道一筋に

学校便り 長野市立古牧小学校 No.19
道一筋に
平成 27 年12月18日(金)
学校長
轟
裕明
文 責
石川 政好
12月9日(水)
今月の校長先生のお話がありました。
「いのちのまつり」というお話で、
「命」
について全校で考えてみました。校長先
生は、
「自分が今あるのは、お父さんとお
母さんがいるから。そのまたおじいさん
とおばあさんがいたから。自分にはご先
祖様が何人いるのかな?1000人くら
い?1000000人くらい?宇宙の始
まりから数えると、数え切れないほどの
ご先祖様がいるんだね」と絵本を読みな
がらお話しします。そして、命のリレー
を絵にした大きな絵を提示すると、
「わあ
ーいっぱいいる。
」と子ども達から大きな
歓声が上がりました。最後に、
「みんなも元気に命をつないで、ご先祖様の一人になるのですよ」と校
長先生からお話がありました。命は自分だけのものではなく、多くの命がつながっているものであり、
つなげて行きたいもの。だからこそ、自分を含めたみんなの命を大切にしなければならないというこ
とをお話いただきました。この命のお話を通して、人を人として大切にすることも教えていただきま
した。
私は、この話を聞く中で、ある女の子のことを思い出しました。その子の将来の夢は、
「お母さんに
なること」でした。それは、社会科の調べ学習で、その子が自分のおじいさんから戦争体験をお聞きし
たときのことでした。おじいさんから「戦時中、東京の病院に入院していて、長野に戻ってきた翌日
に、東京が大空襲に遭った。入院していた病院も爆弾で跡形もなく無くなり、もし、退院が1日でも遅
れていたら、自分はこの世にいなかっ
た」という話を聞きます。女の子は考え
ました。もし、その時、自分のおじいさ
んが亡くなっていたとしたら、自分の
お父さんは生まれていない。お父さん
がいないということは、自分もこの世
に生まれてはこなかったと・・・。まさ
に命のバトンをおじいさんやお父さ
ん、家族につないでもらったのだと実
感し、これから自分も命のリレーのバ
トンをつないでいかなければと考え、
「大人になったらお母さんになること
が夢だ」と言っていたのでした。
校長先生のお話と、そんな女の子の
ことが重なり、しみじみと古牧小の子ども達にも命を大切にすることをいろんな場面で伝えて行かな
ければと考えさせられました。
「命のまつり」
、とても良いお話ですし、おうちの方にも読んでいただ
きたい本です。また、お子さんが生まれるときのお話やご先祖様のお話など、おうちでも子どもさん
にお話ししていただけたらと思います。
12月8日(火)
1年生が交通安全キーホールダーを長
野中央警察署の署長さんや警察官の方か
らいただきました。社会貢献として、セキ
スイハイムさんが作ってくださり、長野
中央警察署に寄贈されたものを本校の 1
年生が「交通事故に巻き込まれないよう
に」と、いただきました。蛍光反射板にな
っているもので、夜暗いところで光るキ
ーホールダーだということです。お昼の
NHK のニュースや夕方のニュースでも
流れましたが、そんな中、すごいなあと思
ったことがありました。
それは、ある男の子が、キーホールダー
をいただいた後の「お礼の言葉」を言った
ときのことです。
「今日は、ぼくたちのためにキーホールダーをありがとうございました。
(中略)警
察のみなさんもお仕事頑張って下さい」と読み上げてくれました。きっと担任の先生からは、
「お礼と
これから交通事故に遭わないように気をつけることなどを書いて」と言われたと思うのですが、この
子は自分の判断で「お仕事頑張って下さい」とおまわりさんへの気持ちを書き添えたのです。
それをきいた2年目の若い警察官の方は、目に涙を浮かべていました。お帰りになるとき、この若
い警察官の方とお話しする機会があったのですが、
「まさか、1年生にこんなことを言っていただける
なんて・・・。涙が出てきました。
」と話されていました。おまわりさんも大変なお仕事だと思います
が、本当にこの一言が嬉しかったのですね。
更に、私がすごいなあと思ったことは、
この作文を読み終えた男の子が、自分の
席に戻っていくときでした。それを観て
いた友だちが、まるで自分のことのよう
ににっこりと微笑み、
「良くやった(話せ
た)な。良くやったな・・・。
」と褒めて
くれたことでした。それは友だちが、テ
レビカメラや新聞記者など、たくさんの
見知らぬ大人の人がいる中で、自分たち
のクラスの仲間として堂々と作文を読
んだことに対し、
「ありがとう」と思うの
と同時に「立派だったよ」と、心から認
めてくれているように思いました。
私は、このような「相手を思う気持ち」
が、とても嬉しかったです。これからも子ども達のこのような気持ちを大切にしていきたいと思いま
した。