スクウェア・エニックス・ホールディングス ( 9684 )

岡三レーティング情報
企業調査部
スクウェア・エニックス・ホールディングス
<アナリストの視点>
レーティング
強気
(前回:中立)
目標株価
2,000円
( 9684 )
(前回: − 円)
 14/3 期連結営業利益は 105 億円と営業黒字化を達成。15/3
期連結営業利益は 115 億円(9%増)と会社計画の上限レン
ジを上回ると予想する。
 スマートデバイスや PC 向けのタイトルで世界展開が加速す
る可能性があり、これらが連結営業利益のけん引役になる可
能性が高い。
<目標株価算定根拠>
株
価
52 週高値
52 週安値
T O P I X
1,423 円 (14/05/12)
3,050 円 (14/01/28)
1,079 円 (13/06/14)
1,157
P E R
22.2 倍 (15/3予)
P B R
R O E
発行日
 15/3 期以降はアジアを中心とする海外展開で利益成長へ
14.3 倍 (16/3予)
14/3 期連結営業利益は 105 億円となり、営業黒字化を達成。岡三
10.3 倍 (17/3予)
証券では、15/3 期連結業績について、「ファイナルファンタジー
XIV:新生エオルゼア」(以下、新生「FF XIV」)の通期フル寄与や
中国やアジア向けオンラインゲームの成功・拡大が見込まれること
から、売上高 1,480 億円(5%減)、営業利益 115 億円(9%増)を
予想。営業利益は会社計画の上限レンジを上回ると予想する。
1.3 倍 (14/3)
5.8 % (15/3予)
時価総額
発行済株式数
15/3 期以降はアジアを中心とする海外展開で利益成長する局面を
予想する。このため、株価バリュエーションの点では、成長性のプ
レミアムを付与することが妥当と考え、16/3 期予想 PER20 倍程度
の 2,000 円を目標株価とし、レーティングは「強気」に引き上げる。
1,640 億円
115,268 千株
2014年5月13日
森田 正司
担当セクター:
レジャー・アミューズメント・
その他サービス、放送・広告
中期的にも、日本や欧米で開発したスマートフォン、PC 向けタイ
トルがアジアでさらに利益を獲得することで利益成長力が高まる
と予想する。日本では、すでに確立された「ドラゴンクエスト」や
「ファイナルファンタジー」等の大型 IP、欧米でも「TOMB RAIDER」
や「HITMAN」等のタイトルの安定した顧客基盤を維持すると予想さ
れる。世界的展開の加速で利益成長が実現されれば、過去最高の連
結営業利益を更新する可能性もあろう。この点は株価バリュエーシ
ョンの面で成長性のプレミアムを付与するに値するだろう。
<連結業績>
決算期
13/3
14/3
15/3(予)
会 社
岡三前回
岡三今回
16/3(予) 岡三前回
岡三今回
17/3(予) 岡三前回
岡三今回
(単位:百万円、円)
売上高
147,981
155,023
145,000
150,000
148,000
179,000
156,000
営業利益
-6,081
10,543
7,500
17,500
11,500
21,500
18,000
経常利益
-4,378
12,534
7,500
17,500
11,500
21,500
18,000
当期利益
-13,714
6,598
5,000
10,500
7,400
13,000
11,500
EPS
-119.2
57.3
43.4
91.1
64.2
112.8
99.8
160,500
25,000
25,000
16,000
138.8
配
当
30.0
30.0
30.0
30.0
30.0
30.0
30.0
30.0
15/3 期会社計画はレンジ形式の開示のため、その中央値を記載。
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巻末に記載した重要な注意事項と併せご参照下さい。
1−5
岡三レーティング情報
コード:9684
 14/3 期は連結営業黒字化
14/3 期連結業績は売上高 1,550 億円(5%増)、営業損益は 105
億円の利益(13/3 期は 61 億円の損失)。MMO や HD ゲームの収益改
善が貢献したデジタルエンタテインメント事業が連結営業黒字化に
貢献した。たな卸資産評価損は 53 億円(同 71 億円)。なお、14/3 期
第 4 四半期(4Q)のみの連結営業利益は 27 億円(前年同期は 12 億
円の損失)。14/3 期末コンテンツ制作勘定は 206 億円(13/3 期末は
158 億円)。
 15/3 期は会社計画を上回る連結
営業増益へ
15/3 期連結業績の会社計画では、売上高 1,400 億円∼1,500 億円、
営業利益は 50∼100 億円の予想レンジとなっている。15/3 期 2Q 累計
連結業績の会社計画は売上高 630∼690 億円、営業損益は 20 億円の
損失∼20 億円の利益の予想レンジ。リスク要因としては、国内外の
オンラインの運営系のタイトルの不振を挙げている。特に、中国や
欧米でのオンラインゲームについては、アップサイドとダウンサイ
ドを想定しているもよう。
岡三証券では、新生「FF XIV」の通期フル寄与や中国やアジア向
けオンラインゲームが成功・拡大すると予想、15/3 期連結業績につ
いて、売上高 1,480 億円(5%減)、営業利益 115 億円(9%増)を
予想する。岡三証券の予想においては、たな卸資産評価損が計上さ
れるリスクを織り込んでいる。なお、15/3 期 1Q については、新生「FF
XIV」の寄与と「パズル&ドラゴンズ」の業務用機器「パズドラ バ
トルトーナメント-ラズール王国とマドロミドラゴン-」の発売で連
結営業利益は 15 億円(前年同期は 7 億円)を予想する。
セグメント別業績推移とゲームソフトの数量推移
(出所:会社資料、ヒアリング、15/3期以降は予想、単位:億円、万本)
12/3期
13/3期
14/3期
15/3期
15/3期
会社
岡三
売上高
1,279
1,480
1,550
1,450
1,480
895
946
890
904
デジタルエンタテインメント
719
443
470
440
440
アミューズメント
419
出版
113
111
102
90
110
ライツ・プロパティ等
28
33
38
30
30
消去又は全社
-0
-1
-5
-0
-4
営業利益
107
-61
105
75
115
0
107
97
140
デジタルエンタテインメント
126
-4
45
45
40
アミューズメント
26
出版
26
25
23
12
15
ライツ・プロパティ等
7
7
11
6
5
調整額/消去又は全社
-78
-89
-81
-85
-85
販売本数
1,766
1,900
1,723
1,200
1,260
日本
558
574
460
340
350
北米
674
609
820
380
400
欧州
511
691
408
480
500
アジア他
23
26
34
10
デジタルエンタテイメント内訳
スマートデバイス・PCブラウザゲーム等
160
227
272
330
MMO
67
111
200
196
HDゲーム
490
556
473
378
*端数処理の関係で合計が一致しない場合がある。
*15/3期会社計画はレンジの中央値の数値。
16/3期
岡三
1,560
1,024
400
110
30
-4
180
209
36
15
5
-85
1,410
400
500
500
10
17/3期
岡三
1,605
1,092
380
110
30
-7
250
284
31
15
5
-85
1,510
600
500
400
10
330
271
423
330
309
453
OKASAN SECURITIES
巻末に記載した重要な注意事項と併せご参照下さい。
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岡三レーティング情報
コード:9684
 スマートデバイス・PC 向けタイ
トルの拡充
14/3 期においては、「ドラゴンクエストモンスターズ スーパー
ライト」がサービス開始され、500 万ダウンロードを突破。今後は
「FINAL FANTSY AGITO」を近日配信予定、「拡散性ミリオンアーサ
ー」の正統進化タイトル「乖離性ミリオンアーサー」を 2014 年年内
にサービス開始予定。PC 向けにおいては「NOSGOTH」を世界中にサー
ビス開始予定で、現在はクローズドβテスト中。
開発体制を主力 IP はゲーム専用機向けに開発を強化する一方で、
スマートデバイスや PC オンライン向けタイトルを拡充しており、今
後はサービス開始されるタイトル数が増加すると予想される。
 中国・アジア向け等の海外展開
中国においては、新生「FF XIV」を Shanda Games グループが今夏
に展開予定であり、当社にはライセンスの収入が計上されると予想
される。また、Tencent 社と「赤壁乱舞(中国版三国志乱舞)」を中
国で、NHN Entertainment 社とは「ミリオンアーサーサーガ」をタイ、
インドネシア、ベトナムで開始予定。さらに、Shanda Games グルー
プとは「ミリオン演義」を韓国や台湾等で開始した。今後は、「ド
ラゴンクエストⅩ」等の他のタイトルも中国で展開される可能性が
高い。
岡三証券では、日本や欧米で開発されたスマートデバイス・PC 向
けタイトルがアジア展開でもされることで、ヒットした場合の利益
成長のポテンシャルが高まると予想する。
中国のオンラインゲーム市場規模の推移
(億元)
2,500
PCクライアント
PCブラウザ
フィーチャーフォン
スマートフォン
2,000
1,500
1,000
500
0
2011
2012
2013
(出所:各種資料、予想・作成:岡三証券)
 転換社債型新株予約権付社債の
存在
2014予
2015予
2016予
2017予
(年)
14/3 期末において、転換社債型新株予約権付社債の残高は 350 億
円。償還日は 2015 年 2 月 4 日。転換価格は 2,500 円。130%コール
オプション条項による繰上償還、クリーンアップ条項による繰上償
還等の条件が付与されている。
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巻末に記載した重要な注意事項と併せご参照下さい。
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岡三レーティング情報
コード:9684
レーティングの基準など
強
中
弱
気:今後6ヵ月以内の目標株価が現在の株価を10%以上上回ると判断される銘柄
立:今後6ヵ月以内の目標株価と現在の株価の差が±10%未満と判断される銘柄
気:今後6ヵ月以内の目標株価が現在の株価を10%以上下回ると判断される銘柄
目標株価の定義と未達成リスクについて
目標株価は、アナリストによる当該企業の業績予想を基に、マルチプル法やDCF法等の岡三証券企業調査
部が妥当と考える方法により算出したもので、対象期間は 6 ヵ月以内です。目標株価達成を阻むリスク要因
としては、当該企業の主要市場における競合状況(企業買収・訴訟なども含む)、製品・商品・サービス需
要の変動、原材料及び燃料価格の変動のほか、当該企業を取り巻く経済状況、為替相場の変動、国内外の金
融・不動産市場の状況、各種規制変更、事故・災害(人災含む)、社会的責任などが考えられます。なお、
これらの要因以外にも、現時点で予想できないリスクが将来的に発生し、その結果として目標株価達成が妨
げられるおそれがあります。
本資料における個別銘柄に関する注記事項
・個別銘柄のレーティングについては、執筆アナリストの変更があった場合でも、岡三証券としての個別銘柄
のレーティングの継続性を保つため、前任者の付与したレーティングを「前回」レーティングとして記載し
ています。
・株価は日付日の終値。52週高値・安値は権利落ち修正後で、各取引所の立会市場の売買立会時(前場・後
場)における約定値段を用いています。
・上場市場は東京証券取引所の場合、記載せず、複数市場上場の場合は売買高の多い市場を記載しています。
・TOPIX、時価総額など、特に日付を記していない場合は、個別銘柄の株価日付に同じです。
・PBRの根拠となるBPSは直近決算期末時点の会社公表数値を用いていますが、必要に応じて岡三証券が算出
しています。
・ROEの根拠となる自己資本は必要に応じて純資産から新株予約権と少数株主持分の金額を控除した金額を用
いています。
・予想EPSは当期利益(会社計画、前回予想を含む)を記載の発行済株式数で除して計算しています。なお、
払い込み前の公募、権利落ち前の株式分割等は考慮しておりません。
・時価総額は記載の株価と発行済株式数で計算しています。
・発行済株式数は自己株を含んでおりません。株式数は直近決算期末時点の会社公表数値を原則として用いて
おりますが、株式分割、公募増資、自己株買入れなど必要に応じて岡三証券の推定による試算値を用いる場
合があります。
・米国会計基準の当期利益は、当社株主に帰属する当期純利益です。
・指定国際会計基準(IFRS)の当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益です。
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岡三レーティング情報
コード:9684
手数料およびリスクについての重要な注意事項
・ この資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定
の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。また、過去の実績は必ずしも将来の成果を示
唆するものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いしま
す。
・ 株式は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動による株価の変動によって損失が
生じるおそれがあります。また、発行体やその他の者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価
の変化等により、株価が変動することによって損失が生じるおそれがあります。
・ 本資料は、岡三証券が信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報
の正確性、完全性を保証するものではありません。企業が過去の業績を訂正する等により、過去に言及した
数値等を修正することがありますが、その責を負うものではありません。また、本資料に記された意見や予
測等は、資料作成時点での岡三証券の判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。なお、本資
料は、日本証券業協会「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則」のアナリスト・レポートとして審
査されたものです。
・ 岡三証券およびその関係会社、役職員が、本資料に記載されている証券もしくは金融商品について、自己売
買または委託売買取引を行う場合があります。岡三証券の大量保有報告書の提出状況については、岡三証券
のホームページ(http://www.okasan.co.jp/)をご参照ください。
・ 自然災害等不測の事態により金融商品取引市場が取引を行えない場合は売買執行が行えないことがありま
す。
・ 金融商品取引のご契約にあたっては、あらかじめ当該契約の「契約締結前書面」
(もしくは目論見書及びそ
の補完書面)または「上場有価証券等書面」の内容を十分にお読みいただき、ご理解いただいたうえでご契
約ください。
・ 株式の売買取引には、約定代金(単価×数量)に対し、最大 1.242%(税込み)(手数料金額が 2,700 円を下
回った場合は 2,700 円(税込み))の売買手数料をいただきます。ただし、株式累積投資は一律 1.242%(税
込み)の売買手数料となります。国内株式を募集等により購入いただく場合は、購入対価のみをお支払いい
ただきます。
・ 本資料は岡三証券が発行するものです。本資料の著作権は岡三証券に帰属し、その目的のいかんを問わず無
断で本資料を複写、複製、配布することを禁じます。
岡三証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 53 号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
(平成 26 年 4 月改訂)
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