山田 健二 さん 欄間(らんま)職人

山田 健二 さん
欄間(らんま)職人
記者注:欄間(らんま)とは和室が二間続く空間の
障子やふすまを溝のある横材の上枠(鴨居)と天井
のあいだにある空間。採光・通風のために設け、装
飾として格子や透かし彫りの板をはめる。
この板を作るのが欄間職人さんです。
迷ったこともあるけどこれが自分の仕事やねん
経済産業大臣指定・大阪欄間伝統工芸士
主な作品は大阪 APEC・大阪城展示の利久の作品・平成二十年大阪場所優勝
記念品
主な受賞は大阪工芸協会会長賞・大阪工芸展知事賞
など
「よーいどん」の隣の人間国宝に認定
また APEC では当時の米国大統領クリントン氏にも作品を渡すなど輝かし
い経歴を持つ大阪の誇る伝統工芸士です。
――このお
――このお仕事
このお仕事の
仕事の魅力を
魅力を教えてください。
えてください。
一生懸命作ったものをお客さんが喜んでくれはったときが一番嬉しいな。
「ようええの出
来たなあ」とか。なんの仕事でもそうやけど、物を作る人間は作った物がお客さんに喜ば
れるのが一番嬉しいんやな。
――失敗
――失敗や
失敗や挫折エピソードなどはございますか
挫折エピソードなどはございますか?
エピソードなどはございますか?
失敗とはちょっと違うけど、この仕事であってるかなあと悩んだことはあった。中学校
卒業してからずっとやってたから二十歳頃に気持ちの変化があって、
「他の仕事やってみた
いな」とか「この仕事でええんやろか」とか、そういうことはあったな。でも大人になる
につれて結婚や子どもが出来たりして「これは自分の仕事や」って打ち込むようになった。
そやから、誰でもあることやと思うけど、気持ちの変化があったことはあった。
――ご
――ご自身にとって
自身にとって働
にとって働くこととは何
くこととは何ですか?
ですか?
結婚するまでは遊ぶため。結婚して子どもが出来ると家族のためになるな。どこの親で
もそうやと思うけど、進学にはお金もかかるし、家族のためかな。子どもが育つと将来の
老後のためかな。老後を優雅に過ごすためな。
――今
――今 までのお仕事
までのお 仕事の
仕事 の中でご自身
でご自身が
自身が 一番自慢に
一番自慢 に
思ってらっしゃることは何
ってらっしゃることは何ですか?
ですか?
自慢って言うのは自分でいいものが作れたら
自慢やけど、それとはちょっと別に名誉ってあっ
てな。クリントンさんに作品を渡したことも名誉
やな。あとはまあ、こういう珍しい仕事してるから、有名な TV 局は全部きたな。それが自
慢ではないんやけどもこういう仕事をしててよかったかなって…。
――中高生
――中高生に
中高生に向けて将来
けて将来へのアドバイスをお
将来へのアドバイスをお願
へのアドバイスをお願いします。
いします。
こういう職業に就くにはこつこつ一生懸命するしかない。遊びたくても半分は我慢する
とか。我慢できる人でないとこの世界に残れへん。この手の仕事は何でもそうやけどな。
最近の若い人には少し足りひんかもな。
――最後
――最後に
最後に 1 日が 25 時間なら
時間なら残
なら残りの 1 時間は
時間は何をしますか?
をしますか?
趣味があれば趣味に使うかな。疲れたときは睡眠に使う。それぐらいかな。食べるのに 1
時間も使わんしな。寝た方が疲れもとれるしな。
欄間というものは以前から知っていて興味をもっていたけれど、
正直テレビ以外で見た事がなかったので現物を見たときは感動
しました。はじめは家業を仕方なく継いだだけであれ今はとても
誇りを持ってお仕事をなさっているのがよく分かり、将来仕事を
するに当たって見習いたいです。将来教育に関する仕事に就きた
いと思っていますが、その時はこの様な伝統工芸の素晴らしさも伝えていきたいと思いま
した。
奈良教育大学 1回生 亀井葉つき(取材時)