(f)油圧全馬力制御機構 油圧ポンプシステムにおいて、その設備の作業状態に応じて変化する油圧ポンプの負荷圧を 検知し、油圧ポンプの合計馬力を常にエンジンの所定馬力内に制御する機構。 クロスセンシング方式(図2.1.8)は、レギュレータNo.1が、負荷圧P1と負荷圧P2の 合計を検出し、レギュレータNo.2は、負荷圧P2と負荷圧P1の合計を検出し、各油圧ポン プの吐出量を各々別に且つ同時に増減させる。そのため各油圧ポンプの負荷馬力が変化しても、 常に油圧ポンプの合計馬力がエンジンの所定馬力内になるように制御する。 油圧全馬力制御機構には、上述のクロスセンシング方式の他に、各作動部の負荷圧力を検出 して油圧ポンプの吐出量を制御するロードセンシング方式、エンジン回転数を検出して油圧ポ ンプの吐出量を制御するスピードセンシング方式などがある。 なお、油圧ポンプの数は、1 個でも複数でも良い。 油圧モータ等へ パ イ ロット 圧 負( 荷 圧 を 検 出 負荷圧 P1 可変容量型 油圧ポンプNo.1 油圧モータ等へ 負荷圧 P2 レギュレータNo.1 可変容量型 油圧ポンプNo.2 レギュレータNo.2 ) ピストン戻しバネ P1 P2 P2 P1 図 2.1.8 油圧全馬力制御系統図(クロスセンシング方式) [省エネルギーになる理由] (1) ポイント 省エネ効果は、従来設備と当該設備での「捨てていた圧油の油量の差」で示される。 (2) 概 要 従来設備では、作業時の負荷が過大になってもエンジンが停止しないようにするため各 作業の内、各油圧ポンプの負荷馬力の合計値が最大の値をカバーする馬力のエンジンが必 要であった。 当該設備では、各油圧ポンプの負荷馬力の合計値が、常に所定のエンジン馬力内とする ように各油圧ポンプの吐出量を増減させるため、過大な負荷に応じた馬力のエンジンが不 要になり、従来設備に比べ小さな馬力のエンジンでよくなり、消費する燃料が節約できる ため省エネルギーとなる。
© Copyright 2024 Paperzz