中国商標審決集 - 三協国際特許事務所

三協国際特許事務所
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2002.11.1
中国商標審決集
1.顕著性に関する審決例
2.類似性に関する審決例
3. 公序良俗に関する審決例
作成者:今道
略
幸夫
歴:1972年
1972年
(三協国際特許事務所外国部
部長)
府立工業高等専門学校卒業
小谷特許事務所(現
三協国際特許事務所)入所
入所以来、外国特許出願業務を担当する。
英語、中国語を話すトリリンガルとして通訳、契約交渉も行なう。
尚、現在、韓国語も勉強中。
中国商標審決に関する日本語の文献、情報が少ないことから、実務において中国での商
標登録可能性の判断を行なうことが難しいのが現状です。そこで今回、中国での商標登録
可能性の判断材料の一助となればとの思いから、審決事例を公開致します。
また現在も審決事例の収集・分類を行なっておりますので、随時審決集を更新致します。
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1.著性に関する審決例
審決番号:(1995)商評字第39号
審決日:
1995年1月23日
商品分類:第3類、せっけん
拒絶理由: 出願商標は3つの英文から構成されている。そ
れらに内在的な関係はなく、多重の商標から構成されてお
り、顕著性に欠ける。
再審請求理由:出願商標は図形と文字からなる商標である。
「XS」は「EX−CESS」を短縮したもので「PAC
O RABANNE」は会社名の一部であり、使用商品の生産者を意味し、3
つの部分は密接な内在的関係があり、関係がないとは言えない。
審決理由: 出願商標は細い実線の枠で囲まれた3部分の文字で構成されてい
る。上半部は意味のないローマ字「EXCESS」とその美術的処理によって
短縮された「XS」で、下半部の文字「PACO RABANNE」は出願人
の会社名の主要部分である。3部分は一つの全体をなし、商品の出所を識別す
る目的を果たし、商標の特徴を備えている。
審決番号:(1995)商評字第322号
審決日:
1995年5月5日
商品分類:第25類、衣服
拒絶理由:「CLUB」の中国語の意味は「倶楽部」である。これを商標に用いた
場合
消費者は企業名称と考える恐れがある
従って
登録は認められない
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再審請求理由:本件商標は、問題の文字を除いても、他の文字と簡単な図形で
商標全体が構成され、人に深い印象を与える。「HYPPO CLUB」は虚構であり、
句全体からなる商標には顕著性がある。
審決理由:出願商標は一つの長方形枠の中に文字「HYPPO CLUB」が入れられて
いる。その表現形式は、全体で商品の出所を区別することができる。従って、
この商標には顕著性がある。
審決番号:(1995)商評字第42号
審決日:
1995年1月23日
商品分類:第25類、衣服
拒絶理由:出願商標は商品の宣伝用語である。商標と
しての顕著性がない。
再審請求理由:出願商標は「音楽の愛のため(FOR THE LOVE OF MUSIC)」
という意味を有している。この商標が使用される商品、即ち衣服、帽子を暗示
していない。従って、商品の宣伝にはならない。そのうえ、商標法に、このよ
うな句が商標にならないという規定はない。消費者は商品の出所を容易に識別
できる。
審決理由:出願商標は、「FOR THE LOVE OF MUSIC」とハート型の図形とで
構成されている。「音楽の愛のため」と言う語は、音楽に対する一つの情感を
表しているだけで、指定された商品の宣伝にはなっていない。衣服の商標とし
て、この短い句は識別力を有する。
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審決番号:(1995)商評字第282号
審決日:
1995年4月21日
商品分類:第7類、ミシン
拒絶理由:出願商標は商品の装飾的な外枠であり、
商標としての顕著性が乏しい。
再審請求理由:出願商標は、翼を大きく広げて飛んでいる蝶々を抽象的に表現
し、またひとつの生地を裁縫してできた美しいかたちを表した図形である。
審決理由:出願商標は蝶々の抽象的な図形であり、消費者が他の商品と識別で
きる、商標に必要な顕著性を備えている。
審決番号:(1995)商評字第316号
審決日:
1995年5月5日
商品分類:第5類、殺虫剤
拒絶理由:この商標は叙述的であり、顕著性に欠ける。
再審請求理由:殺虫剤に使用した商標「最後の晩餐」は具体性に富み、商品の
使用効果を暗示しているが、商品を直接叙述していない。商標としての顕著性
を備えている。
審決理由:「最後の晩餐」は通俗的で分かりやすく、読みやすい。家庭の害虫
を駆除する商品に用いると、生き生きした感覚を与え、聞きやすく、書きやす
く、覚えやすく、商標としての顕著性を備えている。
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審決番号:(1995)商評字第415号
審決日:
1995年5月8日
商品分類:第5類、医薬品
拒絶理由:出願商標は直接商品の用途を示しており、顕著性がない。
再審請求理由:出願人は30年来一貫して中国と良好な取り引きを行ってきた。
出願商標と対応する英文商標「NEUROTROPIN」は1981年に既に中国で登録さ
れている。薬品商標は一般的にある程度の暗示性を備えており、これは商標法
と対立するものではない。本件商標はこの種の商標の一つである。
審決理由:出願商標の「妥楽平」の三文字は明確な概念はない。しかし、「神
経」の二文字は人体組織の一つであり、薬品商標に用いた場合、明らかに用途
を示す。従って、出願商標は用途作用を直接説明しており、登録は認められな
い。
審決番号:(1995)商評字第243号
審決日:
1995年3月29日
商品分類:第16類、印刷品
拒絶理由:「Photo CD」は商品の普通名称である。顕著性がない。
再審請求理由:出願商標は「Photo CD」という一体一連のもので、写真という
意味は全く含まれていない。たとえ二つに分けて、写真を意味する「Photo」を
紙、書籍、各種の印刷品等の商品に用いても、これらの商品は写真の機能、用
途を備えていない。従って、商標が用いられる商品と商標それ自身とは如何な
る関係もない。
審決理由:出願商標「Photo CD」はレーザーディスク盤写真の意味があり、レ
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を表すことになる。因って、拒絶すべきである。
審決番号:(1995)商評字第335号
審決日:
1995年5月5日
商品分類:第25類、靴
拒絶理由:この図形は指定商品の一般的な図形であ
り、顕著性がない。
再審請求理由:我々が保護を求めているのは商標の中の球形であり、この商標
の使用形態、使用位置である。想像線で描かれた靴ではない。このような独特
な設計は既に本出願人の重要な標識の一つになっている。広範な消費者によく
知られおり、消費者がこの商標を見れば、直ぐに本出願人の商品を連想するこ
とができる。
審決理由:出願商標は想像線を用いて簡単に描いた一個の運動靴の図形であり、
その図形と指定商品の一般的な図形と本質的な区別はない。構図線の表現方法
にいくつかの相違がある。しかし、靴の図形を商標とし、それを靴に使用した
場合、他の同類の商品の一般的な図形とその図形とを消費者が区別することは
できない。商標局の拒絶は妥当である。
審決番号:(1995)商評字第66号
審決日:
1995年3月24日
商品分類:第9類、眼鏡レンズ
拒絶理由:出願商標は国名に学科名を付加したもので、顕著性に欠ける。国名
は商標或いは商標の一部に用いることはできない。
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再審請求理由:出願商標は出願人の会社名の一部であり、出願人は世界で最も
著名な眼鏡製造会社の一つである。出願商標は既に消費者に高い信用を得てい
る。出願商標は、「アメリカ風、アメリカ式」の意味を表し、国名、学科名で
はない。出願商標は隠喩的な意味を有し、顕著性を備えている。
審決理由: 出願商標中の「美国」「AMERICA」という語が消費者に与える第一
の概念は、疑いもなく、産地、生産国の意味である。しかも、「光学」「OPTICAL」
は商品と不可分一体の関係にある。たとえ全体から見て「アメリカ風」の意味
があっても、顕著性はない。商品の出所が明確でない。因って、出願商標は登
録に必要な顕著性に欠ける。
審決番号:(1995)商評字第125号
審決日:
1995年3月24日
商品分類:第9類、ポケットベル
拒絶理由:この商標は「呼出しが容易」を意味し、ポケットベル等の商品に用
いると、商品の用途、機能等の特徴を直接に表す。
再審請求理由:英文で「呼出しが容易」の意味を正確に表すには、
「EASY TO CALL」
または「EASY OF CALLING」としなければならない。「EASY CALL」ではない。
「EASY CALL」を、「呼出しが容易」と理解することは、英語の文法に違反する。
出願人は、本件商標の全体について専用権を要求しているのであり、本件商標
の「EASY」部分や「CALL」部分に専用権を要求しているのではない。
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る。その組み合わせ方は英語の文法と多少相違するが、その意味は変わってい
ない。「EASY CALL」をポケットベルの商標とすることは、その商品の特徴を直
接に表すことになり、顕著性がない。
審決番号:(1995)商評字第6号
審決日:
1995年1月23日
商品分類:第1類、シリコン含有化成品、第17類、エマル
ジョン
拒絶理由:この商標は複雑すぎて、識別できない。顕著性に
欠ける。「SILICONE」という語を用いて指定商品の商標とし
ている。この語は商品の普通名称である。
再審請求理由:出願商標の全体の構成は、登録商標「PHODORSIL」を基礎にして
いる。数年来、消費者は独特の味わいを持った本件商標の構成によって我社の
商品を既に識別して来ている。従って、本件商標は十分に顕著性を備えている。
審決理由: 出願商標は上下に配置した幾つかの部分から構成されている。その
中の「SILICONE」という語は「シリコン」を意味し、商標の主要な構成部分で
ある。シリコンを含んだ化成品に使用され、指定商品の原料を直接に表示して
いる。全体の構成は複雑であり、消費者が識別するのは容易ではない。因って、
商標局の拒絶は妥当である。
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審決番号:(1995)商評字第714号
審決日:
1995年7月15日
商品分類:第1類、シリコン含有化成品、第17類、エマ
ルジョン
拒絶理由:「333」は型番と誤って人々に認識させる惧
れがある。この商標は複雑すぎ、顕著性に欠ける。
再審請求理由:一つの商標が顕著性を備えているかどうか
を判断するには、商標全体を見なければならない。この商標は数字と図形の組
み合わされたものである。商標「RHODORSIL」は中国および世界の多くの国で登
録されている。全体から見て、この商標は複雑でなく、十分な顕著性を備えて
いる。
審決理由:出願商標は、「RHODORSIL 333」の文字以外に、多くの文字と図
形を有している。その中に「SILICONE」という語があり、この語は有機珪素化
合物の意味がある。この語が商標の一部を構成しており、指定商品に対して消
費者に誤解を生み可能性がある。商標を構成する要素が多い。そのため、識別
が容易でなく、商標に必要な顕著性に欠ける。
審決番号:(1995)商評字第327号
審決日:
1995年5月5日
商品分類:第16類、紙
拒絶理由:出願商標は極めて簡単な幾何図形であり、顕著
性がない。
再審請求理由:この図形は4本の直線からなる。それらの長さは異なる。通常
見られない独特の図形を形成している。他の商標と識別可能な顕著な特徴を有
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審決理由:出願商標は一本の細い実線で構成された図形で、未完成な四角形の
ようなかたちになっている。この商標の構図はあまりに簡単である。消費者が
識別するには不十分である。従って、商標に必要な顕著性は備えていない。
審決番号:(1995)商評字第122号
審決日:
1995年3月24日
拒絶理由:「牛乳公司」は企業名称であり、顕著性
がない。「牛乳」は商品の原料を表す。
再審請求理由:「牛乳公司」は企業名称ではなく商標である。出願人の企業名
称は、「牛乳有限公司」である。商品および広告で、「牛乳公司」は商標であ
ると明確に表示しており、また企業名称は商標登録できないと規定した条文は
どこにもない。「牛乳公司」は著名な商標で消費者によく知られており、同業
者の商品と混同することはない。
審決理由:「牛乳公司」は出願人の企業名称の一部である。我国の商標法には、
企業名称は商標登録できないと規定した条文はないが、登録商標に使用する文
字、図形、およびそれらの組合せは顕著な特徴を備えていなければならない、
と法律は明確に規定している。出願人は乳製品の生産を主な業務とする会社で
ある。「牛乳」、「公司」の二つの語は、同業者が最も普遍的に使う語である。
それらを組み合わせて、乳製品(アイスクリーム等)の商標とすることは、消
費者が出願人と他の乳製品の会社を区別するには不十分である。従って、本商
標に顕著性はない。
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2.類似性に関する審決例
審決番号:(1996)商評字第229号
審決日:
1996年4月5日
商品分類:第25類、衣服
拒絶理由:出願商標は、同一商品に使用される先商標出願第764027号の
図形商標と類似する。
再審請求理由:出願商標は4人の兄弟の頭の像によって構成されている。引用
商標は、男女二人の頭の像によって構成されている。両商標は向きが異なり、
外観に差異があり、品格も異なる。
審決理由:出願商標と引用商標の指定商品は衣服であり、商品は同一又は類似
する。両商標は円形構造の図形商標である。内部に人頭の像があるが、男女の
識別は容易ではない。出願商標は二つの人頭の側面像であり、4人の兄弟の人
頭像でないことが容易に認識できる。引用商標も二つの人頭像である。両商標
の人頭像の違いは、方向の相違だけである。これによって、両商標は消費者に
容易に混同を生じ、同一或いは類似商品に使用される類似商標であると判定す
べきである。
審決番号:(1995)商
評字第330号
審決日:
5日
1995年5月
商品分類:第9類、コンピュータ
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ている。
再審請求理由:出願商標と引用商標は、「国」の文字は同一であるが、「喬」
と「橋」は大きく異なる。「橋」は橋梁の意味であり、「喬」にはそのような
意味はない。両商標の文字が類似していても、消費者は容易に両商標を区別す
ることができる。
審決理由:出願商標の「国喬」と引用商標の「国橋」は称呼が同一であり、「喬」
と「橋」は字形が類似しており、両商標の文字の全体の意味は区別できず、両
商標は類似する。類似商品に類似商標を使用すると、消費者に混同を生じる。
従って、出願商標は拒絶すべきである。
審決番号:(1995)商評字第135号
審決日:
1995年3月24日
商品分類:第30類、うどん
拒絶理由:出願商標の「鴛鴦/図」は、先に出願されているマ
レシア小麦粉有限公司の文字商標「鴛鴦(おしどり)」と同一
である。
再審請求理由:引用商標の「LOVEBIRDS」は「鴛鴦」の直訳ではない。「鴛鴦」
の英訳は「MANDARIANDUCK」であり、「LOVEBIRDS」ではない。両商標は、直接
観察及び意味のおいて類似していない。
審決理由:出願商標は、漢字「鴛鴦」及び鴛鴦の図形からなり、引用商標は、
英文の「LOVEBIRDS(性鳥)」と鴛鴦の図形からなる。両商標の文字は直接対応
していない。ただし、図形が示す事物は同一である。「LOVEBIRDS(性鳥)」は
一種類の鳥を一般的に意味する。それと「鴛鴦」の図形を組み合わせた場合、
消費者は出願商標の「鴛鴦」と容易に識別できず、出所の混同を生じ、また両
商標は類似の商品に使用されており、類似する。
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審決番号:(1995)商評字第154号
審決日:
1995年3月24日
商品分類:第25類、衣服
拒絶理由:先に登録されている廈門市適時工貿公司の「適時/図」商標と類似
する。
再審請求理由:両商標に描かれている地球の図形は付属的なものであり、特徴
部分ではない。両商標を全体的に見た場合、類似していない。
審決理由:出願商標の図形と引用商標の図形は、全体的には異なった構成であ
る。両商標とも部分的に地球の図形を有するが、全体的にはそれぞれ顕著な特
徴を有しており、類似していない。
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3.公序良俗に関する審決例
審決番号:(1995)商評字第
128号
審決日:
1995年3月24日
商品分類:第3類、香水
拒絶理由: 「CALIFORNIA」とアメリカのカルフォルニア州の名称と
同一である。
再審請求理由:出願商標は商標構成の一種である。意味は、「カルフォルニア
州の涼しい地方」である。文法から見て、商標の主要部は「COOL」であり、
「CALIFORNIA」は、修飾作用を果たすのみで、これらの結合には顕
著性がある。
審決理由:出願商標の「CALIFORNIA COOL」は印刷体形式の文
字商標である。「CALIFORNIA」と「COOL」の組み合わせは、よ
く使用される結合であり、規定の連語を形成していない。「CALIFORN
IA」の意味は「カルフォルニア」であり、公衆に知られた外国地名に属する。
因って、拒絶が妥当である。
審決番号:(1995)商評字第224号
審決日:
1995年3月29日
商品分類:第30類、パン
拒絶理由:台湾は地名であり、商標登録はできない。
再審請求理由:出願商標は「新台湾」であり、台湾
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ではない。出願商標には図形がある。「新台湾」は出願人が創作し使用したも
のであり、1964 年台湾で登録され、商標としての歴史も長く、信用もある。
審決理由:出願商標の文字部分は「新台湾 NEW TAIWAN」と成っていて、「台湾
TAIWAN」が含まれている。これによって、この商標は省級の行政区画名称を使
用しており、商標法第8条によって、拒絶すべきものと考える。
審決番号:(1995)商評字第239号
審決日:
1995年3月29日
商品分類:第25類、衣服
拒絶理由:出願商標はエジプトの有名なピ
ラミッドを表し、これを商標として使用することは、社会に悪い影響を与える。
再審請求理由:エジプトとわが国は友好国であり、両国とも古代文明を有する。
エジプトのピラミッドを商標として使用することは、両国民の友好交流を促進
し、良い影響を生じる。
審決理由:出願商標「PYRAMIDと図形」はエジプトのピラミッドを表し
ている。エジプトのピラミッドは世界的に珍しく貴重なものである。それを宣
伝しても、社会に悪い影響を与えるとは思われない。出願商標を使用しても、
わが国の消費者に生産地がエジプトであるというような誤った認識を生じるこ
とはない。社会に好ましくない影響を与えない。登録すべきである。
審決番号:(1995)商評字第255号
審決日:
1995年3月29日
商品分類:第9類、録音済レコード
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拒絶理由:出願商標の図形は世界地図であり、これを商標として用いることは、
好ましくない影響を生じ易い。
再審請求理由:出願商標の中の世界地図は単なる装飾的な図形であり、世界を
抽象的に表現している。 商標の識別能力を高めるためだけであり、なんら政
治的意図はなく、社会や消費者の利益を害することは決してない。
審決理由:出願商標の図形は単なる装飾図形であって、厳密的な世界地図では
ない。この図形が消費者に政治的な意味を与えることはない。従って、社会に
対して好ましくない影響を与えることはない。登録すべきある。
審決番号:(1996)商評字第1383号
審決日:
1996年7月10日
商品分類:第33類、酒
拒絶理由:この商標には人を蔑視する意味があり、
商標として用いることは好ましくない影響を生じ
る。
再審請求理由:「郷巴老」には人を低く評価する意
味はない。酒に使用して、本来の自然な状態を回復するというニュアンスがあ
る。この商標は、農民自らが謙った言葉であり、出願人の会社全体の希望でも
ある。この言葉は農民の善意を称賛するものであり、悪い影響は全くない。こ
の言葉は民間伝承からきている。
審決理由:商品は市場に一端流入すると、多数の消費者と対面する。消費者は
「郷巴老」という語に込められた出願人の希望は決して理解されない。客観的
に見た場合、「郷巴老」は農民に対する蔑称である。農民を尊敬しないという
ことが反映されている。それを商標に用いることは、悪い影響を与える。因っ
て、「郷巴老」は拒絶すべきである。
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審決番号:(1995)商評字第142号
審決日:
1995年3月24日
商品分類:第32類、無酒精飲料
拒絶理由:「聖母」はキリスト教徒がイエスの母マリアを
呼ぶ時の呼び名であり、それを商標に使用することは好ましくない影響を与え
る。
再審請求理由:出願人の製品は無酒精飲料であり、母乳と同様に甘く口あたり
のよいものである。聖母のような愛を体現している。宗教的な色彩はなく、「聖
母」を商標に用いることによって、消費者に商品に対してさらに良い印象を与
えることができる。
審決理由:出願商標の「聖母」は聖母マリアを意味する。このような称呼と図
形で商標を作り、商業活動に広く用いることは好ましくない影響を与える。因
って、商標局の拒絶は妥当である。
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