理容師実技試験審査マニュアル

理容師実技試験審査マニュアル
理容師実技試験部会
審査マニュアルの考え方について
第1
1
審査の基本的な考え方
採点方式
理容の基礎的技術であるカッティング、シェービング及び顔面処置、整髪の各技術
について、受験者の習熟度を作品の仕上がり状態で判定します。
具体的には、作業を行う前に使用する用具類等の品目、数量及び規格適合状況を審
査し、作業終了後には作品の完成度を観察し、基礎的技術の評価基準に応じてその良
否を「○」又は「×」で評価します。
2
判定基準
審査をする上で最も重要なことは、受験者が基礎的技術をいかに身に付け習熟して
いるかを、作品の完成度から見極めることです。
養成課程修了者として備えるべき理容の基礎的技術が十分に習熟されている場合
は、マークシ-トの○の欄に、達していない場合はマークシートの×の欄にそれぞれ
マークすることとします。
第2
審査マニュアル
審査事項ごとの、審査のポイント及び×の対象は次のとおりです。
-1-
第1部
審査番号1
条
準備時間前の審査
モデルウイッグ規格適合状況
件
○
理容師実技試験用標準仕様適合シールが貼付されているもの。
【審査のポイント】
☆
標準仕様適合シール貼付の有無を確認する。
【×の対象】
●
標準仕様適合シールが貼られていない。
審査番号2
条
モデルウイッグに対する禁止事項の有無
件
○
フロント、トップ及びクラウンの毛髪の調節後の長さが10㎝以上であること。
○
ネックライン及びネープの毛髪の調節後の長さが2.5㎝以上であること。
○
ネックシェービング部及び顔面部の毛髪の調節後の長さが2㎜以上であること。
○
作業の目安となるもしくはそのおそれのある植毛、脱毛、染毛、毛髪の切断又は
マーキング等による一切の加工もしくは処理がされていないもの。
○
毛髪は、許容範囲以内での長さの調整以外の梳き刈等による毛量調整、水もしく
は化粧品の塗布、薬液処理又はアイロン技術等の事前処理を行っていないこと。
【審査のポイント】
☆
モデルウイッグの事前処理の状態及び禁止事項の有無を審査する。
【×の対象】
次のいずれかに該当している場合
●
カッティング部位の切りしろが2㎝未満である。
●
シェービング部位の毛髪の長さが2㎜未満である。
●
梳き刈等による毛量調節をしている。
●
作業の目安となる又はそのおそれのあるマーキングをしている。
●
毛髪に水又は化粧品等が塗布されている。
-2-
第2部
審査番号3
条
前半の準備時間中の審査
カッティング技術用用具類の有無及び規格
件
○
カッティング技術に使用する全ての用具類を準備時間中に机上に出すこと。
○
用具類で数量又は規格が定められているものについては、その条件を満たしてい
ること。
【 審査のポイント】
☆
カッティング技術で使用する全ての用具類(衛生用具類を除く)の
品目、数量及び規格適合状況を審査する。
【×の対象】
次のいずれかに該当している場合
●
カッティング技術で使用する用具類の品目又は数量に不足がある。
●
カッティング技術で使用する用具類の規格に適合しない用具類が机上に
出ている。
●
カッティング技術で使用する用具類として定められていない用具類が机
上に出ている。
-3-
第3部
審査番号4
条
後半の準備時間中の審査
シェービング・顔面処置及び整髪用用具類の有無及び規格
件
○
シェービング・顔面処置及び整髪技術に使用する全ての用具類を、準備時間中に
机上に出すこと。
○
用具類で数量又は規格が定められているものについては、その条件を満たしてい
ること。
【 審査のポイント】
☆
シェービング・顔面処置及び整髪技術で使用する用具類(衛生用具
類を除く)の品目、数量及び規格適合状況を審査する。
【×の対象】
次のいずれかに該当する場合
●
シェービング・顔面処置及び整髪技術に使用する用具類の品目又は数量
に不足がある。
●
シェービング・顔面処置及び整髪技術に使用する用具類の規格に適合し
ない用具類が机上に出ている。
●
シェービング・顔面処置及び整髪技術に使用する用具類として定められ
ていない用具類が机上に出ている。
-4-
第4部
審査番号5
条
カッティング技術の審査
クリッパーワーク
件
○
クリッパーワークによる毛髪の長さは2㎜とすること。
○
クリッパーラインは後頸髪際から1㎝以上の位置とすること。
【審査のポイント】
☆
【×の対象】
次のいずれかに該当している場合
審査番号6
条
クリッパーラインの状態を審査する。
●
後頸髪際からクリッパーラインまでの範囲に2㎜を超える部分がある。
●
クリッパーラインが後頸髪際から1㎝未満の範囲にある。
面の形状
件
○
クリッパーラインは線として残らないようにぼかすこと。
○
接合部の位置はミディアムヘアの範囲とし、形状は左右対称の曲線で段にならな
いように処理すること。
○
面を形成する髪際部、短髪部及び長髪部は、凹凸や段が残らないように処理する
こと。
【審査のポイント】
☆
髪際部、短髪部及び長髪部の面の仕上り状態を審査する。
【×の対象】
次のいずれかに該当している場合
●
クリッパーラインが線として明瞭に残っている。
●
短髪部に著しい凹凸がある。
●
接合部の形状が左右で著しく異なる。
●
接合部がつながっていない。
-5-
審査番号7
条
もみあげ及び髪際部の処理
件
○
もみあげは、目尻からの水平線と耳の中心をとおる水平線の範囲内で左右対称と
なるよう水平にカットすること。
○
ネックラインは固定刈と連続刈で整えること。
【審査のポイント】
☆
もみあげ及び髪際部の仕上がり状態を審査する。
【×の対象】
次のいずれかに該当している場合
●
もみあげの位置が明らかに範囲を超えている。
●
もみあげが水平でなく、位置が左右で著しく異なっている。
●
髪際部(もみあげを含む)の処理がされていない。
【もみあげの範囲図解】
(注)
はもみあげの範囲
-6-
第5部
審査番号8
条
シェービング及び整髪技術の審査
シェービングの仕上がり状況
件
○
ネックシェービング、フェイスシェービング及び顔面処置を行うこと。
○
シェービングは1回剃り(ワンシェービング)とすること。
○
逆剃りは行わないこと。
○
前額部及び後頸部のシェービングは行わないこと。
【審査のポイント】
☆
【×の対象】
次のいずれかに該当している場合
審査番号9
条
剃り残し及び切り傷の有無を審査する。
●
剃り残しがある。
●
切り傷がある。
整髪の状態及び顔面の拭き取り状況
件
○
スタイルは左サイドに7:3の分髪線のあるミディアムスタイルとする。
○
固形ヘアワックスを使用し、ソフトに仕上げること。
○
作業終了後は、顔面及び頸部に付着した毛髪を拭き取ること。
【 審査のポイント】
☆
整髪の状態、整髪料の使用の有無及びモデルウイッグ顔面への毛髪
付着の有無を審査する。
【×の対象】
次のいずれかに該当している場合
●
分髪の位置又は形状が不適切である。
●
整髪が著しく乱れている又は前髪が落ちている。
●
顔面又は頸部に毛髪が著しく付着している。
-7-