PDFでメッセージカードを表示する - がん・感染症センター都立駒込病院

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お楽しみ献立シリーズ№21
文京・田端地区ゆかりの文芸家たちの食事
田端・文京界隈には、明治から昭和初期にかけて多くの文芸家たちが住んでいました。今回は、『川端康成』ゆかりの
料理を病院の治療食としてアレンジしました。
発見された映像より 鎌倉市の自宅の庭にて
(朝日新聞 DIGITAL から引用)
川端康成
早春献立
川端康成は、明治 32 年(1899 年)に大阪市
北区(現 天神橋)に生を受けました。大正 9 年
(1920 年)に東京帝国大学へ入学し、大正 11
年(23 歳)からの約 4 年間、駒込の地を転々と
します。その間、小石川に住んでいた菊池寛
の恩顧を受け、芥川龍之介とも親交がありま
した。伊豆を旅行した経験を小説にした『伊豆
の踊子』は駒込時代の作品です。
食通の康成が良く通ったのが、御茶ノ水の
『山の上ホテル』の天ぷら屋。今も現存する
「大きなさつま芋の天ぷら」が有名な店です。
本日は、康成が好んだ『天ぷら』に「さつま
芋」と「こごみ」を使いました。また、第二の故
郷として愛した伊豆湯ヶ島のわさび田にちなん
だ『わさび和え』、粥食の方には、康成が好き
だった「のり」を使った『のり和え』などを組み合
わせた早春献立をご用意しました。
平成 27 年 3 月 13 日(金)昼食
東京都立駒込病院栄養科
**** 材料(2人分) ****
小松菜
120g
しょうゆ
小さじ1
A 粉わさび
お好みで
とき水
少々
わさび和え
川端康成が住んでいたところ
駒込病院
(練わさびでも良い)
****** 作り方 ******
① 小松菜はよく洗い、たっぷりの熱湯で 3~4分茹で
る。水にとって冷やし、4cm 程度に切って絞る。
② 粉わさびは少量の水で溶かしてよく練り、香りがで
てきたらしょうゆと混ぜる。
③ 小松菜とAを和え、器に盛り付ける。
【1人当たり】
エネルギー 11キロカロリー
たんぱく質 1.1g
食塩 0.4g
文京区寺院地図 HP より引用
先日、生前の川端康成のカラー映像が見つかり、話題になりました。その中で、サトウハチローが康成のために作った
詩をハチロー自身が朗読しています。その映像と詩の一部をご紹介します。
「川端康成先生の着物の襟から、こぼれる涼しさは実に美しい。袖口からあふれる涼しさはやさしいし、裾から静かに外
へ出る涼しさは、素晴らしい。僕はその昔、川端康成先生と、上野桜木町という同じ町に住んでいた。散歩の行き帰りの
先生、どっかへお出かけの先生に、僕はよくぱったりと出会った。そのたびに、こんなに着物が美しいものだったかと感心
した。先生が連れていらっしゃる犬が振るしっぽまでが、涼しかったのを覚えている。」
(You Tube より)