職場でのコンパニオンアニマル(犬)の 介在効果について ~気分プロフィール検査による実験的検証~ 帝京科学大学 理工学部 アニマルサイエンス学科 矢島伴美、霜越智子、小川家資 職場に犬を導入している会社 A社(ソフトウェア開発・販売・サポート) オールド・イングリッシュ・シープドッグ B社(携帯電話向け情報サービス) ジャック・ラッセル・テリア C社(ペットフード・グッズの通信販売) チワワ Etc… 1 先行研究の結果 (坂本、小川 2004) 作業効率の面から見ると 単純作業(データ入力作業) ・・・ペット型ロボット 創造作業(住居デザイン作業) ・・・コンパニオンアニマル が向いている 本研究の目的 職場におけるコンパニオンアニマルの介在 が作業者のストレスをどの程度解消できる か 気分プロフィール検査POMS(Profile of Mood States)を用い、犬以外の条件と比 較することにより実験・検証を行う 2 方法 課題 単純データ入力作業 クレペリン検査 パズルゲームによる創造作業 休憩 ペットと遊ぶ ペット型ロボットと遊ぶ 雑誌を読む POMS(Profile of Mood States) 気分を評価する質問紙法 「緊張・不安」、「抑うつ・落ち込み」、 「怒り・敵意」、「活気」、「疲労」、「混乱」 被験者 学生12名(男子6名、女子6名) 参加動物及び使用機器 犬:被験者の伴侶犬 or 被験者が熟知している犬 ペット型ロボット:ソニー製AIBO 3 手順 入室 仕事 休憩(5分) 仕事 休憩(5分) 仕事 (10分) (10分) (10分) POMS測定 分析 被験者(12名)、課題(3水準)、 休憩(3水準)、測定ポイント(7回) ⇒四元配置の分散分析を行った 課題作業で高度に有意な差があったので 各課題作業ごとに分散分析を行った 4 分散分析結果 POMS (活気)の分散分析結果 要因 Subj Task Rest Mpoints Task*Rest Task*Mpoints Rest*Mpoints D.F. M.S. F Value 11 2 2 6 4 12 12 3695.82 117.56 137.8 200.32 90.1 24.63 37.85 202.4 6.44 7.55 10.97 4.93 1.35 2.07 ** ** ** ** ** * ** 危険率 1% * 危険率 5% Subj Task Rest Mpoints :被験者 :課題作業(データ入力、クレペリン、創造作業) :休憩(ペットと遊ぶ、ペット型ロボットと遊ぶ、雑誌を読む) :測定ポイント(7回) 結果(データ入力作業) 42 40 POMS Scores 38 36 ペットと遊ぶ ペット型ロボットと遊ぶ 雑誌を読む 34 休憩 休憩 32 30 28 初め 仕事1回目前 仕事1回目後 仕事2回目前 測定ポイント 仕事2回目後 仕事3回目前 仕事3回目後 休憩と活気の時間経過による変化(データ入力作業) 5 52 50 POMS Scores 48 46 ペットと遊ぶ ペット型ロボットと遊ぶ 雑誌を読む 44 休憩 休憩 42 40 38 初め 仕事1回目前 仕事1回目後 仕事2回目前 測定ポイント 仕事2回目後 仕事3回目前 仕事3回目後 休憩と混乱の時間経過による変化(データ入力作業) 結果(クレペリン検査) 44 42 40 POMS Scores 38 36 ペットと遊ぶ ペット型ロボットと遊ぶ 雑誌を読む 34 休憩 休憩 32 30 28 初め 仕事1回目前 仕事1回目後 仕事2回目前 測定ポイント 仕事2回目後 仕事3回目前 仕事3回目後 休憩と活気の時間経過による変化(クレペリン作業) 6 結果(創造作業) 42 41 40 39 POMS Scores 38 37 ペットと遊ぶ ペット型ロボットと遊ぶ 雑誌を読む 36 34 休憩 休憩 35 33 32 初め 仕事1回目前 仕事1回目後 仕事2回目前 測定ポイント 仕事2回目後 仕事3回目前 仕事3回目後 休憩と活気の時間経過による変化(創造作業) まとめ 単純データ入力作業 活力 でペットが効果あり 思考力 クレペリン検査 活力でペットが効果あり 創造作業 活力でペットが効果あり 思考力 でペット型ロボットが効果あり 疲労感低下 7 これからの展開 作業パフォーマンスとの関係 作業者の生理的な変化 職場にコンパニオンアニマルを導入した 場合の気分調査 参考文献 Asahi Shimbun Weekly AERA:会社で癒す職場ストレス, pp34-37, 2001. 坂本 匠、小川家資:職場におけるペットの介在効果につ いての実験的検証. 動物観研究, No.8, pp.33-40 ,2004. Ogawa , I., & Sakamoto, T., What is the most Beneficial Type of Recreation for Computer Operators?, Proceedings of Human-Computer International 2003, 3, pp.118-122, 2003. 8 ご清聴ありがとうございました 9
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