978.ソ連時代のロシアに確か、こんなアネクドート(小話)があった

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978.ソ連時代のロシアに確か、こんなアネクドート(小話)があった。あの世の下見に出掛けた…
東京新聞「筆洗」2013.1.6.
(傍線:吉田祐起引用)
ソ連時代のロシアに確か、こんなアネクドート(小話)があった。あの世の下見に出掛けた男の話だ
▼何とそこでは、品のなさで評判が悪かったソ連のフルシチョフ首相が、「フランスのマリリン・モン
ロー」と称される女優ブリジット・バルドーさんと楽しくやっている
▼男が「何てことだ、フルシチョフでさえ天国に行けるのか!それなら俺でも」と言うと、あの世の番
人がたしなめた。「勘違いするな。ここは男の天国ではない。女の地獄だ」
▼七十八歳になったバルドーさんが、“ロシア亡命”を考えていると聞いたら、あの世のフルシチョ
フ氏も仰天するだろう。動物愛護活動家として知られるバルドーさんは、仏リヨンの動物園で飼わ
れている象が病気のため殺処分されるのに怒って、「象を殺すなら、動物の墓場と化したフランス
を去り、ロシア国籍を取る」と、息巻いている
▼一足先には、風貌魁偉(かいい)な俳優ジェラール・ドパルデューさん(64)が、仏新政権の富裕
層増税に反対してロシア国籍を申請、プーチン大統領に歓迎されている。仏の富裕層への税率は
75%で、ロシアの所得税は13%。ロシアの副首相は「金持ちの欧州人がどんどんロシアに来る
だろう」とほくそ笑む
▼ かつてソ連の反体制文化人らは自由を求め、西欧に亡命した。今や西欧の金持ちがロシアに
逃れる。事実は、アネクドートより奇なり。
ヨシダコメント:
本稿を読んで、思わず笑い声を出しました。こんな文章を書ければイイんだがな、とは、クソまじめ
(?)のヨシダの弁・・・。
それにしても「裕福層への税率」がこんなに格差があるとは!フランスは75%、つまり、総所得の
25%しか手元に残らない。対するロシアは87%が残る、ということ。
お金持ち国(先進国)は大衆迎合(?)のためか、低所得層の生活を裕福層の税金でカバーすると
いう仕組み。対する独裁的国は貧困にあえぐ大衆をしり目に、裕福層への税率はほどほどに、とい
う図式のようです。ということは、政府関係者は高額所得者?
「今や西欧の金持ちがロシアに逃れる。事実は、アネクドートより奇なり」とは、見事に言い当てた
皮肉の小話ではあります。
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