朝倉市庁舎整備基本計画 <案> 平成 28年(2016 年)1 月 朝 倉 市 目 次 第1章 はじめに ....................................................... 1 1.新庁舎の検討経緯...................................................... 2 2.関連計画との整合 ...................................................... 3 第2章 新庁舎建設の基本的な考え方 .................................... 4 1.庁舎の現状と課題 ...................................................... 4 2.新庁舎の基本理念・基本的機能.......................................... 11 第3章 新庁舎に求められる機能と実現方策 ............................... 12 1.ひとにやさしい庁舎...................................................... 13 2.まちにやさしい庁舎 ..................................................... 17 3.自然にやさしい庁舎 .................................................... 18 4.災害につよい庁舎 ...................................................... 22 5.セキュリティにつよい庁舎 ................................................. 25 6.変化につよい庁舎 ...................................................... 26 7.市民と行政をつなぐ庁舎 ................................................. 28 8.人と人をつなぐ庁舎 ..................................................... 32 9.人と自然をつなぐ庁舎 ................................................... 34 第4章 新庁舎の施設計画・運用管理計画 ............................... 35 1.新庁舎の規模・部門配置................................................ 35 2.敷地概要 ............................................................ 38 3.土地利用・配置計画 ................................................... 39 4.平面・ゾーニング計画 ................................................... 40 5.断面・階層計画 ....................................................... 40 6.建物デザイン計画 ...................................................... 40 7.構造計画 ............................................................ 40 8.設備計画 ............................................................ 42 9.駐車場・駐輪場の計画.................................................. 42 10.運用管理計画 ........................................................ 42 第5章 新庁舎建設に向けた事業計画 ................................... 43 1.事業方式 ............................................................ 43 2.仮庁舎について ........................................................ 43 3.事業費及び財源計画................................................... 43 4.事業スケジュール ....................................................... 43 <資料編> 資料1.庁内アンケート結果 資料2.検討経過 資料3.パブリック・コメント 結果及び回答 第1章 はじめに 本市は、平成18年3月に甘木市、朝倉町および杷木町の1市2町が合併し、「朝倉市」 として誕生しました。現庁舎は、合併前の平成17年3月10日に調印された合併協定書に 定める「新市の事務所の位置は、甘木市大字菩提寺412番地2とする。 」ことに基づき、旧 甘木市役所の庁舎を朝倉市の本庁舎として活用してきました。しかし、昭和48年1月に竣 工した現庁舎は、老朽化が進むとともに、狭あいとなり、またバリアフリーにも対応するこ とができない状況があります。 あわせて、平成18年1月に改正された「建築物の耐震改修の促進に関する法律」 (以下「耐 震改修促進法」 )に基づき、平成25年に「耐震改修促進計画」を策定し、耐震診断を行うこ とが必要となりました。 これを受け、平成26年に現庁舎の耐震診断を実施した結果、現庁舎は耐震性に不安を残す 結果となりました。 本計画は,平成 27 年 7 月に策定した「朝倉市庁舎整備基本構想」に掲げる基本理念を達 成するための基本的機能をより具体化させ,新庁舎の施設計画及び運用管理計画,事業計画 等を示したものであり,今後の設計に向けた基本的な指針となるものです。 策定にあたっては,庁内に「朝倉市庁舎整備検討委員会」を設置し,さらにその下部組織 として「市民サービス部会」,「事務管理部会」,「建設環境部会」,「施設活用部会」の4つの 作業部会を設置し,課題への対応や新庁舎のあるべき姿について議論を重ねました。 また,「来庁者アンケート」や「市民アンケート」等により,現庁舎の利用実態を把握し, 市民からの幅広い意見や提案をできる限り尊重し,市議会からの意見を反映させながら策定 しました。 1 1.庁舎整備の検討経緯 (平成 11 年度以降) 年 度 平成 18 年度 内 容 ○甘木市、朝倉町、杷木町が合併。 合併協定書において…。 平成 25 年度 ○「耐震改修促進計画」策定 平成 26 年度 ○耐震診断実施 ○庁内に「朝倉市庁舎整備検討委員会」設置 ○市議会「朝倉市庁舎整備検討委員会」設置 ○「朝倉市庁舎整備検討市民会議」設置 ○市民 3,000 人を対象にした「市民アンケート」実施 ○市議会「市役所新庁舎等調査特別委員会」 ○「朝倉市庁舎整備基本構想(案)」パブリック・コメント実施 ○「朝倉市庁舎整備基本構想」策定 平成 27 年度 庁舎をピーポート甘木周辺に建替えることが決定。 ○庁内に「朝倉市新庁舎建設検討委員会」を設置 ○朝倉市庁舎整備検討委員会として 4 つの部会を設置 2 2.関連計画との整合 新庁舎建設にあたっては,本市が掲げる以下の計画の趣旨を踏まえ,幅広く検討するこ とが重要になります。 ○ ○ ○ ○ ○ 第1次朝倉市総合計画(平成 20 年3月策定) 朝倉市第1次都市計画マスタープラン(平成 23 年 10 月策定) 朝倉市第1次国土利用計画(平成 23 年 10 月策定) 朝倉市環境基本計画書(平成 26 年3月策定) 朝倉市地域防災計画(平成 21 年6月策定・平成 27 年度見直し予定) 「第1次朝倉市総合計画」 (平成 20 年3月策定)では, 「水を育み 街を潤す 健康文化都 市」を将来の都市像として定めており,それを実現するために6つの大綱を掲げ,「『共生』 と『交流』を創る『自立』と『責任』のまち」を目指しています。 「朝倉市第1次都市計画マスタープラン」 (平成 23 年 10 月策定)においては,「水と緑を 育み 街を潤す 歴史と文化が薫る 交流拠点都市」を都市づくりの基本理念とし、新庁舎 が建設される甘木中央地域は「朝倉市郡の中心都市にふさわしい都市機能の集積と良好な市 街地を形成するまちづくり」を都市づくりの目標としています。 また,「朝倉市地域防災計画」 (平成 21 年6月策定・平成 27 年度見直し予定)において, 市有建築物については,施設利用者や職員の安全確保,並びに行政機能の維持を図るととも に,地震時の防災拠点・避難施設として活用していく必要があることから,耐震診断・補強 等耐震対策に努めることとしています。 さらには, 「朝倉市環境基本計画書」 (平成 26 年3月策定)では,…地震対策や国・県から の権限移譲への対応などさまざまな課題がある中で,行政需要の多様化・高度化に対応しなが ら,…「第1次朝倉市総合計画」において掲げている本市の将来の都市像の実現に向けたま ちづくりを着実に進めていくためには,市民の安全・安心を守り,時代の変化と市民ニーズに 即した質の高いサービスを提供するための体制づくりが重要となるとしており,ワンストッ プサービスの充実や庁舎内外のバリアフリー化を進めるなど,市民の利便性の向上を図り, 新庁舎の整備と併せて,本市の基幹業務システムの一元化や集約化に取り組み,事務の効率 化とサービス提供の迅速化を図るとしています。 3 第2章 新庁舎建設の基本的な考え方 1 庁舎の現状 (1) 各庁舎等の配置 庁舎と支所等は、下図のとおりの配置となっています。 【各施設間の道のり】 本庁 1.1 ピ ー ポー ト甘木 2.4 3.4 環境セン ター 7.3 7.3 6.8 朝倉支所 (km) 17.4 17.2 16.9 10.3 杷木支所 ピーポート甘木 本庁舎別館 本庁舎 ピーポート甘木 ② 朝倉支所 環境センター 4 杷木支所 (2) 庁舎配置の状況 職員が執務する各部課は、5か所に分散して配置されています。 ア 本庁舎 イ 環境センター エ 朝倉支所 ウ ピーポート甘木(総合市民センター) オ 杷木支所 <各庁舎の概要> 本庁舎 項 目 本庁舎 敷地面積 本庁舎別館 6,155㎡ 環境センター ピーポート甘木 朝倉支所 杷木支所 10,527㎡ 29,590㎡ 10,810㎡ 8,920㎡ 4,126㎡ 3,088㎡ S63年2月 S58年8月 延床面積 5,892㎡ 1,337㎡ 526㎡ 建築年月 S48年1月 H1年9月 S56年3月 構造 鉄筋コンクリート造 鉄骨造 階数 経過年数 地上5階、 地下1階 築後42年 耐震基準不適合 345人 総務部、市民環 部課配置 H6年2月 鉄筋コンクリート造 地上2階 地上3階 築後26年 築後34年 築後21年 新耐震基準 未補強 職員数 12,255㎡ 地上2階 H26耐震診断済 耐震性能 668㎡/ H18耐震診断済 消防防災課 33人 環境課 境部、保健福祉 地下1階 築後27年 地上3階 築後32年 新耐震基準 耐震基準適合 6人 地上3階、 94人 67人 13人 教育部 朝倉支所 杷木支所 健康課 農林商工部 部、都市建設部 議会 ※ 上記のほか、朝倉地域生涯学習センター内に、人権・同和対策課(朝倉地区人権啓発情 報センター)があります。 5 (3)現庁舎が抱える主な課題 現在の本庁舎は,以下に示す各種の課題を抱えています。 ① 耐震性能の不足 現庁舎は昭和 48 年、建築基準法改正前の旧耐震基準で建築されたものです。 平成 26 年度に耐震診断を行ったところ、Is 値=0.41、補強ブレースが 101 か所必要 という診断結果になり、耐震性能の不足が明らかになりました。庁舎は、市民の生命と 財産を守るとともに、市民生活に係る機能や情報等が存在する重要な施設です。また、 危機管理機能を備えた防災の拠点であり、災害発生時にいち早く復旧、復興を図るため の拠点として重要な役目があります。 ■ 耐震診断指標 構造耐震指標には Is 値を用います。Is 値は地震力に対する建物の強度、靱性(じ んせい:粘り強さ)を考慮し、建築物の階ごとに算出します。 <震度 6~7 程度の規模の地震に対する Is 値の評価> Is 値が 0.6 以上 Is 値が 0.3 以上 0.6 未満 Is 値が 0.3 未満 倒壊または崩壊する危険性が低い 倒壊または崩壊する危険性がある 倒壊または崩壊する危険性が高い ※「耐震改修促進法」の告示 ■ 庁舎に求められる Is 値 一般の建物で 0.6 以上が必要とされています。防災拠点となる建物では、そ の重要度に応じて、一般建物のから 1.5 倍(Is 値=0.9)以上の Is 値が必要とな ります。 <必要な Is 値> 一般の建物 0.6 以上 庁舎 0.9 以上 ※「官庁施設の総合耐震計画基準」 (国土交通省) ■ 耐震診断結果 平成 26 年度に実施した現庁舎の耐震診断の結果は、次のとおりです。 <現庁舎の Is 値> ② 地階 1階 2階 3階 4階 5階 最低値 X方向(東西) 0.67 0.41 0.44 0.60 0.67 0.60 0.41 Y方向(南北) 0.58 0.57 0.64 0.75 0.94 1.17 0.57 本庁方式分散型による機能の分散 職員が執務する事務所は、支所機能を除き4か所(本庁舎、環境センター、ピーポ ート甘木(教育部、健康課) 、朝倉支所(農林商工部))に分散しているため、用件が各 部局にまたがるような場合は、 事務所間を移動しなければならず、 市民にも負担が伴い、 市民サービスや利便性の低下を招いています。 また、多種多様化する市民ニーズに対して迅速な対応が求められていますが、行政組 織が部課単位で事務所が分散しているため、各部課間の連携または協議に時間を要し、 6 連絡調整がスムーズに行えないなどの現状にあります。 課 題 ■ 事務所の分散化により、市民サービスや利便性の低下を招いています。 ■ 職員の事務所間移動に係る時間的損失、各庁舎の維持管理経費等が負担となります。 ■ 各部課間の連絡調整等での業務が非効率です。 ■ 職員の事務における連携意識が希薄になりやすくなります。 平成 18 年の合併においては、本庁支所方式=本庁方式集中型を採用し、本庁は旧甘 木市役所庁舎とすることが確認されていました。 しかし、旧甘木市役所庁舎のスペースに余裕がなかったため、農林商工部が朝倉支所 に置かれ、現在も本庁方式分散型のままとなっています。 また、現庁舎の狭あいは合併前からの問題でもあり、教育委員会は平成 14 年からピ ーポート甘木に設置されている状況にあります。 合併協定書(下表参照)を踏まえ、本庁方式集中型が採用できる庁舎整備が理想では ありますが、今後も市民の利便性、事務の効率性、財政面など様々な視点から検討して いきます。 <合併協定書に定める「事務組織および機構の取扱い」> 1 基本方針 (1) 地方分権における行政課題に迅速、かつ的確に対応できる組織・機構 (2) 住民の声を適正に反映できる組織・機構 (3) 住民にわかりやすく、利用しやすい組織・機構 (4) 指揮命令系統を簡素化し、責任の所在が明確な組織・機構 (5) 簡素で効率的な組織・機構 2 具体的方針 (1) 庁舎配置方式については、本庁・支所方式とする。(以下略) 7 <庁舎配置方式の例> 本庁方式 分庁方式 総合支所方式 集中型 分散型 ・組織・機構を1ヶ所に集約する方式です。 ・庁舎を「分庁」として各行 ・本庁には管理部門や事 ・残った庁舎は、窓口的な機能を持ち、支所又は出張 政部門を振り分け、業務を 務部門を配置し、合併時 概 所とします。 分散します。 の行政機能を残します。 ・本庁に業務を集中します。 ・支所においては、住民に直接関わりのある業務を行 要 います。 ・本庁のスペースの関係 上、一部の部門を支所に 配置します。 本 庁 本 庁 朝 倉 市 の 例 すべての業務 朝 倉 支 所 杷 木 支 所 ○○部 支所等に置かざるを 得なかった業務以外 の業務 朝 倉 支 所 農 林 商 工 部 総 合 市 民 セ ン タ 杷 木 支 所 △△部 甘木 庁舎 朝倉 庁舎 杷木 庁舎 総合市民 センター □□部 ※※部 本 庁 朝 倉 地 域 行 政 セ ン タ 杷 木 地 域 行 政 セ ン タ 教 育 部 ・業務を集中することで、事務が効率化し、行政の一 ・既存の施設を利用するた ・住民にとって最も合併前 メ 体感が図られます。 め、建設費用(改装費程 に近くなります。 リ ・住民に与える新市誕生の印象が強くなります。(合併時) 度)は少なくて済みます。 ッ ・住民の申請手続き等の利便性が確保されます。 ト デ メ リ ッ ト ・新庁舎を建設するためには、多大な建設費用が必要 ・各業務が分散するため、 ・職員数が合併時と同程 です。 住民にわかりにくくなりま 度必要であり、合併による す。 効果があまり期待できま ・管理上は、非効率的で せん。 す。 ・新市の一体感が醸成さ ・命令系統が複雑になり、 れにくくなります。 迅速な対応が難しくなりま ・命令系統が複雑になり、 す。 迅速な対応が難しくなりま ・会議、決裁等に支障をき す。 たします。 8 ③ 建物・設備の老朽化 コンクリートの劣化や鉄筋の爆裂による中性化、屋上防水の劣化による雨漏りが発生 している状況があります。また、耐用年限による設備更新の必要性が生じており、性 能およびシステムの大きな見直しが求められています。これらの建物・設備の老朽化 により、省エネルギー性能が低く、CO₂排出量など、環境に与える影響も大きくなって います。 課 題 ■ 建物・設備の老朽化が進んでいます。 【現庁舎の至る箇所にクラック(ひび割れ)が発生している様子】 ④ 防災拠点機能 庁舎は、市民の生命と財産を守るとともに、市民生活に係る機能や情報等が存在する 重要な施設です。また、危機管理機能を備えた防災の拠点であり、災害発生時にいち早 く復旧、復興を図るための拠点として重要な役目があります。 現庁舎は、耐震性能が不足しており、あわせて土砂災害警戒区域に一部指定されてい ることから、災害対応機能が十分とはいえません。 課 題 ■ 大規模災害に対応できる防災機能拠点としての強化が必要です。 ■ 現状においては、分散した事務所での災害対策活動となり、災害対策本部会議での決 定事項が迅速に伝わらず、対策活動に支障が生じる可能性があります。 【土砂災害警戒区域に一部指定されている現庁舎付近】 本庁舎別館 ・・・土砂災害警戒区域 ・・・土砂災害特別警戒区域 本庁舎 9 (5) 庁舎の狭あい 行政ニーズの多様化、事務量の増加等により狭あい化が進み、窓口および待合スペー ス、執務スペース、個別相談スペースや授乳スペースなどを設置するスペースが不足し ています。 課 題 ■ 個別相談スペースや会議室の十分な確保が行えず、プライバシーの確保等に問題があり ます。 ■ 書庫や倉庫が不足し、廊下や階段に 溢れているため、市民サービスや業務効率 の低下、防災面、セキュリティ面に課題が あります。 【ロビーに設けられた相談スペース】 (6) バリアフリー 庁舎は、誰もが利用しやすいことが必要です。しかし、現庁舎建設時には、障がい 者や高齢者などに配慮した構造ではなかったため、改修によるバリアフリー対応だけで は十分といえません。 課 題 ■ 一定のバリアフリー対応を行っていますが、庁舎の構造上、バリアフリー化への対応は十分 に行えません。 【議場への通路が狭く、スロープがない。】 ○各庁舎のバリアフリー化の状況 施設機能 本庁 別館 朝倉 杷木 ○ × ○ ○ 多機能トイレ △*1 × △*2 △*2 建物内手すり △*3 △*3 △*3 △*3 案内(点字・音声) ○ × × × 誘導ブロック ○ × × ○ エレベーター ○ × ○ × 思いやり駐車場 ○ ○ ○ ○ (近江庁舎1階の窓口相談スペース) (近江庁舎1階の執務スペース) 段差のスロープ *1…地階、1階のみ 10 *2…1階のみ *3…階段のみ 2.新庁舎の基本理念・基本的機能 (1)基本理念と基本的機能 基本構想においては,新庁舎整備に向けての9つの基本方針と,それを実現するため の●つの基本的機能を掲げています。 <基本方針> <基本機能> やさしい庁 舎 容 易 なアクセス環 境 ひとにやさしい庁 舎 ユニバーサルデザイン の推 進 わかりやすく使 いやすい施 設 まちにやさしい庁 舎 プライバシーへの配 慮 バランスのよい機 能 と費 用 自 然 にやさしい庁 舎 まちに開 かれた庁 舎 省 エネルギー技 術 等 の利 用 つよい庁 舎 高 い耐 震 性 能 災 害 につよい庁 舎 災 害 に強 いライフライン セキュリティにつよい庁 舎 災 害 対 策 ・危 機 管 理 機 能 変 化 につよい庁 舎 情 報 管 理 ・防 犯 機 能 時 代 への対 応 つなぐ庁 舎 市 民 と行 政 をつ なぐ庁 舎 開 かれた議 会 ・見 える市 政 人 と人 をつなぐ庁 舎 市 民 活 動 ・市 民 交 流 の 場 人 と自 然 をつなぐ庁 舎 地 元 産 材 の利 用 基本計画では,上記の基本的機能に沿って,さらに具体的な目標を設定したうえで,求め られる新庁舎の基本理念の実現に向けた取り組み方策を検討していきます。 11 第3章 新庁舎に求められる機能と実現方策 新庁舎の基本理念の実現に向けた基本的機能を,具現化するための個別機能を以下のよう に設定します。 <基本機能> 案 内 機 能 の充 実 利 便 性 の高 い窓 口 計 画 わかりやすく使 いやすい施 設 快 適 な待 合 環 境 ユニバーサルデザインの推 進 わか り や すい サイ ン 計 画 プライバシーへの配 慮 誰 もが 使 い や すいスペ ース 個 別 相 談 機 能 の確 保 景 観 ・ 周 辺 に 配 慮 し た 建 築 デ ザ イン 自 然 エ ネル ギー 等 の 有 効 活 用 環 境 に配 慮 した庁 舎 省 エネルギー技 術 の導 入 と負 荷 の低 減 都 市 環 境 の保 全 に配 慮 した取 り組 み 災 害 に強 い庁 舎 災 害 に強 い庁 舎 の実 現 災 害 対 策 ・危 機 管 理 機 能 災 害 対 策 機 能 の強 化 ラ イフ ラ イン 途 絶 時 への 対 応 災 害 に強 いライフライン 情 報 セ キュリテ ィへ の 対 応 情 報 管 理 ・防 犯 機 能 防 犯 機 能 の確 保 時 代 の変 化 に対 応 できる庁 フレキ シビリテ ィの 確 保 情 報 技 術 活 用 によ る 効 率 化 経 済 的 な庁 舎 管 理 の実 現 機 能 的 で働 きやすい執 務 環 境 職 員 環 境 と市 民 参 画 市 民 参 画 や協 働 を促 進 する工 夫 開 かれた議 会 機 能 市 民 に 開 かれ た 議 会 機 能 の実 現 市 民 活 動 ・市 民 交 流 の 場 多 様 な市 民 利 用 スペースの設 置 地 元 産 材 の利 用 市 民 利 便 ス ペースの 設 置 地 域 産 木 材 の利 用 12 それぞれの個別機能における目標と具体的な取組方策について,以下に示します。 1 ひとにやさしい庁舎 わかりやすく使 いやすい施 設 (1) ユニバーサルデザインの推 進 (2) 利 便 性 の高 い窓 口 計 画 案 内 機 能 の充 実 (3) 快 適 な待 合 環 境 プライバシーへの配 慮 (4) 個 別 相 談 機 能 の 確 保 (5) わかりやすいサイン計 画 (6) 誰 もが使 いやすいスペース (1) 案内機能の充実 ① 総合案内の設置 現状に引き続きエントランスホールに総合案内を設置し、来庁者の用件に応じた窓口案内や、 分散した庁舎全体の総合的な案内を行います。総合案内カウンターは、あらゆる来庁者が快 適に利用できるよう配置やデザインを検討します。 ② フロアマネージャーの配置 フロア全体を見守る職員を配置し、窓口への誘導や申請書等の記載補助などを行うことで来 庁者の手続きをスムーズにします。 総合案内カウンター(熊本県玉名市) 書類の記載方法を説明するフロアマネー ジャー(兵庫県神戸市HPより) (2) 利便性の高い窓口計画 ① 窓口の集約配置 現在分散している市役所機能を見直しながら、市民利用の多い窓口や高齢者の利用が多い 窓口を1階に集約配置します。また、福祉課と介護課、こども未来課と健康課など関連性の 高い部課間が連携を取りやすい配置とすることで手続きの利便性を高めます。 13 ② わかりやすい窓口サイン ライフイベントごとの表示や、各部課の業務内容がわかる表示とします。また文字の大き さや色分けを工夫するなどわかりやすい窓口とし、ワンストップサービス機能をより効率の よいものにします。 ③ 手続きをより効率的にするシステム ネットワークを利用した総合窓口支援システムでは、総合窓口や機械での各種証明書発行 や申請が可能になります。異なるフロアや建物との連携も容易になり、素早く確実なサービ スを提供できます。マイナンバー制度や費用対効果を考慮し、総合窓口支援システムの導入 を検討します。 ライフイベントごとの窓口サイン表示 (千葉県四街道市HPより) 一箇所で様々な手続きができる総合窓口 (福岡県粕屋町HPより) (3) 快適な待合環境 ① 待合スペース 窓口の集約配置をもとにした総合待合スペースを設置し、見通しのよい快適な空間を創出す るとともに窓口手続きの利便性を高めます。 ② 情報画面の設置 窓口での待ち人数のわかる窓口案内標示システムの他、テレビや施設パンフレットなどを設 置します。テレビモニターでは、市役所からのお知らせや地震速報の放映の他、地元企業な どの広告を放映する有料広告事業も検討します。 見通しのよい窓口(熊本県玉名市) 窓口案内標示システム(熊本県玉名市) 14 (4) 個別相談機能の確保 ① 窓口の間仕切り 現状に引き続き窓口カウンターに間仕切りを設置し、相談者のプライバシーに配慮します。 ② 個別相談室 福祉課や税務課など個別相談機能が求められる部課を中心に、窓口・事務スペースに隣接し た個別相談室を設け、安心して相談できる窓口とします。 プライバシーに配慮した相談ブース (福岡県粕屋町HPより) (5) 分 かりやすいサイン計 画 ① 分 かりやすい案 内 表 示 誰にでもわかりやすい視認性の高いものとし、絵記号(ピクトグラム)を用いるとともに、 設置の高さや大きさにも配慮します。また、目的地の方向を示す「足もと誘導サイン」,文字 や番号だけよりもわかりやすい「色での誘導サイン」など直感的なサインを積極的に取り入 れます。 ピクトグラム ② きめ細 やかなバリアフリー対 応 視覚や聴覚に障がいのある方でもスムーズに案内できるよう、触知案内機能や音声案内、 点字サインや点字誘導ブロックの設置を検討します。また案内表示には外国語表示も検討し ます。 (6) 誰 もが使 いやすいスペース ① 分かりやすく明快な動線計画 各階で適切なゾーニングを行い,エレベーターや階段等のコア部分(上下階の移動動線) の機能的な配置や,利便性に配慮した廊下など、分かりやすく明快な動線計画とします。ま た、主要な廊下については,車椅子の方でも支障なくすれ違うことのできる幅を確保します。 15 ゆったりとした見通しのよい通路(青梅市庁舎) ② 段差や死角のない廊下・通路の計画 外部の通路を含め,新庁舎における廊下などは、段差のない安全な移動動線とするととも に、出会いがしらの衝突防止など、見通しを確保した死角のない通路となるよう配慮します。 ③ 利便性を踏まえた昇降機・階段の設置 庁舎全体の配置・平面計画に応じて、来庁者や職員が利用しやすい位置に、手すりや鏡, 音声案内等を備えた身体障害者対応エレベーターなどの昇降機設備を適切に設置します。ま た,来庁者の利用頻度が高い階段についても、上り下りしやすい緩い勾配の仕様とし、2段 手すりを設けるなど,ユニバーサルデザインに配慮します。 2段手すり 蹴上げを低く、 踏み面を広くする 一般的な階段 勾配の緩い階段 ④ カウンターや椅子のデザイン 上り下りしやすい勾配の階段 (つくば市庁舎) 窓口カウンターは、ハイカウンターとローカウンターを設置します。比較的短時間で処理 可能な証明書発行などにはハイカウンターで対応し、車いすの方や比較的長い時間を要する 届出・相談等にはローカウンターで対応するなど柔軟に使いわけます。また待合スペースに は、立ち座りをサポートできる肘付きタイプの椅子やステッキ掛け付きのチェア、優先席な ど、高齢者の方などが座りやすい家具を設置します。 ⑤ キッズスペースや授乳室の適切な配置 子育て関連の窓口や総合待合スペースでは,子ども連れの来庁者のためにべビーベッドや 授乳室のほか、子どもが遊んで待ち時間を過せるキッズコーナーを配置するとともに、子育 てサークルなど関連情報を掲示します。 16 ⑥ 高齢者,障害者など誰もが使いやすいトイレの設置 手すりや多目的シート(オムツ換え台),洗面台等を設置した誰もが安心して使えるトイレ を各フロアに設置するとともに、子育て関連,総合待合などのある低層階には複数設置しま す。 多目的トイレ(青梅市庁舎) キッズスペース・授乳室(箕面市 HP より) 2 まちにやさしい庁舎 庁舎 (1) 街 の景 観 に配 慮 した建 築 デザイン (2) (3) 17 3 自然にやさしい庁舎 環 境 に配 慮 した庁 舎 (1) 自 然 エネルギー等 の有 効 活 用 (2) 省 エネルギー技 術 の導 入 と負 荷 の低 減 (3) 都 市 環 境 の保 全 に配 慮 した取 り組 み 大規模な建築物は,建設から運用段階に至るまで,環境に対して大きな影響を与えること から,新庁舎の整備に際しては,「朝倉市環境基本計画書(平成 26 年 3 月策定)」で示され た方針を踏まえつつ,地球温暖化の抑制に貢献し,環境負荷の低減に向けた取り組みをライ フサイクルコストの視点から検討します。 各種方策や技術の導入にあたっては,国が推進する「官庁施設の環境保全に関する基準」 や「環境配慮型官庁施設(グリーン庁舎)計画指針」など,次に示す具体的な方策やイメー ジを参考にしながら,設計段階において整備費用についての検証も行い,可能な限り「自然 にやさしい庁舎」を推進します。 各分野における環境配慮方策・技術 ◆新エネルギー(自然エネルギー)の有効活用 機能別の目標 新エネルギー・資源の有効活用 による環境配慮 効率的かつ効果的な 省エネルギー技術の導入 ライフサイクルコストの低減 ・長寿命化等の推進 ・太陽光発電、太陽熱給湯の利用 ・自然光の活用(照明負荷の低減) ・自然通風の活用・パッシブデザイン(冷房負荷の低減) ・地中熱、地下水熱の有効活用 ◆エネルギー・資源の有効利用 ・電力負荷の低減、平準化 ・部位に応じた運転制御方式(搬送エネルギーの最小化) ・高効率照明器具、部位に応じた点灯方式の採用 ・雨水や井水、排熱処理水の利用、各種節水システムの採用 ・適正な運転管理が可能な管理システムの構築 ◆負荷の低減 ・建築物の向きや室の配置の工夫(熱負荷の低減) ・断熱性の高い材料等の採用 ・断熱性、日射遮蔽性の高い建具やガラス、庇等の採用 ・エネルギー損失の低減を考慮した建築設備システム ◆長寿命・エコマテリアル ・将来の変化に柔軟に対応できる建物 ・耐久性のある構造体、設備等の更新・修繕への配慮 ・維持管理の容易なスペース等の確保 ・環境負荷の少ない自然材料等の採用 ・廃棄物等の再使用、再生利用した資機材の使用 ◆適正使用・適正処理 ◆生態系の保全 ・建設副産物の発生抑制、再利用 ・運用時の廃棄物の適切な処理 ・最小限の地形の改変 ・緑化率の向上 「官庁施設の環境保全性に関する基準」をもとにした各種の環境配慮方策・技術1 1 パッシブデザイン:特別な設備機器を使わずに、建物の構造や工夫によって快適な室内環境をつくりだす手法。 エコマテリアル:製造・使用・廃棄時のすべてにおいて環境負荷の少ない材料のこと。 18 グリーン庁舎のイメージ(国土交通省ホームページより) (1) 自 然 エネルギー等 の有 効 活 用 ① 太陽光発電等の導入 新庁舎には、太陽光発電システムを取り入れます。屋上などに効率よく太陽光パネルを設 置し、玄関ホールなどで発電量がわかるモニターなどを設置することにより、エネルギー利 用の「見える化」を行います。 また、駐車場などの屋外にもソーラー外灯など自然エネルギーを利用した照明の設置を検 討します。 さらに、風力発電設備の導入についても検討します。 太陽光パネル・風力利用のイメージ 19 ② 自然採光・自然通風の確保 庁舎建物は、平面や断面形状、開口部の検討により、可能な限り自然の採光や通風を確保 することに配慮し、できるだけエネルギー負荷を抑える工夫を行います。 自然採光を取り入れた明るい庁舎(町田市庁舎) ③ 地中熱・地下水熱・太陽熱の利用 環境にやさしく、地域性も考慮した有効なエネルギーである地中熱や地下水熱を利用し、 空調設備への補助熱源としての活用を検討します。 また、太陽熱による給湯用の補助熱源利用についても検討します。 ④ 雨水・井水の有効活用 雨水や井水を集水し地下ピットに蓄え、トイレの洗浄水や植栽への散水などに有効活用し、 水道水の利用を抑える工夫を行います。 (2)省 エネルギー技 術 の導 入 と負 荷 の低 減 ① 高効率照明などの採用 使用場所に応じて、人感センサーによる照明点灯方式、執務室等の昼光制御システムの導 入及び部分消灯が可能な照明計画などにより、照明電力の消費抑制を図ります。 また、少ない消費電力で長寿命の高効率照明器具(LED 等)を積極的に採用します。 ② 断熱性の向上 外壁の断熱性の向上や、出入口から室内の空気を逃がさない工夫など、夏季や冬季におけ る室内空調エネルギーの消費量を抑制します。 また、夏季の昼間における日射抑制方策なども検討します。 ③ 空調システムの工夫 空調システムの導入に当たっては、熱源システムを検討し、夜間の安価な電力使用と負荷 の平準化など、ライフサイクルコストの低減に配慮した取組みを行います。 ④ エネルギー管理システムの導入 庁舎内のエネルギー使用量が場所ごとに把握でき、各種設備の一元管理が可能なエネルギ 20 ーマネジメントシステム の導入を検討します。 また、設備の効率的な運転管理を行うことにより、光熱水費の削減を図ります。 (3)都 市 環 境 の保 全 に配 慮 した取 り組 み ① 敷地内緑化の推進 敷地内には緑地スペースを設けて、朝倉の気候や風土にあわせた緑化を推進します。 また、屋上緑化や壁面緑化についても管理面も考慮しながら、可能な範囲での設置を検討し ます。 ② その他環境配慮に関する取組み 新庁舎の整備において使用する各種材料については、リサイクル材を積極的に活用し、環 境負荷の低減に貢献します。 また、環境にやさしい電気自動車の普及も見据え、充電設備の設置なども検討します。 バルコニー部の緑化(福島市庁舎) 21 4 災害につよい庁舎 災 害 に強 い庁 舎 (2) 災 害 に強 い庁 舎 の実 現 災 害 対 策 ・危 機 管 理 機 能 (3) 災 害 対 策 機 能 の強 化 災 害 に強 いライフライン (4) ライフライン途 絶 時 への対 応 (1)災害に強い庁舎の実現 ⑦ 免震構造等の導入 新庁舎の建物には、地震発生後においても迅速な指揮・対応や、行政機能の維持・ 継続を図るための方策として、免震構造等の導入を検討します。 従来の耐震構造では、地震時の揺れがそのまま建物全体に伝わるため、柱や梁など の構造部材の損傷や、室内の什器・備品の転倒など、地震による被害が生じる可能性 がありますが、免震構造を導入した場合は,地震時の揺れを免震装置が吸収すること で、上部建物の急激な揺れを軽減することができ、建物構造上の損傷や什器・備品の 転倒も抑えることができます。また、耐火構造としての性能の確保や家具等の転倒防 止策など、庁舎全体として万全な防災対策を図ります。 免震装置の設置イメージ ⑧ 万全な備蓄体制の構築 大地震等の災害発生から数日間程度は、支援物資等が供給されない事態が想定され ることから、災害対策等に従事する職員や、緊急対応として一時的に市庁舎に避難さ れる市民のための簡易トイレや毛布等の備蓄スペースを,新庁舎内に確保します。 保管する物品の種類や量等の詳細については、 「朝倉市地域防災計画」 (平成 21 年度 策定)との整合を図りつつ,避難所であるピーポート甘木との連携も含めて今後検討 を行っていきます。 ⑨ 浸水対策を考慮した庁舎 新庁舎の整備にあたっては、洪水による浸水に備え、建物出入口などの開口部を浸 水レベルより高い位置に設定するなどの浸水対策を検討していきます。また,電気室 や機械室、サーバー室などの設備関連室や備蓄スペースなども、浸水の影響を受けな い高さ(2階以上)に設置し、災害時でも市庁舎が継続して機能できるよう配慮しま す。 22 ⑩ 一時避難スペースの確保 地震や洪水等の災害が発生したときには,市庁舎を利用している来庁者や、市役所 付近にいる市民が一時的に避難することが想定されます。新庁舎においては、災害発 生時の対策本部や復旧活動に支障のない範囲で、会議室やロビー等の空間を、一次避 難のためのスペースとして開放できるようにします。また、避難所であるピーポート 甘木の隣に位置していることから、ピーポート甘木との連携も含めて検討します。 (2)災害対策機能の強化 ⑪ 災害時の指揮命令機能の確保 災害時の迅速かつ確実な指揮命令を可能にするため、災害対策本部室の設置を図り ます。指揮命令等のための設備については、無線によるテレビ会議システムや防災行 政無線など、バックアップ機能を含めた通信システムの再構築を進め、日常的に利用 する庁議室を本部員会議室として活用するなど、効率性、迅速性に配慮します。 ⑫ 災害時 24 時間対応のための仮眠室等の設置 災害時には市の職員が情報収集や復旧活動などのため、市庁舎に 24 時間体制で対策 に従事することが想定されます。 新庁舎においては、仮眠室としても利用できる和室やシャワー室を備えるものとし、 災害応急対策に従事する職員に配慮します。 なお、和室などのスペースは、平常時には職員のための福利厚生等に利用するなど、 効率化を図ります。 仮眠室兼休憩室(青梅市庁舎) (3)ライフライン途絶時への対応 ⑬ 自家発電設備による電源確保 市庁舎は、大地震等の災害発生後においても継続的な活動が必要となる拠点施設で あることから、商用電力の供給途絶時への対応として、72 時間連続運転可能な自家発 電設備を設けることとします。 また、電力の引込や庁舎内幹線ルートの二重化、太陽光発電等の自然エネルギーの 活用による蓄電対応など、電力供給設備に係る信頼性の向上対策について、導入に向 けた検討を行っていきます。 ⑭ 給水・排水機能の確保 災害時の万一の水道供給の途絶に備え、耐震性貯水槽を設置するなど,非常時の飲 料水として使用できる機能を検討します。さらに,井戸の整備による井水の活用につ 23 いても検討を行います。 また、非常時の排水機能の確保策として,下水本管が破断した場合でもトイレ利用 が可能となる非常用汚水貯留槽や、マンホールトイレ2の設置などについても検討を行 います。 ⑮ 情報通信機能の確保 災害時の公衆通信網の途絶等への対策として、情報通信における光ファイバー回線 及びメタル回線による引込の多重化や防災行政無線の設置,重要通信機器における電 源の二重化、無停電電源装置の設置など、災害時の活動内容に応じて外部との通信・ 連絡機能の機能確保を図ります。 マンホールトイレ:災害などの有事に、敷地内の貯留槽や下水道管のマンホール蓋を開け, その上に仮設のテントと便器を組み立てたトイレを設置し、一時貯留するもの。 2 24 5 セキュリティにつよい庁舎 情 報 管 理 ・防 犯 機 能 (1) 情 報 セキュリティへの対 応 (2) 防 犯 機 能 の確 保 (1)情報セキュリティへの対応 ① 外部民間データセンターへの情報システム移設 市民の個人情報など,重要なデータを扱う市庁舎においては,情報システムやデー タの万全な運用及び保全が求められます。 現在,住民基本台帳システム等の基幹業務システムを運用するホストコンピュータ やインターネット関連のサーバーについては,災害に強くセキュリティ機能に優れた 民間データセンターへ移設済みであることから,現在運用している業務システムサー バーについても,今後,新庁舎の整備スケジュールにあわせて,民間の施設における 運用へと移行します。 ② 庁舎内バックアップサーバー室の整備 ①で示した方針を受け,新庁舎においては、全庁的なネットワークのセンター機能 や、民間データセンターへの移設サーバーのバックアップシステムを構築するものと し、それらの機器を設置するためのサーバー室を整備します。 (2)防犯機能の確保 ③ 庁舎内各部のセキュリティ確保 新庁舎の整備に際しては、来庁者と職員の利用 するエリアの区分や利用動線を考慮し、フロア構 成や諸室レイアウトなどセキュリティに配慮し ます。 また、職員用の出入口や、サーバー室をはじめ とする職員専用室には、ICカード認証等による 施開錠システムの設置を検討するなど、入室管理 面のセキュリティを確保します。 サーバー室出入管理(青梅市庁舎) ④ 夜間窓口の計画等による防犯面への配慮 夜間や休日など時間外の来庁者に対して、時間外の出入口(窓口)を利用しやすい 場所に設置するとともに、庁舎管理室(宿直室など)を隣接させるなど、利便性や防 犯性に配慮します。 また、敷地内や庁舎建物内の利用者動線上の主要な場所に、防犯カメラの設置を検 討します。 25 6 変化につよい庁舎 時 代 の変 化 に対 応 する庁 舎 (1) フレキシビリティの確 保 (2) 情 報 技 術 活 用 による 効 率 化 (3) 経 済 的 な庁 舎 管 理 の実 現 (1)フレキシビリティの確保 ⑤ フリーアクセスフロア・設備更新スペースの確保 執務室をはじめとする主要スペースについては、OA機器等のレイアウトや配線が 自由にできるフリーアクセスフロア(二重床)を導入し、将来の組織変更等にも柔軟 に対応します。 また、新庁舎内の配線,配管ルートや設備関係室についても、更新等に備えたスペ ースを確保しておくなどの対応を行います。 ⑥ 将来的な変化や繁忙期への柔軟な対応 将来の機構改革や、臨時的な事務・作業等の利用にも対応できるように、柔軟性の 高い執務空間、設備計画の対応を図ります。また、転入出が多い年度替わりや確定申 告の時期など、窓口が混雑する繁忙期のために、臨時窓口に使える空間を確保し、通 常時はロビーやギャラリー等として使える工夫を行います。 (2)情報通信技術の活用による効率化 ⑦ ネットワーク環境・情報システムの構築 新庁舎においては、庁内LAN環境の整備や行政事務支援システムの整備など、I CT(情報通信技術)を活用した効率的、機能的かつ効果的な執務環境を実現します。 今後の技術の進展にもできるだけ対応した環境整備を図るなど、高度情報通信社会に おける利便性に配慮した庁舎を目指します。 ⑧ 出退勤管理システムの導入 現在,紙ベースで運用している庶務関係手続きについて、出退勤管理システムの導 入を検討します。職員の庶務管理を電子化することにより、手続きの省力化,効率化 を図ります。さらに、職員用ICカード等の導入による時間外の庁舎出入や専用エリ アへの入退室管理等について、今後検討を進めていきます。 (3)経済的な庁舎管理の実現 ⑨ 維持管理に配慮した施設整備 新庁舎の施設配置など、維持管理や修繕に配慮した整備を推進するとともに、長期 にわたり効率的な維持管理が求められることから、新庁舎で採用する建築技術や設備 については、機能的で汎用性のある資材やシステムを採用する方針とし、メンテナン 26 スが容易で、迅速かつ経済的に修繕ができるよう考慮します。 また、修繕・更新時の施設機能の停止をできるだけ回避するなど、施設機能の継続 に配慮します 27 7 市民と行政をつなぐ庁舎 職 員 環 境 と市 民 参 画 (1) 機 能 的 で働 きやすい執 務 環 境 (2) 市 民 参 画 や協 働 を促 進 する工 夫 開 かれた議 会 機 能 (3) 市 民 に開 かれた議 会 機 能 の実 現 (1)機能的で働きやすい執務環境 ① 連携を考慮したゾーニング・職員動線 新庁舎の執務室ゾーニングについては,部門間の連携を考慮した配置とします。同 一部に属する課をできるだけ同一階に配置し,相互関連性の強い課は,できるだけ近 接した階・エリアに配置するなど,効率的に業務が行えるよう配慮します。 ② 機能的な執務空間のレイアウト 窓口や各種相談,協議等の来庁者の応対をする部門の執務室を中心として,通路側 にカウンターを設置した来客ゾーン,その後ろにキャビネット等で区画された執務ゾ ーンの構成とするなど,業務の内容や場面に応じた機能的なレイアウトとします。さ らに,執務スペースのデスク仕様や配置はできるだけ均一化し,組織変更や異動の際 には人が動くことで対応可能なユニバーサルプランの採用を検討します。 見通しのよい機能的なオフィス空間(青梅市庁舎) ③ 利用に応じた会議室の設置 少人数で行う打合せやミーティング等のスペースは,各部門の特性に応じて執務室 内や各フロアに確保し,大・中会議室については,階層配置に応じて利便性に配慮し たフロアに配置するなど,効率性に配慮します。 集約配置する会議室については,音環境に配慮するとともに,可動間仕切として面 積を柔軟に設定できるなどの対応を行います。 28 通路部分を利用した打合せブース(立川市庁舎) ④ 適切な保管スペースの確保 文書量調査に基づき、各課の書類や図面等を保存年限ごとに保管する書庫を設置す る方針とし、常用文書以外のすべての文書を保管できる十分なスペースを確保するな ど、適正な規模の書庫の設置を検討します。 また,物品庫や測量器具・作業道具等を保管する収納庫を、必要に応じて適切に設 置します。 ⑤ 衛生的な執務環境 男女別の更衣室を、利便性に配慮して各階のバックヤードエリアに配置します。窓 口関係部課用の更衣室は、来庁者の目に触れずに昼食をとれるよう、休憩スペースを 考慮した計画とします。 ⑥ 受動喫煙防止・健康に配慮した内装材 健康増進法に基づき,受動喫煙防止対策を講じることとします。また,シックハウ ス対策として内装仕上・家具等の健康に配慮した材料の採用や,室内の適切な換気を 行います。 29 (2) 市 民 参 画 や協 働 を促 進 する工 夫 ① 情報コーナーの充実 市民が利用しやすい場所に、市政情報コーナーを設置します。各種行政資料や刊行物、 パンフレット等を閲覧できる十分なスペースを確保するとともに、パソコン端末やコピ ー機の設置などの対応も計画します。また、庁舎内の掲示物については掲示コーナーを 設けるなど建物内の景観と情報伝達の整理を行います。 充実した市政情報コーナー(立川市庁舎) ② 市民協働ルームの設置 ・市政や市の事業等に参画、協働している市民が、会合やミーティング等に利用できる市 民協働ルームを設置します。また、市民協働ルームとあわせて、子育て世代が会議等に 参加しやすくするために保育室の設置や、市民団体が情報交換できる市民協働サロンの 設置を検討します。 ・市民協働ルームは、時間外や休日における市民利用のしやすさに配慮した配置ゾーニン グの計画とします。 市民利用も可能な会議室(青梅市庁舎) 30 (3) 市 民 に開 かれた議会機能の実現 ① 機能的な議場の整備・傍聴スペースの設置 新庁舎の平面・階層計画に応じて,利用者の動線に配慮した議場の配置とします。 議場は,音響効果等を考慮した適切な天井高さの空間とし,議会開催に配慮した議場 内レイアウトを検討するとともに,車椅子利用者などを含む利用しやすい傍聴席の設 置など,機能的な空間となるよう検討します。 また,議場の音響・映像設備及び電子採決システム,カメラによる中継システム(待 合いロビー等での中継放映)など,議会の円滑かつ効率的で,市民に開かれた運営が 可能となる設備の導入などを検討し,環境整備を図ります。 <議場の形態比較> 項 目 フラット方式 議 場 断面 段床方式 傍聴席 議 場 傍聴席 イメージ フラットフロアのため,議員側と行政 議員側,行政側双方からお互いが見 側の双方が見えにくい。 えやすく,議論が行いやすい。 可動式の什器とすれば,議会以外の 議場以外の用途としては使えず,定 利用の 用途にも活用でき,将来的な定数変 数変更や多目的な用途への変更対 しやすさ 更や多目的な用途への変更が容易 応も容易にできない。 サイトライン にできる。 段差の処理 床はフラットであり,段差の処理は不 議場と傍聴席に段差があり,スロープ 要となる。 等の設置やその分の面積確保が必 要となる。 ② 円滑な議会運営のための関連諸室の整備 正副議長室や,議員控室,委員会室,応接室並びに事務局用の諸室など,適正な配 置,規模による関連諸室の整備を行います。議員控室の議会改選に応じて会派別に面 積を変更できる可動間仕切の導入を検討します。 ③ 市民のための議場等見学機会の創出 新庁舎の議場について,議会が開催されていない期間などに,小中学生の社会学習 の一環として議場見学の機会の創出を検討します。議会がどのように行われ,どのよ うな役割を担っているのかなど,実際の議場で体験しながら説明を受ける等,子ども から大人まで,広く市民に開かれた議会の実現に向けた方策を推進します。 31 8 人と人をつなぐ庁舎 市 民 活 動 ・市 民 交 流 の場 (2) 多 様 な市 民 利 用 スペースの設 置 (2) 市 民 利 便 スペースの設 置 (1)多様な市民利用スペースの設置 ④ 市民が快適に利用できるエントランス空間・休憩ロビーの創出 新庁舎のエントランスは,来庁者を迎え入れる玄関として,明るく開放的な空間と なるよう配慮します。また,市民が気軽に利用できるベンチを適所に配置するととも に,テーブルや椅子を配置した休憩・談話ロビーや自動販売機コーナーの設置など, 来庁者が快適に過ごせる空間を整備し、市民同士の交流機会を創出する計画とします。 なお,これらのスペースは休憩スペース等として使用するほか,市民の皆様の集会 やイベントなどの場として開放することを検討します。また災害時における被災・安 否情報の提供や各種相談窓口の開設場所,繁忙期の増設窓口として変更できるフレキ シブルな空間を配置します。 1 階エントランス近くの休憩コーナー(青梅市) 企画展示ができる市民ギャラリー(あきる野市) ⑤ 市民の様々な活動や交流に利用できる多目的スペースの設置 地域の活動団体の催しや,市民の交流,コミュニティ形成のための機能として,多 目的スペースを設置します。 多目的スペースは,市民が利用しやすいフロアに配置し,様々な利用に対応できる 空間とするなど,柔軟なスペースとします。 32 (2)市民利便スペースの設置 ⑥ 利便性に配慮した銀行等テナントの計画 現在庁舎にあるATMコーナーについては,新庁舎の整備にあわせて休日や時間外 でも利用しやすい場所に配置します。また誰もが利用できる食堂に加え,カフェ,コ ンビニエンスストアなどの新たなテナント機能についても,市民や職員のニーズも踏 まえながら,今後導入を検討していきます。 1 階エントランス近くのカフェ(町田市) 庁舎内に設置されたコンビニエンスストア(甲府市) 市民も利用可能な食堂(町田市) エントランスに設置されたATM(玉名市) 33 9 人と自然をつなぐ庁舎 地 産 地 消 (仮 ) (3) 地 域 産 木 材 の利 用 (2) 市 民 利 便 スペースの設 置 (1)地域産材の利用 34 第4章 新庁舎の施設計画・運用管理計画 1.新庁舎の規模・部門配置 (1)基本指標となる職員数等の設定 朝倉市の平成 22 年から平成 26 年までの住民基本台帳人口は、全国的な推計同様に 人口減少と少子高齢化が更に深刻化する傾向にあります。 <朝倉市の人口動向> 年 人口 平成 22 年を基準とした増減比率 平成 22 年 58,174 人 100.0 人口(朝倉市統計 平成 23 年 57,628 人 99.1 情報による) 平成 24 年 57,422 人 98.7 ※各年 9 月時点 平成 25 年 56,923 人 97.8 平成 26 年 56,204 人 96.6 朝倉市総合計画基本構想策定時点(H20.3)での人口推計は H27(2015)に 54,161 人、国 立社会保障人口問題研究所による推計は 2040 年に 38,750 人となっています。 一方、今後の更なる地方分権の進展による市町村事務の増加、高度情報化、市民ニ ーズの多様化などによる行政需要の増加が見込まれるところです。 なお、本市では、現在「人口ビジョン」を策定中であることから、現段階における 職員数については、朝倉市職員数(平成27年4月1日現在)【本編資料 7】および新 庁舎配置職員数検討資料【本編資料8】の 477 人を基準とした指標設定を行うこととし ます。 <基本指標の設定> 人数 説明 新庁舎に統合した場合の想定される組織に属する職員数 (雇用形態に関係なく机の配置や事務・作業スペースが必要であるため、正規・ ※ 職員数 477 人 非正規を含む。) ※内訳:本庁舎 351 人、朝倉支所農林商工部 52 人、 ピーポート教育部・健康課 58 人、環境課 16 人 議員数 18 人 議員定数 18 人とします。 35 (2)庁舎規模の算定 ①で設定した職員数に基づき、総務省の『起債対象事業費算定基準』 ※3および国土 交通省の『新営庁舎面積算定基準』をもとに基準面積を算定するとそれぞれ次のとおり となります。 <庁舎規模の算定> 区分 ① 総務省起債対象事業費算定基 準 ② 国土交通省新営庁舎面積算定 (㎡) 基準 (㎡) 事務室 3,555.9 2,457.5 会議室、倉庫等 3,801.2 5,252.0 玄関、廊下、階段等 2,942.8 2,834.0 630.0 630.0 10,929.9 11,173.5 議場 合計 以上の算定結果により、新庁舎の必要規模については、10,900 ㎡程度を基準としま す。ただし、将来の財政見通しを考慮し、既存施設の活用などにより、縮減に努め、 適切な規模について継続して検討を行います。 なお、参考として、他市において、最近検討が行われた新庁舎の計画規模の設定を 下表に示します。これによると、職員1人当たり延床面積の各市平均は 27.7 ㎡/人と なっており、本市の規模設定の 22.9 ㎡/人は、比較的コンパクトな庁舎の規模である といえます。 <他市における新庁舎の計画規模>※4 自治体名 庁舎建築年 人口(人) 延床面積 H27.4 現在 (㎡) 新庁舎で 執務する 職員数(人) 職員 1 人当たり 延床面積(㎡/人) 佐伯市(大分県) H26 75,547 14,800 550 26.9 玉名市(熊本県) H26 68,090 11,000 396 27.8 山鹿市(熊本県) H27 54,413 9,740 370 26.3 延岡市(宮崎県) H28(計画) 128,548 18,500 640 28.9 国東市(大分県) H28(計画) 30,188 7,400 268 27.6 出水市(鹿児島県) H29(計画) 54,842 12,000 450 26.7 飯塚市(福岡県) H29(計画) 130,859 17,800 601 29.6 27.7 平均 朝倉市 H31(計画) 55,751 ※3 10,900 477 22.9 総務省地方債同意等基準に定める庁舎標準面積算定基準のこと。平成 23 年度に廃止されていますが、新庁舎 建設の規模算定において、他市でも多く用いられているため、本計画でも適用します。 ※4 数値は、各市の新庁舎建設基本構想、基本計画および基本設計から掲載しています。 36 (3) 駐車場規模の算定 自動車の駐車台数は、現状に基づいた台数から算出し、一般来庁者用 160 台、公用 車用 100 台、職員用 380 台の合計 640 台で設定するものとします。 <駐車場規模の算定> 利用者 台数(台) 説明 一般来庁者 160 現状に基づいた台数 公用車 100 現状に基づいた台数 職員 380 現状に基づいた台数(職員の 80%) 合計 640 (3)部門配置の考え方 37 2.敷地概要 (1)敷地の建設可能範囲 新庁舎の整備に係る敷地利用の範囲は,延床面積の確保や,機能的な庁舎平面プラン の実現,充実したオープンスペースの整備の必要性等の観点より、 を含め た敷地とします。 (2)敷地の概要 (3)敷地周辺の環境条件 ①気候 敷地を含む朝倉市の自然環境条件として,2014 年における気象データは下表のよう になっており, などが特徴となっています。 <朝倉の気象データ 2014 年> 月 降水量 (mm) 気温(℃) 湿度(%) 38 風向・風速(m/s) 日照 時間 合計 日 平均 平均 日 最高 日 最低 最大風速 平 均 最 小 平均 風速 風速 風向 1月 53 4.9 11.6 2.0 59 21 1.6 6.6 西 2月 86.5 5.9 11.4 2.3 64 17 1.7 7.4 西北西 3月 128 9.8 15.9 6.5 64 19 1.8 7.4 西 4月 74.5 14 21.1 11.1 68 17 1.8 9.2 西北西 5月 117.5 19.2 25.3 15.7 66 12 1.8 7.0 西 6月 147 22.1 26.6 20.2 83 40 1.5 6.9 東 7月 471 26.2 31.1 24.2 81 39 1.6 5.2 西 8月 344.5 25.9 31.8 24.8 81 47 1.7 6.6 東南東 9月 111.5 22.9 29.5 21.3 79 30 1.7 10.1 北北東 10 月 102 18.2 25.3 14.9 67 21 1.7 5.7 北北東 11 月 82 12.5 17.7 7.9 69 30 1.7 6.1 西 12 月 77.5 5 12.3 2.6 67 21 1.8 6.4 西 出典:気象庁 HP より ②地形・地盤 ③交通環境 3.土地利用・配置計画 (1)施設配置計画 (2)各種動線計画 39 (h) 149.9 116.7 182.9 173.8 254.1 83.5 137.2 74 151.5 186 135.8 112.6 4.平面・ゾーニング計画 (1)低層階 (2)上層階 5.断面・階層計画 (1)断面計画 (2)階層配置計画 6.建物デザイン計画 (1)新庁舎の外観デザイン (2)新庁舎の内部デザイン (3)朝倉の風土に配慮したデザイン 7.構造計画 (1)耐震安全性の確保 「官庁施設の総合耐震計画基準(建設大臣官房官庁営繕部監修)」では,人命の安全 確保や官庁施設の機能確保を目的として,構造体に関する耐震安全性の目標を下表のよ うに定めています。 新庁舎は,災害応急対策活動の中枢となる施設であることから,構造体「Ⅰ類」,建 築非構造部材「A類」,建築設備「甲類」に相当する性能を持たせる方針とし,地震動 の入力条件など,設計段階で綿密な検討を行い十分な耐震安全性を確保します。 <官庁施設の総合耐震計画基準> 40 部位 分類 耐震安全性の目標 大地震動後,構造体の補修をすることなく建築物を使用できるこ Ⅰ類 とを目標とし,人命の安全確保に加えて十分な機能確保が図られ ている。 大地震動後,構造体の大きな補修をすることなく建築物を使用で 構造体 Ⅱ類 きることを目標とし,人命の安全確保に加えて十分な機能確保が 図られている。 大地震動により構造体の部分的な損傷は生ずるが,建築物全体の Ⅲ類 耐力の低下は著しくないことを目標とし,人命の安全確保が図ら れている。 大地震動後,災害応急対策活動や被災者の受け入れの円滑な実施, 建築非構造 A類 又は危険物の管理のうえで,支障となる建築非構造部材の損傷, 移動等が発生しないことを目標とし,人命の安全確保に加えて十 分な機能確保が図られている。 部材 B類 大地震動により建築非構造部材の損傷,異動などが発生する場合 でも,人命の安全確保と二次災害の防止が図られている。 大地震動後の人命の安全確保及び二次災害の防止が図られている 甲類 と共に,大きな補修をすることなく,必要な設備機能を相当期間 継続できる。 建築設備 乙類 大地震動後の人命の安全確保及び二次災害の防止が図られてい る。 (2)地盤特性に応じた基礎形式 (3)合理的な上部構造計画 3章で示した免震構造等の導入や,架構や荷重条件,費用対効果を含めた詳細な比較 検討など,設計段階において,建築計画や荷重条件,設備計画に応じた合理的な構造計 画を推進します。 <免震・制振・耐震構造の特徴> 41 制振ダンパー等の装置 柱・梁の耐震化 免震装置 耐震壁 地震動 地震動 地震動 制振構造 免震構造 耐震構造 ○免震構造 ○制振構造 ○耐震構造 建築物と地盤若しくは他の土台 建築物に入力される地震力 地震力に対して構造体の力で との間に,水平方向に柔軟に を,建物内部の制振ダンパ 耐える構造で,地震力を受けて 変位可能なアイソレータを設置 ー等の機構により減衰させ も倒壊しないよう,耐力壁やブ することで地震動エネルギーを たり増幅を防いだりすること レース等を配置し,建物の各部 吸収し,建築物の揺れを抑制 で,建築物の振動を低減さ 分が,破壊しないだけの強度を する構造。 せる構造。 確保する構造。 8.設備計画 (1)耐震安全性及び災害時対応の性能確保 (2)環境に配慮した設備システムの導入 9.駐車場・駐輪場の計画 (1)利便性・周辺交通に配慮した駐車場の整備 (2)周辺交通・利便性に配慮した駐輪場の整備 10.運用管理計画 (1)効率的な施設運用管理の必要性 (2)適切な運用管理に向けた方策 第5章 新庁舎建設に向けた事業計画 1.事業方式 (1)事業の進め方についての基本的な考え方 42 (2) 事業方式について ① 新庁舎建設の事業方式 ② 地域経済への配慮 (3)設計者の選定について 2.事業費及び財源計画 (1)事業費について (2)財源等の資金計画について 3.事業スケジュール 43
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