクを判定します。
損失発生リスクとその発生理由
・特別勘定特約は、一般勘定(主契約)の責任準備金(保険料積立金)の一部を特別勘定で運用し、この運用実績
を直接、責任準備金(保険料積立金)に反映させる仕組みの商品です。
・特別勘定は、国内外の公社債、株式等を運用対象とするため、「株価の下落」「金利の上昇による債券価格の下
落」「円高による外貨建資産価値の下落」等といった投資対象資産の価格下落リスクは責任準備金(保険料積立
金)の下落要因となります。資産運用の結果は、その損失も含めてご契約者に帰属します。
・そのため、経済情勢や運用成果の如何により高い収益を期待できる反面、元本(特別勘定に投入された保険料の
合計額)の保証はなく、運用実績が元本を下回ることがあり、損失を生じる可能性があります。
ご留意事項
・特別勘定における資産運用の成果がご契約者の期待どおりでなかった場合でも、当社または第三者がご契約者に
何らかの補償、補填をすることはありません。
・特別勘定での運用にあたっては、ご契約者が特別勘定の特徴を十分理解した上で、ご契約者の判断と責任におい
て行わなければなりません。
第一生命保険株式会社
住所:東京都千代田区有楽町1-13-1
電話: 03(3216)1211(大代表)
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