中土井芳弘 福間亮介 四国こどもとおとなの医療センター 児童精神科(こどもメンタルヘルス科)紹介 山田直輝 1,子どものこころの問題・病気発現に至る心理社会的過程について ストレスがかかっている状態 例:丸いボール(心や体)が へこんでる状態 ストレッサー 影響する因子② 生物的・心理的特性 影響する因子① ストレッサーの特徴 遺伝子、年齢、性別、 能力、経験、性格、 認知パターン、 発達障害特性、 身体的疾患の合併 急に生じるストレス 慢性的に続くストレス ボールが 元に戻れない ボールが 元に戻る 影響する因子③ 援助システムの状況 家族関係 友人関係、学校など こころの問題・病気 の発現 再適応 (問題回避) • 近年、少子化や家族形態の変容、高度の情報化 など、子どもを取り巻く環境が急速に変化してい ます。その中で、子ども虐待、不登校、いじめと いった問題が増加しており、子どものこころの問 題対処への医学的なニーズが急速に高まってい ます。 • 子どものこころの問題・病気発現に至る心理社会 的過程においては、ストレッサーの特徴(①)、子 ども本人が持つ生物的・心理的特性(②)、子ども を支える援助システム(③)の3つが影響している と言われています。 • 対処可能な適度なストレス体験が、子ども自身を 鍛錬する効果がある一方で、対処が困難な過度 なストレスは、こころの問題や病気の発現する要 因となり、よくないものとされています。 Rabin JG, et al. Science 1976 宮本信也, 2009 一部改変 2,発達障害特性について • 発達障害は、脳機能の発達が関係する生まれ つきの障害です。 • 発達障害がある人は、コミュニケーションや対人 関係をつくるのが苦手です。 • 行動や態度は「自分勝手」とか「変わった人」 「困った人」と誤解され、敬遠されることも少なく ありません。 • 発達障害特性を持っていると、学校や仕事など で、つまづきやすく、こころの問題や病気を生じ やすいといわれています。 *広汎性発達障害は、最近は自閉症スペクトラム障害とも呼ばれます 厚生労働省 「発達障害の理解のために」より引用 3,当院児童精神科(メンタルヘルス科)外来について 人 30 25 初診時年齢(H24年4月~10月) 男子 女子 20 15 10 5 0 1才 2才 3才 4才 5才 6才 7才 8才 9才 10才11才12才13才14才15才16才17才18才19才20才 以上 主に発達上の問題 • 当科では、初診時年齢18歳未満を対象に、外来 診察・治療を行っています。 • 幼児期では、主に発達上の問題の評価や言語 訓練(リハビリ)の評価、児童・思春期では、主に こころの問題・病気の評価や治療(薬物療法、心 理療法など)を行っています。 • 現在、初診は2-3ヶ月待ちとなっており、ご迷惑 をおかけしております。 主にこころの問題・病気 • ことばの遅れ • コミュニケーションや行動 の問題 (自閉症スペクトラム障害、 AD/HDなどの発達障害) • 適応障害(不登校)、神経症、 摂食障害、うつ、統合失調症など *不登校やイライラといった行動上の問題や、頭痛 や腹痛といった身体症状として出現することも多い。 *発達上の問題が背景にみられることも多い。 4,そらいろの丘病棟における入院治療について 精神保健福 祉士 マネージメント 医師 治療統括 患者・家族への 心理教育 患者 看護師 家族 身体的・心理的ケア 栄養管理士 NSTチーム 心理士 栄養評価・管理 学校(地元の学校、善通寺養護学校) 心理評価・カウンセリング 子ども女性センター • 行動上の問題や身体的な問題が重篤である場 合、入院治療を考慮します。 • 疾患によって治療は異なりますが、子どもでは、 環境要因が大きいため、多職種連携を図りなが ら、生活を整えていきます。 • 入院治療では家族が疲弊している場合も多く、 患者本人への治療とともに、家族へのケアも重 要となります。
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