(説明会資料) 第三次市中協議文書 「オペレーショナル・リスク」 (パラグラフ 607-641、Annex 6-7) 2003年6月3日 1 説明内容 1.QIS3 テクニカルガイダンス(2002年10月) からの主な改訂点 2.ルールの概要(カッコ内は参照パラグラフ。以下同様) A.定義(607) B.3つの計測手法の概要(608-619) C.適格基準(620-639) D.AMAの部分適用(640-641) 2 1 1.QIS3 テクニカルガイダンスからの主な改訂点 ①「Alternative Standardised Approach」の導入(617、脚注91) ②標準的手法における適格基準(624) ③ビジネスラインへの割り振りにおける補足ガイダンスの追加 (Annex 6、脚注155) ④信用リスクとオペレーショナル・リスクとの「境界」に関する 取り扱い(633) ⑤保険の適格基準(637-639) ⑥部分適用のルール(640-641) 3 2.ルールの概要 A.定義(607) 「内部プロセス・人・システムが不適切であること若しくは機能しない こと、又は外生的事象に起因する損失に係るリスク」 B.3つの計測手法の概要(608-619) ・総論(608-611) −選択可能な3つの計測手法を提示 (基礎的指標手法、標準的手法、先進的計測手法) −より高度な手法への移行を勧奨。国際的に活動する銀行、 オペリスクの exposure が大きい銀行は、リスクプロファイルに 見合った手法を選択することを期待 −より簡易な手法への「逆行」は原則認めない 4 2 ・基礎的指標手法(612-614) 所要資本=銀行全体の粗利益×α値(15%) −粗利益(Gross Income)の定義:(テクニカルガイダンスからの変更なし) −(適格基準)「サウンド・プラクティス」遵守の勧奨 ・標準的手法(615-617) −銀行業務を8つのビジネスラインに分割 所要資本=Σ各ビジネスラインの粗利益×β値(*12%、15%、18%) *12% : Retail Banking, Asset management, Retail brokerage 15% : Commercial banking, Agency services 18% : Corporate finance, Trading and Sales, Payment and settlement 5 −「Alternative Standardised Approach」 本代替手法が当該銀行のオペリスク所要資本水準を より的確に反映すると当局が認めた場合に選択可能 ・Retail banking, Commercial banking のビジネスラインにおいて 粗利益の代わりに貸出残高×0.035を使用。 (loans and advances。保有債券を含む) ・上記2つのビジネスラインを除く6つのビジネスラインについては、その 粗利益計のみの数値をもって計算可。その場合のβ値は18%。 ・先進的計測手法(618-619) −定性的・定量的要件を満たし、監督当局の承認を得れば銀行 内部で利用するオペリスク計測手法を規制上も用いることが 認められる。 −本手法を2006年末から採用しようとする銀行は、2005年末から 6 の1年間、予備計算(現行規制と並行して計算)することが必要。 3 C.適格基準(620-639) 1.全般的な基準(620-623) −標準的手法、先進的計測手法採用行に共通する適格基準 ・オペリスク管理体制の整備 (取締役会/上級管理職の関与、リスク管理システムの保有、リソースの確保) ・手法採用前における、監督当局によるモニタリング期間の設定 2.標準的手法の適格基準(624-625) −オペリスク管理機能、オペリスク管理システムの保有 −ビジネスライン毎の重大オペ損失データを含む関連オペリスクデータの収集 −オペリスク・エクスポージャー量に関する定期的内部報告体制の確立 −オペリスク管理システムの文書化と遵守の担保 −オペリスク管理プロセスの内部検証 −外部監査人/監督当局によるオペリスク評価システムの定期的検証 −粗利益を8つのビジネスラインに分割する手法の確立(→ Annex 6) 7 3.先進的計測手法の適格基準(626-639) • 定性的基準(626) −標準的手法の適格基準をより厳格化 (独立したオペリスク管理機能の保有、オペリスク計測システムの保有、 主要ビジネスラインに対するオペリスク資本の配賦、等) (ii) 定量的基準(627-636) (a) 信頼性基準(627-628) ・保有期間1年、信頼区間99.9%と同等の保守性を確保 ・バーゼル委による「継続検討」の方針について (2006年末までに規制の修正を行う可能性) (b) 詳細基準(629) −期待損失分に対する自己資本賦課免除のための条件 −十分に細分化されたリスク計測システムの保有 −オペリスクの計測における相関を認識するための条件 −オペリスク計測の4要素 8 (内部データ、関連外部データ、シナリオ分析、業務環境と内部統制要因) 4 (c) 内部データ(630-633) −最低5年間の内部データを保有 (導入時点では予備計算期間を含め3年間のデータ保有で可) −信用リスクとオペリスクの両方に跨る損失事象の取り扱い (所要自己資本計算上過去から信用リスクとして扱っているものは、その 取扱を続行。新規にデータ収集の場合は信用リスク扱い。両者に跨る 損失は銀行内部のデータベースにその旨判るよう記録) (d) 外部データ(634) −自行に関連する(=適切な)外部データの使用 (e) シナリオ分析(635) −同分析の適切さを、実際の損失履歴等との比較等を通じ検証 (f) 業務環境と内部統制要因(636) −同要因の選択の正当性、織り込み方等につき文書化、 その結果やプロセスは長期的には実績等に基づき検証 9 (iii)リスク削減手法(保険)(637-639) −保険効果の認識はオペリスク資本賦課額の20%を上限 −保険提供者の条件=A格相当以上 −当初の保険期間1年以上(残存期間1年未満の場合はヘアカット要) −保険契約解除時及び非更新時における最低事前通告期間の設定 −実際の銀行の損失exposureに対する明示的な保険カバー −保険によるグループ外へのリスク移転の確保 −保険認識の枠組における合理性の立証と文書化 −保険による所要資本軽減額の開示 D.AMAの部分適用(640-641) −一定要件を満たせば、業務の一部で先進的計測手法、他の部分 で標準的手法あるいは基礎的指標手法の使用が認められる。 −監督当局の承認に基づき、銀行はビジネスライン、法人、地域、 その他の内部ルールを基とした部分適用が可能。 10 5 規 制 実 施 上 の 課 題 1.Stylized AMA (先進的計測手法の定型化) • 検証手法 2.外部データベースの構築 3.ホーム・ホスト問題 11 6
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