モバイルソリューション戦略

ユーザへの訴求力を高めるため、大
なければならず、技術的ハードルは
D@TA Center のノウハウ生かし
モバイルコンテンツ事業に挑む
量の画像ファイルを使い始めている。
むしろ高いだろう。 しかし、 この
しかし、携帯電話端末やキャリアに
開発ノウハウを蓄積することで、法
よって画面サイズや画像ファイル形式
人向けにもプロモーション、 教育
が異なり、従来では、それぞれの端
(社内教育、操作マニュアル、保守
携帯電話インターネットの普及と
BREW ソリューション、④統合認
末に合わせて画像を変換し用意して
マニュアル)などのアプリケーショ
共に立ち上がった日本のモバイル
証ソリューション
「NET BUREAU
おかなければならず、大変な手間と
ンに応用できるはず」と話している。
コンテンツビジネスをインフラ面
(ネットビューロ)」の取り組みを紹
京セラコミュニケーショ
ンシステム 専務取締役
北村 氏
強化を働きかけたり、キャリアやコン
集作業の手間を削減する手段として
テンツプロバイダに対しモバイルコン
登場したのが、それぞれの端末に合
企業向けで評価高まる
モバイルテクノロジー「BREW」
テンツに関する啓蒙活動を展開。さ
わせ最適なサイズやファイル形式へ画
携帯電話を活用したアプリケーシ
ステム(KCCS)だ。モバイルコ
国内コンテンツプロバイダの
海外進出を強力にサポート
らに、シンガポールの著作権管理団
像 変 換 を 行う作 業 を自 動 化 する
ョンのキーテクノロジーとして注目
ンテンツ市場にいち早く着目し、
「 日本のモバイルコンテンツのビ
体「COMPASS」
(Composers &
KCCS の「μSCENE Image Con-
されているのが、端末上でプログラ
シームレス化進む企業ネット
NET BUREAU で対応
キャリアやプロバイダとのパート
ジネスモデルを世界に広めたい」
Authors Society of Singapore)
verter( イメージ・コンバータ)」であ
ムを稼働できるプラットフォーム技
D@TA Center はコンテンツプ
ナー関係を確立し、ビジネスモデ
―こうした思いで設立されたの
と契約し、KCAP が著作権料の徴
る。自動化により画像変換作業の手
術
「BREW(ブリュー)」だ。BREW
ロバイダだけでなく企業のシステム
ルを構築。ここで培われたノウハ
が 、 K C C S の 子 会 社「 K C A P
収代行を行うという体制も整えた。
間が大幅に削減できることから、多
はクアルコムが開発した技術で、オ
利用でも注目されている。
ウをベースに、コンテンツ事業の
(KYOCERA COMMUNICATION
K C A P の地道な取り組みが功を
くのコンテンツプロバイダやEC サイ
ンラインでしか使えない Web アプ
LAN/WAN の普及により、企業
海外支援や企業ネットワークでの
ASIA PACIFIC PTE.LTD.)」であ
奏しビジネス環境の整備が進み、よ
ト事業者から注目が集まっている。
リケーションに比べ、端末側にデー
システムではさまざまな ID パスワー
活用などさまざまなビジネスを生
る。KCAP は昨年 6 月、アジアの
うやくビジネスが立ち上がってきた
②3D モバイルアバタ
タを保存できることから通信エリア
ドが氾濫している。社内で使ってい
み出している。
ハブ的存在であるシンガポールで設
ところだ。
マルチメディアによるコミュニケーシ
外でも利用できるメリットがある。
るVLAN に加え、リモートアクセス
今年度はまず東南アジアでの事業
ョン分野では、インスタントメッセンジ
国内ではau 端末においてBREW
や、無線LAN、インターネットVPN
で強力に支えてきたのが、iDC サ
介した。
ービス「D@TA Center」を提供
する京セラコミュニケーションシ
立され、アジア市場を対象にデータ
でのBREW 対応を開始する。さら
に、企業向けにBREW を使ったイ
コストがかかっていた。この画像編
ンテグレーションサービスも手がけ
ていく。
国内のコンテンツビジネスを推進
センターや課金システムを活用し、
を軌道に乗せ、毎月の売り上げ 1 億
ャー
(IM)において自分の顔の代わり
対応チップの搭載が始まっている。
などさまざまなネットワークとP C が
してきた京セラコミュニケーション
キャリアとのポータル設置の交渉、
円を目指す。 専務取締役である北
に表示させるアバタ
(分身)を 3DCG
K C C S では、 モバイルアプリケー
つながっており、それぞれ別のID パ
システム
(以下、KCCS)が、コン
コンテンツプロバイダのビジネスを
村
「 東南アジアの次は、巨
氏は、
で作成できるシステム「 μ S C E N E
ション開発においてBREW の技術
スワードが配布され運用面でも使い
テンツプロバイダの海外支援から、
サポートするプラットフォーム事業
大市場である中国への展開も進めた
3D Mobile Avatar(仮称)」を開発
を積極的に取り入れていく方針を打
勝手の面でも企業の負担が増えてい
3 G 携帯電話を使った企業向けネッ
を手がけている。さらに、市場拡大
い」と話している。
した。自分の顔と動物の写真をモー
ち出しており、まずはモバイルに対
る。こうした課題を解消できるのが、
トワーク構築までさまざまな新規ビ
を図るためタイにも進出している。
フィングさせたアニメーションをアバ
応したビジネスポータルサービス
KCCS のNET BUREAU である。
タにすることで、エンターテイメント
「BizW@lkers(ビズウォーカーズ)」
RAS、RADIUS サーバ、VPN 装置
ここでは、 K C C S が最も注力し
の普及は進んでいるものの、コンテ
3G 携帯電話に対応した
3D モバイルアバタ
ているモバイル関連の①コンテンツ
ンツ分野ではキャリア主導でビジネ
3 G 携帯電話のアプリケーション
ビジネスの海外事業、②3G 携帯電
スモデルを確立してきた日本とは異
として注目が集まっているのが、画
ロバイダを対象に、
話対応プラットフォーム、 ③
なり、ビジネス環境がほとんど未整
像や動画コンテンツの活用である。
3D モバイルアバタを
備という事情がある。海賊版コンテ
3 G 関連の新規ビジネスである①画
A S P サービスとして
ンツを不正に販売するプロバイダが
像変換ソリューション、②3D モバ
提供する。
市場の拡大を阻害していたり、著作
イルアバタの2 つが挙げられる。
権管理の仕組みが確立していないと
①画像変換ソリューション
ジネスに乗り出している。
携 帯 電 話 向 け
ポ ー タ ル サ イト
「WebW@lkers」
(http://www.kcap.
net/)
148
B R E W 対 応
「BizW@lkers」
モバイルインターネット 2003.9
しかし、東南アジアでは携帯電話
性を高めることが可
能だ。コンテンツプ
北村専務は、「 企
業向けに比べ、コン
カメラ付き携帯電話の爆発的普及
シューマ向けのシス
KCAP では、シンガポール政府に
や、ディスプレイの高精細化/大型化
テムのほうが、細か
対し海賊版コンテンツの取り締まりの
が進んだことで、モバイルサイトでは
な部分まで作りこま
いった課題があったのだ。
図 USB キーを使った NET BUREAU の活用例
ク ラ イ ア ントソ
フト な しで も
VPN リモートア
クセスを実現す
る
N E T
BUREAU の
USB キー
モバイルインターネット 2003.9
149
Wireless Conference 2003
< WIRELESS JAPAN 展示会>
携帯電話で動く3Dモバイルアバタに注目
コンテンツ事業の海外進出で国内ビジネスも活性化へ
7 月 18 日、モバイル/ワイヤレス業界
テンツ事業やモバイルコマースの最新動
さらに、北村氏は、
「キャリアとコンテ
のキーマンが登壇するワイヤレスジャパ
向、今後のビジネスなどについて活発な
ンツプロバイダとが一丸になって海外に
ンの「ワイヤレスカンファレンス 2003」 議論がなされた。
進出しモバイルコンテンツのビジネスモ
において、パネルディスカッション「最新
その中で、KCCS の北村氏は、海外に
デルを確立することで、停滞する日本の
モバイルビジネスの可能性」が開催され
日本のモバイルコンテンツのビジネスモ
経済を盛り上げていこう」と呼びかけて
た。MCF 事務局長の岸原孝昌氏がモデ
デルを導入するため、シンガポールを中
いた。
レーターを担当し、パネリストとしてネッ
心に著作権管理や不正コピーの防止な
トプライス社長の佐藤輝英氏、サイバー
どビジネス環境の整備に注力しており、
ド専務取締役の岩井陽介氏、ドワンゴ社 「シンガポールにおいて、取り引き額は
長の小林宏氏、京セラコミュニケーショ
まだ少ないもののコンテンツの売り上げ
ンシステム専務取締役の北村
は伸びてきた」と、海外事業の取り組み
氏の 4
名が出席し、メディアミックスが進むコン
MCPC(モバイルコンピューテ
ィング推進コンソーシアム)ブ
ースにおいてモバイルセミナ
ーを実施
京 セラコミュニケーションシステム
(KCCS)
は 7月16∼ 18日の 3日間、東京
ビッグサイトにおいてワイヤレス専門展示
会「WIRELESS JAPAN(リックテレコム
主催)
」に出展。展示会ブースでは、アジ
アにおける携帯電話向けコンテンツ配信
3D モバイルアバタをディスプレイで
デモ展示
支援サービス、BREW ソリューション、画
コンテンツプロバイダから、システム
開発者や企業ユーザまで多くの来場
者が、さまざまなモバイルソリューシ
ョンの説明に耳を傾けていた
像変換/ 3D モバイルアバタ、統合認証
ソリューション「NET BUREAU(ネットビ
ューロ)
」などを披露。ブース内では、実機
京セラ
コミュニケーション
システム
専務取締役 北村 氏
やディスプレイを使ったモバイルソリュー
ションの説明に多くの来場者が熱心に耳
を傾けていた。
KCCS の D@TA Center を活用したさ
状況を語った。
まざまなモバイル/ワイヤレスシステムが
(左)KCAP を中心とした海外向けモバイルコンテン
ツビジネスの協業モデルを、パネルとディスプ
レイにより展示
(右)モバイルビジネスポータル「BizW@lkers」は企
業ユーザから注目を集めた
取り揃えられ、来たるユビキタス社会の将
来像がうかがえた。
<ビジネスカンファレンス>
アプリデモ実演で沸くKCCS DAY
京 セラコミュニケーションシステム
会場はコンテンツプロバイダを中心に多くの受講者が参加し熱気に包まれてい
た
モバイルコンテンツビジネスやモバイルコマースの最新動向について活発な論
議がなされた
コンテンツプロバイダから企業ユーザま
て「WIRELESS JAPAN 2003」のビジネ
で多くの受講者が熱心に講演に聞き入っ
スセミナーとして KCCS DAY「モバイルビ
ていた。
ジネス最前線」
を開催した。
などのアクセスサーバ機能やユーザ
グルサインオンを目指すという。
認証機能をNET BUREAU が受け
BUREAU にアクセスするソフトが
このように K C C S は D @ T A
持つことで、ユーザ側の負担を軽減
入っており、ノートPC などにキー
Center を活用し、さまざまなモバイ
するD@TA Center を利用したア
を挿し込むとクライアントにソフト
ルソリューションを生み出してきた。
ウトソーシングサ ービスで ある 。
をインストールせずに、ユーザはい
企業ユーザからコンテンツプロバイ
D@TA Center と企業ユーザのネッ
つでもどこでもネットワークを意識
ダ向けまであらゆるシステムを手が
トワークを専用線や V P N で接続す
しないで使えるようになる。 また、
け、新規ビジネスに挑戦していく考
ることで、セキュリティも確保できる。
キーを抜けば自動的にPC 内の設定
えだ。
さらに、 K C C S ではセキュリテ
ィを確保しながらより使い勝手を向
150
U S B キーのメモリー内に N E T
情報が消去される仕組みである。
次のステップでは、Web アプリ
上させるため、 今年 9 月からは
ケーションの認証対応を進め、ネッ
U S B キーを使ったメニューにも対
トワークからアプリケーションまで
応する予定だ。
トータルに管理できる垂直型のシン
モバイルインターネット 2003.9
お問合せ先
京セラコミュニケーションシステム株式会社
広報宣伝部
〒 108-8605
東京都港区高輪 2-18-10(日石高輪ビル)
TEL:03-5792-0235
E-mail:[email protected]
ンファレンス。
(KCCS)
は 7月18日、東京ビッグサイトに
第 1 セッションでは、取締役である佐々
このセミナーは、モバイルインターネット
木節夫氏が登壇し、
「アジアにおけるモバ
関連企業を対象にした、アジアでのビジネ
イルコンテンツビジネスの理想と現実」
を
ス展開や国内の最新のトレンドなど、モバ
講演。KCCS の子会社であるKCAP によ
イルビジネスに関する包括的なビジネスコ
る東南アジアを中心にしたコンテンツビジ
京セラコミュニケーションシス
テム、佐々木節夫取締役は、東
南アジアを中心にしたコンテン
ツビジネスの立ち上げについて
熱演していた
BREW に対応したモバイルポ
ータル「BizW@lkers」のデモ
を実演
ネスの展開を紹介。
KCCS DAY では、コンテンツプロバイダから企
業ユーザまで多くの受講者が参加。モバイル関連
のビジネス動向から企業向けソリューションまで
最新動向がレクチャーされた
「企業における BREW アプリケーション
の可能性」であった。講演中に行われた、
A S P 型 のビジネスポータル サービス
第 2 セッションでは、経営情報シ
「BizW@lkers」
と連携した業務支援系ア
ステム事業本部技術部責任者の徳
プリケーションのデモに注目が集まった。
丸浩氏が「3G におけるリッチコミュ
最後の第 4 セッションは、ネットワークシ
ニケーションの可能性」について講
ステム事業本部長の黒瀬善仁氏が「企業
演。携帯電話向け画像変換ツール
におけるワイヤレス&モバイル認証セキュ
や 3D モバイルアバタを使ったリアル
リティの重要性」について講演。統合認
タイムコミュニケーションプラットフォ
証ソリューション「NET BUREAU」
を使っ
ームサービスを紹介。
てどこからでもシームレスに企業ポータル
第 3 セッションのテーマは経営情
にアクセスできるデモを実演。手軽に導入
報システム事業本部インターネットビ
できるユビキタスネットワークに関心が集ま
ジネス事業部長の吉田洋氏による
った。
モバイルインターネット 2003.9
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