持続的成長に向けた構造改革 帝人株式会社 代表取締役社長 CEO 大八木 成男 2009年11月2日 本日の説明のポイント Ⅰ. Ⅰ. 2009年4月に公表した経営基本方針の 2009年4月に公表した経営基本方針の 「事業の構造改革」は進捗しているか? 「事業の構造改革」は進捗しているか? Ⅱ. Ⅱ. 「残された課題」を認識し、方針・目標を持っているか? 「残された課題」を認識し、方針・目標を持っているか? Ⅲ. Ⅲ. 「成長軌道への回帰」に向けた目標は? 「成長軌道への回帰」に向けた目標は? Ⅳ. Ⅳ. 長期的な方向性は? 長期的な方向性は? Ⅰ. Ⅰ. 2009年4月に公表した経営基本方針の 2009年4月に公表した経営基本方針の 「事業の構造改革」は進捗しているか? 「事業の構造改革」は進捗しているか? YES 着実に進展! Ⅰ.2009年4月に公表した経営基本方針の「構造改革」は進捗しているか? 経営基本方針 1.足元の環境激変・需要急落への対策として 「2008年度後半緊急対策」 + 「2009年度、稼働率70%でも当期純利益黒字 が確保できる事業構造確立」 2009年度 1.黒字体質への転換 2.CF100億円以上 2010年度 当期純利益黒字化 2.中長期的には 「技術革新を核」とし成長市場で持続的成長 1.景気変動に左右されない事業構造の追求 2.キャッシュフロー経営 3.透明感とスピードある経営 1 Ⅰ.2009年4月に公表した経営基本方針の「構造改革」は進捗しているか? 経営課題 1. 課題事業*の抜本構造改革 素材事業の 構造改革! 2. 「アラミド繊維」「炭素繊維」の成長軌道への回帰 3. 成長が持続している医薬医療事業の更なる拡大 z素材事業の構造改革が緊急課題! z素材事業の構造改革が緊急課題! 4. 新事業創出 5. 財務構造の改善 ■素材事業営業利益推移(億円) 600 ■医薬医療事業営業利益推移(億円) 600 555 512 500 *課題事業:ポリエステル繊維、 PETフィルム、PC樹脂 500 447 400 400 300 300 200 200 100 100 0 0 '05 -26 -100 '05 '06 '07 '08 193 -75 '09 見通し 212 217 '06 '07 248 '08 245 '09 見通し 2 Ⅰ.2009年4月に公表した経営基本方針の「構造改革」は進捗しているか? 構造改革の進捗 目 標 z 課題事業での構造改革 (ポリエステル繊維、PETフィルム、 進捗状況 「ポリエステル繊維事業」 「PETフィルム事業」の構造改革実施中 PC樹脂) z全社での徹底した固定費削減 ▲400億円 計画通り進捗、 2009年度75%発現見込み z大型投資の2年間凍結・運転 資本効率化 計画通り、目標達成見込み 設備投資 750億円⇒ 400億円 在 庫 1,350億円⇒1,100億円 z「構造改革」と「成長軌道への 回帰」を推進する組織改革 経営会議体再編(2008.10) 注力市場別組織設置(2009.4) 構造改革委員会設置(2009.3) 3 Ⅰ.2009年4月に公表した経営基本方針の「構造改革」は進捗しているか? ◆損益、キャッシュ・フローとも着実に改善 売上高 売上高 営業利益 営業利益 300 3,000 2,532 2,000 (億円) 2,366 四半期純利益 四半期純利益 FCF FCF 200 300 2,479 200 2,056 1,942 100 200 86 64 72 43 1,000 0 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 08 09 100 0 -43 -100 -23 -81 -100 -200 -200 -300 -300 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 08 09 -150 -177 -200 -89 -224 (%) -400 -284 -600 -529 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 08 09 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 08 09 アラミド繊維 アラミド繊維 フィルム フィルム 樹脂 樹脂 100 100 100 100 80 80 80 80 60 60 60 60 40 40 40 40 20 20 20 20 0 0 0 0 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 09 見通し -174 主要素材事業の生産稼働率回復 ◆素材事業生産稼働率顕著に回復 (%) 0 27 -15 0 1,660 08 104 83 1Q 2Q 3Q 4Q 見通し 09 1Q 2Q 3Q 4Q 見通し 09 1Q 2Q 3Q 4Q 見通し 4 09 Ⅰ.2009年4月に公表した経営基本方針の「構造改革」は進捗しているか? 「ポリエステル繊維」「PETフィルム」の構造改革 ¾ポリエステル繊維 z海外工場への一段の生産 zタイの子会社を原糸・原綿の基幹工場化 シフトによる抜本的なコスト削減 z中国・東南アジアの各拠点のネットワーク化により と、品質競争力確保 グローバル展開 z不採算事業の抜本見直し zテイジン・モノフィラメント・U.S.社、帝人ネステック ス社の解散・清算 z安定的な収益構造を実現する 新ビジネスモデルの構築 z「高機能+エコ」製品拡大 zバリューチェーンの構造改革 ナノファイバー ¾PETフィルム z事業構造改革推進 z米国:工場集約(3⇒1工場) z欧州:1ライン休止 z「太陽電池」用フィルム等強化 太陽電池パネルイメージ 5 Ⅰ.2009年4月に公表した経営基本方針の「構造改革」は進捗しているか? 固定費削減・大型設備投資の2年間凍結・運転資本効率化 ■ 固定費削減(億円) ■設備投資・減価償却費(億円) 1,000 846 09年度300億円発現見通し 進捗率75% 3,000 800 758 ▲70 ▲300 ▲90 ▲400 2,600 600 627 1Q 2Q 3Q 4Q ’09 400 設備投資 減価償却費 ’10 固定費削減400億のうち1/3はPET繊維 674 400 200 ’08 '05 2,000 640 '06 '07 '08 ■ 在庫推移(億円) '09 見通し (億円) 0 1,500 -100 -200 労務費 -300 -400 経費 300 400 -500 '09 '10 1,000 500 1,287 1,100 在庫日数65日 (1,100) ’07 ’08 ’09 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 4Q 在庫日数(日) 71 90 89 92 68 102 82 65 見通し 6 Ⅱ. Ⅱ. 「残された課題」を認識し、方針、目標 「残された課題」を認識し、方針、目標 を持っているか? を持っているか? YES 「課題事業の構造改革」を中心に、 各課題につき、具体策検討中 Ⅱ.「残された課題」を認識し、方針、目標を持っているか? 1.「課題事業の構造改革」の残された課題 ¾ポリエステル繊維 日本・タイ・インドネシアの 更なる構造改革 zタイの子会社の生産性向上 zインドネシアの子会社の事業構造 の見直し 赤字会社対策 z国内テキスタイル等赤字会社対策 Teijin (Thailand) ¾PC樹脂 コストミニマムの追求 z海外低コスト最新鋭工場の 最大限活用 z国内工場開発センター化 z生産・販売・研究体制の適正化 付加価値マキシマムの追求 zソリューション型ビジネス拡大 z原料調達構造改革 Teijin Polycarbonate China ¾PETフィルム 構造改革推進 z米国構造改革効果発現、欧州の更なる構造改革 zアジア・パシフィック地域の強化と最適オペレーション体制 7 Ⅱ.「残された課題」を認識し、方針、目標を持っているか? 2.「アラミド繊維」「炭素繊維」の成長軌道への回帰 キーワード:「安全・環境(軽量・省エネ・省資源)」 成長のエンジン:素材・プロセス・市場・商品開発 緊急対策実施中! アラミド繊維: 海底油田石油掘削用ホース 炭素繊維:風力発電 需要規模に見合った固定費削減 最適生産・販売体制の構築 伸びる市場に経営資源投入 アラミド繊維 炭素繊維 【洋上ウインド・ファーム(Vestas社資料)】 新規用途開発 サルフロン等 プロダクトミックス改善 防護衣料・海底油田関連増販等 新商品開発 航空機、高機能一般産業用途 川中・川下展開 自動車関連部品等複合材料 プロダクトミックス改善 航空機・一般産業用途シフト 8 Ⅱ.「残された課題」を認識し、方針、目標を持っているか? *課題事業:PET繊維、PETフィルム、PC樹脂 ◆構造改革後の業績目標イメージ 課題事業 売上高 アラミド繊維・炭素繊維 (億円) 25%Down 5,000 4,000 2,000 09年落ち込み後回復 1,500 3,000 1,000 2,000 1,000 500 0 0 '08 営業利益 (億円) +220億円 (億円) 150 '08 '11 (億円) 300 '11 80% Up+110億円 100 200 50 0 100 -50 -100 0 -150 '08 '11 '08 '11 *アラミド繊維・炭素繊維の営業利益は「のれん」償却を含まず 9 Ⅲ. Ⅲ. 「成長軌道への回帰」に向けた目標は? 「成長軌道への回帰」に向けた目標は? 2011年度「当期純利益300億円」「ROE7%以上」 Ⅲ. 「成長軌道への回帰」に向けた目標は? 構造改革と市況回復で営業利益は2009年度を底に回復 2011年度のイメージ 2008 2009 2011 見通し 売上高 億円 9,434 7,600 9,500 営業利益 億円 180 130 600 当期純利益 億円 -430 -280 300 1株当たり 当期純利益 円/株 -43.7 -28.5 30 ROE % -12.3 -10% 7%以上 ROA* % 1.9 2% 6%以上 1.2 1.3 1.0以下 D/Eレシオ (億円) 1,000 800 600 400 200 0 -200 -400 -600 -800 -1,000 ◆フリーキャッシュフロー 100億円 以上 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09 '10 '11 見通し *営業利益ROA 10 Ⅳ. Ⅳ. 長期的な方向性は? 長期的な方向性は? 技術革新を核に、持続的成長 Ⅳ.長期的な方向性は? 中長期経営方針 環境保全 環境保全 高機能化 高機能化 BRICs成長 BRICs成長 安全・安心 安全・安心 老齢化進展 老齢化進展 技術革新を核に、 「グリーンケミストリー」と「ヘルスケア」でソリューションを提供 グリーンケミストリー ヘルスケア 高機能素材領域 融合領域 グリーン・エネルギー領域 地球環境との共生 ライフサイエンス領域 Quality Of Lifeの向上 持続的な成長を実現し、グローバルエクセレンス獲得 11 Ⅳ.長期的な方向性は? ◆グリーン・ケミストリー:自動車用部品を目指した複合材料事業開発 目的・特徴 ◆自動車・航空機市場への参入 自動車・航空機市場への参入 ◆炭素繊維主体の新規複合材料で、 炭素繊維主体の新規複合材料で、 軽量・高耐久・高機能化を実現 軽量・高耐久・高機能化を実現 ■世界の自動車市場大きく拡大 (千台) 100,000 80,000 1.5倍 60,000 40,000 進捗状況 ◆複合材料開発センター設置 ◆複合材料開発センター設置 ◆複合材料成形技術 ◆複合材料成形技術 ・材料設計 ・材料設計 技術早期確立準備 技術早期確立準備 20,000 0 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 出典 : CSM Worldwide, Inc. ■バックドアモジュールの軽量化 今後の課題 用途開発、新コンセプト部品 設計・高効率革新プロセス設計 複数事業グループ連携 12 Ⅳ.長期的な方向性は? ◆東京モーターショー出展車 炭素繊維複合材料を 炭素繊維複合材料を 使用したトヨタレクサス 使用したトヨタレクサス ボディーは炭素繊維(一部プラスチック) ボディーは炭素繊維(一部プラスチック) 窓はポリカーボネート樹脂 窓はポリカーボネート樹脂 内装はバイオフロントを使用した 内装はバイオフロントを使用した 電気自動車 電気自動車 13 Ⅳ.長期的な方向性は? ◆ヘルスケア領域:TMX-67(痛風・高尿酸血症治療剤)のグローバル展開 欧州:イプセン、メナリーニ 北米:タケダUS 50-100億円 400-600億円 中国・香港 韓国:エスケーケミカルズ 台湾:台湾アステラス 400-600億円 日本 100-200億円 中東・北アフリカ 南アフリカ 30-60億円 中南米 東南アジア・オセ アニア・インド 世界全体で売上高1,000億円超を目指す 14 Ⅳ.長期的な方向性は? ◆融合領域:高耐熱バイオプラスチック*の開発 *バイオフロント® 特徴 ◆エンプラ並みの成型加工性 ◆エンプラ並みの成型加工性 ◆低屈折率・低複屈折・高透明 ◆低屈折率・低複屈折・高透明 今後の課題 今後の課題 ◆用途開発:繊維・フィルム・樹脂 ◆用途開発:繊維・フィルム・樹脂 進捗状況 バイオプラスチック製眼鏡 ◆高温・高湿度下の耐久性大幅向 ◆高温・高湿度下の耐久性大幅向 上技術(加水分解防止技術)開発 上技術(加水分解防止技術)開発 ◆用途開発 ◆用途開発 ・世界初バイオプラスチック製眼鏡 ・世界初バイオプラスチック製眼鏡 ・カーシート、マツダのハイブリッド ・カーシート、マツダのハイブリッド 車に搭載 車に搭載 ・衣料・インテリア、フィルム、樹脂 ・衣料・インテリア、フィルム、樹脂 分野での開発推進 分野での開発推進 ◆トヨタ生産実証プラントの買取 ◆トヨタ生産実証プラントの買取 マツダの実用水素ハイブ リッド自動車に搭載 ◆生産技術:連続生産技術の確立 ◆生産技術:連続生産技術の確立 ◆ケミカルリサイクルの基礎技術開発 ◆ケミカルリサイクルの基礎技術開発 (年1,000トン、2009年9月稼働) (年1,000トン、2009年9月稼働) 15 Ⅳ.長期的な方向性は? ◆成長する新興国・アジアを中心に拡大 ■売上高 1998 2020年近傍 2008 北米・欧州 新興国・ アジア 10% 15% 北米・欧州 北米・欧州 20% 25% 日本 日本 新興国・ アジア 20% 日本 75% 40% 60% 新興国・アジア 35% ■自動車市場アジアで1.5倍 (千台) 100,000 80,000 その他 アジア ■風力発電量アジアで2.5倍 世界で1.5倍 (GW) 50 40 60,000 世界で1.7倍 その他 アジア 30 40,000 20,000 10 0 0 2008 2009 2.5倍 20 1.5倍 2015 出典 : CSM Worldwide, Inc. 2008 2012 2015 出典 : Emerging Energy Research 16 Ⅳ.長期的な方向性は? 持続的成長に向けた成長戦略 2020年度近傍のイメージ 2兆円 売上高 億円 9,434 9,500 将来 2兆円 営業利益 億円 180 600 2,000 当期純利益 億円 -430 300 1,000 円/株 -43.7 30 100 2008 1株当たり 当期純利益 2011 技術革新を核とした 技術革新を核とした 成長戦略 成長戦略 9,434億円 5,742億円 構造改革の断行 構造改革の断行 集中と選択による 集中と選択による 規模拡大 規模拡大 98年 08年 98年 ROE ROA * D/Eレシオ *営業利益ROA % % 2.7 3.5 1.1 11年 08年 -12.3 1.9 1.2 20年近傍 11年 7%以上 6%以上 1.0以下 将来 10%以上 10%以上 0.6以下 17 見通しに関する注意事項と事業等のリスク 見通しに関するご注意 当資料に記載されている内容は、種々の前提に基づいたものであり、記載された将来の計画数値、 施策の実現を確約したり、保証するものではありません。 事業等のリスク 業績等に影響を与える可能性のある重要な要因には、以下の事項があります。なお、業績に影響 を与える要因はこれらに限定されるものではありません。直近、世界的に金融情勢が混乱していま すが、帝人グループにおいては、外貨による資金調達でスプレッドの拡大懸念は大きくなく、また、 資金調達が困難になる等の状況にはありません。また、金融危機が実体経済に波及し、需要が急 速に減少していることから、需要縮小に伴い素材事業で販売量の低迷が継続する懸念があります。 ① 競合・市況変動にかかるもの 帝人グループは市況製品を展開しており、景気動向、他社との競合に伴う市場価格の変動 購入原燃料の価格変動、また為替、金利といった相場の変動により事業業績が大きく左右さ れることがあります。 ② 製品の品質にかかるもの 医薬医療事業においては、生命関連商品を取り扱っているため、製品の欠陥により、 業績、財務状況、社会的評価等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 医薬品の研究開発にかかるもの 医療用医薬品の開発には、多額の費用と長い期間がかかるうえ、創薬研究において、有用 な化合物を発見できる可能性は決して高くありません。また、種々の要因により承認申請を 断念しなければならない可能性があります。また、承認申請した後でも承認が取り消されるこ とがあります。 本資料に記載された製品名等は登録商標です。 (参考資料:事業ポートフォリオ) 素材・サービスのポートフォリオのなかでの位置付け 緊急対応 抜本構造改革と 安定収益・CF確保 高機能 損益分岐点の引下げ とグローバル新市場 創出 合成繊維 ポリエステル繊維 アラミド繊維 炭素繊維 PEN繊維 化成品 PETフィルム PC樹脂・PET樹脂 PENフィルム PEN樹脂 医薬医療 流通・リテイル IT 医薬医療 成長持続策推進 サービス 安定収益 CF確保 医薬医療 流通・リテイル IT 18 (参考資料:成長回帰への工程表) ◆「構造改革」と「成長軌道回帰」に向けた工程表 環境変化 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 緊急対策 構造改革 構造改革完了 成長軌道への回帰 後半需要急落 前半底後半回復 70%経済 70%経済から離脱 緊急対策 素材事業の事業 構造改革 医薬医療の成長 持続策推進 新規事業拡大・ 順次立上げ 組織変更 ▲実行計画 ▲TMX-67(欧州承認)▲TMX-67(米国承認)・NTC-801導出 ▲TMX-67グローバル展開 ▲在宅医療米国M&A ▲在宅医療欧州合弁 ▲在宅医療グローバル展開加速 炭素繊維複合材料、耐熱PLA、新炭素材料、アラミドセパレーター部材、電子ペーパー基 板材料、水処理等 ▲ 迅速な意思決定のための経営会議体の創設 ▲市場対応横串組織(モビリティ分野・E&Eビジネス分野)設置 ▲BRICs担当役員設置 持株会社制見直し 19 (参考資料:配当方針) 配当方針 「連結業績に連動した利益還元」+ 「財務体質の健全性や中長期の配当の継続性を勘案」して配当 内部留保:当面、事業構造改革を通じた帝人グループの競争力回復に活用 中長期的には販売、研究開発及び生産体制の整備・拡充に向けた先行投 資に充当 (億円) (円) 450 10 09年度中間配当・期末配当予想 8 中間配当 業績を考慮し、無配 6 4 期末配当 改善傾向・来期業績を 2 考慮し、2.0円/株の見通し 0 -2 -4 -6 -8 -10 350 250 150 50 -50 -150 配当金(右軸) 当期純利益(左軸) -250 -350 -450 '99 '00 '01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09 20 (参考資料:構造改革の進捗状況) 課題事業の構造改革 (1)ポリエステル繊維事業 1)グローバル最適生産・販売体制の構築 長繊維事業 松山事業所の生産中止、2010年度末迄にタイに移管 タイの生産技術力および開発力強化し、基幹生産拠点化 短繊維事業 2010年度に徳山事業所に国内生産を一元化 工業繊維 2011年迄に不採算分野の縮小、タイとのプロダクトミックス最 適化 原料重合 国内のポリエステル繊維向け重合生産停止、タイへ移管 研究開発 松山事業所を「先端素材開発の中核拠点」化 タイを「市場ニーズに迅速に対応する新商品開発拠点」化 2)不採算事業の抜本見直し テイジン・モノフィラメント・U.S.社の解散・清算 2009年12月末 帝人ネステックス㈱の解散・清算 2010年3月末迄 ソロテックス㈱の解散 2010年3月末合弁契約解消 21 (参考資料:構造改革の進捗状況) 3)安定的な収益構造を実現する新ビジネスモデルの構築 ◆「高機能+エコ」への重点化による高付加価値製品の拡販 循環型リサイクルシステム「エコサークル」のグローバル市場展開 高強力ポリエステルナノファイバー「ナノフロント」の拡販等、機能性を追求 した新素材の開発・市場開拓 ◆バリューチェーンの構造改革 カーシート事業での住江織物との合弁会社設立 2009年12月 フランドル・帝人グループ・住金物産などによる SPA新会社設立 2009年3月 22 (参考資料:構造改革の進捗状況) (2)フィルム事業 1)米国におけるポリエステルフィルム製造拠点の集約 オハイオ州サークルビル工場閉鎖 2009年2月 サウスカロライナ州フローレンス工場閉鎖 2009年~2010年末 2)欧州におけるポリエステルフィルム拠点一部生産ライン休止 ルクセンブルグ工場1生産ライン休止 2009年6月 3)米国合弁会社の持分法対象会社への変更 米国合弁の持分法対象会社への変更 2009年3月決算末 (3)新規事業 ネイチャーワークス社の持分譲渡 2009年6月合弁契約解消 23 (参考資料:技術革新を核とした持続的成長) 事業ドメイン:注力4市場で技術革新を核に事業展開 重点技術領域:特定した重点技術領域に資源集中 グリーンケミストリー 高機能素材領域 グリーン・エネルギー領域 太陽電池/燃料電池材料 複合材料(自動車/航空機/風力発電用部材) アラミド繊維 放熱材料 炭素繊維 自動車・ 情報・ 表示材料 高密度記録材料(PEN) 航空機 エレクトロニクス 高密度記録材料 ライフサイエンス領域 ヘルスケア 照明機器材料 バイオポリマー 医薬品 水処理技術 医療機器 先端医療材料 環境・ エネルギー リサイクル技術 ヘルスケア 24 (参考資料:技術革新を核とした持続的成長) 技術をベースとした商品開発とパイプライン管理の徹底 環境保全・省エネ・軽量化・BRICsの成長・高機能化等の環境変化 成長する注力4市場で「帝人のソリューション」提供 基 基 幹 幹 技 技 術 術 群 群 現状の競争の源泉 現状の競争の源泉 となる技術群 となる技術群 将来の成長発展に 将来の成長発展に 資する技術群 資する技術群 ポートフォリオ変革を ポートフォリオ変革を もたらす将来技術群 もたらす将来技術群 ・繊維、樹脂、フィルム製造技術 ・高効率炭素繊維製造技術 ・次世代電池材料技術 ・超高密度記録媒体技術 等 ・非可食バイオプラ技術 等 ・製剤技術、評価モデル 等 基盤技術 群:技術プラットフォーム 基盤技術群:技術プラットフォーム ポリマー重合技術、触媒技術、紡糸技術、製膜技術、エンジニアリング技術、 創薬技術、レギュラトリーサイエンス 等 25 (参考資料:技術革新を核とした持続的成長) 重点技術領域での商品開発パイプライン(主要なもの) 2010 グリーン 炭素繊維 自動車/航空機 ケミストリー アラミド繊維 2020 航空機用プレプリグ 次世代航空機素材 自動車用コンポジット 自動車用構造材 環境/エネルギー 風力発電用プレプリグ 自動車/航空機 サルフロン 一般産業 安全・防護材料 新素材防護材料 安全・防護複合材 新アラミドパルプ 新事業 情報 電子ペーパー基板フィルム /エレクトロニクス 放熱材料 次期E&E部材 LIB用耐熱セパレーター LIB電極材料 融合領域 バイオ水処理装置 新事業 排水再生システム 耐熱性PLA樹脂 バイオ水処理システム 素材のバイオ化 先端医療材料 ヘルスケア 医薬品 在宅医療 代謝・循環器 痛風・高尿酸血症 (TMX67) 心房細動(NTC801) 糖尿病(ITM077) 新規高尿酸血症薬 骨・関節 骨粗鬆症(GTH42V) 新骨粗鬆(ITM058) 新骨粗鬆(DW1350) 呼吸器 喘息(BTR15K) HOTグローバル器 在宅リハビリ 新規在宅医療機器 26 (参考資料:技術革新を核とした持続的成長) R&D重点分野機能強化のための研究所開設 ¾「先端技術開発センター」開設:2008年4月 ・新規事業開発のためのインキュベーションセンター ・プロジェクトの推進拠点+オープンラボ ¾「複合材料開発センター」開設:2008年7月 ・複合材料に関する主要な研究・開発機能とマーケ ティング機能を集約 ¾「融合技術研究所」開設:2009年7月 ・バイオポリマー・先端医療材料・エレクトロニクス材 料などの技術、およびそれらの融合領域の研究開 発拠点 27 (参考資料:技術革新を核とした持続的成長) グリーンケミストリー:電子ペーパー用基板の事業開発 目的・特徴 ◆フレキシブルディスプレイ用の基幹部材 ◆フレキシブルディスプレイ用の基幹部材 ビジネスの拡大 ビジネスの拡大 ◆薄膜スパッタ技術、精密コーティング ◆薄膜スパッタ技術、精密コーティング 技術を使った透明導電性フィルム 技術を使った透明導電性フィルム 進捗 ◆カラータイプ電子ペーパー販売開始 ◆カラータイプ電子ペーパー販売開始 今後の課題 ◆技術対応・マーケティング ◆技術対応・マーケティング ◆電子ペーパー市場急拡大 (億円) 800 600 8.9倍 400 200 0 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 出典 : Advanced Management,Inc. 28 (参考資料:技術革新を核とした持続的成長) グリーンケミストリー:ピッチ系炭素放熱材料(Raheama)の事業開発 目的 ◆電子機器の高密度にともなう放熱 ◆電子機器の高密度にともなう放熱 問題を解決する次世代 問題を解決する次世代 高熱伝導 高熱伝導 性放熱材料、高電気伝導材料の 性放熱材料、高電気伝導材料の 提供 提供 特徴 ◆高度に黒鉛化されたピッチ系炭素 ◆高度に黒鉛化されたピッチ系炭素 繊維で構成された、シート及び 繊維で構成された、シート及び 短繊維 短繊維 進捗状況 ◆ ◆溶融 溶融ブロー方式によるピッチ系炭 ブロー方式によるピッチ系炭 素繊維の基本製造方法の確立 素繊維の基本製造方法の確立 ◆高熱伝導及び高断熱材料として ◆高熱伝導及び高断熱材料として 電子材料用途の展開 電子材料用途の展開 今後の課題 今後の課題 ◆用途開発:LED照明用放熱材、 ◆用途開発:LED照明用放熱材、 LiB用電極材等の開発促進用途拡大 LiB用電極材等の開発促進用途拡大 放熱フィン、銅板等 放 熱 材 発熱体(CPU等) 「ラヒーマ」の外観 ■白色LED日本国内市場急拡大 (億円) 8,000 17.6倍 6,000 4,000 2,000 0 2008 2013 2018 出典 : 矢野経済研究所「走り出す照明用途白色 LED市場の現状と将来展望2008年版」 29 (参考資料:技術革新を核とした持続的成長) グリーンケミストリー:リチウムイオンバッテリー(LiB)耐熱セパレータ部材の事業開発 目的 ◆高容量・高エネルギー密度化が 高容量・高エネルギー密度化が 要請されるLiBの爆発防止素材 要請されるLiBの爆発防止素材 の提案 の提案 特徴 ◆超高分子PE多孔質フィルムと 超高分子PE多孔質フィルムと コーティングメタアラミドの複合化 コーティングメタアラミドの複合化 積層によるメルトダウン防止 積層によるメルトダウン防止 進捗状況 ◆現状のLiB製造プロセス適合性確認 ◆現状のLiB製造プロセス適合性確認 ◆ ◆技術の有用性及び競争性検証 ◆ ◆パイロットによる生産技術見極め 今後の課題 今後の課題 ◆用途: ◆用途:小型LiB用途への事業展開、 小型LiB用途への事業展開、 自動車用LiBセパレーターの共同 自動車用LiBセパレーターの共同 開発 開発 ◆ ◆事業化モデル構築と事業性検証 事業化モデル構築と事業性検証 ◆コスト:低コストを目指すプロセス開発 ◆コスト:低コストを目指すプロセス開発 ◆リチウムイオン電池市場着実に拡大 (億円) 15,000 1.5倍 10,000 5,000 *参考写真:高容量化による 発火事故 0 2008 2009 2010 2012 2014 2016 出典 : 富士経済「2008電力・エネルギーシステム 新市場」 30 (参考資料:技術革新を核とした持続的成長) ヘルスケア:医薬医療事業の更なる拡大 国内事業イメージ 海外事業イメージ 医薬品と在宅医療 で重点3領域拡大 TMX-67展開 z骨・関節領域 (ボナロン+SAFHS) z呼吸器領域 (ムコソルバン+ HOT・CPAP) z代謝・循環器領域 (TMX-67) リハビリ・生体医療 材料等新規領域 展開 国内医薬品 国内医薬品 (ボナロン他) (ボナロン他) アジア自販展開 国内在宅医療 国内在宅医療 (HOT・CPAP他) (HOT・CPAP他) 欧米在宅医療 プラットフォーム 構築と拡大 31 (参考資料:技術革新を核とした持続的成長) ヘルスケア:痛風・高尿酸血症治療剤TMX-67 起 源 帝人ファーマ(株) 名 称 一般名:フェブキソスタット 開発・販売進捗 販売名: 【米国】ULORIC® 【欧州】Adenuric® 【韓国】FEBURIC® 構 造 式 (新規 非プリンXO/XDH阻害剤) CH3 N CO2H S H3C O CH3 CN 剤 型 錠剤 効能・効果 【米国、欧州、韓国】 痛風における高尿酸血症の改善 【日本】 痛風、高尿酸血症における高尿酸血症 の改善 特 徴 • プリン骨格を持たない新しい尿酸生成 抑制薬 ( 強 み ) • 1日1回服薬で、血清尿酸値を治療目 標値まで確実に低下/維持 • 軽中等度腎機能低下患者で用量調節 不要 【米国】 【欧州】 【韓国】 【台湾】 承認:2009年2月、発売:2009年3月 承認:2008年4月、発売:2010年初頭 申請:2008年7月、承認:2009年6月 台湾アステラスと独占販売契約: 2009年5月 【日本】 申請:2004年3月 再申請準備中 市 場 : 対象患者数 市 場 : 【米国】 【欧州】 【韓国】 【台湾】 【日本】 約230~260万人(痛風治療患者) 約240万人(痛風治療患者) 約15~85万人 約25万人(痛風患者) 約87万人(痛風患者) 約700万人(高尿酸血症患者) 【中国】 約1100万人(痛風患者) 約1億5600万人(高尿酸血症患者) 32 (参考資料:技術革新を核とした持続的成長) TMX-67 の特徴 TMX-67 肝代謝 肝代謝 アロプリノール フェブキソスタット 代謝物( 不活性体 ) 糞中排泄 アロプリノール 腎排泄 オキシプリノール(活性体) 腎排泄 •アロプリノールは肝で活性代謝物オキシプリノールに代謝され、主に腎臓を介して(単排泄経路)で排泄されるため、 腎機能が低下した患者さんでは減量が必要とされる。 •一方、フェブキソスタットは肝での代謝で不活化された後、胆汁及び腎臓の複数の経路を介して(多排泄経路)で排 泄されるため、軽度~中等度の腎機能低下患者さんで減量の必要のないことが期待される。 33 (参考資料:技術革新を核とした持続的成長) ◆ヘルスケア:疾患分野別臨床開発段階 ( 2009年9月末現在) *承認/新規上市は直近1年間を記載 臨床開発段階 PhaseⅠ 骨・関節 領域 PhaseⅡ ITM-058 申請 承認/ 新規上市 GTH-42V BTR-15K 呼吸器 領域 (適応追加:小児) 代謝・ 循環器 領域 その他 PhaseⅢ ITM-077 *2 NTC-801*3 TMA-15 (国内) TMA-15 (海外) TMX-67 ITM-014 *5 (日本:追加試験実施中) GGS GGS TV-02HS *1 [ベニロン] ベニロン] (適応追加: 多発性硬化症) 多発性硬化症) [ベニロン] ベニロン] (適応追加: ChurgChurgStrauss症候群 ) Strauss症候群) [ボンアルファハイローション] ボンアルファハイローション] (適応追加: 難治制限解除) 難治制限解除) TV-02H *4 [ボンアルファハイ軟膏] ボンアルファハイ軟膏] (中国) 中国) *1 TV-02 HSは2008年8月に難治制限解除の承認取得、*2 ITM-077は2009年4月にPhaseⅡ開始、 *3 NTC-801 は2009年4月にPhaseⅡ開始、 *4 TV-02H(中国)は2009年4月にPhaseⅢ(中国・輸入許可取得試験)を開始、*5 ITM-014 は2009年9月にPhaseⅢ開始 ◆前臨床段階の導入状況 (直近3年間を記載) 導入契約 2008年3月 導入元 韓 同和薬品社 内 容 骨粗鬆症治療薬導入のライセンス契約締結 34 (参考資料:技術革新を核とした持続的成長) ヘルスケア:在宅医療事業の展開地域 展開地域 韓国 展開検討進行地域 米国 米国 スペイン 日本 欧州 米国 アジア(日本以外) 米国 市場規模・成長性 大 未知数 最大 市場特性 • 大手による寡占化傾向 • ガス会社のプレゼンスが高い • 保険制度未整備の国が多い • プライベート市場の存在(一部の 都市部) • 大手のシェアが低い分散市場の中、 統合再編加速 • 高齢者人口増加 今後の展開・戦略方針 • スペインJVの基盤強化 • 未展開国への進出検討 (M&Aまたは現地企業との JV) • 韓国JVの基盤強化 • 未展開国への進出検討(M&Aま たは現地企業とのJV) • 医薬品自販との連携戦略検討 • 現地子会社の商圏拡大・基盤強化 • 未展開地域への進出検討(経営効 率の高い企業をターゲットとした M&A) 10年後の売上見通し 100億円 100億円 600億円 35 (参考資料:技術革新を核とした持続的成長) 融合分野:バイオフロント実証プラント稼動開始:2009年9月 ・2008年6月にトヨタ自動車から譲り受けた耐熱ポリ乳酸の実証プラント稼働 ・「バイオフロント」の事業展開の本格化に向けて市場開拓加速 ¾ ¾岩国事業所内で年産200トン規模のパイロッ 岩国事業所内で年産200トン規模のパイロッ トプラントを持ち研究開発・市場開拓 トプラントを持ち研究開発・市場開拓 ¾ ¾松山事業所の実証プラント稼働で年産能 松山事業所の実証プラント稼働で年産能 力1,000トン程度。ラクチドの前段階である 力1,000トン程度。ラクチドの前段階である 乳酸から生産する設備で調達原料のバリ 乳酸から生産する設備で調達原料のバリ エーション拡大。 エーション拡大。 ¾ ¾実証プラントのスケールアップ等で2011年 実証プラントのスケールアップ等で2011年 には5,000トン規模の量産体制 には5,000トン規模の量産体制 ¾ ¾将来的には数万トン規模の増設も視野 将来的には数万トン規模の増設も視野 36 (参考資料:技術革新を核とした持続的成長) 融合分野:バイオプロセス型水処理事業開発 *PUB:公益事業庁(Public Utilities Board) 目的 ◆地球環境保全のため、省エネで 地球環境保全のため、省エネで 低コストの排水処理ソリューション 低コストの排水処理ソリューション を提供 を提供 特徴 ◆ MSABP多段式生物処理装置 進捗状況 ◆Aquarious(米)よりMSABPの技術 ◆Aquarious(米)よりMSABPの技術 導入と国内市場開拓の推進 導入と国内市場開拓の推進 ◆PUB(シンガポール)等との共同開発 ◆PUB(シンガポール)等との共同開発 体制 体制 余剰汚泥が出ない省エネ型生物処理装置 空気 生物担持体 微生物菌 処理水 原排水 今後の課題 今後の課題 ◆コスト:既存技術・将来技術に対する ◆コスト:既存技術・将来技術に対する 性能・コスト優位性の検証 性能・コスト優位性の検証 ◆ビジネスモデル構築 ◆ビジネスモデル構築 散気管 原核生物類 真核生物類 原生生物類 生物層が下流に向かって秩序的に進化 → 多様性大 37
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