ワークショップ:①身体表現 「ノンバーバル・コミュニケーションとプロセスドラマ体験」 オーハシヨースケ 氏(身体詩 TAICHI-KIKAKU 代表・パフォーマー/演劇教育 桐朋学園芸術短期大学演劇科講師) 1.目的(講師コメントより) 前半は国際交流を視野に入れ, 「身体詩 TAICHI-KIKAKU の海外活動ビデオ」を交えて,言葉 を超えてコミュニケーションをする身体表現ゲームをしながら, 「言葉や文化を超えて世界の 人々と交流すること」の楽しさを味わってもらいます。後半はイギリスの演劇教育スキルの 主流であるプロセスドラマ(全員参加劇)を全員参加で楽しみながら日本人の苦手な「主体 性・自我確立」を促すドラマ・スキルを体験します。 2.プログラム概要 カラダを気持ちよく動かして,こころとこころを通わせる,カラダ・トークにまず挑戦し ました。 人と人が交わすコミュニケーションの 70 パーセントは,アイコンタクトや表情・ 身振りなど,ボディ・ランゲッジで成り立っています。楽しい身体表現ゲームや,ぶらぶら 体操,ふにゃふにゃ体操,大笑い体操など楽しい体操を使って,カラダ・トークのちからを ステップ・アップしました。カラダ・トークは,グローバル・コミュニケーションの始めの 一歩なのです。 後半は,参加者が全員参加で,プロセスドラマに挑戦しました。日本人は自分の意志や意 見をはっきりと語るのがニガテと言われていますが,イギリスでは自分の意志や意見を述べ 合いながら「自我」を育むドラマ・エデュケーションがとても発展しています。そのイギリ スのドラマ・エデュケーションの中心的なスキル(技術)であるプロセスドラマを楽しみな がら体験し,日本人である私たちに適した協調性のある のびやかな「自我」を育成するド ラマ体験でした。 3.内容 (1)前半①:ウオーミングアップ 「握手からはじめよう」 ① 全員握手 ② 握手ゲーム ③ 握手からコミュニケーション空間へ (さまざまなコミュニケーション空間の体験) ④ コミュニケーション力アップ体操 ・ ぶらぶら体操 ・ふにゃふにゃ体操 ・肩たたき大笑い体操 ・ カーテンコール・レッスン (カラダをほぐし,気をほぐし,想いをほぐす) (2)前半②:カラダトーク力アップ「気は想いをはこぶ」 ① 目のワルツ ② 目力 (目が示す) (目から手が出る) ③ ムーブアンドサウンド(全身使って表現) ・ 自分のイメージを自分の名前で(本名,ニックネーム) ・ マシーン ・ 虫語 ④ (リズムで会話) (ワンムーブ・ワンサウンドを組み合わせ・3 人で宇宙昆虫つくり) オノマトペ語 ・ まずは,配られた会話を翻訳 ・ 自分で会話を作って <ビデオ:世界を巡る身体詩 TAICHI-KIKAKU(田渕英生編集:上映時間 7 分)> (3)後半:あなたはどこ(どの視点)に立つか・「夢を語る・現実を語る」 プロセス・ドラマ「夢と現実(仕事) )」(アレン・オーエンズ作 Allan Owens) プレ・テキスト(進行台本) ① 「夢と現実」ボデイワーク ② 1子供の頃の又は今の夢をグループで模造紙に書く。 夢と現実ボデイワーク<夢見るひとと,起す現実・仕事> (Playback Theatre/Jonathan Fox より) ③ ボデイワークの中から自分の場合を選ぶ,さらに,夢と現実のディベート。 ④ 2 列(夢側・現実側)にならんで自分の立場から,「その場面のハイライト・決定 的な」一言を言い合う。 <プロセスドラマ「大凧上げを夢見る少年」> ① 全員で船形をつくり,出航する。(音楽: 「新世界」より) ② グループごとに船の仕事を作る。(3 ムーブで) ③ 少年 A「大凧作りが夢」寝ている,そのそばで姉が泣いている。 ④ 3 人のボランテアが,姉に理由を尋ねる。姉が耳打ち。3 人はそれぞれ何を聞いた か,仲間に語る。 ⑤ 3 人が A を「現実に目覚める」ように説得する。 ⑥ TASK:二人組みで夢見る A と現実(仕事)を説得する人 B になって対話する。 ⑦ TASK:上記の「夢見る A と,現実を説得する人 B」カラダとボイスで表現する。 ⑧ 少年 A は納得して,仕事に向かうが,食べ物を倉庫から出し,最後の一箱のチョコ も食べながら仕事に向かう。各仕事グループへ行く,仕事をせずに次のところへ向か う。各グループは A についてゆく,最後に大凧のところへ,A はみんなに大凧につい て話す。(A とみんなとの会話場面を作る) ⑨ 怒ったみんなは A を凧につけて飛ばす(新聞棒で縄表現)。A は落ちてしまう。 ⑩ 甲板上から,落ちた A に向かって,全員一言ずつ,何か「今の気持ち」を言う。 ⑪ 少年 A の父登場,父「なんて,可愛そうなことをするんだ」 ⑫ TASK:夢と現実の立場があるなら,どっちを選ぶか,そしてそれはなぜか,全員 に選択させ,理由を述べ合う。 ⑬ それぞれの立場から,夢側と現実側,⑧の最後に時間を戻し,別の現実(場面)を 作ってみる。
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