血液透析患者の低下した下肢筋力を 維持・回復するための運動介入 ~低負荷運動・エルゴメータを用いて~ 増子クリニック昴 2010.6.19 ○中村裕子 中村裕 高橋かおり 小塚加代 加藤加代子 三好かおり 黒田いくみ 町田みゆき 小林麻衣子 鈴木茂 目的 エルゴメータや簡単な用具を用いた低負荷 運動後の筋力維持・回復効果を検討した 対象・方法 1.外来透析患者50名(2007年から2010年) 2.透析前に運動可能な11名にチューブ・ボール を使用した運動実施 3.下肢の筋力低下・歩行時ふらつきのある患者 6名に透析中のエルゴメータ実施 下肢筋肉量は,タニタ社製MC-180 筋力測定は,アニマ社製μ Tas-F1を使用 下肢筋肉量・筋力の経時的推移(性別) (男性:24名 女性:26名) 下肢筋肉量 (体重比) 下肢筋力 (体重比) n=50 (%) P<0.007 n=50 (%) P<0.007 P<0.02 下肢筋肉量・筋力の経時的推移(年齢別) (~59:17名 60~69:21名 70~:12名) 下肢筋肉量 (体重比) 下肢筋力 (体重比) n=50 (%) P<0.01 n=50 (%) P<0.006 P<0.004 (歳) P<0.01 (歳) 下肢筋力・筋肉量の変化 (チューブ・ボール群) (%) 下肢筋肉量 (体重比) n=11 N.S. (%) 下肢筋力 (体重比) n=11 N.S. 下肢筋力・筋肉量の変化 (エルゴメータ群) 下肢筋肉量 (体重比) (%) 下肢筋力 (体重比) n=6 N.S. (%) n=6 N.S. %クレアチニン産生速度の変化 チューブ・ボール群 (%) エルゴメータ群 n=11 n=6 (%) N.S. P<0.002 症例1 77歳 男性 透析歴 19年 原疾患 痛風腎 独歩困難 (%) 25ワット 35ワット (%) 症例2 66歳 女性 透析歴 13年 原疾患 慢性糸球体腎炎 膝関節痛・腰痛 (%) 入院 退院 エルゴメータ開始 (%) (年/月) まとめ 3年間の推移としては 下肢筋肉量は男性と60歳以上70歳未満で優位な低下 がみられました 下肢筋力は性別・年齢別ともに優位な低下がみられまし た 透析日,週3回の運動介入は,下肢筋力の低下を防ぐ効 果があると考えます 入院により低下した筋力を回復するには,早期運動介入 が重要と考えます 今後の取り組み 継続的な測定や入退院時の測定を続けていく 透析中に運動できるよう,エルゴメータを増やしていく 下肢筋力の低下が著しい患者に運動を勧め,より長く自 らの足で通院できるように援助していく
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