自動車ボディー用防汚コーティング剤の動向について

平成28年1月1日発行
87
自動車ボディー用防汚コーティング剤の動向について
はじめに
弊社は自動車のオートアフター市場向け商品として、従来、車検時に義務化されていた自動車下
回り防錆塗料のシャーシー塗装剤、ブレーキ整備時の洗浄剤であるブレーキクリーナー、修理・点検・
メンテナンス時に使用される防錆潤滑剤などの整備ケミカルをメインに開発し上市してきました。しか
し、車検時のシャーシー塗装義務が廃止され、直近 10 年でオートアフター市場は変革し、近年オー
トアフター市場を牽引してきたのは販売店が強力に推進する「ボディーコーティング剤」
、
「窓ガラス
用撥水コーティング剤」などのアメニティー商品になりました。弊社では創業以来培ってきた各種樹
脂技術、塗布技術などを応用し、自動車の内装・外装・エンジン周辺の美化・快適性を図るために
多くの商品を開発してまいりました。本稿では、2005 年に市場投入し、オートアフター市場のトレン
ド商品にまで成長したボディーコーティング剤の種類と特長、その性能について紹介します。
目 次
はじめに••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••• 1
1.ボディーコーティングの効果••••••••••••••••••• 2
2.ボディーコートの種類••••••••••••••••••••••••••• 2
2-1 成分••••••••••••••••••••••••••••••••••••• 2
2-2 水との親和性•••••••••••••••••••••••••• 2
3.ポリシラザン••••••••••••••••••••••••••••••••••••• 3
4.ウルトラグラスコーティングNEO•••••••••••••• 4
5.ウルトラグラスコーティングNE'X•••••••••••••• 6
6.ウルトラグラスコーティングシリーズの特性対比表•••••• 7
おわりに••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••• 8
1
1.ボディーコーティングの効果
ンジで塗布するような一般向けもあります。
ボディーコーティングの効果としては、「光沢の維
持・ 向上」や「撥水効果による塗装面の水はじき」、
「防 汚 効 果」、「 洗 車 時のメンテナンス性の向 上」な
(ガラス系)
ガラス系 は 反 応 系と非 反 応 系 に大 別されます。
どがあります。 定 期 的な洗 車とメンテナンスにより、
反 応 系は湿 気 硬 化 型のオリゴマーを含 有し、 空 気
長期間ボディーの保護効果を得ることができます。
中の 湿 気により加 水 分 解して塗 装 面と結 合し、 強
2.ボディーコートの種類
2-1 成分
固なガラス系 被 膜を形 成します( 図- 1)。 販 売 店
で推 進しているのは主として反 応 系のボディーコー
トです。非反応系としてはシリコーン樹脂エマルジョ
現 在、 市 場 にはカー 用 品 店 で 扱う1 ヶ月耐 久と
ンを含有した水溶性の簡易撥水コーティング剤があ
いった容易に施 工 可 能な一 般 向けから、自動 車 販
り、 被 膜は塗 装 面にのっているだけのため耐 久 性
売店で推進している長期耐久性を売りにしたプロ向
が 低く、「 ガラス繊 維 系」とも言 われています。 量
けまで 様々なボディーコート剤 が 流 通しています。
販 店にある水 溶 性のコーティング 剤で「ガラス系」
成分的に大別すると、
「ワックス」、
「 樹脂系(ポリマー
と表 示されたものはほぼこの種 類に分 類されます。
系)」、「ガラス系」などがあります。
したがって、ガラス系と言っても反 応 系と非 反 応 系
(ガラス繊 維 系)ではその性 能も格 段に異なり、ボ
(ワックス)
代 表 的なワックスとしては、 現 在ではあまり使わ
ディー 表 面と反 応する反 応 系の方が 耐 久 性に優 れ
ています。
れていませんが、天然由来のカルナバロウを主成分
とした固 形ワックスがあり、 深みのある艶と光 沢 が
特長です。しかし、スポンジで塗り込み、 乾燥後に
固形分をきれいに拭き取る作業が大変です。
また、 液 体ワックスは、カルナバロウ樹 脂 成 分を
CH3 O
CH3
O
H2O
Si O
CH3
CH3 O
Catalyst
O
CH3 n
CH3
O
Si O
OH
CH3 + CH3OH
,
n
含 有したものから、 シリコーンオイルやパラフィン
ワックスエマルジョンなどを含 有して洗 車 後の濡 れ
Catalyst
た状 態のまま吹きつけ、 拭き上げと同時にコーティ
ングを行うような簡易的なものもあります。 液体ワッ
O
Si O
O
クスは 施 工 が 簡 単 で 艶、 水 はじきも良く一 般 ユー
ザー 向けに量 販 店で多 種 多 様な商 品を扱われてい
ますが、 耐 久 性 が 低く、 一 般 的 に効 果 は 1 〜 2 ヶ
月程度というデメリットもあります。
(樹脂系)
販 売 店における新 車 付 帯サービスは樹 脂 系から
始まりました。これはペイントシーラントと言われ、
+ CH3OH
, H2O
n
図-1 シランオリゴマーの反応
2-2 水との親和性
(親水タイプ)
親水タイプは水をはじかずボディー全体に水の膜
フッ素 樹 脂やシリコーンオイルなどが主 成 分で、 石
を形 成し、ボディー 表 面に付 着した汚 れを洗い流
油 系 溶 剤を媒 体とし「ポリマー 系」とも言われてい
すセルフクリーニング 効 果を有します。しかし、 雨
ます。販売店で扱う業務用樹脂には微細なPTFE(ポ
の降り方 が 少ないと水の膜 が 十 分に形 成されずセ
リテトラフルオロエチレン)粉 体を含 有し、 電 動のポ
ルフクリーニング 効 果 が 低 下し、 一 旦 汚 れ が 付 着
リッシャーでスポンジバフにより塗 装 面に強 力に定
すると除 去しにくいといった課 題があります。また、
着させます。PTFE や樹脂による傷埋め効果もあり、
コーティングを目視で体 感できないため、 過 去に流
光 沢と撥 水を付 与した油 性 膜を形 成します。また、
行ったものの 一 般 のユーザ ー からは敬 遠された経
アクリル樹脂やシリコーンレジンなども含有したスポ
緯があります。
2
(低撥水タイプ)
弊社にて反応系で最初に上市した『ウルトラグラス
(超撥水タイプ)
超 撥 水タイプは水 滴が 水 玉のように転がり落ち、
コーティング』は、ポリシラザンを主成分とし、ウォー
水 の 接 触 角が 150 度 以 上ある究 極 のコーティング
タースポットや汚 れが 付 着しにくい低 撥 水タイプで
です。しかし、 表 面に微 細な凹 凸 構 造を形 成して
あり、 非 常に強 固なガラス系 被 膜を形 成するポリシ
いるため擦 れると凹 凸が 徐々に壊 れ 撥 水 性 が 低 下
ラザンを主 成 分としたボディーコートです。 一 般 的
し、現在、透明で耐久性を有する超撥水はボディー
に低 撥 水タイプの水の接 触 角は 70 〜 80 度であり、
コーティングとしては実用に至っていません。 唯一、
コーティングの有 無が 分かりにくいため、 徐々に撥
サイドミラーは垂直面で比較的外的要因による損傷
水系に切り換えられています。
が少ないことから一部で商 品化されていますが、や
はり、こすったり触ったりするとすぐに凹凸を壊して
(撥水タイプ)
しまい超撥水機能は損なわれてしまいます。
水 滴を玉のようにはじく撥 水タイプは、 水の接 触
角が 90 度 以 上あり見た目でコーティングの効 果 が
分かり易く体 感できるため主 流になってきています。
ただ、 従 来 のワックスや 樹 脂 系 の 撥 水タイプ、 販
売 店で 扱う業 務 用のガラス系 撥 水タイプの 一 部で
は、 水 滴がボディー表 面に残り、 乾 燥するとレンズ
効 果によりウォータースポットができ、 除 去が 困 難
といった課題があります。
(撥水+滑水タイプ)
上記撥水タイプの課題を改良したのが「撥水 + 滑
写真-2 「超撥水」状態写真
水タイプ」のボディーコーティングです。コーティン
グ被膜強度の向上や滑水機能を付与することにより
水の接 触角が 90 度 以 上で、かつ落 水角が小さくな
3.ポリシラザン
ります。それにより、ボディー表面の水滴が転がるよ
ポリシラザンは酸 化 反 応によって強 固なガラス系
うに流れ落ち、ウォータースポットができにくくなりま
被膜(シリカ:SiO2)に転化するコーティング剤です。
す。また、初期のウォータースポットであれば簡単な
ケイ素(Si)と窒素(N)の繰り返し単 位を分 子 鎖に
水 洗いで除 去することができ、 撥 水タイプの課 題を
有する高 分 子 化 合 物で、 空 気中の湿 気と加 水 分 解
低減することができます。 弊社においては 2009 年に
し、塗装表面の水酸基と共有結合により密着します。
反応系のポリシラザンを主成分とした『ウルトラグラス
標準的なガラス系に比べ、硬化が速く、密着性が良
コーティング NEO』を商 品 化し、 現 在では多くの自
いという特徴があります。
動車販売店に採用いただいております。
H
Si N
H H n
H2O
Catalyst
O
Si O
O
+ NH3
, H2
n
図-2 ポリシラザン
(無機ポリシラザン)の反応
(低撥水タイプ:ウルトラグラスコーティング)
従 来 主 流であった撥 水タイプはウォータースポッ
トの 問 題により、 大 気 中の 窒 素 酸 化 物(NOX)や
硫 黄 酸 化 物(SOX)を含 有した酸 性 雨の水 滴 がボ
写真-1 「撥水+滑水」状態写真
ディー 表 面に残 存し、日光に照らされ 揮 発すると、
3
強い酸 性の水 滴となり、 長 期 間 放 置すると塗 装 が
侵されてしまいます。
弊 社では 2005 年に撥 水タイプの問 題を改 善し、
(撥 水+滑 水の一 液 高 耐 久タイプ:ウルトラグラス
コーティングNE'X)
2015 年 度 末には、『ウルトラグラスコーティング
水 の 接 触 角が 75 〜 80 度 で 水 滴によるレンズ 効 果
NEO』の一 液タイプで耐 久 性を向 上させた『ウルト
を受けにくいコーティング被 膜を形 成する低 撥 水の
ラグラスコーティング NE'X』を商品化しました。『ウ
『ウルトラグラスコーティング』を商 品 化しました。
ルトラグラスコーティング NE'X』はシリーズ最 高 峰
しかし、 従来の撥水タイプよりはウォータースポット
へと進 化させたボディーコーティングシステムです。
は低 下したものの、 先 述したとおり、 撥 水のように
ポリシラザン由 来 の 硬 質 被 膜を有し、 弊 社 独自の
目視で 体 感できず、 雨の降り方 が 少ないと防 汚 効
技 術を導 入して、3 次 元 構 造に特 殊 撥 水 基を結 合
果が低下するといった課題を残しました。
させた長 期 耐 久 性を有する次 世 代のガラス系 硬 質
被膜を形成します。
(撥水+滑水タイプ:ウルトラグラスコーティング
NEO)
そこで、 弊 社 ではウォータースポットができにく
い滑水 性 硬 質 被膜を有するボディーコーティングの
この最 高 峰のボディーコーティングでは耐 久 性の
向上により長 期的な撥 水性と光沢を維持することが
できます。また、完全一液化により作業時間の短縮・
改善を図ることができます。
開発に着手しました。 耐久性のある強固なガラス被
膜を得るためにポリシラザンを主 成 分とした『ウルト
ラグラスコーティング NEO』(ThreeBond 6649 本 剤 /
ThreeBond 6649B 仕上げ剤)を2009 年に商品化しま
4.ウルトラグラスコーティングNEO
(ThreeBond 6649/ThreeBond 6649B)
ThreeBond 6649 は、 ポリシラザ ンを 主 成 分と
した。『ウルトラグラスコーティングNEO』は、 小さい転
した防 汚 性を有 する『ウルトラグラスコーティング
落角でも水滴がボディーを転がり落ちるように流れる
NEO』の 本 剤( 表 - 1)、ThreeBond 6649B は 本
滑水機能を付与した撥水タイプのボディーコーティン
剤 の 余 剰 分を拭き取り、コーティング 層を均 一な
グ剤です。また、防汚性も向上させ、現在ではオー
状 態に整えるための仕 上げ剤( 表- 2)です。 本 剤
トアフターマーケットの主力商品にまで成長しました。
ThreeBond 6649と仕 上げ 剤 ThreeBond 6649Bと
表-1 ThreeBond 6649
(本剤)
の性状
項目
単位
特性値
試験方法
備考
外観
−
無色透明
3TS-2100-001
−
比重
−
0.80
3TS-2500-002
20℃
加熱残分
%
5.5
3TS-2510-005
100℃×5h
表-2 ThreeBond 6649B
(仕上げ剤)
の性状
項目
単位
特性値
試験方法
備考
外観
−
白色
3TS-2100-001
−
比重
−
0.95
3TS-2500-002
20℃
加熱残分
%
3.4
3TS-2510-005
100℃×5h
表-3 ウルトラグラスコーティングNEO コーティング層の特性
項目
接触角
(水)
4
単位
°
特性値
試験方法
備考
101
3TS-2A00-002
シリコンウエハ基材上
鉛筆引っかき値試験
−
9H相当
3TS-2B00-009
SUS板塗布
付着性試験
(碁盤目法)
−
100/100
3TS-2140-001
SUS板塗布
表-4 ウルトラグラスコーティングNEO 促進耐候性試験
(光沢度)
ASTM G154
促進耐候性試験
初期値
200時間
約1年相当
400時間
約2年相当
600時間
約3年相当
800時間
約4年相当
1000時間
約5年相当
光沢度
(°
)
100
99
101
102
100
101
ASTM G154 :米国材料試験協会(American Society for Testing and Materials)
の定める工業規格。
紫外線照射→散水→乾燥を塗装板で繰返し、
自然環境を再現。
各時間毎に光沢度を測定する。
の併用により、SiO2 を主 骨格とするガラス系 硬 質 皮
膜を形成します(表- 3)。
表-6 摩擦係数測定結果
摩擦係数測定結果
(特長)
①ガラス系 硬 質 被 膜により光 沢を長 期 間 維 持し
ます(表- 4、 表- 5)。
静摩擦係数 動摩擦係数
未施工
0.32
0.30
ウルトラグラスコーティングNEO
0.18
0.14
減少率
(%)
43.8
53.3
②滑 水 機 能により水 滴がボディーを転がりやすく
なり、従来の撥水タイプに対しウォータースポッ
トが低減します。
③滑 水 性 被 膜 により、 摩 擦 係 数 が 小さくなりす
そのため簡 単な水 洗いで汚れが 除 去しやすく、
洗 車 時における水 滴 の 拭き上 げ 性も向 上しメ
ンテナンス性に優れています(表- 6)。
浸漬範囲
べりやすくなり、 汚 れが 固 着しにくくなります。
ウルトラ
グラス
コーティング
ウルトラ
グラス
コーティング
NEO
未施工部
『ウルトラグラスコーティング NEO』の保護効果に
より、 促進耐候性試験 1000 時間後も光沢を維持し
ます。また、 未 施 工 面に比べキセノンアークランプ
式促進耐候性試験後の色差も小さくなり、未施工に
対して保護効果を有することが分かります(表- 5)。
滑 水 機 能によりボディー 表 面の摩 擦 係 数が 低 下
することで耐すり傷性が向上します(表- 6)。
汚れが付着しやすい白色バンパーを用いて汚れの
試験方法 : 汚 れ物質を含んだ水の中へ、白色バンパーの試験
片をドブ漬け・引き上げを繰り返し行い、汚れの付
着度合を目視で観察する。
写真-3 ウルトラグラスコーティングNEO 防汚性能
付着度合いを比較しました( 写真- 3)。 汚れの付着
度 合は未 施 工 部だけでなく、 低 撥 水のウルトラグラス
コーティングと比 較しても、ウルトラグラスコーティング
NEO の防汚効果は優れています。
表-5 色差測定結果 〈キセノンアークランプ灯
(促進耐候性試験)〉
色差測定結果
未施工
ウルトラグラス
コーティング
NEO
33日後
0.46
0.17
78日後
0.50
0.17
試験方法 : C i4000(ATLAS)試験器中に塗装板を33日間、
78日間放置し、色差(光源:D65、観察視野:10°、測
定計5mm)
を測定した。
写真-4 ウルトラグラスコーティングNEO 商品構成
5
(特長)
5.ウルトラグラスコーティングNE'X
(ThreeBond 6659)
①主 成 分 のポリシラザンが 大 気 中の 湿 気と反 応
ThreeBond 6659 は、ポリシラザンを主 成 分とし
し、SiO2 を主 骨 格とするガラス系 硬 質 被 膜を
た防 汚 性を有する一 液 性のウルトラグラスコーティ
形成します。
ングです(表- 7、表- 8)。『ウルトラグラスコーティ
②『ウルトラグラスコーティング NE'X』のガラス
ング NE'X』は、 同シリーズ NEO のガラス系 成 分を
系硬質皮膜は、優れた耐候性を有しています。
高 濃 度 化し、 耐 久 性を更に向 上しています。また
③長期防汚効果、長期光沢性能を有しています。
撥 水基を高 密度に結合させ、 長 期 防 汚 効果を実 現
④一液性で作業性に優れています。
しています。また、 汚 れ が 付きにくく、 付 着しても
取 れ やすいため、メンテナンス性に優 れています。
『ウルトラグラスコーティング NE'X』は、同シリー
さらに完 全 一 液 化とし、 作 業 時 間を短 縮・ 改 善す
ズ NEO のガラス系 成 分 の 高 濃 度 化により、さらに
ることができます。
優れた保 護 効 果を有するコーティングシステムです。
ASTM G 154 による促 進 耐 候 性 試 験 2000 時 間 後
も高い 光 沢を維 持し、 接 触 角の 低 下も小さく、 優
れた撥水性を有しています(図- 2)。
表-7 ThreeBond 6659 の性状
項目
単位
特性値
試験方法
備考
外観
−
無色
3TS-2100-020
−
比重
−
0.74
3TS-2500-002
20℃
加熱残分
%
6.2
3TS-2510-005
100℃×5h
表-8 ウルトラグラスコーティングNE'X コーティング層の特性
項目
単位
接触角
(水)
°
特性値
試験方法
備考
101
3TS-2A00-002
シリコンウエハ基材上
鉛筆引っかき値試験
−
9H
3TS-2B00-008
SUS板塗布
碁盤目はく離試験
−
100/100
3TS-2140-001
SUS板塗布
110
光沢度、接触角
( °)
100
90
80
NE'X 光沢度
70
NE'X 接触角
NEO 光沢度
60
50
NEO 接触角
初期 100
200
300
400
500
600
700
800
900 1000 1100 1200 1300 1400 1500 1600 1700 1800 1900 2000
時間(h)
時間
(秒)
図-3 ウルトラグラスコーティングNE'XとNEOによる促進耐候性比較
6
2000h
6.ウルトラグラスコーティングシリーズの特性対比表
表-9 ウルトラグラスコーティングシリーズの対比表
艶
5
4
作業性
皮膜強度
3
2
1
滑水性
メンテナンス性
耐久性
防汚性
ウルトラグラスコーティングNE'X
艶
ガラス系:撥水+滑水(ポリシラザン)
4
作業性
皮膜強度
3
5
4
作業性
2
1
1
滑水性
防汚性
ウルトラグラスコーティングNEO
ガラス系:撥水+滑水(ポリシラザン)
皮膜強度
3
2
メンテナンス性
耐久性
艶
5
滑水性
メンテナンス性
耐久性
防汚性
ウルトラグラスコーティング
ガラス系:低撥水(ポリシラザン)
写真-5 ウルトラグラスコーティングNE'X 商品構成
7
おわりに
今回紹介した「ウルトラグラスコーティングシリーズ」は、カーライフを快適に過ごしていただくためのアメニ
ティー商品です。近年、若年層の自動車離れや価値観の変化、団塊世代の高年齢化、人口減少などにより
国内における新車の販売台数は年々減少傾向にあります。そのため、自動車販売会社では、新車付帯のあら
ゆるサービスをメニュー、セット化し、新車販売の推進を展開しています。新車販売が厳しい状況において、
弊社では新車付帯サービスに繋がる商品開発、定期点検や車検の入庫促進に繋がる市場要求に応じたケミ
カル商品を開発しています。今後もこの一環として、さらに進化させたボディーコーティングの商品化に取り組
んでまいります。
< 参考文献 >
1)スリーボンド・テクニカルニュース70 号 自動車用コーティング剤 2008 年 1 月1日発行
2)ウルトラグラスコーティング NEO カタログ AK2008005
3)アフターマーケット「ボディーコーティングのトレンドから市場の活性化策を探る」 2012 年 4 月号
スリーボンドファインケミカル株式会社
研究開発本部
開発一部 オートアフターマーケット開発課
小嶋 一宏
尾内 広行
株式会社スリーボンド
8
東京都八王子市南大沢4-3-3
電話 042(670)5333 ㈹