欧州以外への影響は軽微

＊グローバル投資環境
No.1403＊
ご参考資料
髙木証券投資情報部
「Brexit」受けて下方修正だが、幅
ＩＭＦの世界経済見通し～は小幅。欧州以外への影響は軽微
2016年7月20日作成
IMFは19日、「世界経済見通し」を発表した。リリースの冒頭でIMFは、「英国の国民投票
までは、経済指標と金融市場の変化は、世界経済は2016年4月の「世界経済見通し」に概ね沿う
形で推移しており、ほとんどの先進国の経済は引き続き冴えないが、新興市場及び発展途上経
済の見通しはなおまだら模様ながら、とりわけブラジルやロシアなど少数の規模の大きいマー
ケットにおけるいくぶんの改善は、 2017年のグローバル成長が、4月の見通しに比較して控え目
に引き上げられることを示唆していた」と指摘している。 IMFはその上で、「グローバル金融
市場を驚かせた英国民投票の着地は、世界経済に対するダウンサイドリスクの具体化を意味し
ており、その結果、 2016年初めの予想を上回るパフォーマンスにもかかわらず、 2016年から
2017年にかけてのグローバル見通しは悪化した」として、 2016年の成長見通しは2015年の推定
値と同じ3.1 ％、 2017年を3.4％と予想、4月時点からともに0.1ポイントずつ下方修正（ 2017年
についてはBrexit以前には0.1ポイントの上方修正を想定していたとのこと）した。
IMFは、「 Brexitに関連した見直しは先進欧州経済に集中している」と述べており、英国の見
通しは、 2016年が0.2ポイント、2017年が0.9ポイントの下方修正となり、ユーロ圏については、
2016年を0.1ポイント引き上げる一方、 2017年を0.2ポイント下方修正している。 IMFは一方で、
「米国や中国を含むその他の地域では、衝撃は相対的に弱い」ことを認めている。ちなみに、
米国の2016年の成長見通しは4月時点から0.2ポイント引き下げられているが、この見直しは6月
22日（つまり英国の国民投票前）に発表済みであるほか、中国の2016年の成長見通しを4月時点
から0.1ポイント引き上げたのは、 15日に発表された第2四半期のGDPを踏まえたと思われる。
グローバル金融市場では、英国民投票の直後に瞬間的にボラティリティーが高まった後、英
国のEU離脱が世界経済に与える影響は限られるとの見方から、比較的短期間で落ち着きを取り
戻したが、今回のIMFの見通しは、こうした市場の動きに合致するものだといえよう。
（文責：勇崎聡）
◆ IMF の世界経済見通し（ 2 0 1 6 年 7 月 1 9 日発表）
世界
先進国
米国
ユーロ圏
ドイツ
フランス
イタリア
スペイン
日本
英国
カナダ
その他先進国
新興国
ロシア
新興ｱｼﾞｱ
中国
インド
ASEAN5
ﾗﾃﾝｱﾒﾘｶ
ブラジル
メキシコ
ｻｳｼﾞｱﾗﾋﾞｱ
南アフリカ
2015年
実績
3. 1
1.9
2.4
1.7
1.5
1.3
0.8
3.2
0.5
2.2
1.1
2.0
4.0
-3.7
6.6
6.9
7.6
4.8
0.0
-3.8
2.5
3.5
1.3
今回予想
2016年
2017年
3. 1
3. 4
1.8
1.8
2.2
2.5
1.6
1.4
1.6
1.2
1.5
1.2
0.9
1.0
2.6
2.1
0.3
0.1
1.7
1.3
1.4
2.1
2.0
2.3
4.1
4.6
-1.2
1.5
6.4
6.3
6.6
6.2
7.4
7.4
4.8
5.1
-0.4
1.6
-3.3
0.5
2.5
2.6
1.2
2.0
0.1
1.0
4月予想比
2016年
2017年
-0. 1
-0. 1
-0.1
-0.2
-0.2
0.0
0.1
-0.2
0.1
-0.4
0.4
-0.1
-0.1
-0.1
0.0
-0.2
-0.2
0.2
-0.2
-0.9
-0.1
0.2
-0.1
-0.1
0.0
0.0
0.6
0.2
0.0
0.0
0.1
0.0
-0.1
-0.1
0.0
0.0
0.1
0.1
0.5
0.5
0.1
0.0
0.0
0.1
-0.5
-0.2
（IMFより髙木証券作成）
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