*グローバル投資環境 No.1415 * ご参考資料 髙木証券投資情報部 メキシコの第2四半期GDP~3年ぶりの前期比マイナス成長 2016年8月1日作成 *7月29日にメキシコ統計局が発表した第2四半期GDPの速報 値は前期比0.3%減となり、前期比0.8%増という高い伸びを記 録した第1四半期から一転、2013年第2四半期以来、12四半 期(3年)ぶりのマイナス成長にとどまった。また、第2四半期の成 長率は前年同期比では2.4%増となり、第1四半期の2.6%増か ら小幅に減速した。なお、確報値は8月22日に発表される予定 である。 2Q ▲0.3% 前期比↑ ▲▼GDP成長率(%) ↓前年同期比 2Q +2.4% *前期比の成長率を産業別でみると、第1次産業が0.1%、第2 次産業が1.7%それぞれ減少、第2次産業の落ち込みは、メキシ コにとって最大の輸出先である米国の経済が足下で多少もたつ いていることによる悪影響が考えられるほか、これまで比較的好 ▼政策金利及びインフレ率(%) 調だった第3次産業も横這いにとどまった。 *メキシコの中央銀行は去る6月30日に開催した金融政策会合 政策金利 4.25%↓ において政策金利を3.75%から4.25%に引き上げた。最近のメ キシコ中銀の金融政策にとっては通貨ペソの安定が第一義であ り、景気への配慮は二の次のようにみえる。そして、通貨の下落 要因として中銀が強く警戒しているのが米国の利上げであり、政 消費者 6月 策会合後に公表される声明文でも、政策運営上最も注意する 物価→ 2.54% 点として「メキシコと米国の金融政策の相対的なポジション」を一 貫して挙げているが、実際には昨年12月17日の金融政策会合 ▼メキシコペソ/米ドルとWTI先物 での25ベーシスの利上げこそ、その直前のFOMCにおける25 ↓WTI先物(ドル/バレル、左軸) ベーシスの利上げに追随したものだが、2月17日の臨時政策会 合及び前述した6月の会合における各50ベーシスの利上げは、 米国が追加利上げを見送り続ける中での利上げとなっている。 *メキシコの通貨ペソには原油価格の影響を受ける傾向がある。 原油価格は足下では再び調整含みとなっているが、6月上旬ま ペソ/米ドル(右軸)↑ での原油の反発局面におけるペソの上昇は、他の産油国の通貨 に比べると物足りない感があったがその背景には、前述した中銀 の大幅利上げが、第3次産業のもたつきに象徴される内需の鈍 ▼株価 (メキシコボルサ指数) 化をもたらしている可能性に対する投資家の懸念があるのでは ないかと髙木証券では考えている。また、メキシコの株式市場の 値動きを示す代表的な指標であるボルサ指数は、2014年9月 の過去最高値を先月更新したが、内需の鈍化が株式市場に対 してネガティブな影響を与える可能性にも注意を払っておく必要 があるだろう。 *メキシコ中銀の次回の政策会合は今月11日の開催が予定さ れている。 (文責:勇崎 聡) 1/1 (メキシコ中央銀行・統計局、Bloombergデータより髙木証券作成) 《ご注意いただきたいこと》当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願い いたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありませ ん。株式、債券、投資信託等は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。また、当資料の いかなる部分も一切の権利は髙木証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転 送等を行わないようお願いいたします。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号 【広告審査済】 加入協会:日本証券業協会 髙木証券インターネットホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/
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