ダーツを投げる際に腕にはたらく力のモーメントの計算 龍谷大学 理工学部 T090010 数理情報学科 岩本 指導教員 知朗 飯田晋司 概要 私がこの研究テーマを選んだ理由は、この 4 年ほどダーツをしているので、ダーツをど う投げるのが一番良いかに興味を持ったからである。 ダーツとは室内競技の一種で、ダーツボードと呼ばれる 30 センチから 40 センチの円形 の的に、一定の距離(244cm)から手投げの矢(ダート、複数形がダーツ)を投げ、得ら れた得点により優劣を競う射的競技である。矢はポイントと呼ばれる鏃(矢尻=やじり) に金属を用いたスティール・ティップ・ダーツとプラスティックを用いたソフトダーツが ある。カウントアップというゲームでは 1 ラウンド3投で交互に 8 ランウド行う。1投ご とに得点を加算していき、8 ラウンド(8ラウンド×3投=24投)での合計得点を競う。こ れは一番シンプルで簡単なゲームであるが、実力を計れるゲームでもある。 ダーツは手を放れた後は、ほぼ放物運動をする。オーストリアのダーツのチャンピオン による記事によれば、手を放す前にも放物線に沿ってダーツを加速するのが良い投げ方と 説明されている。なぜなら、ダーツを放すタイミングがずれてもダーツの軌道が変化しな いからである。そこで、この論文では、ダーツを放物線に沿うように投げる際に、肩や腕 の関節にどれだけ力のモーメントがはたらくかを、大学で習った、力学の知識を用いて調 べた。 この論文ではまず第 2 章で、与えられたダーツの放物運動から、腕がどう動くかを導い た。肩の位置は固定していると考え腕を2つのつながった棒と考えた。手首の運動は無視 した。与えられたダーツの位置からは、2 組の腕の配置が得られるが、実際の腕の配置に近 い方を選んだ。第3章で、多数の質点系の運動についてまとめた。質量中心の運動と角運 動量の時間変化について述べた。その後、剛体の回転運動について述べる。後で必要にな る剛体棒の慣性モーメントを計算した。第 4 章で、腕を2つのつながった棒と考え、棒の 運動方程式を研究室の過去の論文を参照してまとめた。運動方程式より、棒の運動が与え られれば、関節部にはたらく力のモーメントの値が計算できる。次に、第 5 章で、実際に ダーツを投げ、撮影した軌道から、ダーツの放物運動を抜き出した。カメラは EX-ZR300 (カ シオ)を用い、1コマ 1/480 s の撮影を行った。得られた動画の必要部分を抽出し、画像の ダーツの位置をマウスでクリックする毎に、その位置の座標をファイルに出力する過去の 卒業研究で使われた OpenCV のプログラムを用いた。得られたデータを 2 次曲線で近似し、 ダーツの放物線した。この放物運動からどれくらいの大きさの力のモーメントが腕にはた らくかを計算した。最後に第 6 章で全体をまとめる。 目次 1. はじめに 1 2. ダーツの運動 3 3. 質点系の運動 6 3-1 質量中心の運動 6 3-2 角運動量の時間変化 6 3-3 剛体の慣性モーメント 7 4. 2つのつながった棒の運動 9 5. ダーツを投げる際に腕にはたらく力のモーメント 14 6. おわりに 17 参考文献 18
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