K-POP コンテスト 2013

イベントリポート
K-POP コンテスト 2013
~地方大会レポート~
ドラマ 「冬のソナタ」 が NHK で放送されて (2003
年4月) から 10 年という時間が経った。
今は、 世界中に広まっている 「韓流」 といった文
化トレンドの源流を作った韓国の隣の国である日本。
2012 年韓日両国の相互往来規模は、 500 万人を超え、 韓流ブームの時代であったこれまでの 10
年間、 韓日両国の交流規模は史上最高値に達した。
韓国ドラマの人気から始まった韓流ブームは、 映画や K-POP など様々な分野にまで拡がり、 韓
国料理や韓国語も身近な存在になった。 初期の韓流ブームは、 主婦が楽しむものとしてのイメー
ジが強かったが、 K-POP の人気に伴い、 韓流の消費層の年齢が低くなり、 今はもはや全世代が
楽しめる一つの文化トレンドとして位置づけられてきている。
日本で K-POP の人気が勢いづいた 2008 年、 歌を通じて韓国文化に接していただこうと、 駐日
韓国文化院では、 老若男女誰もが参加し、 楽しめる韓国歌謡コンテスト、 いわゆる 「のど自慢大
会」 を企画 ・ 推進した。
第1回は東京のみの開催であったが、 翌年の 2009 年からは、 「地域大会」 を開催になり、 各
地域の代表が出場し K-POP 日本最高の座を競う 「日本全国大会」 が開催となって、 また、 日本
全国大会は 2009 年から東京で毎年開催されている 「韓日交流おまつり」 の一環として、 毎年とと
もに開催されている。
今や 「K-POP コンテスト」 となった本大会は、 最初に開催された日本を始め、 2010 年には中南
米 (アルゼンチン) で開かれ、 以後アメリカ、 中国などの地域まで拡大、 2011 年には各国の代
表が参加する 「K-POP World Festival」 が開催されるに至った。
今年で第6回目を迎える日本の K-POP コンテストは、 果たしてどのような変化があったのであろ
うか。
83 人に過ぎなかった 2008 年の第1回大会以降、 K-POP 人気は徐々に高まり、 2009 年には
244 人にまで増え、 2011 年には 586 人が参加し最高記録を立てた。 以後も毎年 400 人以上が参
加しており、 今年の大会は 496 人が応募した。
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また、 中高年世代が多かった第 1 回目の大会に比べ、 2009 年からは 20 代が主流となり、
2010 年からは 10 代の応募者も増え、 2011 年以後は毎年 100 人以上が参加している。 最近は、
中高生のみならず小学生もかなり増えてきた。
性別をみると、 女性が応募者全体の 80% で、 圧倒的に優位を占めている。
また、 最近は、 中国 ・ アメリカなど日本在住中の外国人の応募者も増えてきた。
応募曲は、 テヨンの 「トゥリナヨ (「ベートーベン ・ ウィルス」 OST)」、 「マニャゲ 「怪刀ホン ・ ギ
ルドン」 OST)」、 キム・ボムス 「ポゴシプタ (「天国の階段」 OST)」、 ペク・チヨン「イッチマラヨ (「ア
イリス」 OST)」など、 ドラマの OST が多く、 去年は IU の 「チョウンナル」、 「You & I」、 そして今
年は 15& の 「I dream」、 イ ・ ハイの 「1,2,3,4」 を希望する応募者が多かった。 また、 最近では、
大会ごとにカラオケソフトをアップデートしないと対応できないほど、 最新曲で挑戦する応募者が多
くなった。
今年の各地域大会ではどのようなエピソードがあったのだろうか。
◆関東大会 (会場 : 東京都/4月 20 日)◆
小林宏江さんは4回目の挑戦の末、 1位を獲得し、 日本全
国大会への切符を手にした。 小林さんは静岡県在住で、 一
緒に出場した他の4人は千葉県在住だったため、 1回しか事
前に合わせることができなかったにも関わらず、 見事、 優勝
を手にした、 まさしく快挙だった。
濱井佑香さんは、 2012 年大会で入賞はしたものの、 日本
全国大会の出場権は獲得できず、 今年の大会で2位に入賞。 堂々とリベンジに成功した。
また、 女子高生の福島はづきさんは、 初挑戦に3位で入賞、 日本全国大会の出場権を手にした。
他にも、 リベンジに燃える常連ともいえる出場者の様子や、 惜しくも入賞は逃したものの、 若さ
あふれる中高生たちの活躍の姿が目立った。
今年の大会には、 過去の同大会で入賞した宮崎麻美さん (2012 日本全国大会 銀賞受賞)、 十
代時代のみなさん (2012 日本全国大会 人気賞受賞)、 斉藤愛 (2012 東北大会 最優秀賞)、 林
満理子さん (2011 日本全国大会 銅賞受賞) らも会場に駆け付け、 出場者たちを励まし、 出場者
は誰しも結果にかかわらず、 友情を深め、 また、 世代を超えた K-POP 愛好者の交流の場ともなっ
た。
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◆東北大会 (会場 : 秋田市/5月 11 日)◆
最優秀賞を受賞した髙橋樹乃さんを含む女子高生5人組は、
発表の際に嬉しさのあまりに涙を流し、 優秀賞を獲得した佐
々木さんはガッツポーズで喜びを表した。 栃木県から出場し
た梅澤真奈美さんは、 ドラマ 「太王四神記」 をモチーフにし
た手作り衣装と小道具で個性的な舞台を披露し、 韓日友情
賞を受賞した。
出場者には、 親子で一緒に出場し、 おばあさんが応援するという形で3代が参加した家族や山
形県からは親子3人で各自ソロで応募した家族もいた。
他にも、 小学校5年生2人組や、 新潟で英語を教えているアメリカ人7人組も注目を集めた。
◆中国大会 (会場 : 米子市/5月 18 日)◆
米子では初めての大会だったにもかかわらず、 満席に近い
観客が集まった。 NHK、 山陰放送、 日本海テレビなどのテレ
ビ局が大会を取材、 日本海新聞が受賞者をインタビューする
など地元のマスコミの取材も多かった。
最優秀賞は女子高生2人組が手にした。 その1人の竹田瑞
葵さんは、 去年、 広島で開催された中国大会に出場したもの
の受賞できず、 今年は2人組で参加しリベンジに成功した。
今年は必ず入賞することを目標に一生懸命練習したそうだ。
泉田文佳さんは、 広島で少女時代のカバーダンスチームで活動しており、 今回はソロで挑戦、
優秀賞を受賞した。
島根県の男子大学生2人組は、 東方神起の「Why? (Keep Your Head Down)」のダンスと歌で観
客の熱い注目を集め、 人気賞を獲得、 少女時代の GEE のダンスも披露した。
◆中部大会 (会場 : 名古屋市/5月 25 日)◆
11 人が出場した 「学務時代」 チームは、愛知県内の大学の学務課職員たちが結成したチームで、
同大学准教授も加わり最優秀賞を受賞、 石川誠さんは韓国駐在員時代に覚えたトロット曲で優秀
賞を獲得した。
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静岡県から参加した六條瑠音の他4名の中学校1年生5人
組は現在韓国でも人気上々中のイ ・ ハイの 「1,2,3,4」 で人気
賞を。 左口学さんと羽佐田千恵さんのデュエットは恋人同士で
韓服を身にまとい出場し韓日友情賞を受賞した。
他にも、 過去の大会で友人になり、 練習を重ねて、 今回2
人組で参加した参加者もいた。
◆関西大会 (会場 : 大阪市/6月2日)◆
ほとんどの参加者がすばらしい歌の実力を始め、 イ ・ ハイ、
BIG BANG、 東方神起、 T-ARA など、 本物の歌手と同じ衣装
と化粧で完璧なパフォーマンスを披露した。
韓国での歌手を目指している末元明日香さんは、 舞台を圧
倒する歌唱力とパフォーマンスで最優秀賞を獲得した。
綾野唯さんをリーダーとする5人組の東方神起のカバーダン
スチームは、 全国的に名が知られており、 今回の大会では
関西大会と同時開催された 「K-POP カバーダンスコンテスト in OSAKA」 に出ず、「歌で勝負したい
」といった熱情を持って挑戦。 安定的なダンスと圧倒的なカリスマで優秀賞を受賞し、 日本全国大
会への出場権を獲得した。 メンバーの1人は、 中国人留学生も含まれており、 かなり異色的なチー
ムであった。
大会開催地が大阪市ということもあり、 大阪韓国文化院と縁の深い出演者も多かった。 駐大阪
韓国文化院 世宗学堂の受講生2人が出場したり、 妹が世宗学堂に通っている参加者もいた。
歌手チャン ・ ユンジョンのトロット曲 「初婚」 を披露した、 4人の子供の母親、 吉田さんは、「頑
張るお母さんの姿を子供たちに見てもらいたく、 参加を決めた」との参加動機を述べ、 観客を感動
させた。
兵庫県の杉山佳奈さんは、 今回で4回連続参加、 毎年発展しつつある歌の実力を見事に見せ
てくれた。
他にも、 韓国留学の際の知り合いで、 日本に帰ってからも変わりなく交流している男女が参加し、
微笑ましいデュエットを披露した。
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◆北海道大会 (会場 : 帯広市/6月8日)◆
3回連続参加の門馬ひかりさんは、 新たなメンバーと再挑
戦、 最優秀賞を手にし、 2011 年大会に続いて2年ぶりの日
本全国大会に再挑戦することになった。
2回連続参加の小川さおりさんは、 去年の大会での悔しさ
を払拭するため、 1年間の練習を重ね、 今回堂々と優秀賞
を受賞した。
大会の開催地の帯広市から 300km 離れた虻田郡から参加の伊頭良助さんを含む4人組の男性
グループは、 大会当日の朝5時に出発し、 車で 5 時間もかかって行事に参加したという。 その分、
BIG BANG の歌 「Fantastic baby」 で観客を魅了させ、 人気賞を受賞した。
また、 200km 離れた札幌市から来た女子高生2人組の大家直子さんと井筒愛菜さんが特別賞を
手にした。
他にも、 入賞は逃したものの、 小学6年生の娘と一緒に、 札幌市から参加した親子もいた。
2012 年北海道代表として日本全国大会に参加し、 銅賞を受賞した佐藤元保さんが1年ぶりに大
会に招待され、 彼の挑戦曲であったキム ・ ボムスの 「ポゴシプタ」 を披露した。 また、 日本全国
大会の舞台の感慨に伴い、 この大会を通じて自信を持つようになり、 CD も出すなど本格的な歌
手活動をしているとの嬉しいニュースも伝えた。
今年の地域大会は、 7月 20 日 (土)、 北九州市で開催される九州大会のみ残されている。
各地域大会の上位入賞者が出場し、 K-POP 日本最高の座を競う日本全国大会は、 9月 21 日
(土)「韓日交流おまつり 2013 in Tokyo」の一環として、 東京 ・ 日比谷公園の特設舞台で開催され
る予定である。
10 月 20 日 (日)、 韓国の昌原で開催される 「K-POP WORLD FESTIVAL 2013」 の日本代表と
して、 誰が選抜されるだろうか、 極めて興味深い。