人と組織の経営革新 1 人と組織の革新 目次 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. なぜヒト重視の経営が要請されるのか ① なぜヒト重視の経営が要請されるのか ② 人と組織はどのような方向で変えていけばよいのか ① 人と組織はどのような方向で変えていけばよいのか ② 人と組織はどのような方向で変えていけばよいのか ③ 組織の活性化にかかる方策 ① 組織の活性化にかかる方策 ② 雇用と勤務形態の弾力化 ① 雇用と勤務形態の弾力化 ② 職能の革新から人事の革新へ ① 職能の革新から人事の革新へ ② 職能の革新から人事の革新へ ③ 職能の革新から人事の革新へ ④ 賃金制度の革新 2 1.なぜヒト重視の経営が要請されるのか ① 1. 市場と顧客の急速な変化がそれに対応できる人材の 創出を促す 環境変化や顧客ニーズの変化のスピードが高まる。これがそれに対応 して自律的に動ける人材を求めることになる 2. 今日の企業には突出した強みがもとめられる 人に体化した強みが、企業のもっとも突出した強みになりやすい 3. 他社との差別化の担い手がもとめられる 現場レベルで他社との差別化を実行するため、的確な問題解決や顧客 対応がもとめられ、それを担える人材が必要とされる 3 1.なぜヒト重視の経営が要請されるのか ② 4. 現場で高い顧客対応力が必要とされ、専門性や 問題解決力が現場レベルでも求められてくる 顧客と顧客ニーズの高度化についていける人材が現場 レベルで必要とされる 5. 今日的状況が働く意味を問うため 働く者のなかで、働くことを通じての自己成長をもとめる 傾向が高まる。仕事を自ら選びとる能動的な選択が一般 化する 4 2.人と組織はどのような方向で変えて いけばよいのか ① 1. 市場と顧客の激しい変化に対応できる組織に 切り換える 弾力的なかたちのプロジェクトチームの採用 独立的・自律的に行動できるチーム制の採用 2. 企業内部に市場的な流動性や評価の客観性 を取り込む ミスミにおけるチーム制の採用とそれに併せた市場的な 評価の仕組み 5 2.人と組織はどのような方向で変えて いけばよいのか ② 3. グローバル化に見合った人事制度づくりと人 材育成 トヨタ自動車におけるグローバル人事部の設置、グロー バル化に適応するための人材づくり 4. 現場における自律性の構築を重視する トヨタの自前主義の組織と人事 キーエンスにおける合理的な社内人間関係づくり オオゼキの個別分散仕入、現場における最小単位毎の 専門性を高める 6 2.人と組織はどのような方向で変えて いけばよいのか ③ 5. 個人の意欲を引き出す組織を志向する トヨタ:現場改革・カイゼン、若手社員の動機づけを含む現場研修 ローム:高額の報奨金がでる提案キャンペーン いきいき:多能工的に働く編集者、商品のユーザー兼企画開発者兼バイヤー 6. 働く者にとって魅力となるような働き方の提案 林原:人間主義的で独創性や独自性を重視した働き方 伊那食品工業:全社員参加の工場公園の清掃活動、あるいは会社の一大 プロジェクトとして取り組む海外社員旅行 7. 成果の評価尺度は納得性が高い キヤノン:キャッシュフロー経営→利益志向→評価尺度を一貫させる 7 3.組織の活性化にかかる方策 ① 1. 市場密着型で柔軟かつ弾力的な組織にする 日東電工:マーケティング立社、事業部別の営業体制から、業界別に再編成 した営業体制に切り換えた キーエンス、伊藤園、未来工業 営業重視で営業マンの比率が共通して高い 2. 組織の簡素化、フラット化、権限の分散委譲 サントリーは子会社で経営体験を積ませる 日清食品:課長制の廃止、SBU制の採用 3. 分社・分権化による現場活動の自律経営化 ベネッセコーポレーション:顧客別のカンパニー制 三洋化成工業分社的組織の導入、社員の動機づけ方策の組み合わせ 8 3.組織の活性化にかかる方策 ② 4. ガラス張り経営、組織のオープン化 日東電工:財務情報の社員への公開姿勢 しまむら:パート社員の戦略的活用、情報のオープン化政 策 5. 現場で問題解決ができる学習する組織にす る キーエンス:問題解決力を持った営業体制の構築 9 4.雇用と勤務形態の弾力化 ① 1. なぜ雇用と勤務形態が弾力化するのか 激しく変化する市場ニーズや高度化する顧客の要求に対し、正社員による通 常の勤務態勢では応えきれない 2. 雇用形態の多様化 基幹的な雇用形態と多様な雇用形態の組み合わせ ホンダ:ゲストエンジニア制度で取引先・関係先の技術者を活用する 3. 勤務形態の多様化・弾力化 10 4.雇用と勤務形態の弾力化 ② 4. 正社員と非正規社員の垣根を低くし、互いに 協働する力を引き出す しまむら:正社員とパートの垣根が低い。パート社員の提 案改善意欲は高い アスクル:派遣社員と連携して仕事の改善に取り組み、生 産性を引上げている 5. 複線型の人事制度の用意 日東電工:地域限定型の人事制度の導入 11 5.職能の革新から人事の革新へ ① 1. 個人にスポットをあてた職能開発を行なう ソニー:希望業務に自分の売り込みをかけられる制度、マイキャリア サーチ制度 花王:自主的なキャリア形成を支援し、人事考課項目に含める 三洋化成工業:社員が自ら設定する目標に挑戦するチャレンジ契約 制度 2. 評価システムの確立とオープンな人事考課 ホンダ:ホンダの精神を体現した行動ができるかどうかみるフィロソ フィー評価制度 花王:役員を対象にした360度評価 武田薬品工業:評価規準を明確にした成果主義の徹底 12 5.職能の革新から人事の革新へ ② 3. 採用活動の個性化・独自化、採用活動の革新 伊那食品工業:応募者をふるい落とす場というより、会社 のファンになってもらう場にする いきいき:選考基準 学生時代に熱中することはあったか 最後までやり抜けるか 物事を素直に受けとめられるか 編集やマーケティング調査、商談営業、商品開発、商品仕入、バ イヤー業務などの仕事を弾力的にこなせるか 13 5.職能の革新から人事の革新へ ③ 4. 個人の成長機会を確保し、自己成長意欲を 充足させる 林原:社員が仕事を通じて、社会から一流の人間と評価される施策を講 じる ソニー:特定業務に応募できる社内募集制度 サントリー:抜擢人事の積極的活用 セコム:現場リーダーをチェンジリーダーに任命し、下からの業務活性化 に努める キーエンス:若手社員の管理職試用制度の導入 三洋化成工業:研究開発者が自分の希望するテーマで経常的業務ライ ンから離れて研究できる制度導入 14 5.職能の革新から人事の革新へ ④ 5. 個人の成長を促す組織設計に努める キヤノン:時間外で組織風土の改革を狙って行なう話し合いのミーティング ソニー:グループレベルでの人材活用のため、人事情報システムキャストネットを 導入(2003年10月から) ベネッセコーポレーション:経営幹部との多角的なコニュニケーション方法の採用 6. 社員教育と全社的コミュニケーションの位置づけを 図る キヤノン:理念に重点を置いた研修プログラムの採用 セコム:教育を「最高の投資」と位置づけて、実施 伊那食品工業:経営幹部が「わが社の目的は何か」といったテーマで長 期の研修を行なう 15 6.賃金制度の革新 1. 成果主義・実力主義の採用 成果主義は上から適用する 2. 高賃金と高生産性の両立を目指す ローム:職種を大きく4つに分けて賃金管理 ミスミ:フリーエージェント制、チーム別の成果配分制、新 規事業に取り組み、成果を出したときにはボーナス支給 未来工業:労働時間の少なさ、長期の自由時間の多さ 3. めりはりのある報奨制度をイノベーションのイ ンセンティブにしていく 16
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