現代教育論(丹野)シケプリ

現代教育論(丹野)シケプリ
文責:多田
祐生
最初に断っておきますと、このシケプリはネット上で拾ったシケプリの図をパクッたり文
章をパクッたりとなかなかに著作権を侵害したものとなっております。なので横流しする
とえらいことになるかもねってことだけはご了承ください m(__)m
学校教育の病理
中学校を取り巻く三つの問題とその関連性
a. 校則強化
b. いじめ
c. 対教師暴力
・悪循環説
おおまかな内容としては、「校則強化に伴い、表向きの生
徒の反応は良くなるが、その反動で裏側(教師の目の届か
ないところ)ではいじめが進行。これがエスカレートした
り、校則強化への報復として対教師暴力(目に見える暴力)が発生。これにより再び校則
強化がはかられ、同じことが繰り返される。」といったところ。
→簡単に結論を出すと、
「根源はそもそも学校にあり、校則を緩めればよい」、「生徒は被害
者である」という立場に立った説であると言える。
・エスカレート説
出発点は高校受験の競争によるストレス。憂さ晴らしのためにいじめが起き、それがエス
カレートして対教師暴力へとつながる。そして、この暴力を抑えるために校則が強化され
る。→そもそもの原因は「過競争にある」とする説。
・板挟み説
学校外に存在する非行集団から、学校内へと非行が持ち込まれ、それにより対教師暴力が
発生。これを抑えるために校則強化がなされ、表面上は沈静化するが、教師の目の届かな
いところではいじめが発生。「校則の緩和は対教師暴力につながり、校則の強化は結局いじ
めへとつながってしまう。」正直これマジどうすんのよ的な状況にある、という説。
どれが正解と言うわけではないが、とある大学の教育学部の学生への質問で出した時には、
板挟み説を回答するものが多かったらしい。
<学校教育の病理の歴史>
1960 代半ば
非行、第二のピーク
1960 代後半
大学紛争
1970 代前半
紛争沈静化→シラケ&アパシー(無関心)+暴走族、学生運動の尖鋭化
1970 代半ば
乱塾時代(受験産業の隆盛)→落ちこぼれ、七五三教育(注①)が問題に
1970 代後半
非行(ツッパリ)+家庭内暴力
1980 代前半
非行+校内暴力の全国一斉増加(注②)
1980 代半ば
いじめ+自殺(+偏差値体制)
1980 代後半
管理過剰+登校拒否
1990 代前半
ゆとり教育・オカルトブーム
1990 代半ば
新々宗教・いじめ(第二のピーク)
(+性非行)
1990 代後半
学級崩壊(主に小学校)
、キレる 16 才
2000 代前半
児童虐待、スクールカウンセラー
2000 代半ば
NEET、学力低下
2000 代後半
脱ゆとり教育、モンスターペアレント
<注>
注①「七五三教育」とは、いわゆる落ちこぼれ層が高校、中学、小学校で 7 割、5 割、3 割
となっていたことを表した言葉。なお、乱塾に関係した事件と言えば、サンデー毎日
が各高校の大学合格者リストを発表するようになったのもこのころ。1970 年代は「受
験」が社会の注目の的になった時代でもあった。
注②1983 年の東京・町田の忠生中学校事件がきっかけとなり、報道番組が一斉に教育問題
を取り上げるようになったのがこのころ。それまでは学校内部に非行があるとは考え
も及ばないことだったらしい。
<学校教育の病理の法則>
学校に対して人(社会)が感じている価値には二つあり、
一つは「学歴価値」、すなわち、
「いい学校を出ることで
学歴と言う利益を得たいと考える」ものであり、もう一
つは「非行価値」すなわち、「校則に拘束(笑)される
ことを疎み、今が楽しければいいと感じて非行に走る」
というもの。おおまかな流れとしてはこんな感じ↓
① 1970 年代半ばから、これは受験体制を求める学歴価
値が強く意識された。
② 結果として落ちこぼれなど、学業不適応者を生むことに。こうした生徒たちによる暴力
事件や非行が目立つようになった。これは、彼らが学業よりも非行価値を強く求めたた
めである。
③ こうした非行などを抑えるために 80 年代ごろからは管理教育が導入されたのだが、管
理過剰問題や、いじめ、不登校など、管理教育にまつわる問題点が次々と露呈。
④ この問題を打開するために導入されたのが「ゆとり教育」
。しかしながら、学力低下が
うたわれるようになり、現在は脱ゆとりの動きへ
今だと学力低下だけじゃなくていじめとかもあるからとりあえずは管理教育に戻すのか
ね?日本の教育は揺れ動いております。
<関連事件>(多分覚える必要ない)
・家庭内暴力
開成高校生絞殺事件(1977 年)
恒常的に家庭内暴力を行っていた高校生を両親が絞殺した事件。
金属バット事件(1980 年)
学生が両親を撲殺した事件。
・対教師暴力
忠生中学校事件(1983 年)
恒常的に生徒から暴力を受けていた教師が、生徒を刺した事件。
・オカルトブーム、新々宗教
地下鉄サリン事件(1995 年)
<そのほか、1990 年後半以降の特徴>
校内暴力の多発(ナイフの携帯なんてケースも!)中学や高校でそれまでに報告されてい
た学級崩壊が低年齢化し、小学校で授業中に歩き回ったり私語をやめない生徒が出るなど、
ついに小学校でも学級崩壊が見られるようになった。また、
「キレる」という言葉が一般化、
スクールカウンセラーが設置される原因に。家庭内でも児童虐待で命を落とす子供が出る
など、学校、家庭ともに荒れています。ちなみに、脱ゆとり→落ちこぼれ増加→非行の増
加という恐ろしい見込みがあったりするのです。くわばらくわばら。
校内暴力
1. 現象
a. 器物破損
b. 生徒間暴力
c. 対教師暴力
d. 体罰
a→b→c という形でエスカレートしていく、と理解されるの
が一般的。右のグラフに示される通り(勝手に拝借させて
いただきました)、1983 年がピークとなっているが、非連続
的急増を遂げている。1985 年には青森県で中学三年生が教師を殺害した事件、1998 年には
栃木県の中学校で女性教諭が殺害された事件が起こっている。近年は再び増加傾向にある
そうだ。なお、補足しておくと対教師暴力で補導される学生のうち、98%が中学生であるこ
とも付け足しておく。
a. 器物破損(School Vandalism)←バンダル人の故事に由来
以下のような四種類が存在。
・放置→掃除をしない、吸い殻やごみの投げ捨て、教室内につばを吐くなど
・破損→掃除道具、ロッカー、トイレ、錠などの破損
・落書き→ペン、スプレーなどによる落書き(昔流行ったのが「日教組撲滅」)
、誹謗、ボ
ールや靴の汚れをそのままにする。
・破壊→ガラスへの投石、教室の破壊、火災報知機、消火器へのいたずら
b. 生徒間暴力
以下のように、段階的に進むものと考えられている。
前提として、非行に対して生徒が持つイメージが「ふつうは暴力事件に巻き込まれる確率
が高くなるので避けるべきものだが、「カッコいい」という風にうつってしまう」というも
のであることをおさえておきたい。
① 校外非行集団との接触(ゲーセン、盛り場など)
② 金品の強要される(カンパなどの手段で)
③ 校内侵入(運動会、文化祭など部外者も入れる機会を狙う。)
④ 抗争←この時点までは非行少年は「被害者」の側に立っていると言ってもいい。
⑤ 校内非行集団結成(自衛のため)
他への優越感、教員に叱られなくなる、いじめられない、集団内の仲が良くて楽しい
…などなどのアピールポイントから、人数増大。
⑥ 正常集団を巻き込む(中傷、野次、攻撃)
こうした攻撃の対象は主に「正義感のある子」や「先生の言うことをよく」などで、
「そ
んな正義は偽善だ」とか、「マジメ、カッコワルイ」的な誹謗中傷を行い、彼らを孤立
させていく。
⑦ 弱い者いじめ(力の誇示、周りへの威嚇)
⑧ 中間層の迎合(見て見ぬふりをする層)
⑨ 玉突き現象(被害者の加害者化)
⑩ 二次的非行
例えば、使いっぱしりされた人間が非行集団の指示で他の人間に暴力をふるったり、
集金マシーンとして働かされたりする。具体的な例としては、親の退職金を持ち出さ
せた事件や、5 千万円が集団に貢がれたという事件がある。
なお、校内暴力が原因で自殺する生徒は、この立場の生徒が多い→周りの目から見る
と「あいつも非行集団に所属している」という風にうつるため、頼れる人間を見つけ
られないことが理由としてあげられる。
非行集団の脱落防止策(「やっぱやめます」を許さないってことね)
・不良顕示スタイル
服装、髪形を変えさせる、あるいは変えること。
この他にも、根性焼き、リンチなどなど
c. 対教師暴力
こちらも段階的に進む
① 規則の段階的違反
② 合理化
これは、先生ごとに規則違反に対する注意の度合いが違うことを利用して行われる。
例えば、校則にうるさい先生を A、そうでもない先生を B とする。ある生徒が制服を着
崩して登校した際に、最初に B 先生とすれ違ったが、なにも言われなかった。その後
に A 先生とすれ違い、指導を受けたが、「B 先生は何も言わなかったのに、なんで A 先
生はオレを叱るんだ」的な反論をする。特に、力関係が A<B だった際にはこれは大き
な効果を持ち、A 先生の指導の矛先は鈍ることとなる。
③ 公然化←ここで終わることが多かったが、80 年代からは急進化・発展
④ 授業妨害→教室の無秩序化、弱そうな先生からスタートさせる。
⑤ 衝動的対教師暴力
授業妨害などを通した教師への挑発行動→これに乗ってきた教師に対して暴力
⑥ 挑発的行動
特定の教師に対する挑発、教科書燃やす、プリントを飛ばすなど→暴力
⑦ 計画的対教師暴力
あらかじめ生徒間で「今日はこいつをシメよう」と決めておき、教師の注意や体罰を
誘う。これをきっかけとして複数の生徒で袋叩きにする。→教師の指導力の限界点。
多勢に無勢なために職員室に逃げ込んでも、職員室を包囲されたり、放送室を占拠さ
れたり、校長が軟禁される等の事態が発生した。
⑧ 警察の介入
80 年代の中学校→中学校教師は「命がけの職業」とまで言われた。うつ病の教師や離職す
る教師が急増。
学校側の取り組みとその限界
クラス
放っておくと派閥ができる。先生は班作り、グループ作り、リーダ
ー作りにより、人をつないでいく。
クラス
だいたい私立
の学校に行っ
てしまう
非行集団
もとは普通だったが
非行集団に取り込まれた
クラスの絆が切れてく
る
スケープゴート
玉突き現象(被害者の加害者化)
…いじめられている人が別の人を
いじめる。周りから非行集団と見
られているが被害者である。深刻。
見て見ぬふり
2.原因と対策
大きな原因としては、「非行に対する誘因」が
増加したことと、「非行に対する抑止力」が低
誘因の増加 ↑
抑止力の低下↓
外的要因
①
③
内的要因
②
⑤
下したことがあげられる。
① 外的要因の増大
中学校の番長グループ等の
非行少年は暴走族など、地
域の非行の OB(同じ中学校
出身とか)等に人員や上納
金を提供するとともに(脅迫が行われる場合もある)、他の中学校と対立したり教師
に逆らったりするときに必要な力の享受や方法の指導などが行われたりする。参考
までに、同じ関係が暴走族と暴力団の関係に関しても当てはまる。例えば、暴走族
にいられるのは 3 年くらいであり、18 歳になると、足を洗うか暴力団に加わるか
どちらかの選択を迫られた。
→学校が荒れた原因としては、暴走族に対する取り締まりが強くなった(80 年代、
道路交通法の改正)ために暴走族の資金を学校の非行少年たちに求めたことや、非
行少年自身も進んで暴走族に入るようになったことなどがあげられる。こうした関
係は学区制をとるために地域の影響を受けやすい公立中学校に多いとされる。なお、
上納金を集められなかった暴走族たちによって「女子高生コンクリート生き埋め事
件」(1990 年)が起こされた。
<学校側の対策>
1. 非行集団との接触を断つ→地域巡回、オートバイの 3 ない運動
オートバイの 3 ない運動とは、高校生を対象した運動で、
「(免許を)とらない、
(単車に)
乗らない、乗らせない」をスローガンとする運動。オートバイつながりで暴走族との接触
が生まれると考えられたために進められた。
2. 番長集団の解散→多くの場合は卒業するのを待つしかない(退学は使えない)
3. 引き継ぎ阻止→学年間の交流を制限
極端な例としては、学年ごとに入口を隔離した学校もある。
<比較>
小学校の縦割り→いじめ対策として導入。高学年に異学年のいさかい等の解決をす
る能力を求める。
② 内的要因の増大
欲求不満から来る暴力
学校への不満
1. 学業不振→教師への恨み
非行によって補導された生徒の 8 割程度が学力下位層、2 割程度が中位層
2. 自己評価の低さ
「自分はだめなやつだ」と公言する生徒ほど非行に走りやすいと言えるらしい
3. 将来への展望の喪失
「今が楽しければいい、真面目に生きてるやつはむしろかわいそうだ」という思
考。中には、
「30 歳くらいまで生きて、後は死んでもしまっていいから」と非行
に走る生徒もいるそうな。普通の思考としては「非行=将来を失う」と考えるの
で、歯止めがかかるはず…。
<対策>
1.「わかる授業」
2.肯定的な自己像の育成→この対策の例としては、とある小学校ではクラス内
の生徒の誕生日が近付くと、他の生徒たちに「○○君・さん(お誕生日の子)の
長所」というテーマの作文を書かせて、その生徒にプレゼントしたらしい。
3.進路指導…進学指導ではない指導。これにプラスして、教育カウンセリング
実施を行うところもあった。
③外的抑止力の低下
前提としては、もともと教師の間の共通認識では学校内に非行が入ってくるとい
う認識はなかった。
・学校=教育と言葉を通した間接的抑止力
家庭=しつけを通した間接的抑止力
暴力を直接的に止められるのは警察だけ。
しかしながら、70 パーセント近くの家庭では放任主義がとられている←家庭に
おける抑止力の低下
<対策>
1. 非行の手口や対応の研究
静止の言葉や役割分担などの指導マニュアルを作成
2. 毅然とした態度
教師間の対応の差をなくし、悪いことは悪いと足並みをそろえて言えるように
する。ただし、体罰の行使は非行集団をいたずらに刺激しかねないので極力控
える。
3. 学校と家庭との連携を強化する
4. 非行の早期発見、早期指導
ただし、以上の対策が過剰になると管理教育になってしまうという危険性もあ
る。
④内的抑止力の低下
内的抑止力=非行に対するうちなる歯止めのこと
→規範意識、道徳意識のこと。こういったものが、他人のことを思いやれなか
ったり様々なことに我慢できなかったりする自己中心性とか、ゆがんだ目立ち
たがりの気持ち等から生まれる自己顕示欲によって低下してしまう。
<対策>
学校で暴力否定宣言を出す、民主的な生徒会を運営させてみる、部活動を活性
化させてみる、などなど
他には、非行少年の多くが大勢の中では威張るが、1 対 1 で話をすると案外素
直になると言う事例がいくつかあり、教師と生徒の個人指導が有効となる場合
もある。
体罰
体罰に関する立場は右記のように、大きく分け
て 4 つのタイプが存在する。
禁止論
許容論
形式的
①
②
現場的
④
③
①形式的禁止論
・学校教育法 11 条で体罰は禁止→ただし、叱責などの懲戒はOK。
・生徒の人権侵害
・体罰は単なる暴行
①罰則
②点検
③規則の制定
早期発見、早期指導
ハードな管理
手帳に規則等を載せておく
ソフトな管理
近年はソフトな管理へと移行しつつある。
②形式的許容論
愛のムチ論→この論のために、体罰による死亡事件が無罪になった
その理由は、
「教員の行動はスキンシップよりやや強度なものにとどまり
り、教育効果あり」と判断されたため。=スキンシップ判決
限定容認国の存在→教師は”in loco parentis”(親の立場で)
すなわち、親の代わりに体罰を行使することができる。ただし、以下の条件を満たさな
ければならない。
1.体罰の理由があらかじめ決まっている
2.方法があらかじめ決まっている
3.体罰を加える身体部位
4.体罰ができるのは、校長、あるいは校長が認めた人
5.中立の第三者が必要&体罰の現場を他の生徒には見せない
6.記録をつける
しつけ委任論
→かつては「勉強」と「しつけ」を住み分け。現代では、「学校で叱ってほしい」という
要望が強い。叱れない親、急増中?体罰を望む強さは以下の通り
親>先生>生徒
③現場的許容論
非行、授業の荒れ。以下のようなものに対する抑止力としての働きを求める。
授業不成立<規則違反<生徒間暴力・いじめ<対教師暴力
授業三悪=遅刻、おしゃべり、忘れ物
<参考>
1985 年の NHK 教員アンケート→62%が「過去一年に体罰をした」と回答
その理由 best5
1位
おしゃべり 2 位 規則違反 3 位 指導に従わない 4 位 非行・暴力 5 位 ケンカ
④現場的禁止論
非行・荒れ
体罰によらない非行対策
求められているのは
体罰
いじめ
弱い教師への反抗
a.倫理的要求
放任
倫理的要求
体罰
放任や体罰など、偏ったもので強制するのではなく、生徒本人の「悪い事は悪い」という
倫理的要求に働きかけるよう、毅然とした態度で接するのが重要。
b.わかる授業
「非体罰宣言」、学校通信(親にも読んでもらう)、掃除等の集団行動も一つのカギ。