奈良県高校バスケットボールプレイヤーの現状に関する一考察 後藤 弘明(競技スポーツ学科 コーチングコース) 指導教員 渋谷 俊治 キーワード:奈良県高校バスケットボールプレイヤー クラブ活動 競技継続 1. はじめに 校(計 323 名)から回答が得られた。 近年、高校バスケットボール界のインターハ イ・ウインターカップといった主要な全国大会に 3. 結果と考察 おいて、奈良県代表は低迷状態にある。さらに、 高校卒業後バスケットボールを続ける人は、 323 国民体育大会(県ごとに代表選手 12 名を選抜し県 人中 125 人、大学の部活で続ける人は 33 人で、 代表として戦う大会)においても、2002 年以降予 大学のクラブ活動が今までよりもレベルが高 選(近畿ブロックで予選をし、上位 2 県が本選へ進 いと考えており、奈良県のレベルが高くないと める)のなかった年の 2002 年・2006 年以外は、 認識している選手が多くいることが分かった。 すべて本選に進めておらず、上位の県とは競技力 に大きな差があることが分かる。 また、大学のクラブ活動で競技を続ける人は、 高校を選ぶ時にクラブ活動を最優先に考えて さらに、奈良県高校バスケットボールプレイヤ おり、大学のクラブ活動で競技を続ける人とそ ーにおいては、高校から大学進学時にクラブ活動 れ以外の人には明確な目標の有無、進学しよう (大学バスケットボール連盟登録団体)でバスケッ と考えている大学やそこの部活のイメージな トボールを続ける選手が非常に少なく、そのまま ど、予備知識の面で大きな違いがあることが分 バスケットボールを辞めてしまう選手もかなり多 かった。 い。 これらのことから、奈良県高校バスケットボ なぜ、奈良県高校生バスケットボールプレイヤ ールプレイヤーに大学のクラブ活動で競技を ーは高校卒業時で競技をやめたり、競技の第一線 継続させるためには、まず中学生の有望選手の から退いてしまうのだろうか。 県外流出を防止すること、施設・設備の増強、 そこで本研究では、アンケート調査を行い① 優れたコーチの育成、積極的な県外遠征などの 奈良県高校バスケットボールプレイヤーの現 強化方策を講じ、奈良県全体のレベルアップを 状を把握する、②上記で抽出された問題点につ 図ることが重要であることが示唆された。 いて検討・考察を加える、③上記の結果を踏ま え今後の大学のクラブ活動での競技継続につ ながる資料を作成することを目的とした。 4. まとめ 奈良県の中学有望選手の県外流出などによ り、奈良県の高校バスケットボール界の競技力 2. 研究方法 は低く、その影響で大学の部活で競技を続けな ・データ分析 いと考えている人が多くいるということが明 過去 3 年のインターハイ予選 1 位校、ウインタ らかとなった。そこで強化方策を講じ、奈良県 ーカップ予選 1 位校、国体選手の現在の競技状況 全体のレベルアップを図ることが重要である を調査した。 ことが示唆された。 ・アンケート調査 2010 年ウインターカップ奈良県予選の上位 14 校(計 323 名)を対象に、アンケート用紙を郵送 で配布し、記入後に返送させた。その結果 14 参考文献 ・奈良県高等学校体育連盟バスケットボール専 門部 http://nara.jabba-net.com/hs/
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