6−5.人と自然との触れ合いの活動の場 6−5−1.現況調査 (1)事業計画地周辺の「人と自然との触れ合い活動の場」の概要 事業計画地から概ね5km の範囲を対象として、地図及び堺市ホームページ等によ り人と自然との触れ合い活動の場として活用されている施設を抽出し、現地踏査等に より事業計画地からの距離や方向、施設の利用特性などを事業計画地の視認状況など を調査した。その結果は表 6-5-1、各施設の位置は図 6-5-1 のとおりである。 6-5-1 表 6-5-1 № 名 称 事業計画地周辺の「人と自然との触れ合い活動の場」 事業計画地から みた位置 ① みなと堺グリー 南西 ンひろば 2∼2.5km 程度 ② 海とのふれあい 北 広場 1.5km 程度 ③ 大浜公園 東南東 3km 程度 ④ 浜寺公園 南南東 5km 程度 ⑤ 大仙公園 南東 6km 程度 施設の概要 ・堺市西区築港新町、堺第 7-3 区の堺泉北臨海工業地域内の一画にあり、 都市公園法に定める公園ではないが、堺市が大阪府から借り受けたス ポーツやレクリエーション用の施設である。 ・ウォーター・フロントに広がる広大な園内には、サッカーなどができ る「芝生ひろば運動場」、「運動ひろば野球場」などが整備されてお り、四季折々の花が咲き乱れる花の丘などがある。丘には広場のシン ボルであるオランダ風車もある。 ・晴れた日には西側に淡路島や明石海峡大橋も遠望でき、海風の中、自 然と触れ合えるエリアとして人々に親しまれている。 ・日祝日を中心に少年野球等で利用されている。 ・南海本線「石津川駅」からバス(約 5.5km) ・阪神高速湾岸線石津出口、府道大阪臨海線から車で約 10 分 ・堺市堺区匠町、堺浜地区の西側先端部に平成 12 年 10 月にオープンし た施設であり、11.4ha の敷地に、バーベキュー広場、芝生広場、緑地 広場、多目的広場、複合遊具、滑り台、ドッグランなどが設けられて いる。 ・晴れた日には、明石海峡大橋が遠望できる。 ・日祝日を中心に利用されている。 ・阪神高速湾岸線三宝出口、同大浜出口等から府道大阪臨海線等を経由、 市道築港南島線にて車で約 10 分、駐車場約 300 台 ・明治 12 年に堺市堺区大浜北町に開園した堺市営の最も古い公園であり、 16ha の敷地には野球場、プール、体育館、相撲場、サル島などがある。 ・野球、テニス、水泳などスポーツ・レクリエーションでの利用が多い。 ・南海本線「堺駅」から西へ約 0.8km ・府道大阪臨海線、国道 26 号、阪神高速湾岸線大浜出口からすぐ、阪神 高速堺線堺出口から車で約 10 分、駐車場約 430 台 ・明治 6 年に大阪府内で初めて公園に指定された堺市西区浜寺公園町(一 部高石市)にある大阪府立の都市公園である。 ・48ha の広大な園内には、松林やバラ庭園のほか、野球場やソフトボー ル場、テニスコート、プールなどのスポーツ施設があり、年間を通じ て多くの人々が利用している。特に日祝日は多い。 ・南海本線「浜寺公園駅」、阪堺線「浜寺駅前駅」から徒歩1分 ・府道堺阪南線沿い、府道大阪臨海線、阪神高速湾岸線浜寺出入口、同 高石出入口からすぐ、駐車場約 500 台 ・日本最大の仁徳陵古墳や履中陵古墳を擁する百舌鳥古墳群内に位置す る堺市堺区百舌鳥夕雲町にある約 81ha の都市公園である。 ・公園敷地内は、「平和塔」と江戸時代のため池を改修して造られた「ど ら池」を中心に、芝生広場や平成の森など自然と触れ合える場となっ ている。また、図書館、博物館や日本庭園など歴史や文化を学び体験 できる施設も併設されており、年間を通じて多くの人々が利用してい る。特に日祝日は多い。 ・JR阪和線「百舌鳥駅」から徒歩5分 ・府道和泉泉南線からすぐ、阪神高速湾岸線大浜出口、阪神高速堺線堺 出口から車で約 10 分、駐車場約 290 台 出典:堺市ホームページ、大阪府ホームページ 6-5-2 海との ふれあい広場 大浜公園 №1 みなと堺 グリーンひろば №2 大仙公園 №3 浜 寺 公 園 この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の 2 万 5 千分 1 地形図及び 5 万分 1 地形図を複製したものである。 (承認番号 平 近複、第 号) この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の 2 万 5 千分 1 地形図及び 5 万分 1 地形図を複製したものである。 (承認番号 平 20 近複、第 54 号) :対象事業計画地 ●:主な人と自然との触れ合い活動の場 ★:交通量 −:関係車両の主な計画ルート 0 1km 1:50,000 図 6-5-1 主な人と自然との触れ合い活動の分布及び交通量調査の位置 6-5-3 2km (2)周辺道路の交通量に対する事業関連車両及び工事関連車両の占める割合 本事業関連車両及び工事関連車両の走行ルートである府道大阪湾岸線及び府道 堺狭山線の現況交通量を現地調査により把握した。また、この調査結果をもとに更 新施設供用後における各路線の事業関連車両及び工事関連車両の占める割合を推 計した。 更新施設供用後の各路線の交通量に対する事業関連車両の占める割合は、表 6-5-2 のとおりであり、府道大阪臨海線(地点1)及び府道大阪臨海線(地点2) では 0.2%程度、府道堺狭山線(地点3)では 0.3%程度と推計される。 表 6-5-2 路線名 地点 周辺道路の交通量に対する事業関連車両の占める割合 ①現況 交通量 ②供用後の一般 ③事業関連 ④供用後の交 ⑤事業関連車両の交通 車両交通量推計 車両台数 通量推計値 量に占める割合 値 〔②+③〕 〔③/④×100〕 (台) (台) (台) (台) (%) 府道大阪臨海線 地点1 39,664 39,664 66 39,730 0.2 府道大阪臨海線 地点2 36,406 36,406 78 36,484 0.2 23,914 23,914 62 23,976 0.3 府道堺狭山線 地点3 注1)「①現況交通量」は現地調査結果うち、平日の昼間(午前7時∼午後10時)の交通量を示している。 注2)「②供用後の一般車両交通量推計値」は「①現況交通量」と同値とした。 注3)「③事業関連車両」は平日の昼間のみの走行である。 また、各路線の交通量に対する工事関連車両の占める割合は、表 6-5-3 のとおり であり、府道大阪湾岸線(地点1)で 0.1%程度、府道大阪湾岸線(地点2)及び 府道堺狭山線(地点3)で 0.2%程度と推計される。 表 6-5-3 路線名 地点 周辺道路の交通量に対する工事関連車両の占める割合 ①現況 交通量 ②工事時の ③工事関連 ④工事中の交 ⑤工事関連車両の交通 一般車両交通 車両台数 通量推計値 量に占める割合 量 推計値 〔②+③〕 〔③/④×100〕 (台) (台) (台) (台) (%) 府道大阪臨海線 地点1 39,664 39,664 50 39,714 0.1 府道大阪臨海線 地点2 36,406 36,406 62 36,468 0.2 23,914 23,914 50 23,964 0.2 府道堺狭山線 地点3 注1)「①現況交通量」は現地調査結果うち、平日の昼間(午前7時∼午後10時)の交通量を示している。 注2)「②工事時の一般車両交通量推計値」は「①現況交通量」と同値とした。 注3)「③工事関連車両」は通過台数の最も多い時期とした。また、平日の昼間のみの走行である。 6-5-4 6−5−2.影響予測 事業の実施による事業計画地周辺の「人と自然との触れ合い活動の場」として抽出 した「みなと堺グリーンひろば」、「海とのふれあい広場」、「大浜公園」、「浜寺 公園」及び「大仙公園」の5施設に対する影響について、 ・ 供用後の景観の変化による施設の利用環境の変化 ・ 事業関連車両または工事関連車両の走行による施設の利用環境の変化 の観点から予測を行った。 予測結果は表 6-5-4 のとおりであり、本事業の実施によるこれらの5施設からの景 観上の大きな変化はない。また、事業関連車両または工事関連車両は、これらの施設 のアクセスルートの一部を走行するが、一般車両に占める割合は小さく、これらの施 設の利用環境の変化はほとんどないと予測される。 表 6-5-4 № ① 名 称 みなと堺グリーン ひろば ② 海とのふれあい広場 ③ 大浜公園 ④ 浜寺公園 ⑤ 大仙公園 事業の実施による「人と自然との触れ合い活動の場」 の利用環境の変化の予測結果 景観の変化による利用環境の変化 これらの施設から事業計画地付 近を眺望すると、更新施設の設置 に伴い、景観上の変化は見られる ものの、現行施設と同様、周囲の 臨海工業地帯の工場建屋、煙突、 倉庫等の人工構造物に混在して見 えるだけである。本事業計画にお いては、更新施設の定常稼動後、 現行施設の大半は速やかに撤去す るとしており、周囲の人工構造物 との関係から、景観上の大きな変 化はないため、施設の利用環境へ の変化はない。 本施設から事業計画地までは約 3∼5km も離れており、公園内から 遠方を眺望できる施設等はなく、 本事業計画地の設備は視認できな い。事業の実施による景観上の変 化はないため、施設の利用環境へ の変化はない。 本施設から事業計画地までは 6km 程度離れており、本事業計画地 の設備は視認できない。事業の実 施による景観上の変化がないた め、施設の利用環境への変化はな い。 6-5-5 事業関連車両または工事関連車 両の走行による利用環境の変化 これらの施設へのアクセスル ートの一部である府道大阪臨海 線及び府道堺狭山線を事業関連 車両又は工事関連車両が走行す るが、各路線の平日・昼間交通量 に対する事業関連車両の占める 割合は 0.3%以下、工事関連車両 の通行が最も多い時期において も 0.2%以下と予測される。また、 これらの施設の利用者が多い日 曜日には事業関連車両、工事関連 車両ともほとんど走行しない。 以上により、事業関連車両及び 工事関連車両の走行によるこれ らの施設の利用環境への変化は ほとんどないと予測される。 6−5−3.評価 予測結果を以下の評価の指針に照らして評価を行った。 項 目 評価の指針 人と自然との (1) 人と自然との触れ合い活動の場の保全と整備について十分な配慮がなさ 触れ合い活動 れていること。 の場 (2) 環境基本計画、大阪府環境総合計画等に定める目標の達成と維持に支障を 及ぼさないこと。 事業計画地周辺には「人と自然との触れ合い活動の場」として、「みなと堺グリーン ひろば」、「海とのふれあい広場」、「大浜公園」、「浜寺公園」及び「大仙公園」の 5施設があり、事業関連車両または工事関連車両はこれらの施設のアクセスルートの一 部を走行するが、事業関連車両及び工事関連車両が一般車両に占める割合は小さく、さ らに、事業及び工事の実施に際しては積載効率の向上等による走行台数の抑制や阪神高 速4号湾岸線の優先的利用などの環境保全対策を講じることから、人と自然との触れ合 い活動の場の保全等には十分な配慮がなされていると考える。 臨海工業地帯にある2施設からは、本事業の更新施設は視認できるものの、現行施設 と同様、周囲の工場や流通倉庫などの人工構造物に混在する景観であるため、景観上の 大きな変化ではないものと考えられる。また、旧海岸線以遠にある残り3施設からは、 事業計画地の構造物そのものを視認できないため、景観上の変化はない。 以上により、評価の指針は満足すると考える。 6-5-6
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