スマホ利用者の体調不良が増えている?!

号外:「ネットの上手な利用④就学前」
家庭教育情報紙
発行日:平成28年2月26日
日南町教育委員会
家庭教育推進員
若い人に増加「スマホ老眼」に「スマホ首」
スマホ利用者の体調不良が増えている?!
近年、パソコンやタブレット、スマートフォンなどのモニタを見続けることで眼の不調や疾病を
引き起こす VDT 症候群が注目されてきました。(※VDT(Visual Display Terminal):パソコンやタブレット、スマホな
どのこと)
厚生労働省の調べでは、コンピュータを使用する労働者の 90%以上が眼の不調を訴
えているという結果が出ています。パソコンを長時間使用する人にも「老眼」のような
症状は見られますが、とくにスマートフォン使用が懸念されるのは、小さな画面の小さ
な文字を凝視することで眼の負担が大きくなるためです。仕事が終わっても SNS やメール、ゲー
ム、情報収集・・・と、1 日中スマホを見続けているという若い世代も少なくないため要注意です。
また、スマホやタブレットを利用している乳幼児も危険信号です。
大人の場合ですが、調査によれば、「スマホ首」(首の筋肉がこり固まる症状)、「スマホ指」(指
の変形や痛みがある症状)、「スマホ巻き肩」(肩にこりや痛みなどがあり、前のめりになる症状)、
「スマホ不眠」
(寝つきが悪くなったり、眠れなくなったりする症状)、
「スマホ腱鞘炎」
(指の関節
が腱鞘炎になる症状)、
「スマホ顔」
(頬や顎の皮膚がたるんでしまう症状)、
「スマホ老眼」
(近いも
のが見えにくくなる症状)、「スマホ型口臭」(唾液が少なくなり口臭が強くなる症状)などがあげ
られています。
左記の新聞の切り抜きは、携帯ゲーム機やスマートフォン
を毎日使用し続ける子どもたちの体に変調が起きているため、
来年度から、学校の「健康診断」に手足の状況をみる検査を
実施することになります、という記事です。
「スマホ首」、「スマホ不眠」なども子どもの症状として表
れています。また、ブルーライトによる目を悪くしたり、不
眠症に悩まされたりする子どもたちも表れています。
(平成 27 年 6 月 17 日日本海新聞)
学童期にあまり外遊びをしないで携帯用ゲームやビデオゲームで長時間過ごすことは、体力や運
動能力の低下・視力の低下を招きます。さらに頑固な頭痛、疲れが取れない、いつも身体がだるい
などの自律神経失調症を訴えるようにもなります。このように電子メディアと長時間接触すること
の危険性については明らかにされてきている一方、その安全性や有効性についての証明はこれまで
ありません。
【裏面あり】
長時間視聴で発達障がいに似た傾向?!
(小児科学会からの提言)
小児科医や発達の専門家から、「言語発達」や「社会性」の遅れがある幼児の中に、テレビ・ビ
デオを長時間視聴したり、ゲームを長時間行ったりしている子どもが、テレビ視聴をやめたり、ゲ
ームをやめたりすると改善が見られる例が報告されています。テレビの長時間視聴やゲームの長時
間使用が発達に悪い影響を及ぼす可能性が指摘されているのです。
「言葉の遅れ」、
「表情が乏しい」、
「親と視線を合わせない」などの症状を抱えて受診する幼児の
中に、テレビ・ビデオの長時間視聴児で、視聴を止めると症状が改善する一群があることが、相次
いで報告されています。生後早期からテレビを見ていた子どもが多く、幼児期になってからテレビ
に子守りをさせたり、ビデオの反復視聴をさせたりして、半年のうちに症状が進んだ例もあり、長
時間視聴の影響が危惧されています。
長時間にわたって、親の関わりがなく視聴している子どもには、
「有意語出現の遅
れ」の他、
「言語理解」や「社会性の遅れ傾向」が見られ、親への働きかけが少ない
様子がうかがえます。この状態が続けば、親子のコミュニケーションが減退し、ます
ます親よりテレビへの関心が強まり、「言語発達」や「社会性の遅れ」が進行し、小児科医に受診
するケースが増えるものと考えられます。多くの小児科医がこのような子ども達の臨床経験から、
テレビと言葉遅れとの関連性を疑い、乳幼児のテレビ視聴に警告を発してこられたのです。
他方、ほとんどの親はテレビを否定的には考えていません。多くの家庭は決まりを決めて親子で
一緒にテレビを見ており、視聴時の子どもの反応や親に共感を求める可愛さ、親子の情緒的コミュ
ニケーションの体験を肯定的に記載しています。
しかし、乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴には危険が伴うことを大人は認識し、テレビ利用に
際しては、長時間視聴の制限と視聴時の親の関わりの重要性に留意するよう提言しています。
なお、乳幼児期のテレビ視聴の影響に関する研究は十分でなく、今回示された「言語発達」への
影響以外にも、さらに重大な悪影響が証明される可能性があり、今後も注目されます。
『小児科学会からの提言』
1.2 歳以下の子どもには、テレビ・ビデオを長時間見せないようにしましょう。
◇長時間視聴児は「言語発達」が遅れる危険性が高まります。
2.テレビはつけっぱなしにせず、見たら消しましょう。
人との関わり合いの方が
◇「ON/OFF」をはっきりとさせましょう。
大切です。
3.乳幼児にテレビ・ビデオを一人で見せないようにしましょう。
◇見せるときは親も一緒に歌ったり、子どもの問いかけに応えたり、することが大切です。
4.授乳中や食事中はテレビをつけないようにしましょう。
◇子どもとのふれあいの時間です。信頼関係を築く時間です。
5.乳幼児にもテレビの適切な使い方を身につけさせましょう。
◇近くで見ないこと。見おわったら消すこと。ビデオは続けて見ないこと。
6.子ども部屋にはテレビ・ビデオを置かないようにしましょう。
◇長時間視聴になりやすい。遊び道具ではないことを知らせます。
以上