第7回スライド

行政学(第7回)・講義資料
行政学・第7回
前回の復習(インクリメンタリズム)
ゼロから政策を立案するのではなく、現状を基
に修正を加えた案から始まる。
考慮される案は可能性のある選択肢全てでは
なく2∼3程度で、この範囲から最善のものを
選択する。
問題を一挙に解決するのではなく、徐々に解
決していこうとする。
行政組織の基礎理論
(第6章)
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今回のポイント
前回の復習(政策過程のモデル)
合理モデル
„
完全情報と無限の認識能力を前提
満足(充足モデル)
„
人間の持つ合理性は限定された合理性
ゴミ缶モデル
„
„
2
参加者の「選好」、「知識や情報」、「政策決定の参
加」は不確か
不確実性の度合いが高いほど政策決定は偶然性
に左右される。
マックス・ウェーバーは官僚制をどう評
価したか。
官僚制の逆機能としてどのようなこと
が指摘されているか。
上記の議論に影響を受け、また影響を
与えたアメリカ行政学での組織論を理
解する。
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官僚制の概念の特徴
官僚制の概念
特定の組織構造を持つ組織を指す用法。
組織の特定の病理現象(すなわち官僚主義)
として批判されることの多い行動様式を指す用
法。
近代以降の国家に特徴的な政府の行政組織
(=行政官僚制)を指す用法。
通常、官僚制支配または官僚政治として論難
されている政治支配の形態を指す用法。
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政府の行政組織以外の組織でも官
僚制の概念を適用することがある。
非難の意味を含む場合とそうでない
場合がある。
→「官僚制」の用法はなぜ多義的なの
か?
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1
行政学(第7回)・講義資料
マックス・ウェーバー(1864-1920)
「呪いのことば」としての官僚制
官僚および官僚制ということば
„
18世紀末に生まれ、19世紀前半に定着。
19世紀までは、もっぱら批判的な意味
20世紀に入ると、ウェーバーらが官僚制
の普遍性、合理性を主張
→官僚制の概念が多義化
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家産官僚制と近代官僚制
官僚制の特質(1)
家産官僚制(∼中世)
„
主君と主従関係があり、封建的な身分制に
基づく。 (身分は不自由)
近代官僚制(近代∼)
„
8
自由意思に基づく契約(身分は自由)
→人材の任用方法が大きく異なる
規則による規律
明確な権限
明確なヒエラルヒー構造
公私分離
官職専有排除
文書主義
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官僚制の特質(2)
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ウェーバーの考える官僚制
任命制
契約制
資格任用制
貨幣定額俸給制
専業制
規律ある昇任制
官僚制には行動についての予測可能性
と非人格性が備わっている。
それゆえ統一性と安定性があり
純粋技術的に卓越したある意味合理的
な性格(形式的合理性)を備えていると評
価。
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行政学(第7回)・講義資料
官僚制に対する批判
官僚制の逆機能
官僚制の永続性
官僚制の権力的地位
官僚制の秘密主義的側面
→肯定的な面だけでなく、否定的な面につ
いても言及している。
マートンによる批判
「訓練された無能力」
「目的の転移」
„ 例:繁文縟礼(はんぶんじょくれい)
セルズニックによる批判
セクショナリズム
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科学的管理法
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古典的組織論
POSDCoRB
ギューリックが提唱。
最高管理者の役割を表した造語。
テイラーシステム
動作時間研究を通した作業の標準化
作業の統制
作業の協同化
„
Planning(企画) Organizing(組織) Staffing(人事)
Directing(指揮命令) Coordinating(調整)
Reporting(報告) Budgeting(予算)
機能的職長制度を批判し、命令系統の
一元化を主張。
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現代組織論
人間関係論
メイヨーらによるホーソン工場の実験
インフォーマルな人間関係や組織こそ
現場の作業能率に大きな影響を与え
る。
労働者を個人のみとして扱うのは間違
い。集団の一員でもある。
1930年代頃から、
組織の管理方法だけではなく、組織内の
意思決定や組織それ自体を対象に
バーナード、サイモンらが代表的
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行政学(第7回)・講義資料
権威受容説(バーナード)
組織均衡論 (バーナード)
地位の権威
„
組織
部下は無関心域内なので受容
機能の権威
„
組織に参加
組織に貢献
部下は上司の指導力を認め受容
均衡
=
誘因を提供
権限
„
個人
上司の持つ合法的な権限によって受容
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意思決定論(サイモン)
これまでの行政学は「ことわざ」
サイモンの理論的特徴
論理実証主義
„ 意思決定を鍵とみる、
„ 公私組織の一元化
„ 限定合理性
„
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