D A W N R O A D 年金改革問題 死亡したイラク人捕虜の氷詰めの死 体を前に、親指を立て、笑顔でポーズ をとる米軍女性兵士、いったいこれは 何だろう。 1枚の報道写真に愕然とした。少な くとも、私たちの周辺では、こうした 文化は持ち合わせてはいない。 戦争という生死を賭け最前線のギリ ギリの精神状態がなす世界なのか、いず れにしても私たちの次元から推し計る のは無理かもしれないが、とても人間と してとるべき行為とはいえない、ある 種、異様な光景であることには違いな い。 イラクのアブグレイブ刑務所における 捕虜虐待事件は、ブッシュ政権の政権 国協年 民議金 の機の 合関抜 意を本 形立改 成ち革 を上へ げ 基盤を揺るがす大事件に発展、軍法会 shozi morishima り壊しの表明等、火消し対策に躍起に なっている。 イラク人をして「フセイン政権でも さて、6月16日の会期末を前に、終盤 国会は、波乱含みの様相を呈している。 今国会の最重要法案と位置づけた年 金改革関連法案は、一部修正をして衆 議院は通過したものの、与野党議員の 年金未納、未加入問題が続発し、福田 官房庁官の辞任、菅民主党代表の辞 任、小沢一郎氏の民主党代表立候補辞 退等、いわゆる「未納ドミノ」現象等に より情勢は一変した。国会議員の国民 年金未納・未加入問題は、年金法案の 本質論ではないが、法律を作る国会の 議員がこの体たらくでは、国民に示し がつかないのも事実。 議での組織的関与の否定や刑務所の取 国連主導による イラクの主権回復急げ 抜本的改革に向けた 国民の合意形成を 森 嶋 正 治 中 央 本 部 書 記 長 三野党は、参院段階で廃案をめざして 論戦を挑んでいる。本誌が届くころは結 論が出ているかもしれないが、情報労 連は連合とともに一貫して抜本改革に 私たちは、大義なき武力介入はテロ の温床の拡大をはかるだけだと訴えつ づけてきた。 向け、具体的な一歩を踏み出すことが 重要であるといいつづけてきた。 現在の制度は複雑であると同時に、 なかったこと」と言わしめた行為から 5月26日には、国際テロ組織「アル 不公平でもある。しかし一足飛びでい は、もはや米国の軍事介入と占領政策 カイダ」のメンバーと接触し、活動をし かないことも事実である。ここはひと は完全に失敗したとの答えしか出てこ ていたとの関連で、数人の外国人が入 つ、抜本改革に向けた協議機関を早急 ないことは明白だ。 国管理法違反の容疑などで逮捕された。 に立ち上げ、各方面からの意見を聴取 にもかかわらず、6月末のイラク暫定 真偽のほどは分からないが、私たちが し検討を開始すべきである。 政権への主権移譲にあたっては、米国 危惧していた現実が表面化したのでは したがって、本法案は一旦白紙に戻 の事実上の占領政策の継続と、石油を ないか。私たちは、イラク情勢をこの し、抜本改革に向けた方向が出るまでの はじめとした利権の確保が色濃く残っ まま放置しておけば、起こり得る可能性 当面の対応について論議を集中させ、 たままであり、問題の本質的な解決に なしとはしない。国連主導によるイラ 国民の合意形成をはかるべきと考える。 はなっていない。 ク人自身の主権回復が急がれる。 (5月31日記) REPORT 2004.6 6
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