FAJ 鉢物レポ-ト ○発行日:平成22年12月15日 ○発 行:(株)フラワーオークションジャパン 企画課 Vol.56 FLOWER AUCTION JAPAN, INC. 品評会特集 平成22年度 今月は11月に開催されたポインセチアとシクラメンの品評会を特集いたします。 オールジャパンポインセチアフェア 11月17日 共催:日本ポインセチア協会 日本ポインセチア大賞 フィッシャー賞 (有)ヨネヤマプランテイション 米山由男賞 (ミニ) (ミックス)大谷哲保 吉岡 麗子 プリンセチア(シリーズ)林 健一郎 グリーン情報 「Garden Center」賞 ベストデザイン賞 ‘エッケスポイント プリメーロジングルベル‘ 市村正義 松井紀潔賞 プリンセチア(リース) ポールエッケジュニア記念賞 ‘レッドフォックス プレミアムアイスクリスタル‘ ‘エッケスポイント オレンジスパイス‘ 中島 有美子 西野 松太郎 吉岡 麗 デューメン賞 日本ポインセチア協会会長賞 ‘レッドフォックス プレミアムレッド‘ 塩原 卓哉 ‘エッケスポイント アイスパンチ‘ 古市利夫 FAJ社長賞 豊明花き株式会社社長賞 ‘エッケスポイント ビジョンオブグランデール‘ 石井康之 ‘ベルフィミラレッド’ オールジャパンポインセチアフェア 審査総評 戸谷 猛 審査委員長 田中耕次 今年の夏、日本列島は記録的な猛暑が続き 占め、入賞は31点中5点あった。プリンセチア アレンジされた物の出展が増えることが予想 乾燥した大地は農作物に多大な被害を与え は高低温に強く、このような異常気象には有 される。 た。ポインセチアも定植期から成長期に当り 利な種と言える。プリンセチアが加わり色の 出展県別では、埼玉47点、茨城28点、愛知26 かなりの影響があった。早目に植えられたも バリエーションが豊富になった反面、1番人気 点、次いで千葉、東京となった。規格別では5 のは、高温を被る期間が長く、ダメージが大 である「緋の赤」の割合が少なくなり、生産を 号90点、4号54点、6号13点、他。品種別では きかったことが伺える。今回の出展は総合的 増やしてもらいたいとの審査員からの要望が プリンセチアに次いで、エッケスポイント・ に見て出来栄えは悪くなく、作出者の小まめ あった。 イチバンが10点、同ジェスターレッド9点、 な温度、湿度管理が行なわれたことを指差し 今回からは新たにベストデザイン賞が作ら レッドフォックス・プレミアムレッド9点、他 ている。中には冠頂部の仕上げは最高である れ、埼玉県、吉岡麗子氏のプリンセチアを 50点。新品種としてはペルフィ・ミラレッド2 が、下葉が少ない物があり、高温障害による リースに仕立てたものが選ばれた。ポインセ 点の出展があった。日本ポインセチアフェア 物と考えられる。出展数182点は昨年比28点 チアは単体で観賞させる他、アレンジの素材 大賞には、千葉県、林健一郎氏作のプリンセ 減で仕上げの遅れや、上述したことで不出来 として他の植物と寄せ植えされることが多 チア11号が選ばれた。3色の異なる花苞を生か による出展辞退が原因していると思われる。 い。今迄は寄せ植えが出展されることが稀で した、寄せ植えで質感と色のバランスの良さ プリンセチアの出展は23点で全体の1割強を あったが、このような賞が出来たことで今後 が評価された。おめでとうございます。 鉢物レポート Vol.55 平成22年度 全国花き品評会 シクラメン部門 農林水産大臣賞 主催:(社)日本花き生産協会 農林水産省生産局長賞 ドイツ連邦協和国駐日 大使賞 (社)日本花き卸売市場協会 会長賞 ‘リップスオレンジ’ シクラメンF1 ‘ハイライトスカーレット’ ‘ハイブリッジレッド’高橋康弘 ‘ヨハン シュトラウス’石川正吾 (社)園芸文化協会会長賞 11月24日 長谷川四郎記念賞 東京園芸市場協同組合理事長賞 山岸正明 谷沢明子 日本園芸商協会会長賞 「農耕と園芸」賞 ‘ドリームオレンジ’ ‘カンパーナピンク’ 吉原一成 ‘リップスオレンジ’ ‘カンパーナ ホワイト’ ミニシクラメン ‘ヘレナスカーレット’ 福田政一 川島浩和 保坂廣男 永岡康夫 豊明花き株式会社社長賞 ミニシクラメン ‘ウィンクパープル’ シクラメンF1 ‘Kカムリ’(シリーズ) 坂本正次 露崎久夫 ミニシクラメン ‘ヘレナ’(シリーズ) ‘ピンクウェーブ’ グリーン情報 「Garden Center」賞 ‘ピアス’ 名取功 中村政光 峯崎正春 「日本農業新聞」賞 新品種大賞 ‘ローゼス’ 金沢美浩 Vol.55 花卉園芸新聞社賞 ■ 今月号は品評会特集により、「園芸店の (株)FAJ社長賞 FAJからのお知らせ 基礎知識」および「花にまつわるちょっと ○年末年始の予定 いい話」をお休みさせていただきます。な ・12月28日(火)止め市(鉢物) お、来月号の「園芸店の基礎知識」では前 ・12月29日(水)止め市(切花)午前6時~ 号に続き、以下のテーマを取り上げる予定 ・12月30日(木)~1月2日(日)休業 です。 ・1月3日(月)洋花市 *花が咲くのに実がならない ・1月4日(火)休業 午前7時~ 1)受粉が上手く行かない。 ・1月5日(水)初市(切花)午前7時~ 2)自家不和合性 ・1月6日(木)初市(鉢物) 3)雄雌異株 午前7時30分~ FLOWER AUCTION JAPAN, INC. 全国花き品評会鉢物部門(シクラメン)審査講評 日本大学 教授 腰岡政二 審査は大学および都県の農業普及機関や試 今回の出品総数は238点で、例年よりも若干少 従来の固定品種(種子系品種)系が少ないよ 験研究機関の技術指導員や研究者など13人か ない数であった。内訳は4号鉢以下仕立が43 うに見受けられた。例年ほどにはパステル系 らなる技術性評価チームと、流通や販売関係 点、4.5~5号鉢仕立が99点、6号鉢仕立が85 花色やフリンジ系花型品種の多さが目立たな 者および園芸研究家など6人からなる商品性 点、7号鉢以上仕立が11点で、例年に比べ6号 かった反面、花色、花型、葉紋、葉色などに 評価チームの審査員に審査長を加えた計20人 鉢以上の大鉢仕立の出品点数の減少が目立っ ついてのバリエーションが少なかったように により行われた。審査基準は、従来通り、樹 た。今年の天候は、初夏までは順調であった 思われた。審査会における近年の傾向とし 勢、花型・花色、花と茎葉とのバランス、病 がその後の猛暑が晩夏にまで及び、花きのみ て、小さめの鉢で大株に仕立てられたものが 害虫などを指標とした技術性の評価に6割、 ならず多くの作物に影響を与えた。 多く出品されていた。鉢の大きさでは出品区 商品性の評価に4割を配し、10点満点を最高 長引く高温の影響からか、花芽分化が大幅に 分の間で優劣をつけがたいものがあり、特別 点とし、審査員の総合計点の上位点を獲得し 遅れた。秋に入り本来の気候に戻ったお陰で 賞の審査に時間を要した。技術性評価では商 たものについて合議による審査を行った。審 漸く花立ちが見られるようになったが、審査 品性を考慮することなしに行うのが常である 査員の入れ替わりは常にあるが、今回は交替 会における出品品種の中にも開花のばらつき が、今回の審査ではいわゆる消費者の視点も が少なく、それぞれの専門性に基づいた評価 や葉の締まりの軟弱なものが見受けられ、出 加味した評価を取り入れている審査員も見受 を行うことでスムーズに審査を進行すること 来の優劣が明確に表れた。昨年と同様に、植 けられ、今後の審査のあり方を考えさせられ ができた。膨大な数の審査を支障なく実施で 物成長調整剤や葉の艶出し処理剤の使用につ た。特別賞や新品種大賞に選ばれた作品はい きたのも、裏方としてご協力を頂いた事務局 いては、流通上では問題にはされていないと ずれも甲乙つけがたく、審査員を悩ませるも の皆様方のお陰であり、この場をお借りして のことで、審査においても特に考慮しなかっ のであったが、このような素晴らしい作品が お礼を述べたい。 た。全体として、メリクロン系苗が多く、 広く普及していくことに期待したい。 審査員特別賞 ‘ピュアホワイト‘ 谷沢明子 ‘ピンクウィズ レッドアイ’ 石川正吾 ‘プリマドンナパープル‘ 高橋康弘 ‘フリンジホワイト’ 石川正吾 ミニシクラメン ‘フルフルローズ’ 保坂廣男 「この花がスキッ大賞」 ~11月のランキング結果~ ワールドフラワーサービスが提供する「この花大賞」は、ガーデニング愛好家、園芸家の方々 に、毎月1回、パソコン又は携帯電話から人気の花鉢を投票で選出してもらう賞です。消費者 が育てた経験などをもとに、「美しさ」「花保ち」「育てやすさ」「ボリューム」「コストパ フォーマンス」を目安に、一番おすすめの花鉢に投票していただきます。大賞と部門別賞を決 定いたします。こちらでは総合ランキング結果を掲載します。 ■1位:プリンセチア (ホットピンク) サントリーフラワーズ 【この花指数】4.78 ポイント 美しさ 5.0 育てやすさ 4.8 コストパフォーマンス 4.6 花保ち 4.8 ボリューム 4.7 プリンセスをイメージさせる可愛らしいピン ク色の葉のポインセチア。光輝くピンク色は上 品でモダンなイメージ。濃いピンクの品種 「ホットピンク」は2009年~2010年、ジャパン フラワーセレクションにおいてベスト・フラ ワー優秀賞を受賞しています。 ※ この花指数とは「美しさ」・「花保ち」・ 「育てやすさ」・「ボリューム」・「コスト パフォーマンス」、それぞれ各項目5点満点 を平均化した指数です。 ■2位:ムーランフリル ルージュ (有)石井フラワーガーデン ■3位:花ざかりビオラ 【この花指数】4.68 ポイント 【この花指数】4.52 ポイント サントリーフラワーズ 美しさ 4.8 花保ち 4.6 育てやすさ 4.6 ボリューム 5.0 コストパフォーマンス 4.4 美しさ 4.3 育てやすさ 4.6 コストパフォーマンス 4.2 イタリアナポリの貴族が作ったという大変珍 しいパンジー!ひとつの株から何通りもの花 色を楽しめます。切花用に改良された品種なの で、花瓶に活けて飾っても素敵です。寒さには 大変強く、5月上旬頃まで戸外で花が楽しめま す。 圧倒的な花数と株張りが魅力のビオラです。満 開力にこだわって開発された品種で、満開時の 開花数は120輪を満たします。次々と株いっぱ いに花を咲かせ、大きなドーム型の花姿に!秋 に植え込んで年内に開花を楽しめる早生タイ プで、春先まで開花を楽しめます。 お問い合わせ この花大賞事務局 (有)ワールドフラワーサービス 花保ち 4.6 ボリューム 4.9 ホームページ http://www.kono87.jp 投票はこちらから→ FAJ 鉢物レポート 生産者紹介 今月はオールジャパンポインセチアフェアにて大賞を受賞された千葉県旭市の旭園芸さんと全国花き品評会鉢物部門シクラ メンで農林水産大臣賞を受賞した茨城県筑西市の石川園芸さんを特集いたします。 旭園芸 林健一郎さん 石川園芸 石川正吾 さん グズマニア MIX クレマチス農場風景 ■ 大賞を受賞して... ■ 大賞を受賞して... 思いもよらない立派な賞をいただいて、大変光栄に思っています。この 身に余る大賞をいただきありがとうございます。毎年良い花が育つよう 賞を励みに更に品質の向上を目指していきたいと思っております。 努力します。 よろしくお願いいたします。 ■ 生産のきっかけ ■ 生産のきっかけ 10年ぐらい前、家業を継ぎました。主作物の品質向上を目標にがんばっ 昭和57年観葉植物の魅力にひかれ、マスクメロン100坪の温室にて、見よ ていましたが、毎年毎作の販売価格下落に不満を感じて、需要が多いシ う見まねでスパティフィラム等の生産を始めました。その後中古のビニ クラメンに強く魅力を抱き、先輩方のご指導のもと育て始めたのがきっ ルハウスを借り受け、現在ガラス温室900坪、ビニルハウス1800坪でグズ かけです。 マニア・ポインセチア・ハイビスカス・カラー等を12名で生産しています。 ■ おすすめ品種 ■ おすすめ品種 春と母の日の商品、ベゴニア(3.5、4、4.5、6号、カゴ各種) クレマ グズマニアMix植え(6~10号)を輸入苗を長い期間(2年半)かけて チス(5、6号)大輪ガーベラ(6、7号)などいろいろ、ボリューム満 栽培しています。「いつまでも健康で幸せに」の花言葉通り、乾燥や 点のマッスルプランツです。 寒さにも強く(6℃以上で)3~4ヶ月お部屋を美しく装います。 ■ 生産のモットー ■ 生産のモットー あたり前の事をあたり前に毎日やるのがあたり前、良く作ってあたり 植物は個性派揃いです。良さを引き出すことが私の仕事です。常に自分 前。安くてもあたり前。高くてもあたり前。 は「植物に生かされている」という思いで接しています。 ■ ひとこと ■ ひとこと 私たち家族が、みんな元気で花屋を続けられるように、私たちが育てた 朝、温室内を見て廻ることが楽しみです。 花を使ってください。お願いいたします。 なかなかこちらの思い通りに行きませんが一方的に話しかけています。 ジャパンフラワーセレクションからキャンペーンのお知らせ ~本物のバレンタインはじめよう~ 「フラワーバレンタイン」の参加者募集について 低迷する花き需要を喚起するため、バレンタインデーでの新たな花の需要を喚起する業界統一キャンペー ン「フラワーバレンタイン」をはじめます。これは、所属する組織等を越えて、「本物のバレンタインはじ めよう」というキャッチフレーズのもと業界が一丸となり、統一のポスター、統一の商品タグ等を用いて販 売促進を横断的に行い、メディア等を活用した共通プロモーションを実施するものです。 参加ご希望の方は1口、1万円で、参加キットを配布します。小売店、生産者、流通業者、その他関係者 のどなたでも参加できます。皆様1社、1社の参加が大きな力となります。そして、5年後、10年後には バレンタインデーが大きな消費の山となるよう、一丸となって継続していきましょう。 ■ 詳細は以下の業界関係者向けサイトへ 業界関係者向けサイト:www.jfpc.or.jp/valentine/ 一般向け専用サイト: www.flower-valentine.com (一般向けサイトは12月中下旬本格稼働予定) http://www.faj.co.jp
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