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中部学院大学・中部学院大学短期大学部卒業生の活躍を紹介する
PLUS
2016. APR
vol.
Paulownia とは中部学院のシンボルである「桐」の英語表記で、
かつては大学祭を「ポローニア祭」と呼び、学生に親しまれてきました。
7
プロバスケットボール選手
羽田 大亮
さん
2014年度 人間福祉学部 健康福祉学科 卒業
プロバスケットボール選手
は だ
だいすけ
羽田 大亮
さん
1992(平成 4)年、岐阜市生まれ。小学 3 年からバスケットボールを始める。富田高校卒業後、2011 年中
部学院大学人間福祉学部健康福祉学科入学。在学中は男子バスケットボール部のFW(フォワード)として活躍。
卒業後、プロバスケットボール bj リーグ「埼玉ブロンコス」の練習生として、練習や試合に参加。2016 年 2 月、
埼玉ブロンコスと選手として契約。背番号は 25。ポジションは SG(シューティングガード)。持ち味はアウ
トサイドシュート。手足の長さを生かしてリバウンドも取れる選手としても期待される。モットーは人に流さ
れないようにすること。181cm、75kg。
難病と闘いながらプレー
対処法を見つけ対策
道を歩むことを決めました。卒業後、上京し、高校
小学 3 年から岐阜市のスポーツ少年団でバスケッ
習や試合に参加させてもらうことになりました。
の恩師が在籍していた bj リーグ(バスケットボール
プロリーグ)の埼玉ブロンコスの練習生として、練
トボールを始め、中学、高校、大学とバスケ一筋で
歩んできましたが、小学校入学前から頭痛に悩まさ
れ、常に持病との闘いでした。「低髄液圧力症候群」
と呼ばれる病気で、脊髄に穴が空いて髄液が漏れる
「プロ意識」を痛感
より高いパフォーマンスを目指す
応援に感謝の思い
チームをけん引できる選手に
ため、血液の循環が悪くなり、脳に血液が不足し、
プロチームに加わることになり、一番感じたのは
頭痛が起こったり、急に体が動けなくなったりしま
「プロ意識」でした。これまで、練習で力を抜くこ
埼玉では一人暮らしをはじめ、アルバイトをしな
した。中学までは病名もはっきりせず、対処法もわ
ともありましたが、この世界ではまったく通用しな
がら生計を立てるという厳しい生活ですが、今まで
からずにいました。大学進学も関東などでの一人暮
いことを試合や練習で痛感しました。それほど際
育ててくれて、今日まで応援し続けてくれている両
らしを断念し、声を掛けていただき、実家からも通
立って長身ではなく、体も大きくないため、体格の
親の思いに感謝しながら、少しでも多く試合に出て
える中部学院大学でバスケットボールを続ける道を
いい選手に当たり負けしないために、脚力、筋力を
活躍して、親孝行したい気持ちでいっぱいです。将
選択しました。現在でもいすに座りっぱなしなど、
強化しています。特に、体がぶれずに安定したプレー
来、スタメン(スターティングメンバ―)で出場し
動かないでじっとしていると、頭痛が生じますが、
ができるように、体幹トレーニングを毎日欠かさず
チームを引っ張っていけるような中心選手に成長で
原因がわかり、対処法もはっきりしているので、水
メニューに組み込み、より高いパフォーマンスを発
きるように、日々精進していきたいと思っています。
分をよく採り、髄液を作る力を付けています。
揮できるように努めています。
がよく、一人一人高い意識を持ってプレーに臨んで
基本の大切さを痛感
努力を惜しまず前進を
います。
大学時代、監督やコーチから「パス&ラン」とい
一方で、bj リーグでの試合を通じて、チーム間に
プロの扉をたたく
練習生からスタート
圧倒的な差はないと感じています。チームも雰囲気
うボールをパスした後にその場にとどまらず動くこ
大学卒業を控え、就職先も決まっていましたが、
高校の恩師と再会した時に、「バスケットボールを
続けてみないか」と声を掛けてもらい、心が揺れ動
黒子としてチームをアシスト
とで、スペースやノーマークをつくる練習の大切さ
を教えてもらいましたが、練習では手を抜くことも
きました。「2 年間挑戦してダメならきっぱりあきら
チャンスを逃さず攻めたい
めればいい」と心の声を聞き、バスケットボールの
心掛けていることは、陰となり力を尽くすこと。
感しています。今やっていることが将来につながる
全員「光」になってしまうとバスケットボールは成
ことも学びました。後輩の皆さんには、努力を惜し
立しません。一つひとつのパス、特にアシストは
まず一生懸命、その時その時を刻んで、自分の目標
シュートを打つための大切なパスを担っています。
に近づいて行ってほしいと思います。
ありました。プロの世界に入り、基本の大切さを痛
得点を取るために、シューターが気持ちよく打てる
ように努めています。また、リバウンドを取れば自
分たちのボールになるので、チームプレーにも徹し
ていきたいと思っています。その中で、自分にチャ
ンスが訪れたら、積極的にシュートを狙っていきた
いです。
(写真左)試合前の選手紹介で、チームメイトとハイタッチ
する羽田大亮選手(写真右)試合でプレーする羽田選手
悔いのない競技生活を
中部学院大学男子バスケットボール部 福手 登成 監督
バスケットボールをする環境は変わって
もそれぞれのステージで経験したことは、
これからの人生に大きく影響します。や
りたいことに向かって熱中できることは
素晴らしいことです。今しか体験できな
いことに全力で取り組んで、悔いのない
競技生活を送ってほしいと願っています。
【写真提供】埼玉ブロンコス