様式7(国際交流助成・招聘 報告書) ( / ) 外国人研究者招聘 報告書 平成 財団法人 年 月 日 立石科学技術振興財団 御中 (助成金受領者) 所属機関 職 名 氏 名 豊橋技術技術大学 電気・電子工学系 ──────────────── 教授 ────────────── 石田 誠 印 ────────────── 1.招聘先研究集会名/機関名 The 26th SENSOR SYMPOSIUM 第26回センサ・マイクロマシンと応用システムシンポジウム 2.出張期間 平成 21 年 10 月 14日 ~ 平成 21 年 10月 16 日 3.報告(国際会議の重要性・規模・分野・参加人数・参加国・会議の状況・招聘者の発表論文の状 況と反応・その他をアピールして下さい。写真等の資料を添付してください。) 3.1 抄録 (当国際会議招聘の目的・意義と得られた成果/効果を700字以内で記述してください。本抄録は、 当財団発行の「成果集」に掲載を予定しています。) 「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムは1981年に第1回目を開催して以来、学・協会 を超えた研究グループ間の情報の交換、アイデアの討議の場として重要な役割を担っている。本会議はこ れまで、新たな社会ニーズの創造を目指して、新しい物理・化学現象や効果を生かした新センサ・マイク ロマシンおよびその基礎技術、センサの固体化、集積化、多機能化および新しい計測分野に望まれるセン サのインテリジェント化、それらに関連する信号処理技術、アクチュエータ、センサ応用システム、ユビ キタス情報ネットワークなど、エレクトロニクス・情報工学に関する先端的な研究に取組み、安全な社会、 安心な生活、豊かな地球環境、人々の健康に寄与してきた。第26回「センサ・マイクロマシンと応用シス テム」シンポジウムは平成21年10月15日(木)から10月16日(金)の2日間、東京都江戸川区タワーホー ル船堀で開催され、マイクロマシン分野における第一人者であるカリフォルニア大学バークレー校のC. T. C Ngyuen教授、イタリアSTマイクロのB. Vigna氏およびアメリカ・ジョージア工科大学Mark G. Alle n教授の3名を招聘し、招待講演を行った。本年は日本機械学会マイクロナノ工学専門会議、応用物理学会 集 平成21年度後期国際交流助成 (財)立石科学技術振興財団 ( / ) 積化MEMS技術研究会との協力により、同時開催シンポジウムが開催されるなど、国際色豊かに学会横断的 で活発な議論が展開された。 3.2 本文報告(国際会議の重要性・規模・分野・参加人数・参加国・会議の状況・招聘者の 発表論文の状況と反応・その他をアピールして下さい。写真等の資料を添付してくださ い。) 第26回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム(実行委員長 石田 誠:豊橋技術科 学大学)が平成21年10月15,16日の2日間,タワーホール船堀(東京都)で開催された。昨年25回の記念 大会を成功裏に開催したのを受け,今回はシンポジウムの新しい四半世紀の最初の年として,若干の手直 しを行い、国内での研究討議の場としての位置づけを明確にするため、予稿の原稿を基本的に日本語とし、 日本機械学会および応用物理学会主催の関連分野シンポジウムを同会場にて開催するなど、本分野の研究 発表,討論の場として日本最大規模の催しとしていくことを意図して、企画された。 今回のシンポジウムで発表された一般論文数は149件(速報含む)であり,招待講演,同時開催シンポ ジウムでの発表分を含めると220件の講演があった。参加者も全体で約420名となった。またカリフォルニ ア大学 Berkeley校のC. T.-C. Nguyen教授、STマイクロエレクトロニクス社のB. Vigna氏、ジョージア工 科大学Mark G. Allen教授による3件の招待講演が行われ好評であった。また本年は日本機械学会マイクロ ナノ工学専門会議、応用物理学会集積化MEMS技術研究会との協力により、同時開催シンポジウムを開催し、 開催シンポジウムを開催し、学際領域にあるセンサ、MEMS分野の研究者が一堂に会する国際色豊かで、学 平成21年度後期国際交流助成 (財)立石科学技術振興財団 ( / ) 会横断的で活発な議論の場となった。 招待講演ではカリフォルニア大学 Berkeley校のC. T.-C. Nguyen教授による"Integrated Micromechan ical RF Circuits for Software-Defined Cognitive Radio"と題された講演でがおこなわれた。ソフトウ ェア定義のコグニティブ無線システム実現に向けた、次世代振動式RF MEMSデバイスの研究で、MEMS技術 によってRF フロントエンド周波数ゲートによるスペクトル検出システム実現を目指す、最先端の研究成 果が本講演で披露された。 つづいてSTマイクロエレクトロニクス社Vigna氏による"MEMS Fusion Enables New Applications and Expands the Market "と題された発表では、MEMS(Micro Electro Mechanical System)によるモーショ ン検知技術を使ったデバイスのゲーム機器、携帯電話などへの搭載実績から、MEMSの大量生産化とコンス ーマ機器搭載の可能性について講演が行われた。従来MEMSデバイスは、エアバッグ用の衝突センサなど限 られたアプリケーションに使用されていたが、今後は小型でより堅牢かつ低消費電力、しかも非常に高性 能な新しい革新的な設計・開発を示唆する講演であった。 3人目の招待講演者であるジョージア工科大学のMark Allen教授による"MEMS for Medical Applicatio ns"と題した講演では,神経信号のモニタと刺激に用いられるマイクロ電極アレイ,解離性大動脈瘤の治 療と術後管理に用いられる長期埋め込み形の圧力センサ(Cardio MEMS)の開発についての興味深い解説 があった。 一般セッションでは物理センサ、触覚・加速度センサ、ケミカルセンサ などの従来のセンサをテーマ とするセッションをはじめ、バイオマイクロフルィディクス、バイオセンサ、セルオンチップなどバイオ 関連のセッションも多く見られたほか、MEMS加工や材料といったMEMSプロセス技術、MEMS材料と評価、ア クチュエータのセッションなど全部で12の分科会が開催され、また機械学会との合同ポスターセッション では130件のポスターによる発表が行われた。 例年時宜にかなったテーマを選んで企画セッションを行っているが、本年は「電気等価回路を用いたM EMS設計・解析」、「香りと人工現実感」、「RF-MEMS 」、「グリーンマイクロテクノロジ」の4本のテー マで企画セッションが開かれ、好評であった。 同時開催された日本機械学会マイクロナノ工学専門会議主催「マイクロ・ナノ工学シンポジウム」では 2つのキーノートセッションを開催した。ひとつは「機械工学分野のマイクロ・ナノ」と題し,機械学会 の基礎的部門からの研究者より話題提供を行い、活発な討論が行われた。電気系とは異なる視点からのマ 平成21年度後期国際交流助成 (財)立石科学技術振興財団 ( / ) イクロ・ナノ領域への取り組みに,大変興味を持ったという意見が多く聞かれた。2つめは「マイクロエ ネルギー」と題し,マイクロエネルギーに関する,今後の展望などについて活発な討論があった。また, 一般講演はすべて「センサシンポジウム」と合同のポスターセッションで行い,50件の発表があった。 内訳は,設計・製作技術,材料が10件,材料評価が5件,熱流体デバイスが13件,ポンプ/液滴・気泡駆動 が6件,アクチュエータ・フィジカルセンサが6件,バイオセンサ・システムが6件,ナノ・マイクロシス テムが4件であった。 もうひとつの同時開催シンポジウムとして応用物理学会 集積化MEMS技術研究会主催「集積化MEMSシン ポジウム」が開催された。主催の集積化MEMS技術研究会はMEMSとLSI両技術分野の融合を目指して平成20 年度に応用物理学会に設立された。応用物理学会ではシリコンデバイス,集積回路分野の研究活動が盛ん であり,そのなかで集積化MEMS技術研究会はCMOSに代表されるシリコンLSI技術に軸足を置いたMEMS研究 の議論の場として活動を行っている。今回のシンポジウムにおいても,LSIがもつ機能集積性を用いた各 種の集積化MEMSデバイス,ならびに回路解析技術を用いた新しいMEMS設計技術など,LSIとの融合性を高 めた最新のMEMS研究成果が発表された。本シンポジウムの招待講演は「More than Moore とMEMS」と題し て科学技術振興機構研究開発戦略センターの河村誠一郎氏にお願いし,微細化が進んだ今日の半導体集積 回路技術におけるMEMS融合・集積化技術の重要性と将来展望について,技術と社会背景の両面から議論が 行われた。一般講演は「回路および統合設計技術」,「プロセス&デバイス」,「プロセス&デバイス& 材料技術」の3セッションからなり,企業,大学等より合計11件の成果が口頭で発表された。 平成21年度後期国際交流助成 (財)立石科学技術振興財団 平成21年度後期国際交流助成 (財)立石科学技術振興財団
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