発刊責任者 松波 恒彦 松波動物病院グループ 名古屋市天白区中砂町515 発刊日 2008/10/15 第32号 担当:山田浩代(本院 獣医師) 最近、太りすぎのワンちゃんネコちゃんが増えています。ペットの肥満はほとんどが 飼主さんの責任です。太っている方がかわいく見えるかもしれませんが、肥満は万病のもと であり、肥満自体が立派な病気であるといえます。ペット達が1kg 増えるのと、私達人間が 1kg 増えるのとでは体に与える影響は全く違います。 愛する家族であるペット達の健康を守るためにはみなさんの意識や注意が必要なのです。 *肥満した大きな体に血液を供給するために、心臓は余分に働かなくてはなりません。心臓は常に休み なく働いているため、無理をすればその分負担が増え、老化も早くなってしまいます。 *重い体重を支えるために骨や関節にもかなりの負担がかかります。関節炎になったり、脱臼したり、 骨折の引き金となることもあります。 *糖尿病や脂肪肝などの代謝性疾患も肥満が原因で起こりやすくなります。 *椎間板ヘルニアになりやすい犬種(ダックスフンド、コーギー、ビーグルなど)では、その予防の ためにも肥満させないことが大切です。 *動物には人間と違って汗腺が少なく、体温調整が難しい体質です。そんな動物達が肥満になると、 分厚い脂肪の層は保温材となって体温が下がらず、熱中症になってしまいます。 熱中症は命にかかわるとても危険な病気です。 食事の量を間違えている すぐに食べ終わるから、欲しがるからといって要求されるがままに与えていませんか? 人間と同じ、食べすぎれば当然太ります。体重に応じた量を守って与えるようにしましょう。 食事の質を間違えている 成犬なのに子犬用のフードを与えていたり、老犬なのに成犬用を与えていたり、フードを食べないからといっ てジャーキーのみだったり、人間の食事を与えていたりしていませんか? 成長に合わない食事やペットの食事でないものを与えることは、肥満を助長させるだけでなく、 病気になったり、寿命を縮める原因にもなります。 食事の回数を間違えている おやつは一日の回数や量に入らないと思っていませんか? 人間が食事を減らしてもおやつにケーキを食べていたら痩せないのと同じです。 松 波 動 物 病 院 上社ペットクリニック ベッツアニマルクリニック瀬戸 名古屋市天白区中砂町 515 名古屋市名東区上社 1-506 瀬戸市東横山町 92 バロー SC1F 052(833)1111 052(776)1010 0561(89)7400 http://www.matsunami.co.jp http://www.matsunami.co.jp/kpc/ http://www.matsunami.co.jp/vacs/ 食事の時間を間違えている 食事の時間をきちんと決め、その時間でないと食べられないようにお皿を下げていますか? いつでも食べられるように置きっぱなしにすると、肥満だけでなく、病気の発見を遅らせたり、お皿の中で細 菌が繁殖して食中毒の原因にもなります。 食事に関する考え方を間違えている 野菜も食べなくてはいけないとか、いつも同じ食事じゃかわいそうとか、そういった人間の考え方は必ずしも ペットたちに当てはまるとは限りません。 飼育環境ではなく、病気による肥満の場合 避妊・去勢手術をした後は太りやすくなりますが、カロリーを抑えた食事に 変えることで予防ができます。また、甲状腺機能低下症やクッシング症候群など、 内分泌性のホルモン異常によっても体重増加がみられます。 動物たちを運動のみで痩せさせようとするとかなりの運動量が必要となり、余計に体に負担が かかってきます。食事制限と散歩などの適度な運動が一番の近道です。 フードもただ量を減らすだけではお腹が空きすぎてしまうので、カロリーの低いダイエット専用 のフードをおすすめします。 また、ワンちゃん用のみですが、病院に体脂肪計がありますので、お気軽にお声をお掛け下さい。 ダイエットの目安にしていただければ、と思います。 一番大切なのは、ダイエットが必要になるほど太らせないように、日頃から注意して肥満予防を 心がけることです。 愛するペットたちが少しでも長く、健康に暮らしていけるように管理に気をつけましょう。 人間同様、犬にも「体脂肪」はあります。体脂肪とは、体についている脂肪の総称であり、体のどこにつくかで、 「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2つに分けられます。 「体脂肪」は、エネルギーの貯蔵や保温をする、臓器を支えるなど、 生命を維持するために重要な役割を果たす一方で、必要以上に多いと、 いろいろな疾病のリスクが高まると言われています。 太って見えるワンちゃんだけが、問題があるとは限りません。 体重が重くても、筋肉質で脂肪がバランスよくついていれば、 肥満ではありません。体全体にしめる脂肪の割合が高い、 すなわち体脂肪率が高い状態にあるかどうかは、見た目だけ では簡単に判断できないのです。 昨今、室内飼いの増加による運動不足、食事管理の乱れなどにより、スリムにみえるワンちゃんでも、じつは体脂 肪率が高い、かくれた「肥満」犬が増えています。 測定は無料です! ※体脂肪率の測定は1歳以上の愛犬が対象となりますのでご注意ください。 なお、測定の際は再診料がかかりますのでご了承下さい。 上社ペットクリニックのページ 近年のプードルのカットと言えば、顔を丸くカットしたクマのぬいぐるみの様なテディベアカットが多いですが、 今回は、元来のプードルのカットであるショーカットをご紹介したいと思います。 ドッグショーでは、パピークリップ、コンチネンタル・クリップ、イングリッシュ・サドル・クリップの3つが 認められています。 ショーカットの歴史 プードルがヨーロッパの沼地で水猟犬として働いていた時代、沼に飛び込んで鳥をくわえて運んでいました。 この際に、寒さから呼吸器や関節を保護するために部分的に被毛を残し、泳ぐ時に活動を阻害する不必要な 被毛を刈り取った事から始まっています。 その実用性から生じたトリミングは、時代と共に美的感覚を主体としたプードルの伝統に基づくトリミング として世界各国に普及しました。 パピークリップ 生後12カ月未満のワンちゃんに許されているカット 顔と足先をバリカンでつるつるにします。尾っぽの付け根に近い部分もバリ カンでつるつるにしてポンポンを作ります。頭部はスウェル(人間の髪型でい うとポンパドールの様に全体に丸みを持たせゴムで結び形を整えます。 )を作り 扇型に整え背中につなげます。 コンチネンタル・クリップ ショークリップの中では最も歴史が古く本来の目的に一番近いスタイル 顔と足先と下半身をバリカンでつるつるにして、腰と足首のところに丸いポ ンポンをつくります。尾っぽも同様にバリカンで刈り込みポンポンを作ります。 頭部はスウェルを作り扇型に整え背中につなげ、上半身は丸く整えます。 イングリッシュ・サドル・クリップ イギリス人がコンチネンタル・クリップに基づいて新しく考えだしたスタイル 顔と足先をバリカンでつるつるにして、尾っぽも同様にバリカンで刈り込み ポンポンをつくります。前肢の足首に一つずつポンポンをつくり、後肢には二ヶ 所ずつ切り込みを入れてポンポンをつくります。頭部はスウェルを作り扇型に 整え背中につなげ上半身は丸く形を作り、下半身は上半身より短くして真ん中に 半月型の彫り込みをいれて後肢につなぎ丸く整えます。 ベッツアニマルクリニック瀬戸のページ 担当:梶田 絵倫子 伊藤 小夜子 世界にはたくさんの種類のワンちゃんやネコちゃんがいます。 その中でも珍しい種類のワンちゃんとネコちゃんを一部紹介します☆ バセンジー 原産地:アフリカ(コンゴ) 理想体高 :♂43cm ♀40cm 理想体重 :♂11kg ♀9.5kg マメ知識:わんわんと鳴かず声高な笑い声とヨーデルの中間のような 特別な声を出す。他の犬と違い、交配時期は年に1回である。 (主な犬は年に2回) ダンディ・ディンモント・テリア 原産地:イギリス 理想体高:♂♀ともに20~28㎝ 理想体重:♂♀ともに8~11kg マメ知識:1814 年に発行された小説『ガイ・マナリング』の中で農夫 ダンディ・ディンモントが飼っていた事が名前の由来である。 マンチカン 原産地:アメリカ 理想体型:セミコビー(やや太い) マメ知識:ダックスのような短い足が特徴。ヘルニアになりやすいので 太らないようにすることが大切。 スフィンクス 原産地:カナダ 理想体型:セミフォーリン(やや細み) マメ知識:無毛。温かいところが大好きで、寒さには弱い。 毛穴から出た分泌物がたまるので、こまめに入浴させて あげるか、拭いてあげることが大切。 他にも珍しくてかわいいワンちゃんやネコちゃんが世界にはたくさんいますので、 図鑑を見てみると楽しいかもしれませんね♪
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